2005/05/05 | 2005/04/29 |
カラスノエンドウは、本州、四国、九州、沖縄に分布する一年草または多年草です。果実は熟すと真っ黒になるので、それを「カラス」にたとえてその名があります。この植物の特徴もいろいろとありますが、今回はその中の1つ、「腺体」についてです。カラスノエンドウの葉の付け根の方にある付属物、「托葉(たくよう)」には蜜を分泌する「腺体」があります。この構造は花の中の蜜腺に対して「花外蜜腺」と呼ばれています。
すでに「イタドリ」の花外蜜腺に来るアリの姿をご紹介済み。そのカラスノエンドウ編。
カラスノエンドウの花外蜜腺は、一度わかれば、見つけるのはもう簡単です。花の下の方、葉の付け根のあたりを見ればそこにあるヒレのような「托葉」の部分にあります。ちょっと茶色くなった部分がそれです。
花が咲き進むと、カラスノエンドウの花の近くや若いさやのあたりが、アリマキだらけになっていることがあります。近くにはアリもうろうろしています。カラスノエンドウの株の前でちょっと待っていると、ものの数分で茎にアリが登ってきます。こういうぼんやりした写真なら、気の短い筆者でも撮影可能です。
果実(豆果)がまだ若いうちは、蜜腺からもまだ、十分に蜜が出ているようです。茎を上下に移動しながら、あらゆる蜜腺に立ち寄って蜜をなめるアリの姿が見られます。しかし、後脚は何だかつっぱったようにずいぶん開脚しているんですね。
豆果が黒くすっかり熟くすと、そのうち勝手にパチン音をたてて弾け、中の種子が飛び散ります。そして、すでに中の種子も弾け飛んだあとは、茎も黄色く変色して枯れ始めます。それでも蜜腺の痕跡だけは一応、見ることもできます。とはいっても、さすがにもう蜜は出ていないのでしょう。アリの姿はありませんでした。
【和名】カラスノエンドウ [烏野豌豆]
【別名】ヤハズエンドウ
【学名】Vicia sativa subsp. nigra
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2005/04/29、2005/05/05、2005/05/14、2005/05/19
【撮影地】東京都日野市
■当ブログ内関連記事
→カラスノエンドウ
→カスマグサ
■Trackback People : 身近な生き物
【関連する記事】




わが庭にも沢山咲いています。
子供のころ、鞘から種を出して笛を鳴らして遊んだ
「ピーピー・・・と私たちは言っていたが。」ものかしら。。?
その頃の鞘はとても太っていたように思ったが、
家のはサヤエンドウのようにスマートですねぇ。
先ほどは素晴らしいコメントをありがとうございましたm(__)m。
アリさんシリーズですね(^^)。
子供のころに持っていた昆虫図鑑のアリの分類に、「のろま」とか「はや足」とか書いてあったのを思い出しました。
たとえばアシナガアリは「のろま」とか。
子供ごころに「のろま」とか言われてかわいそうやなーと。。。
そんなのありませんでしたっけ??
またまたお勉強に参りました。
この種子って、やっぱり弾け飛ぶんですね・・φ(.. )
チャンスがあったら、眺めてみたいです^^
こんにちは。
そうですね〜。そうやって、遊びました!
自分のところでは、「ピーピー豆」っていってましたよ。
こちらの近くで見るものも、若いマメは、サヤエンドウみたいです。それがだんだん熟してきて、太くなってきまよ。こちらでは、だいたい一通り咲いて、あちこちでマメが弾けてきています。
こんにちは!
きゃあ。またそんな素晴らしいだなんて。恥ずかしいですよぉ。
「のろま」って言葉は、いわれるとちょっと傷ついちゃいますね。これが図鑑の分類に使われてたなんて、知りませんでした。確かに、はや足のアリと、のろのろと動くアリがいるのは本当だけど。
これまで、植物については細かく名前を調べたい方だったのに、アリについては、ただ「アリ」としかわからなかったので、これからは調べるようにしようかなと思っていたところでした。
こんにちは^^
さやは弾けますよ。黒っぽくなってパンパンになったものはもうすぐです。さわるとパン!って弾けてビックリ!
さやが弾けてすぐはまだ種子(マメ)がついていることもあるのですが、これがなんだかウズラの卵みたいな模様があったりして、それもおもしろいですよぉ。
マメがなくなっちゃうと、さやがネジみたいにクルクル巻いて、いろいろ楽しめますね〜。
今日は3時過ぎから急に日差しが強くなったのですが、その頃に犬の散歩であぜ道を歩いていたら、カラスノエンドウの莢がピシン!ピシン!とあっちこっちではじけていました。まるでゴマを炒る音を聞くようでした。なんだか楽しい気持ちになりました。
こんにちは。
日差しが強くなると、乾燥して弾けやすそう。さやが弾ける音、ゴマを炒るような音って、いい表現ですね〜。自然が奏でる音って、気づかないときも多いですが、ときどき耳を澄まして聴いて見るのもいいものですね。