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スズメノエンドウは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、道ばたや土手、畑などに生えるつる性の一年草または越年草です。カラスノエンドウよりも全体にずっと小型なので、スズメノエンドウといいます。
葉は互生。複数の小さな葉(小葉)でできた羽状複葉で、6対〜7対の小葉があります。1つ1つの小葉は幅の狭い卵形で、先は少しへこんで、長さは1cm〜1.5cm程度。縁にはギザギザ(鋸歯)はありません。カラスノエンドウよりはずっと小さく、カスマグサより小葉の幅は狭いですが、小葉の数は多め。
複葉の先は巻きひげになり、巻きひげは数本にわかれます。この巻きひげは小葉の変形したものです。つまり複葉のてっぺんの小葉(頂小葉)が巻きひげに置きかわったものと考えられていて、こういう葉のことを「巻きひげ羽状複葉」といったりします。こう考えると小葉の数は偶数枚でも、偶数羽状複葉ではないことになりますね。
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花期は4月〜6月。葉の脇(葉腋)から花柄を出して、先の方に数個の花を総状につけます。白っぽい淡い紫色の蝶のような形の「蝶形花」で、長さは5mm以内の小さなものです。よく似た種類の「カスマグサ」の方は、色がもっと濃く淡い赤紫色で長さは5mm以上。
花後の果実(豆果)は、長さ1cmくらいの楕円形。短い毛がたくさん生えています。この毛の有無で、カスマグサの豆果と区別できます。カラスノエンドウは豆果が斜め上向きにつきますが、カスマグサとスズメノエンドウは下向きにつきます。スズメノエンドウの豆果では、中の種子は2つです。カスマグサの場合は4つほど種子ができます。
【和名】スズメノエンドウ [雀野豌豆]
【学名】Vicia hirsuta
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2005/04/29
【撮影地】東京都日野市
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