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ミミナグサは、日本全土に分布し、田畑の周辺や道ばたなどに生える越年草です。草丈は15cm〜30cm。茎はやや斜めに伸びるので、茎の長さが比較的長くなるにもかかわらず、高さは低め。全体に短毛が生えていて、少しは白っぽく見えるのですが、よく似た帰化種の「オランダミミナグサ (Cerastium glomeratum)」よりは白くない。オランダミミナグサの方は、全体に軟毛と腺毛が密生してフサフサフサフサ、触ると粘るのですが、ミミナグサは茎などの毛は短く、茎の上部やガク片に腺毛が混じるくらいです。さらに、茎は紫褐色を帯びていることが多いです。
葉は長さ1cm〜3cmくらいの長楕円形。ナデシコ科らしく2枚対生、葉柄はありません。色が濃く、オランダミミナグサの黄緑色とは印象が違ってきます。
一度わかると、毛の量、茎の色、伸び方などの違いから、オランダミミナグサとは直感的に区別できるようになります。しかし、両者の区別点としてよくあげられているのは、「花柄の長さ」特に果実期の柄の長さの違いです。オランダミミナグサは花柄が短くて、より花が密集してつく感じになります。それに対して、ミミナグサの方は花柄が長めで、ガク片の長さよりも長いとされています。それで、やや花はまばらにつく印象になります。
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花期は4月〜6月、オランダミミナグサより少し遅め。茎の上部の花序に数個ずつ咲きます。白色の花弁は5枚、先端が2つに裂けることが多いですが、10枚に見えるほど深くないです。ガク片も5つ花弁と長さは同じくらい〜ややガク片の方が短い程度。雄しべは10本。
ガク片はオランダミミナグサよりも顕著に紫色を帯びていることが多いです。オランダミミナグサのガク片は先端や縁がほんの少し紫がかるくらいで、ほとんど薄い緑色。
【和名】ミミナグサ [耳菜草]
【学名】Cerastium fontanum subsp. vulgare var. angustifolium
(Cerastium holosteoides var. hallaisanense)
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2005/05/29
【撮影地】神奈川県藤野町
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またお力をお借りしますm(__)m。
虫に葉を食べられた姿が、より愛着を呼び起こしますね。
こんにちは。
どうも、どうもお世話になっております!
虫に食べられているところ、よく気づいてくださいました。犯人の虫を見つけたかったのですが、もう日が暮れそうで、それに食痕もちょっと古めだったんで、もうそのあたりにはいないだろうなと。
写真の場所は、それなりに個体数があったのですが、草食動物(鹿かな)が多いのか、どうもみんな小さなものばかりで、おまけにミミナグサは虫にも食べられて、食痕つきの個体ばかりでした。山にいても受難?