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アブラチャンは、本州、四国、九州の山地に生育する落葉低木です。高さは5mくらいまでなりますが、幹は細めでよく枝分かれしているので、株立ち状の樹形になります。
花期は3月〜4月。春まだ浅い林の中でいち早く淡い黄色の花を咲かせます。開花は葉の展開よりも早く、そのころは、他の木々もまだ芽吹いているものもほとんどない。咲いているのは他にキブシやダンコウバイなど樹木の黄色い花。中でもアブラチャンは早春の沢沿いの主役です。あたりが黄色に染まります。
雄花と雌花が別々の株につく「雌雄異株」。花は、灰色っぽいような褐色に枝にごく短い花序を出して、先に数個かたまってつきます。雄花、雌花とも花びらにみえる薄い鱗片のような「花被片」が6枚あります。雄しべは9本ずつですが、雌花の方の雄しべには「葯」がない「仮雄しべ」です。そのかわり、雌花の中心からは1本雌しべがツーンと出ています。雌しべの下の方にある子房は丸くふくらんでいます。
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葉は互生。長さは5cm〜10cmくらい。先はスーッととがります。縁のギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。葉柄は赤っぽいのが目印。初夏のころには若い果実が見られ、清々しい若葉と葉柄の赤のコントラストも美しい。ちぎると香りがあって、なるほどクスノキ科だなとわかります。
果実は、秋には直径1.5cmほどの球形になって、褐色に熟して先が割れます。この果実や樹皮から油を採ったことが名前の由来で、「チャン」というのが天然コールタールなどの「瀝青(れきせい)」を指すのだそうです。枝は生でもよく燃えるので、薪としても利用されていたそうです。
【和名】アブラチャン [油瀝青]
【学名】Lindera praecox
【科名】クスノキ科 LAURACEAE
【撮影日】2005/05/29
【撮影地】神奈川県藤野町
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鳥山明氏のマンガに出てきそうなキャラクターというかw
果実がイチジクに似てるように思います。ゾウムシが好みそうですね。
しかしながら、クスノキ科ということで防虫効果が期待できるかもしれません。
油を採っていたという歴史的事実も興味深いですね。
最初に発見した方は本当に偉いと思いました(笑)。
赤い葉柄がこれまたかわいらしいですねー。
結果はウグェーでしたが、後味はさほどひどくないので、齧ってすぐに吐き出すのも面白い経験かと思います。
まーいらない経験ですが・・・。
なんでも齧るので、知らずに虫こぶを食べたこともあります。しかもおいしかったので大量に(+_+)。
あっ、それはアラレちゃん。アブラチャンってキャラも登場させてほしいですね。ゲームなら、この実を使った技とか。
ブツブツ具合が、ちっちゃいイチヂクの模様に似ているかも。クスノキ科ですもんね、防虫効果ありそう。いろいろ便利蛇なかった時代って、人には知恵があってすごいと思います。何も知らない時点で、それを燃やそうとは思いつかないかもです。
そうそう、本当、かわいいです。その響きが、耳について、一度きくと忘れないかも。早春の花のころだと、黄色い花が目立って、それもまたいいのですけど、梅雨入り間じかのこの時期になると、その葉柄の赤と若葉の緑、いい色になるんですよね〜。
さすがです。虫こぶを食べてしまうとは〜。虫のタンパクも摂取できたのではないでしょうか。そういえば、確かイチジクって、中のイチジクコバチによって受精するんじゃなかったかな。ということはコバチも食べているってこと?
齧ってすぐ吐き出すのって、こどものころ、まだ青いヒメリンゴでやってました。グェ〜。