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サボンソウは、ヨーロッパや西アジア原産のナデシコ科の多年草です。日本に入ってきたのは明治初期のことで、観賞用や薬用として栽培されてきました。また、しばしば、人家周辺で逃げ出したものが野生化しています。草丈は40cm〜60cm程度、よく枝分かれします。茎は無毛で角ばっています。
葉は対生。楕円形で先はちょっととがっています。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。3本の平行に走る葉脈が目立ちます。葉柄はありません。
7月〜8月。花は直径2.5cm〜3cmほどの淡いピンク色〜白色で、茎の先に数個咲きます。花弁は5枚。ガクは細長い筒形、先は2つに裂けています。花弁は筒の外に見えている部分以外に、ガク筒の中にも細長く続いている部分があります。その、筒に入るのどの部分にはそれぞれ2本ずつの小さな「鱗片」があります。その鱗片は花の中央付近に見られます。
花には果物の甘い芳香があり、見た目もかわいいのですが、根は有毒。果実は「さく果」で、熟すと先のほうが4つに裂けて、裂片は少し反り返ります。種子は直径2mmほどの小さなもの。
学名の「サポナリア(Saponaria)」は、ラテン語の「Sapo (石けん)」という意味からきています。これは葉に「サポニン」という成分がたくさん含まれていて、その汁液が泡立つので洗剤や入浴剤として利用されることによります。なんでも、繊維をいためない優れた柔軟剤的な効果があるそうで、デリケートな繊維の洗濯によいとのこと。実際にこの葉が石けんの代用に使われたことから、英名では「ソープワート」といいます。
【和名】サボンソウ
【一般名】ソープワート
【別名】サポナリア、バウンシングヘッド
【学名】Saponaria officinalis
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2004/08/02
【撮影地】東京都調布市
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