2005年06月17日

イワハタザオ

イワハタザオ Arabis serrata var. japonica


イワハタザオは、富士山の砂礫地に生育する「フジハタザオ (Arabis serrata)」の変種とされているアブラナ科ハタザオ属の多年草です。本州中部以北の山地に分布しています。草丈は20cm〜40cm。同属の「ヤマハタザオ (Arabis hirsuta)」や「ハタザオ (Arabis glabra)」よりは、背丈が低くしまっていて、果実のつき方も違っています。

「ヤマハタザオ」は、草丈30cm〜80cm、ヒョロヒョロとして線が細い。根生葉と茎葉には波状の鋸歯があります。「ハタザオ」は、丈が50cm以上にもなり、茎葉が楕円形〜披針形で鋸歯はなく、花は黄色っぽい。ヤマハタザオもハタザオも果実は茎に密着します。

イワハタザオ Arabis serrata var. japonica


この2つ目の写真はヒョロリと伸びた細い茎の部分です。茎葉は長楕円形で、基部は茎を抱き、縁には粗い鋸歯(ギザギザ)があります。

写真(右下)の根生葉は密集していてわからないですが、一応、根生葉には柄があります。そして茎や葉の両面には「星状毛」が密生しています。ただし、葉は無毛のこともあるようです。葉の形は茎の下部だと丸っこく、上部だと細長い楕円形になる傾向がありそう。葉の形で印象がずいぶん変わってしまいます。茎はあまり枝分かれはしないのですが、左下の写真の場合は、葉腋に小さな芽が。。。

イワハタザオ Arabis serrata var. japonica
茎葉
イワハタザオ Arabis serrata var. japonica
根生葉


花期は5月〜6月。茎の先の総状花序に白色の4弁花。1枚の花弁の長さは7mm〜8mm。花弁の先は丸っこい。

アブラナ科の果実は「角果」といいます。角果の長さが長い場合を「長角果」、短い場合を「短角果」といいます。イワハタザオの果実は、長さ3cm〜6cmの線形の長角果で、ちょっと湾曲して茎には密着せず、バラバラと広がります。この角果の長さは重要ポイントとなっていて、関東南部以西、四国、九州に分布し、長角果の長さが7cm〜9cmと長く、根生葉の柄が長ければ、「シコクハタザオ (Arabis serrata var. shikokiana)」ということになります。

写真の場所は、神奈川県の丹沢北部ということで、分布域としては、「シコクハタザオ」であってもよさそうですが、長角果の長さが5cm程度だったことと、根生葉の葉柄が1cmくらいのものだったことから、今回は「イワハタザオ」としています。

【和名】イワハタザオ [岩旗竿]
【学名】Arabis serrata var. japonica
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE (BRASSICACEAE)
【撮影日】2005/06/12
【撮影地】神奈川県津久井町

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posted by hanaboro at 19:01| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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