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シュロソウは、北海道、本州に分布し、丘陵地〜山地の林内や草原に生育する多年草です。草丈は50cm〜1m。ユリ科シュロソウ属の植物ですが、この仲間、学名や和名がいろいろとややこしい。シュロソウ、ホソバシュロソウ、アオヤギソウ、タカネアオヤギソウ、ムラサキタカネアオヤギソウなどが同じ種の中の変種や品種とされていて、花の色や草丈、葉の幅などによって区別されています。でも、それらの区別はなかなか大変です。
さらに困ったことに、「シュロソウ」という和名が「オオシュロソウ」の別名かその反対になっていたり、オオシュロソウとは別変種となっていたりします。前者の場合の学名は「Veratrum maackii var. japonicum」、後者の場合は「Veratrum maackii var. reymondianum」。筆者は今のところこれらをしっかり把握できていないので、今回は、オオシュロソウとシュロソウを区別しないことにします。
北海道と本州中部以北に生育し、花(花被片)が黄緑色の「アオヤギソウ (Veratrum maackii var. maackioides f. virescens)」に似ていますが、シュロソウの花被片の色は濃い紫褐色。
同じように花被片の色が濃い紫褐色の「ホソバシュロソウ (Veratrum maackii var. maackii)」とは、花柄の長さと葉の幅によって区別されます。シュロソウの花柄は4mm〜7mm、ホソバシュロソウの花柄は10mm〜17mm。葉の幅が3cm以下。
葉は長楕円形〜線状の披針形。長さは20cm〜30cm。葉の付け根の方は鞘状になって茎を抱いています。名前は、その葉鞘がシュロ毛状の繊維となって、葉が枯れた後も残っていることからきているといいます。葉はほとんどが茎の下部に集まってつきます。
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花期は7月〜8月。花は茎の先の細長い円錐花序にたくさん咲きます。花には「両性花」と「雄花」があって、同じ花序に両方のタイプの花がつきます。これは、シュロソウ属の特徴の1つとなっています。雄花は子房と柱頭を欠いています。それに対して、両性花の方は雌しべの方が雄しべより長くなっています。
花は直径1cmくらいで、濃い紫褐色。花披片は6枚。花序には縮れた毛が密生しています。果実はさく果で、長さ1cm〜1.5cm。楕円形で3本の縦に溝が走っています。
ちなみに、夏の亜高山で存在感を発揮する「コバイケイソウ」もシュロソウ属です。
【和名】シュロソウ [棕櫚草]
【別名】オオシュロソウ
【学名】Veratrum maackiivar. japonicum
【科名】ユリ科 LILIACEAE (シュロソウ科)
【撮影日】2004/07/03
【撮影地】東京都八王子市
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シュロソウを紹介されていたので思わずカキコしました。
私ですね、植木鉢でシュロソウを育てていまして、今、ちょうど開花してます。なんか単にシュロソウだと思ってたんですが、色々と名前が複雑なんですね〜。特に綺麗というわけではないのですが、なんとなく私にとっては惹かれるもののある花です。
こんばんは!
おうおう。シュロソウ、育ててらっしゃるんですね。派手ではないですけれど、シックな色あいが結構ツボにはまります。
名前は、もしかするとすでにどこかで分類学的な再検討が行われて、整理されているかもしれません。かなり古い資料を見ながら記事にしたものですから。