2005年07月06日

クサイ

クサイ Juncus tenuis


クサイは、北海道、本州、四国、九州に分布する多年草です。日本以外にもアジア、ヨーロッパ、オーストラリア、南北アメリカなどの温帯〜暖帯の地域に広く分布しています。主に山野の草地にふつうに見られます。「クサイ」という名前は、「臭い」というわけではなく、「草藺」。小さな草で、同じイグサ属の「イグサ (イ Juncus decipiens)」に似ているところからきています。

草丈は、30cm〜50cmくらい。根もとの方から数本、茎が立って「そう生」します。茎は細長いものですが、踏みつけには強く、人の出入りのあるような道ばたの草地によく見られます。葉も細長い線形。しばしば、縁は上面に向かって少し巻くような状態になります。葉の基部はさや状に茎を抱き、さやの縁には「葉耳」と呼ばれる白い膜質の耳状にはりだした部分があります。茎の先のほうには、数枚の「苞」がありますが、その最も下につく苞は花序よりも長くなっています。形は葉と同様で、細長い線形。長さは5cm〜20cmです。

クサイ Juncus tenuis


花期は6月〜7月。花は茎の先の「集散花序」につきます。花弁とガク片がほとんど同じくらいの長さの先のとがった披針形で、縁の白っぽい淡い緑色という同じような色をしています。このような花を「等花被花」といいます。そして、この場合は、ガク片を「外花被片」、花弁を「内花被片」といいます。クサイの場合は、それぞれ3枚ずつ。中央には「雌しべ」があって、その雌しべの下部にある「子房」は丸くて大きく、そのまわりに6本の「雄しべ」があります。イグサ科の小さな花ですが、構造はユリ科の花に似たところがあります。

白っぽい星型の花は、意外に目を引き付けるもので、花が一斉に開いているころには、まだ瑞々しい背丈の低い草むらが、満天の星空のような光を放ちます。とはいっても、踏まれて当たり前のような場所に多いので、よく見ないと、その存在には気づかないかもしれません。

クサイの子房は、花被片よりも上にあって「子房上位」です。雌しべの先には3本のモシャモシャとした柱頭があります。花後にできる果実は長さ4mm程度。6つの花被片は、果実が熟してもまだ残っています。果実が裂開すると、中の赤茶色の小さな種子が多数、見えてきます。

【和名】クサイ [草藺]
【学名】Juncus tenuis
【科名】イグサ科 JUNCACEAE
【撮影日】2005/07/05
【撮影地】東京都日野市

■当ブログ内関連記事
スズメノヤリ

■Trackback People : 野草people

posted by hanaboro at 19:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。