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「テンニンギク (Gaillardia pulchella)」と「オオテンニンギク (Gaillardia aristata)」。筆者は、これまでの印象で、両者を勝手にイメージで区別していました。「テンニンギク」は一年草的で、背丈が低く花びらに見える部分が、「ヤグルマギク」のように筒状になったもの。「オオテンニンギク」の方は、多年草で背が高く花も大きくて、あまり筒状にならず、周辺にだけ舌状花がつき、赤に黄色の覆輪が入る2色のとても派手なタイプ。という思い込み。
でも、実際はそう単純なことではなさそうです。テンニンギクにも一重で赤と黄色の2色のタイプがあるようですし、テンニンギクとオオテンニンギクの交配によって改良された品種が「ガイラルディア (Gaillardia ×grandiflora)」と呼ばれて流通しているのだそうです。ガイラルディアは本来はテンニンギク属の学名ですが、日本では園芸的に改良された品種群をさしていることが多いようです。花色、形、大きさなど多様な品種が生まれていて、テンニンギクとオオテンニンギクの区別がしっかりわからない筆者にとっては非常に難解なグループ。
別種に分類されているわけなので、もっとしっかり理解したいところ。いずれも、原産地は北アメリカ南部〜中南米、花期は6月〜11月。テンニンギクは、草丈30cm〜90cm。オオテンニンギクは、草丈60cm〜90cm。花の直径5cm〜14cm。これでは、区別できませんね。
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写真の個体は、草丈80cm、花の直径12cm。舌状花が周辺に一列だけ並び、色は赤に黄色の覆輪が入るタイプでした。筆者の中では、これが典型的な「オオテンニンギク」のイメージ。茎の下部の葉は羽状に浅く切れ込んでいましたが、上部の葉には切れ込みがなく長楕円形。葉は互生で、上部の方ではほとんど葉柄がありません。
舌状花が脱落するころには、中央部の赤い「筒状花」の部分が盛り上がって丸くなっています。一重のタイプでもそうなっていました。花の下の部分にある「総苞」は筒状になるわけではなく、蕾のときは上を向いていますが、咲き進むと垂れ下がるような状態になります。総苞片には長い毛が目立ち、先はとがっています。
写真のタイプとは別ですが、赤や黄色の単色で、ポンポンのように球形の頭花になるタイプの、あの筒状になった小花は、「筒状花」なんですかね?
【和名】オオテンニンギク [大天人菊]
【別名】ガイラルディア
【英名】Common perenial gaillardia
【学名】Gaillardia aristata
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/07/07
【撮影地】東京都日野市
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