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ミヤマハンノキは、アジア東北部に分布し、日本では北海道、本州中部以北、大山の一部に見られる落葉低木です。カバノキ科ハンノキ属(Alnus)に分類されています。亜高山帯〜高山帯に生育し、高さは2m〜6m、ときにそれ以上。ふつう標高が高いところに生育するのもほど高さは低くなります。低木状になったものでは下部からよく分枝して広がります。
葉は互生。1cm〜3cmくらいの葉柄があり、葉身は幅の広い卵形で、長さは5cm〜10cm、先はとがっています。表面は濃い緑色で光沢があり、裏面は葉の側脈は8対〜12対、裏面に隆起し、表面から見ると深く刻み込まれたようになっています。縁の鋸歯(ギザギザ)は大きいギザギザや小さいギザギザがあって、ちょっと不規則。小さいギザギザは非常に細かいです。鋸歯の先はやや長くとがる感じ。裏面には「腺点」があるので、ちょっとネバネバ。
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花期は5月〜7月。葉が開くのと同時に開花し始めます。花は「単性」で雄花と雌花がありますが、同じ個体につく「雌雄同株」です。雄の花序は長さは4cm〜5cmで、下向きにのび、垂れ下がります。雌の花序はやや幅の狭い卵形で、散房状に上向きに数個が集まってつきます。雄花序は「花芽」からのび、雌花序は「混芽」からのびます。1つの混芽から出るのは数個の雌花序と2枚の葉。雄花序は黄褐色でふつう柄がありませんが、雌花序は紫褐色で有柄。
9月〜10月ごろ、果実(堅果)が熟します。幅の広い楕円形で、小さな松ぼっくりのような「果穂」は、長さ1cm〜1.5cmほど。扇形の「果苞(果鱗)」が連なっていますが、この部分は熟すと木質化して外側に開いてきます。ダケカンバだと果鱗は先の方から落ちていきますが、ミヤマハンノキの果鱗は落ちずに残ります。
【和名】ミヤマハンノキ [深山榛の木]
【学名】Alnus crispa subsp. maximowiczii
【科名】カバノキ科 BETULACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村
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珍しい樹種で、帰宅して、インターネット検索で分かりました。
目先と実は赤みが出ない状態で、緑色の状態でした。
うわぉ。詳しい場所の説明で、ビックリ。ふつうは、標高がある程度高い場所でしか見られない木ですね。珍しいといえば珍しいのかな。
この記事に載せている写真は、真夏の標高2000m以上の高山帯のものです。そのときは、ご覧のような色でした。
そうです、この写真の通りです。高地では目先がやや、赤みをおびていますね。
トンネル付近は1000以下の標高だと思います。
こちらこそ、ありがとうございました。
標高1000mくらいなら出てくるかもしれませんね。信州ですし。わたしはその周辺の植生を詳しく知っているわけではないですけれど。