2005年08月30日

タカサブロウ

タカサブロウ Eclipta thermalisタカサブロウ Eclipta thermalis


タカサブロウは、本州、四国、九州に分布し、水田の周辺や川べりなど湿り気の多い場所に見られる一年草です。キク科タカサブロウ属(Eclipta)の植物で、稲作とともに入ってきた「史前帰化植物」の1つと考えられています。タカサブロウという名前は、まるで人の名前みたいですけれど、残念ながらその由来ははっきりしないそうです。人の名前だとする説もありますし、「多々良比 (タタラビ)草」から転訛したものともいわれています。

草丈は10cm〜60cm。茎や葉の両面には短い剛毛がたくさん生えていて、触るとかなりザラザラします。節間の上部が少しふくらむ傾向があります。茎を切ってしばらく置いておくと、切り口が黒くなってきます。葉は対生。長さ4cm〜10cm、幅1cm〜2.8cmの披針形。

タカサブロウ Eclipta thermalis


花期は7月〜9月。頭花は直径1cmくらい。白色の「舌状花」と淡い緑白色の「筒状花」があって、両方とも結実します。舌状花は周辺部に2列あり、筒状花の先は4つに裂けています。「総苞」は半球形〜鐘形です。「総苞片」は2列、外片が内片よりも長くなっています。

そう果は長さ3mm程度。3〜4稜形で冠毛はありません。舌状花によってできたそう果は3稜形、筒状花によるものは4稜形。まわりには透明な膜状の「翼」があります。キク科の植物ですが、タンポポのような綿毛(冠毛)がないので、種子は熟すとボロボロと落ちて水に流されて運ばれます。

また、1981年に確認された「アメリカタカサブロウ (Eclipta alba)」とは、とてもよく似ています。こちらの方は水田の周辺のほか、やや乾燥したところでも見られます。アメリカタカサブロウの方が葉が細くて、そう果には「翼」がないことが区別点です。

■タカサブロウとアメリカタカサブロウ

葉の大きさそう果の形状
タカサブロウ長さ4cm〜10cm
幅1cm〜2.8cm
幅が広い
長さ2.6mm〜3.1mm
幅1.5mm〜2.0mm
周辺に膜状の翼あり
アメリカタカサブロウ長さ6cm〜10cm
幅8mm〜1.8cm
細長く鋸歯が明瞭
長さ2.4mm、幅1.9mm
翼はない


写真の個体は、葉の鋸歯はよくわかるものの、幅は広く長さは短めです。そう果はまだできていないため、確実な同定ではありません。花ではなく果実の時期でないと同定が難しいものの1つと言えるかもしれませんね。

【和名】タカサブロウ [高三郎]
【学名】Eclipta thermalis
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/08/29
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 野草people


posted by hanaboro at 21:57| 東京 ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
名前が似ているので親近感をおぼえます(笑)

稲作の頃に入ってきたとなると、かなり昔からある植物なんですね〜。

いつ頃日本に来たとか、いつ頃から存在(発生)したって、どうやって分かるのでしょう???
最近気になっていることの一つです。
Posted by 知三朗 at 2005年08月31日 19:39
*知三朗さん*

ふふっ!実はちょっと知三朗さんのことを思い浮かべながらこの記事書いていましたです。

そうなんですよね〜。かなり古い時期です。こういう植物を「帰化植物」と呼んでしまうと、人里の道ばたの植物の多くが当てはまっちゃうんですよね。

ところで、稲とともに入ってきただろうと推定される植物は、だいたい山や森林の奥深くには生育せず、常に人里近くに生えています。特に水田周辺に多くて、その生活サイクルが稲作のサイクルとと一致していたりします。それで、稲作の随伴植物といわれたりします。

いつ入ってきたかの推定は、さまざまだと思いますが、だいたいは、文献や標本を調べて、少なくともそれ以前には渡来していただろうという感じだと思いますよ!
Posted by hanaboro at 2005年08月31日 20:16
お久し振りです。
私も先日タカサブロウを撮って来ました。
パッと見はあまり目立ちませんが、マクロで撮るとすっごく綺麗なお花なんですよね〜
Posted by nonohana at 2005年08月31日 21:34
*nonohanaさん*

ご無沙汰しております。
ヒメヒオウギズイセン以来ですね。

花びらと中心部分が両方白くて、キク科のこういう花はちょっと珍しいかもしれませんね。パッと見の派手さはないですけれど、一度わかると、名前とともに印象に残りますよね〜。
Posted by hanaboro at 2005年09月01日 12:51
知三朗さんにいただいたコメントのお返事の追記です。

「タカサブロウ」の場合は、遺跡の調査から、イネとともにこの種子が発見されたそうです。
Posted by hanaboro at 2005年09月01日 18:12
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