2004年09月29日

オケラ

オケラ Atractylodes japonica


オケラは、本州、四国、九州に分布し、日当たりがよくちょっと乾いた草地や林内に生える多年草です。草丈は30cm〜1mほど。花は9月〜10月、ちょうど今ごろです。この花の特徴は何と言っても、花のまわりを囲んでいる部分、「苞(ほう)」の形ですね。とても個性的で、山と渓谷社の「野に咲く花」なんかでは、「魚の骨のような」かたちと表現されていて、なるほどぉっと思います。次に葉です。葉は質が硬く表面にはちょっと光沢があり、縁には細かいギザギザ(鋸歯:きょし)があります。見た感じ、頑丈そうで、枯れても形が残っていることもあります。時々、ドライフラワーとして使われているのを見ます。

写真では花はすでに終わっています。「魚の骨」につつまれた中央の茶色になっているところに、もう一週間ぐらい前なら、白か少しピンクがかった花が咲いていたはずです。なかなか独特な感じがいいですよ。

さて「オケラ」という名前ですが、何だか妙な名前ですよね。昆虫の方の「オケラ」とは関係ないようで、古くは「ウケラ」といっていたものが、なまって「オケラ」というようになったという説が有名ですね。それも定かではないようですが、万葉集では「ウケラ」で登場するとか。

さらに、古くからオケラは活躍していたようで、邪気とか悪臭をとりはらうためオケラが用いられてきました。またよく知られたところでは、京都の八坂神社で大晦日から元旦にかけて行われる「朮祭り(おけらまつり)」という神事があります。このとき境内ではオケラでかがり火を焚いて、初詣に来た人たちはこの「おけら火」を持ち帰って、元旦の雑煮の種火に使うのだそうです。これで煮た雑煮を食べて新年を祝うと無病息災がかなうといいますから、ありがた〜い感じですよね。

このほかにも、根や茎は利尿や健胃剤に用いたり、正月の屠蘇にも用いられたそうです。そして若い芽には綿毛があって柔らかく食用にもなります。筆者は未経験なので、来春にでも若い芽を試してみたいと思います。オケラっていろいろ役立つ植物なのですね。

【和名】オケラ [朮]
【学名】Atractylodes japonica
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/23
【撮影地】山梨県牧丘町

posted by hanaboro at 20:24| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おぉ〜魚の骨みっけ♪

ドライフラワーですか〜このオケラさん、割と私の好みかも?今度お店でじっくり探してみることにします。

万葉集では「恋しけば袖も振らむを武蔵野のうけらが花の色に出なゆめ」と言う歌で登場してました(気になってネットで調べてしまいましたょw)他にも2つばかりありましたが、どれも人目をしのぶ恋の喩えのような感じです。こんなに役に立つ植物なのに 歌の世界では日陰者扱いなのでしょうかね・・。    
Posted by 花mame at 2005年09月08日 00:07
*花mameさん*

本当、魚の骨みたいですよね〜。これ、蕾ができはじめのころから、結構見えていて、おもしろいです。わたしも好みです!

そうなんだぁ。「人目をしのぶ恋」の歌に登場しているんですね〜。どうなんでしょう、似たような花の「アザミ」などに比べると、花の最盛期もちょっと控えめだからでしょうかね。

このオケラ、万葉の時代はどうだったのかわからないですが、それなりに自然度の高いような山地にありますし。ひっそり咲く姿がそういうイメージにつながるのかもしれませんね。
Posted by hanaboro at 2005年09月08日 11:51
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。