2005年09月28日

クサマオ

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea


クサマオは、イラクサ科カラムシ属の多年草です。別名、「カラムシ(茎蒸)」または単に「マオ(苧麻)」といいます。茎のことを「幹(から)」といって、それを蒸した後、皮をはいで繊維をとったところから「カラムシ」というそうです。とられた繊維からできる織物は、とても上質なのだとか。

日本では本州〜沖縄まで分布し、山野の道ばたや草むら、林縁部などで見られます。今回の写真は河原の草むらに生えていました。茎の長さは1m〜1.5mに達しますが、夏が過ぎて、秋ともなれば茎が横に倒れて、高さとしてはそれほどではなくなっていたりします。茎も茶色く硬そうで、確かに丈夫な繊維をとることができそうな感じ。

茎や葉柄には毛がたくさんあります。写真では茎が茶色く硬くなっていて、毛の様子がわかりにくいですが、よくよく見ると短毛が生えているのが見えました。葉柄の方はまだ白くて毛があることがわかりやすかったですね。そして葉の裏には綿毛が密生しているのでかなり白いです。晩秋のころ、丈夫な茎はそのまま立ち枯れて、枯れた葉もクシャッと巻いた状態で残っていることがあります。その状態でも葉の裏の白さがよく目立ちます。それで、あぁ、きっとクサマオ(カラムシ)だろうなぁと思ったりします。

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononiveaクサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea
左:雌花序、右:雄花序

花期は8月〜9月。雄花と雌花があってそれぞれ別の花序につきますが、個体としては雄花も雌花も両方つけます。つまり、「雌雄異花同株」です。花序は茎の上部では雌花序、下部では雄花序が出ます。雄花序、雌花序ともに花序の軸にも毛があって白っぽい。

雄花序の雄花では、雄しべの「花糸」がのびて、その先に花粉の入った「葯」があります。この花糸の部分が開花と同時にバーンとのびて、その衝撃で花粉が飛び散るしくみです。雌花序の方では、つぼ形の「花被」をもつ雌花が集まって球状になっています。そしてその球状のものがたくさん花序についています。雌花の花被の部分には、細かい毛がたくさん生えているのでブワブワした感じです。

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononiveaクサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea
左:雌花序、右:雄花序

花は1つ1つが小さく地味で、基本的には「風媒花」なのですが、花糸をバネのようにのばして花粉を飛ばすというちょっと積極的な部分もあったりする不思議な花ですね。花糸の部分には横の縞模様があるそうで、それがバネの役割をするのだとか。

【和名】クサマオ [草苧麻]
【別名】カラムシ [幹蒸、茎蒸]
【学名】Boehmeria nivea var. nipononivea
【科名】イラクサ科 URTICACEAE
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

以前、「ヤブマオ」または、雑種かも知れない、大きな葉のタイプを「クサマオ」として掲載していますが、そちらの方はちょっと怪しい。でも、今回のはしっかり「クサマオ」だと思います。

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クサマオ(前回の記事)

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posted by hanaboro at 19:05| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 茎など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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