2005年10月12日

ヤブマメ

ヤブマメ Amphicarpaea bracteata subsp. edgeworthii  var. japonica


ヤブマメは、日本全土に分布し、道端の草地や林縁部などに生育するつる性の一年草です。日本以外にも朝鮮半島や中国にも分布しているそうです。ヤブマメという名前は、文字通り藪のようなところに生えるマメというところからきています。道路や人家近くの植え込みの中で、他のものにからみついているのがよく見られます。茎には毛がたくさん生えています。

葉は3つの小葉できていて、同じマメ科の「クズ」をずっと小さくしたような形です。1つ1つの小葉は、長さ3cm〜5cmくらいで幅の広い卵形をしています。先はとがらず丸っこい。両面ともに毛が多く生えています。

花期は9月〜10月。葉の脇から細い柄をのばして、数個の花をつけます。花は白と淡い紫色の細長い筒状の「蝶形花」。特に一番大きい「旗弁」は紫色の部分が多く、「翼弁」や「竜骨弁(舟弁)」は、ほとんど白色か先だけほのかに紫色になります。ガクも少し紫色っぽくなっていることもあります。また、ヤブマメはふつうに開花して結実する「開放花」のほかに、開かずに結実する「閉鎖花」もつけることが知られています。しかも、その閉鎖花というのは「地下茎」につくというので珍しいですが、地上にも閉鎖花による豆果ができます。

ヤブマメ Amphicarpaea bracteata subsp. edgeworthii var. japonica


開放花や地上の閉鎖花によってできた果実、「豆果」は平べったくて、長さは2cm〜3cmほど。毛が多く中にできる種子は3つ程度で小さめです。一方、地下の閉鎖花によってできた果実は、丸っこくて白く、中にできる種子は大きめのが1個だけ。地上部を見ているだけではふつうのキヌサヤみやいな豆果しか見られませんが、地中に入っていく茎を探して、ちょっと掘れば地下の閉鎖花の果実も見つかるはず。

つまり、3つのタイプの繁殖様式を持つことで、確実に次世代を残せる仕組みになっているわけです。開放花によって、種子をつくることで遺伝的に多様性を持たせ、また種子を離れた場所へ移動させるチャンスがうまれます。地上の閉鎖花でできたものは多様性はないですが、種子を確実に得ることにおいては有効です。また、地中の閉鎖花によって種子をつくることで、自分と同じ遺伝子を持つ次世代を同じ場所に残せる可能性が高くなります。ヤブマメは次世代を作るのにとても念入りなんですね。

【和名】ヤブマメ [藪豆]
【学名】Amphicarpaea bracteata subsp. edgeworthii var. japonica
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影日】2005/10/02
【撮影地】東京都八王子市

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posted by hanaboro at 21:00| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(2) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あっ今度はちゃんと開きました。

 hanaboroさんが閉鎖花の話題をたくさん書いてる!! 
ちょうど私も閉鎖花のシリーズやり始めたとこなんですよ〜
これって以心伝心かも・・♪
多様性と確実性って言葉、すごくわかりやすいですね。

え〜hanaboroしゃん、こん言葉わかりやすかけん使わせてもろて、よかかね〜?

予想の回答1・・よかよぉ〜 なんぼでもつこぉてぇ〜! 
       2・・なんば言いよっと! 自分で考えんしゃい。。

TBさせていただきました。今度はピシャッと1度でできました。
Posted by なかなか at 2005年10月13日 21:32
こんばんは。
わが宿敵のヤブマメさんですね。
うちの丹精した雑草園に蔓延って蔓延ってもう手のつけようがありません。まさに小さなクズですね。
>ヤブマメは次世代を作るのにとても念入りなんですね。
本当に・・・、抜いても抜いても地下の種子から毎年増えてくれはります。しかも蔓を引っ張ると巻きついた草も道連れ・・・。打つ手はないもんでしょうか(涙
Posted by ごまのはぐさ at 2005年10月14日 01:40
*なかなかさん*

ご面倒をおかけしてしまって、すみませぬ。この記事、一昨日の晩、4つ連続して入ってしまったんですよね。後から1つにしたのですが、その影響なんだと思います。

閉鎖花って、何か不思議な感じがありますもんね。シリーズ、楽しみにしています。

あっ!それから、予想回答、2番でお願いします、っていうのは冗談。「よかよぉ〜 なんぼでもつこぉてぇ〜!」その用語、わたしのオリジナルってわけじゃないですし、どぞどぞ。
Posted by hanaboro at 2005年10月14日 13:08
*ごまのはぐささん*

こんにちは!
そうでしたか、ヤブマメは宿敵として蔓延っているんですか。う〜ん、打つ手。上にのびた茎なら、途中をカットすればそのうち干からびてくるでしょうけど。ほかの草たちの中に絡んでいるとそうもいかないですね。

青フェンスに絡んだものは、草刈の後よく干からびていますけどね。それでもヤブマメなら地下部が残っていたら種子ができちゃうのかなぁ。地上の花なら光不足になれば咲かないようですけど、地下部のは光不足でもできるそうなので、本当、どうしてよいものやらですね。食べるといっても他のものへの影響が。。。
Posted by hanaboro at 2005年10月14日 13:21
ヤブマメと確定したわけではないのですが?
「ヤブマメらしきモノ」に本日遭遇しました(笑)。
参考写真としてこのページに記事中からリンクとTBさせて頂きました。
花の頃に忘れず、どんな花が咲くのか見たいと思います(オニが笑うでしょうか)
Posted by 夢喰い at 2005年11月18日 13:35
*夢喰いさん*

うお〜!連日、記事を紹介してくださって、ありがとうございます。先ほど、夢喰いさんのところにおじゃましてきたところです。複数のブログをしっかり運営しておられるとは、すごいですね。

うう〜、来年の花。わたしも見たいです。旬を逃してばっかりですから。もう幾度となくそんな話を繰り返してきましたよ。きっとわたしはさんざん鬼に笑われているでしょうね。
Posted by hanaboro at 2005年11月18日 20:10
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