2004年10月29日

イチヨウラン

イチヨウラン Dactylostalix ringens


イチヨウランは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布しています。高山植物的な雰囲気がありますが、生育しているのは低山〜亜高山です。個人的には、高山に登る途中で見かける針葉樹林の林床に生える植物というイメージがあります。草丈10cm〜20cmほどのラン科の多年草です。

写真のような形状の果実を見ると、ラン科の植物だなということはわかったのですが、パッと見ただけでは、葉っぱが見当たらず「何だ?」っと、しばし考え込んでしまいました。とりあえず、周囲の落ち葉をちょっとめくってみたら、一枚の葉がベロンっと出てきました。その葉で「イチヨウラン(一葉蘭)」だとわかったのでした。

葉は卵形〜卵をさらに丸く膨らませたような形で、その名のとおり1つの株に1枚だけで、地面にへばりつく様についています。葉の長さは3〜5cmぐらいです。今回の場合は、落ち葉に埋まっていましたが、ふつうは地上に見えています。

花期は5月〜7月、10cm〜15cmぐらいの花茎を1本伸ばして、その先に1個だけ花が咲きます。花の大きさは直径3cm程度で、色は弁の部分(ガク片と側花弁)が黄緑色、舌(唇弁)が紫の斑紋つきの白色です。草丈も低く、花も1つしか咲きませんが、自己主張のある花だと思いますよ。

現在、国内のラン科植物の多くが絶滅の危機にあります。今のところ、「イチヨウラン」は、環境省の「レッドデータブック」には記載されていませんが、地域によってはレッドリスト入りしています。生育地を見るとわかるのですが、今、ラン科の多くは、生えていても個体数がとても少ない状況です。1年草ではありませんから、種子が発芽して開花、結実できる個体に生長するまでに時間がかかります。生育地から1個体が消えることの痛手は大きく、その1個体、1個体がとても重要なんですよね。

【和名】イチヨウラン [一葉蘭]
【学名】Dactylostalix ringens
【科名】ラン科 ORCHIDACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡

posted by hanaboro at 18:42| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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