![]() |
モミジガサは、本州近畿地方以北と四国に分布し、山地の林内の比較的肥沃な場所に生育するキク科の多年草です。草丈は30cm〜90cmほど。若い葉が山菜として利用され、「シドキ」と呼ばれています。地上部もそろそろなくなりそうな、初冬にもなれば、枯れた花や葉しかなくなってしまって、山菜として利用したい気持ちにはならないですけどね。
モミジガサは、近年まで長いこと「コウモリソウ属 (Cacalia)」に分類されてきましたし、多くの一般的な図鑑類でも「Cacalia」となっていました。しかし、東アジアに分布しているコウモリソウ属の植物は、「Cacalia」から「Parasenecio」に組み込まれ、日本に分布する十数種も「Parasenecio」に分類されるようになっています。
葉は互生。葉の形が独特です。葉身はモミジの葉のように裂けます。長さは15cmくらいです。長めの葉柄があります。モミジときいてふつうイメージする樹木のモミジ類の葉よりはずっと大きい葉です。葉脈は裏面に向かってちょっと刻まれたような感じで目に付きます。表面は無毛ですが、裏面に絹毛が見られます。
和名はモミジとついていますが、学名の種小名は「delphiniifolia」。つまり「デルフィニウム属のような葉」とつけられています。学名の最初の命名者のSieboldさんたちにはデルフィニウムに似ていると見えたようです。確かにちょっと似ているかもしれませんね。
![]() | ![]() |
花期は8月〜9月。茎の先に細長い円錐状の花序がのびます。花序はいくらか小さな枝を出して、そこに頭花がいくつかずつつきます。頭花は白色、キク科の花を見たとき、ふつう花びらのように見える「舌状花」がモミジガサにはなく、小花はすべて両性の「筒状花(管状花)」です。1つの頭花には5つ程度の筒状花があります。
「総苞」の部分は細長い筒形で白緑色。幅は5mmあるかなというくらいで、そこには、細長い「総苞片」が5つほど並んでいます。果実は、長さ5mmくらいの「そう果」です。
【和名】モミジガサ [紅葉傘]
【別名】モミジソウ、シドキ
【学名】Parasenecio delphiniifolius (Cacalia delphiniifolia)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/11/06
【撮影地】東京都檜原村
■当ブログ内関連記事
→テバコモミジガサ
→カシワバハグマ
■Trackback People : 野草people
【関連する記事】
中国の写真のアルバム作りをしていたらこんな時間になってました。
モミジガサは5月はじめやわらかな若芽が出てそれがとても美味しい!
杉の木の下によくあることから
(とうきちろう)と呼んでいます。
春一番、タラの芽と共に頂く山菜です
早く春にならないかな。
今年初めて花を見ました。
カシワバハグマやオクモミジハグマと一緒に御岳山にありました。
おはようございます、いえ、こんにちは!
中国旅行のアルバム作り。つい夢中になってしまうほど、楽しい旅行だったのでしょうね。
モミジガサ。そうなんだ!「トウキチロウ」っていうんですか。おもしろ〜いですね。初めて聞きました。ちょっと地味めですが、林床に咲く野草の面々、好きですね〜。
明るいムードで嬉しいことです
花が咲かないと何だか解らない。そんな
私から脱皮出来るかなァ。
時間がかかりそうですが、勉強させてもらいます。
♪芽が出て膨らんで花が咲いて♪………
成長の過程にもっと気をつけて観察して
いくよう心がけてみます。
そんな気持ちにさせてもらって感謝!感謝
清子様のご成婚、本当、おめでとうございます!世の中、幸せなことがもっともっとふえてほしいですね。
同じですよ。花が咲かないとわからないものばっかりです。実は咲いていてもわからない宿題みたいなものも、いろいろとあるんですよね。
花の美しい盛りを見たいのは山々なんですが、どうも旬を逃すことばっかりで、ここのブログの写真は、そういう産物なんですよ。
でも、それを面白いといってくださるみなさんのおかげで、何とかここまで続けてこられましたし。いろんな部分も注意してみようって気持ちにもなりましたし。わたしの方こそ勉強させてもらっています。ありがたいことです。感謝、感謝!