エノキは、本州、四国、九州に分布し、山野に結構ふつうに生育するニレ科エノキ属の落葉高木です。高さは15mほど、幹の直径は1m以上にまでなります。大きくなった木を遠めに見ると、比較的下のほうからよく枝分かれして、横にも大きく広がって、こんもりと丸く豊かな感じの樹形。同じニレ科の「アキニレ」や「ケヤキ」に似ているところがあります。樹皮はアキニレの場合は、不規則によくはがれるし、ケヤキも大きくなればはがれますが、エノキの樹皮ははがれません。色は灰黒色で、ツブツブの模様があって滑らかではないです。
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葉は互生。葉の形は幅の広めの卵状楕円形で、ちょっとひし形っぽいです。長さは4cm〜10cm、幅は2.5cm〜5cmくらい。縁のギザギザ(鋸歯)が、葉の上半分にだけあるのがポイント。そして、しばしば鋸歯は先にほんのちょっとだけになったり、全縁になったりします。この点はケヤキなどとは大きく違っています。
また、葉の付け根の部分に注目すると、3本のはっきりとした葉脈が出ているのが目立ちます。その付け根から出ているものも含めて、側脈は3対〜4対です。表面には少し光沢があります。裏面はやや色が薄く、脈上に毛があります。表面にも脈上に少し毛が見られます。
花期は4月〜5月。その年にのびた若い枝に小さな花がつきます。花は淡い黄緑色で、枝のより上の部分には両性花がつき、より下部には雄花がつきます。果実はやや縦長の球形、直径は8mmほど。秋に熟すとオレンジ色〜赤褐色になります。
葉は秋には黄色に色づいて、やがて落葉します。冬芽は小さな三角形で枝にはりついたような感じ。濃い褐色の毛のある数枚の「芽鱗」に包まれています。「葉痕」は枝からちょっと張り出して、上向きになっています。
【和名】エノキ [榎]
【学名】Celtis sinensis
【科名】ニレ科 ULMACEAE
【撮影日】2005/11/11、2005/11/17
【撮影地】東京都日野市
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ゴマダラチョウの幼虫がいたりするんですよね。
って、一度も出会ったことはないのですが(^_^;
そもそもエノキの場所を把握してなかったり・・・。
このエントリーを参考にして、今度探して見ます!
そうなんだ。ゴマダラチョウって幼虫で越冬するんですね。こちらの近所ではエノキはたくさんあるんですが、ゴマダラチョウ、意識したことなかったです。よくさがして、越冬中の姿も見てみたいです。おかげで楽しみが増えました。ありがとうございます!
エノキは、葉っぱの3本葉脈と、BB弾(←ご存じですか?)みたいな実とゾウさんのあんよみたいな樹皮が魅力の木ですよね。
繁殖力旺盛で、あちこちで雑草のごとく自生しちゃうし、花が地味なので、なんの木か解らないし…。
でも、国蝶オオムラサキを初めとする虫たちにも
オレンジの実が美味しくて鳥たちにも、
大人気の木ですよね。
この木が見分けられるようになった時、とっても嬉しかった…という、思い出の木もあります。
もうすぐ、真っ黄色に染まって散りますね。
こんばんは!お返事、ずいぶんと遅くなってしまいました。
うおおっ。たくさんエノキの魅力を語ってくださってありがとうございます。改めていろいろ見直してみたいと思いました。そっかぁ、BB弾。それくらいの大きさかも。
確かに小さいエノキはこちらでもたくさん見られます。雑草並みに多いかも?でも小さめのエノキばかりなもので、樹皮の特徴が今ひとつなんですよね。ぞうさんのあんよ見たいなの、近くで見つけたいです。
先週エノキを初めて見つけました。小さな実は甘みがあるとあとから知って今度は試してみるつもりです。
こんにちは!
エノキ、ご覧になったんですね。今だと葉っぱが黄色くなっていて、結構いいもんですね。果実の赤く熟したものは甘いと思いますよ。こちらの近所では手の届く範囲では、まだ実を見つけられてないんですよね。今日たまたま見かけた木は、ちょっと大きすぎだったからなぁ。ダメかも。
エノキの芽が動きだしました。
ツツジの植えこみの中から、芽を出しているのは、たぶん 鳥の糞によるのではないかな?
タマムシも葉をよくたべますね。
静岡県人