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ベニバナボロギクは、アフリカ原産の帰化植物です。夏の花という感じがしますが、花期は8月〜11月で、初冬まで花が見られることがあります。花の時期には草丈30cm〜1mほどになり一年草です。日本国内では戦後まもなく北九州で発見され、その後は瞬く間に分布が広がったそう。今では空き地や道路脇などでふつうに見られます。
写真は幼植物で、これで草丈は15cmほどです。本格的な冬を前に果たして開花までこぎつけるでしょうか。アフリカ出身の一年草ということで、これくらいまで生長した幼植物の状態では、関東とはいえこの冬を乗り越えられないかもしれません。天候の影響か何かで、本来春に発芽するはずが、芽生える時期を間違えてしまったのでしょうか。
山火事や人の手が加わってかく乱された土地にどこからともなく種子が飛んできて、いち早く侵入するほどの高い種子分散能力を持つ帰化植物。そのたった1個体の行く末を案じることもないのでしょうが。。。どこかこの草には切なさを感じずにはいられません。それは、この草が食べられる野草で、それには、悲しい歴史があるからなのかもしれません。
葉は「シュンギク」のような香りがあって、第二次世界大戦中には「南洋春菊」、「昭和草」と呼ばれ、台湾などで実際に日本の兵士たちがシュンギクの代用野菜として食用にしていたというのです。さらに台湾の先住民の人たちは「ヒコーキグサ」とも呼ぶそうで、その理由が飛行機をたくさん目にするようになってからこの草が増えたからだといいます。そういった歴史を知ると、切なくて胸が痛みます。
以前、わたしもサッとゆでたものを食べたことがあります。「シュンギク」ほどではないですが個人的には結構好みの味でした。どこでもふつうに生えているので、すぐ手に入るかもしれませんが、都市部のものはおすすめできません。見た目もうどんこ病にかかっていることも多くて、食べようという気持ちにはなれないでしょう。目指すなら、ちょっと山の中の伐採跡地ですね(笑)。
花は筒形で下を向いて咲きます。筒の部分は緑色で、先端だけが紅色です。新鮮な花は結構きれいなものですよ。それなのに、なんで「ベニバナボロギク」なんて名前になってしまったのか、その原因は花の終わった後の姿にあるんです。花が終わると、白い綿毛(冠毛)が伸びてきます。できてすぐのときはごくふつうの綿毛ですけれど、しだいにほころびてきて、ちょっと美しくない姿になります。その様子がボロ布みたいだということで、「ボロギク」と名づけられてしまいました。ベニバナボロギクは、紅色の花をつける襤褸菊ってことですね。
【和名】ベニバナボロギク [紅花襤褸菊]
【学名】Crassocephalum crepidioides
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/11/05
【撮影地】東京都日野市
■当ブログ内関連記事
→ダンドボロギク
同じように「ボロギク」と名づけられた「ダンドボロギク」のボロボロな姿をすでにご紹介済みです。これまでの記事の中でも一二を争うほどの「ボロボロ」ですので、よかったらぜひご覧くださいませ。
お鍋に入れて食べてみたいです。
葉っぱだけで判断するのが難しそうなので、他に特徴的なこと(茎の色とか)があればぜひ教えて下さい。
綺麗な花らしいのに、なんだか可哀想な名前ですねー。
私は花を見て場所を見つけておいて、来春この写真を持ってロゼットを探しに行こうと思いますが、このあいだ発見したとっておきの群生地はびみょーに私有地の中…
お鍋もいいかもしれませんね〜。
茎の色には特別これといって特徴がないんですよね〜、だいたい緑です。すこし葉の付け根などは紫がかることもありますが。あまり目立たないと思いますが、縦に筋があって全体的にちょっと瑞々しさがあるかなってぐらいです。あまり決め手にはならないですね。花があればほとんど間違えることはないですが。
最初はちょっと難しいかもしれませんが、この植物の場合は茎よりも葉の方が特徴的でわかりやすいと思いますよ。質は薄い感じで、若い葉だと表面には独特の光沢があって、中央の葉脈が紫色を帯びることが多いです。また、葉をちぎって「春菊」のような匂いがあるかどうか確かめるって方法もありますが、匂いの感じ方は人それぞれですからね〜。
確かにかわいそうな名前ですよね。植物の名前って意外とかわいそうなものも多いんですよ〜。
■花鳥風月@gooさん
お鍋、よさそうですね〜♪それほどくせの強い方ではないので、炒め物、揚げ物、和え物、おひたし、いろいろできそうですね。
ロゼットだと、写真のものより切れ込みが入っていることもあると思いますよん。とっておきの群生地でまず確認するっていうのはいいですね。しかし、私有地の中ですか〜。入るのもなかなか難しいことがありますよね〜。「ベニバナボロギク取らせてください!」ってわざわざいうのもなんですしね…
◆ご注意ください!◆
野草を食べるのは、天然の恵みを実感でき楽しいものですが、食用として栽培されたわけではないので、その安全性には何の保証もありません。これまで問題ないと思われていた「スギヒラタケ」の例もありますしね。図鑑などで十分下調べをして、生育地でもしっかりと観察してくださいね。調理の際もよく洗い、ちゃんと火を通すなど、どうかご注意くださいませ。
上のコメントの◆ご注意ください!◆ですが、知三朗さんと花鳥風月@gooさん、お二人に関しては心配していませんよ〜。すごくアウトドア〜な感じですから。
小さいサイトですがブログということで、検索にかかって、いろんな方の目に触れることがあるかもしれないので、一応サイト管理人としては、注意も書いておかないとってことで。
ということで、皆様、どうぞ十分注意した上で野草のお味をお楽しみください!!
沖縄から
サトウキビの苗を輸入した際に
一緒について来ました
ずっとなんと言う草なのか疑問だったけど
食べられるのかなぁ〜〜〜
今年は3年目
昨年の株は
家の中で
冬越しさせています