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ハナノキは、長野県、愛知県、岐阜県などの限られた地域に分布する落葉高木です。高さは20m〜30mにも達し、直径もかなり太く1mくらいにもなります。カエデ科カエデ属ですが、ハナノキは、葉が3つに裂ける種です。ふつうカエデといって思いつくのは、葉の縁が5つに裂けて手のひら形になるものですけれど、これはちょっと趣が違っています。樹皮は縦に深く裂けます。
葉は対生。幅の広い卵形で、縁は3つに浅めに裂けます。裂け方には変異が多くて、同じ株の中でもほとんど裂けていないこともあります。そして、それぞれの裂片の縁には先端に向かってギザギザする鋸歯があります。その鋸歯はちょっと粗めです。葉身の部分の長さや葉柄の長さにはやや長短あります。葉身は長さ3cm〜8cm、幅2cm〜10cm。葉柄は1.5cm〜7cmくらいです。葉脈は葉の付け根の部分から3本出ます。
表面は濃い緑色。裏面は粉をふいたように、少し白っぽくなります。秋には橙色〜赤、または黄色になって、とても美しいです。
花期は4月。葉が展開するのに先立って、たくさんの紅色の花をつけます。雄花と雌花が別の株につく雌雄異株。特に雄花のは大きくて集まって咲くので、より濃い紅色が目立ちます。花には、長さ3mmほどの花弁とガク片が、それぞれ5つずつあります。といっても、ふつうに思い描くような花びらという感じではないです。雄花には長い雄しべが5本。雌花の方にも雄しべが見られますが、短いものです。そのかわり、2つに裂けた花柱が突き出ます。
雌花の方の花柄は、次第にのびて、果実はその長い柄の先にぶら下がります。果実は「翼果」で、プロペラの長さは2cmくらい。丸っこい冬芽は「イタヤカエデ」をより派手にした感じです。
ハナノキ。春に咲く紅色の花が美しいことからきているといいます。春に美しい花を咲かせる樹木もたくさんありますけれど、運よく?この樹木だけがこの名前をもらっています。ただし、ハナノキって、「シキミ」の別名でもあるらしいですね。それに、名前の由来は他にもあって、若葉のころ全体が桃色に見えるところから、きているともいいます。
【和名】ハナノキ [花木]
【別名】ハナカエデ [花楓]
【学名】Acer pycnanthum
【科名】カエデ科 ACERACEAE
【撮影日】2005/11/27
【撮影地】東京都新宿区
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樹木の仲間が続くと、ちょこっと口が挟めて嬉しいです。
ハナノキは、なんと、植栽されてるんです。自宅のすぐそばに。
綺麗な木ですよ、花も紅葉も♪
樹形もあまり暴れず、街の 良いアクセントになっています。
自生地が限られているんですよね。
名札にそう説明されていて、ラッキーと思いましたもの。
でも、翼果は見かけませんので、雄株かもしれないです。
いつもおさんぽしている公園には、アメリカハナノキも有るんですよ。
ますます、幸運でしょ?
こちらの方が日当たりが良いので花付きが見事です。
でも、私としてはゴマダラカミキリが住んでいる木として
印象が深いです。
一度飼ってみたんですが、この木の葉の、葉脈と葉柄の固いとこを美味しそうに食べてましたよ。
うお〜っ!それはラッキーですね。アメリカハナノキとハナノキの違いだって、見比べられるじゃないですか。やっぱり、アメリカハナノキの方が裏白なのかな。
ハナノキ。本当、美しい紅葉ですね。シンボル的な存在の木、よいですね〜。この記事の写真の木にも翼果はなかったですよ。きっと雄株でしょうね。
わっ!いるんだぁ、ゴマダラカミキリ。九州では時々見たことあったのですが、最近は久しく見てないですよ。あの青くて星が散らばった背中、触るとギシギシいって。。。あぁ、何か懐かしいです。子供のころ、わたしはシロテンハナムグリとかドウガネブイブイを飼っていました。。。