2005年06月15日

エビガライチゴ

エビガライチゴ Rubus phoenicolasius
2005/06/12 神奈川県

エビガライチゴは、日本国内では、北海道、本州、四国、九州に分布し、日本以外でも中国や朝鮮半島に分布しています。山地の林縁や草地などに生えるバラ科キイチゴ属の落葉低木です。全体に真っ赤で非常に長い腺毛を密生しているのが、大きな特徴です。トゲはまばら。

葉は互生。3つの小葉からなる「3出複葉」です。小葉は幅の広い卵形。若い時期の葉は3出複葉にならず、卵形の葉が一枚ずつペラ〜っとついていることもあります。また、3出複葉になっている場合は、3つの小葉のうち、先端の1枚が大きく、これを「頂小葉」といいます。他の2枚は「側小葉」といって、エビガライチゴの場合、頂小葉よりも小さく、長さは5cm前後です。葉の裏面は白い綿毛が密生しているので、真っ白。

エビガライチゴ Rubus phoenicolasius
2005/06/12 神奈川県
生長した株の芽
エビガライチゴ Rubus phoenicolasius
2005/05/05 東京都
若い芽


花期は6月〜7月。枝先に円錐花序を出して白色〜ごく淡い紅紫色の花を咲かせます。花弁は5枚です。花弁は長さ5mmくらい、ガクは長さ1.5cmほど。花弁よりもガクの方がずっと目立ちます。ガクの先はとがって外側には真っ赤な腺毛が密生しています。内側は白色です。

果実は、直径1.5cmくらい。赤く熟して、食用になります。

【和名】エビガライチゴ [海老殻苺]
【別名】ウラジロイチゴ
【学名】Rubus phoenicolasius
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/05/05、2005/06/12
【撮影地】東京都日野市、神奈川県津久井町

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2005年06月07日

オオヤマフスマ

オオヤマフスマ Moehringia lateriflora


オオヤマフスマは、北海道、本州、四国、九州の山地の草原や林道脇の草地などに見られる多年草です。草丈は5cm〜20cm。しばしば少しだけ分枝し、ヒョロヒョロと線の細い印象。茎には細かい毛が密生しています。

葉は2枚対生。葉柄はなく茎をはさんで、2枚が向き合っていますが、茎を抱きこむというほどではありません。長さ1.5cm〜2.5cmくらいの長楕円形、先は丸っこい。中央部に入る主脈が目立ち、表裏ともに細かい毛があります。

花は、集散花序に数個まばらにつきますが、花序の出方がちょっと変わっている。花序は茎の先端ではなく茎の上部の葉腋から出ますが、片方にだけヒョロっと出てきます。

オオヤマフスマ Moehringia lateriflora


花期は6月〜8月。直径1cmくらいの白色の5弁花。同じナデシコ科でも、ハコベ属の花弁は先が細くて2つに裂けていることが多いですが、オオヤマフスマの花弁は先が丸く、切れ込みもありません。オオヤマフスマは、「オオヤマフスマ属 (Moehringia)」に分類されています。属名の「Moehringia」はドイツ人の「Moehring」という人にささげたもので、この属に分類される植物の特徴をあらわすものではありません。一方、種小名の「lateriflora」には、「花の側生した」という意味があって、花序の出方からきているのではないでしょうか。

真っ白の花弁は上向きにパッと平開します。5つに裂けたガク片は花弁の長さに比べて短く、花弁の半分ほどの長さなので、花が開いているうちはあまり目立ちません。そのガクにも細かい毛が生えています。花の中央部には10本の雄しべと少し太めの花柱が3本あります。

写真の場所は、標高1000mをこえている。6月の第一週の撮影。開花まであと一週間くらいかな。

【和名】オオヤマフスマ [大山衾]
【別名】ヒメタガソデソウ
【学名】Moehringia lateriflora
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2005/06/05
【撮影地】山梨県塩山市

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2005年06月03日

シラー・ぺルビアナ

シラー・ぺルビアナ Scilla peruviana
2005/05/10 蕾

シラー・ぺルビアナは、南ヨーロッパ、北アフリカなど地中海沿岸原産の多年草です。その原産地とはかけ離れて、英名は「Cuban lily」や「Peruvian liliy」、学名の種小名は「peruviana」と南米的です。不思議なものですね。一説によれば、この植物の球根を運んだ船の名前「Peru」からきているのだとか。

シラー・ぺルビアナは、ユリ科ツルボ属(シラー属またはスキラ属)に分類されています。シラー属はヨーロッパ、アジア、アフリカなどに100種ほどが知られていて、日本でも数種が栽培されていて、釣鐘型の花をつけるタイプと星型の花をつけるタイプがあります。

釣鐘型のタイプには青紫で小型の「シラー・シビリカ(Scilla siberica)」、青、桃色、白の小型の「シラー・ビフォリア(Scilla bifolia)」、背の高めの「シラー・カンパニュラータ(Scilla campanulata)またはシラー・ヒスパニカ(Scilla hispanica)」などがあり、星型のタイプには今回の「シラー・ぺルビアナ」があります。

(注)「シラー・カンパニュラータ」は、正式にはシラー属から分けられて、「ヒアシンソイデス・ヒスパニカ (Hyacinthoides hispanica)」とされています。

シラー・ぺルビアナ Scilla peruvianaシラー・ぺルビアナ Scilla peruviana
2005/05/24

シラー・ぺルビアナは、草丈は20〜50cmほど。球根は「鱗茎」で、直径は5cmくらいです。この鱗茎は有毒だということです。

葉は幅の広い線形で、長さは20cm〜30cmほど。花茎も太く葉も重厚な印象ですが、ややその重みで倒れてしまうこともあります。茎の株を束ねるか、支柱を立てた方がいい場合もありそうです。実際写真のものは、花が咲き進むにつれて株もとから倒れてしまっていました。

花期は5月〜6月。花は、大きな花序に50個前後。多いものでは100個近くものたくさんの花を咲かせます。濃い紫色の星型の花で、とても豪華な花で目をひきます。花色は濃い紫がもっともふつうだと思いますが、他に桃色や白色もあるのだそうです。

蕾のときは、たくさんの蕾がギュッとかたまってついた状態で円錐形、花序の下から上へと咲き進みます。花序は「散房状」で、花が咲き進むにしたがって間延びした状態になります。花が終わった後の花序も巨大です。

【一般名】シラー・ぺルビアナ
【別名】オオツルボ [大蔓穂]
【英名】Cuban lily、Peruvian liliy
【学名】Scilla peruviana
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/05/10、2005/05/24
【撮影地】東京都日野市

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2005年06月02日

アオツヅラフジ

アオツヅラフジ Cocculus trilobus
2005/05/29 神奈川県

アオツヅラフジは、日本国内では、北海道の一部、本州、四国、九州、沖縄に分布し、日本以外にもアジア東部や南部に分布しています。山野の草地や林縁などに生える落葉性のつる植物で、草本のようにも見えますが、ツヅラフジ科の木本です。図鑑では「木本」の方に載っていたり「草本」の方に載っていたりです。

アオツヅラフジ Cocculus trilobus
2005/04/26 東京都

葉は互生。幅の広い卵形で、先は丸みがあります。しばしば、浅く3つに裂けています。長さは5cm〜10cmくらい。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。質は厚めでかたそうな印象。表面には少し光沢があります。

特に若いころの葉は「ヤマノイモ」や「ウマノスズクサ」のような形ですが、アオツヅラフジの場合は、茎や葉に毛がたくさん生えているので、見慣れれば区別できます。ちなみに、いずれもつる性の植物ですが、ヤマノイモはヤマノイモ科の多年草、ウマノスズクサはウマノスズクサ科の多年草で、花も果実もそれぞれまったく違っています。

アオツヅラフジ Cocculus trilobus
2004/09/21 静岡県

花期は6月〜8月。黄白色の目立たない花を葉腋や枝先に咲かせます。雄花と雌花が別の株につく雌雄異株。花弁、ガク片は6つ。雄しべも6本です。

果実(核果)が熟すのは秋。球形で直径7mmくらい。熟すと表面は粉をふいたように白っぽい黒紫色になります。房についている様子は、まるで「ブドウ」のようです。中の種子はカタツムリのような形になるそうですが、筆者はまだ実物を見たことがありません。今年はそれを確かめてみたいです。

【和名】アオツヅラフジ [青葛藤]
【別名】カミエビ
【学名】Cocculus trilobus
【科名】ツヅラフジ科 MENISPERMACEAE
【撮影日】2005/04/26、2005/05/29、2004/09/21
【撮影地】東京都日野市、神奈川県藤野町、静岡県新居町

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2005年06月01日

ミミナグサ

ミミナグサ Cerastium fontanum subsp. vulgare var. angustifolium


ミミナグサは、日本全土に分布し、田畑の周辺や道ばたなどに生える越年草です。草丈は15cm〜30cm。茎はやや斜めに伸びるので、茎の長さが比較的長くなるにもかかわらず、高さは低め。全体に短毛が生えていて、少しは白っぽく見えるのですが、よく似た帰化種の「オランダミミナグサ (Cerastium glomeratum)」よりは白くない。オランダミミナグサの方は、全体に軟毛と腺毛が密生してフサフサフサフサ、触ると粘るのですが、ミミナグサは茎などの毛は短く、茎の上部やガク片に腺毛が混じるくらいです。さらに、茎は紫褐色を帯びていることが多いです。

葉は長さ1cm〜3cmくらいの長楕円形。ナデシコ科らしく2枚対生、葉柄はありません。色が濃く、オランダミミナグサの黄緑色とは印象が違ってきます。

一度わかると、毛の量、茎の色、伸び方などの違いから、オランダミミナグサとは直感的に区別できるようになります。しかし、両者の区別点としてよくあげられているのは、「花柄の長さ」特に果実期の柄の長さの違いです。オランダミミナグサは花柄が短くて、より花が密集してつく感じになります。それに対して、ミミナグサの方は花柄が長めで、ガク片の長さよりも長いとされています。それで、やや花はまばらにつく印象になります。

ミミナグサ Cerastium fontanum subsp. vulgare var. angustifolium


花期は4月〜6月、オランダミミナグサより少し遅め。茎の上部の花序に数個ずつ咲きます。白色の花弁は5枚、先端が2つに裂けることが多いですが、10枚に見えるほど深くないです。ガク片も5つ花弁と長さは同じくらい〜ややガク片の方が短い程度。雄しべは10本。

ガク片はオランダミミナグサよりも顕著に紫色を帯びていることが多いです。オランダミミナグサのガク片は先端や縁がほんの少し紫がかるくらいで、ほとんど薄い緑色。

【和名】ミミナグサ [耳菜草]
【学名】Cerastium fontanum subsp. vulgare var. angustifolium
(Cerastium holosteoides var. hallaisanense)
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2005/05/29
【撮影地】神奈川県藤野町

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2005年05月31日

ミヤマハハソ

ミヤマハハソ Meliosma tenuis


ミヤマハハソは、本州、四国、九州に分布し、山地の落葉樹林の林縁などに生える落葉低木です。高さは3m〜4mほど。特に若い枝は細くて赤みを帯びています。

葉は互生。先のとがった倒卵形。長さは10cm前後です。表面は濃い緑色でやや光沢があるように見えます。質は少し厚ぼったい。縁のギザギザ(鋸歯)は、波を打つような感じで粗め。葉の両面や葉柄には細かい毛が生えています。

「コナラ」の葉によく似ています。コナラの別名が「ハハソ」。「ミヤマハハソ」は、アワブキ科、コナラはブナ科でまったく別の植物ですが、葉がコナラに似ていて、より深山に生育するところから、ミヤマハハソと呼ばれています。

花期は5月〜6月。枝の先から円錐花序が垂れ下がるように出ます。花序には淡い黄色の小さな花がたくさんつきます。1つ1つの花は、直径5mmに満たないような小さなものです。花弁は全部で5枚ありますが、そのうち3つは大きく円形で、残りの2つは鱗片状になっています。雄しべも5本ですが、こちらは2本が完全で花粉のできる雄しべ、3本は退化して鱗片状になり花粉はできないものです。この花粉のできない方を「仮雄しべ」といったりします。ガクは3個〜4個です。果実(核果)は球形で、秋に熟すと黒っぽくなります。

冬芽は「芽鱗」のない「裸芽」です。葉のついていた痕跡の「葉痕」に見られる「維管束痕」はU字型に点々が並びます。梅雨入り間じかのこの時期に「冬芽」の話をするのも何ですが、この時期でも見ようと思えば、維管束痕だって見られるのです。

【和名】ミヤマハハソ [深山柞]
【別名】ミヤマホウソ
【学名】Meliosma tenuis
【科名】アワブキ科 SABIACEAE
【撮影日】2005/05/29
【撮影地】神奈川県藤野町

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2005年05月28日

ツボミオオバコ

ツボミオオバコ Plantago virginica


ツボミオオバコは北アメリカ原産の一年草です。本州の関東〜沖縄の道ばたや荒れ地などに見られます。筆者の近くの関東の丘陵地では「ヘラオオバコ」よりは見る機会が少なめです。しかし、生えている場所ではしばしば群生します。

全体に毛が密生していて白っぽく、やわらかそうに見えます。葉はすべて根生葉で、ロゼット状になります。長さ3cm〜10cmの倒披針形。縁は少しだけ鈍い鋸歯(ギザギザ)が見られることもありますが、ほとんど目立ちません。それよりもたくさんの毛の方がずっと目立つ特徴です。花が咲くころにはやや葉が立ち上がってきます。

ツボミオオバコ Plantago virginica


花期は5月〜8月。根生葉の間から10cm〜30cmの花茎が出て、茎の半分より上にたくさん穂状に花がつきます。花は軟毛の生えた「ガク」と「苞葉」に包まれています。開花している花序を見たときに薄い褐色のピラピラしたものが見えますが、それが「花冠」です。花冠の先は4つに裂けていますが閉じていることが多いです。それで、「ツボミオオバコ」と呼ばれます。かなり小さな個体でもよく開花しています。

オオバコの仲間では、雌性期と雄性期があって、雌しべが雄しべよりも先に成熟する「雌性先熟」です。雄しべは雌しべが受精しその役目を終えた後、熟してきます。ツボミオオバコの雄しべはヘラオオバコのように長〜く伸びず、あまり目立たないので、ヘラオオバコほど雌雄の交代の様子がわかりづらい。でも、花冠の先は閉じていることが多くても、まったく開かないわけではなく、雄しべが見えていることもあります。

果実は「蓋果(がいか)」と呼ばれる果実で、熟すと横にパコッと割れます。種子は黒っぽい楕円形で2つ入っています。

【和名】ツボミオオバコ [蕾大葉子]
【別名】タチオオバコ
【学名】Plantago virginica
【科名】オオバコ科 PLANTAGINACEAE
【撮影日】2004/04/26
【撮影地】東京都日野市

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(注)カテゴリー、「蕾図鑑」に入れていますが、特に一番上の写真は蕾というわけではありません。開花中の個体も含まれています。

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ムラサキセンダイハギ

ムラサキセンダイハギ Baptisia australis
2004/04/26

ムラサキセンダイハギは、北アメリカ原産で、マメ科ムラサキセンダイハギ属(Baptisia)の多年草です。黄色の花を咲かせる「センダイハギ (Thermopsis caroliniana 先代萩)」の方は、センダイハギ属という別属に分類されています。また、「ハギ」と名前につきますが、「ハギ属」でもありません。

とても美しく観賞用に栽培に栽培されますが、耐寒性、耐暑性にすぐれているので、育てやすく露地植えでの越冬が可能とされています。

草丈は80cm〜120cmほど。茎や花序など、全体に粉を吹いたように白っぽくみえます。葉は3つの小さい葉(小葉)からなる「3出複葉」で、1つの小葉の長さは10cm前後。細長い楕円形〜倒披針形で、縁にはギザギザ(鋸歯)はなく全縁。基部につく「托葉」も切れ込まず、小さくて細長い楕円形。

ムラサキセンダイハギ Baptisia australis
2004/05/25

花期は5月〜6月。茎頂や茎の上部の葉腋から上向きに花序を出して、多数のとても鮮やかな紫色の花を咲かせます。長く伸びた花序は、葉のある位置よりも高く突き出して、花がよく目立ちます。整った形のマメ科の「蝶形花」で、一番上の「旗弁」と両脇の脇の「翼弁」は鮮やかな紫色ですが、2枚の翼弁に包まれるような状態の「舟弁(竜骨弁)」はちょっと色が薄め。ガクは粉を吹いたように白っぽくなっています。

【和名】ムラサキセンダイハギ [紫先代萩]
【学名】Baptisia australis
【科名】マメ科 LEGUMINOSAE
【撮影日】2004/04/26、2004/05/25
【撮影地】東京都日野市

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2005年05月25日

ヘラバヒメジョオン

ヘラバヒメジョオン Erigeron strigosus


ヘラバヒメジョオンは、北アメリカ原産の越年草または二年草です。ヨーロッパやアジアなどに広く帰化しているといいます。日本に入ってきたのは大正時代のことだったそうです。現在では、河原や道ばた〜山地、あるいは亜高山帯の草原まで生育し、主に乾燥したやせ地に多く見られます。よく似た「ヒメジョオン (Erigeron annuus)」と同所的に見られることも多いですが、ヘラバヒメジョオンの方がより自然植生に入り込みやすく、高原の草原でもしばしば生育しています。

ごくふつうに、秋に芽生えてロゼットの状態で越冬する越年性の一年草だと思っていたのですが、特に高原の草地などに生えている場合などは、ロゼットの状態で2年〜4年過ごすこともあるのだとか。

草丈は30cm〜1mほど。上部の方で少し枝分かれします。全体にヒメジョオンよりスレンダーに見えます。ヒメジョオンの茎の毛が開出してよく目立つのに対して、ヘラバヒメジョオンの茎の毛は伏した毛で、一見、わかりづらい。さわるとザラザラします。

葉は互生。細長いヘラ形。縁には低いギザギザ(鋸歯)があっても不明瞭なことが多く、ほとんど全縁に見えます。根生葉も幅は狭くほぼ全縁です。茎の上部の葉だけを見ていると、ヒメジョオンも葉の幅が狭く鋸歯が少なくなってくる傾向があるので、おや?っと思ったときは、茎の毛と下部の葉を見るとよいと思います。ヒメジョオンの葉はふつう粗い鋸歯があります。

ヘラバヒメジョオン Erigeron strigosusヘラバヒメジョオン Erigeron strigosus


花期は6月〜10月。枝の先に。花(頭花)は直径1.5cm。キク科の植物なので、1つの花に見えているものは、小さい花(小花)がたくさん集まっている「集合花」です。周辺部にあって、白色の花びらに見えている小花は「舌状花」です。中心部の黄色い部分の小花は、「筒状花」または「管状花」といいます。ヒメジョオンにそっくりの花です。

蕾のときにあまりうなだれないことや、茎を折ったときに中に白い「髄」がつまっている点などもヒメジョオンと同様です。この点で、両者とも「ハルジオン (Erigeron philadelphicus)」と区別できます。開花が始まる時期はハルジオンは早めで、関東の丘陵地ならふつう4月から、ヒメジョオンで5月半ば以降、ヘラバヒメジョオンは6月くらいからになります。

【和名】ヘラバヒメジョオン [箆葉姫女苑]
【学名】Erigeron strigosus (Stenactis strigosus)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/05/25
【撮影地】東京都日野市

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2005年05月13日

ノビル

ノビル Allium macrostemon


ノビルは、日本全土に分布し、道ばたや土手、田畑の周辺などに生える多年草です。ふつう、秋の終わりに葉を出して越冬します。葉は細長く長さ30cmほど。「蒜」というのは、「ネギ」や「ニンニク」などの総称。ノビルの根もとの様子もネギのよう。葉や地下の球根(鱗茎)を食べることもできます。鱗茎は白っぽい膜のような皮に包まれていて直径は1cm〜2cm。

ノビル Allium macrostemonノビル Allium macrostemon


細長くヒョロヒョロとのびているのは花茎で、40cm〜60cmほどになります。先端の白っぽい塊は蕾のある部分で、白っぽくて薄い膜のような総苞の中に蕾が包まれています。その総苞の先は細長くくちばしのようにとがっています。花期は5月〜6月。花序にはよく「ムカゴ(珠芽)」ができます。花を咲かせず、ムカゴだけの場合もあって、しばしば花序についたままの状態でニョロニョロと芽を出します。

これまでよく用いられてきた分類体系の「新エングラー体系」や「クロンキスト体系」では、ノビルが含まれる「ネギ属 (Allium)」は、「ユリ科 (LILIACEAE)」とされています。しかし、近年発達した分枝系統学的な手法、主に葉緑体DNAの解析結果を用いた「APG植物分類体系」では、「ネギ科 (ALLIACEAE)」に分類されます。

被子植物の分類も系統を反映したものへと移り変わりつつあるようです。特に非常に多様で大きなグループだった「ユリ科」は大揺れで、単子葉類全体の分類が見直されるほどになっています。

ノビルの花では特にガクと花弁の区別がなく、花びらに見えているものは「花被片(かひへん)」と呼ばれます。一般的な「ユリ属」の場合だと、花びらに見えるものが6枚あって、質や形は似ていますが、3枚ずつ内外の区別をして「内花被片」、「外花被片」と呼んでいます。話をノビルにもどすと、ノビルの場合は、その花被片が6つです。これはネギ属の全般に見られる特徴で、「ニラ」や「アサツキ」でも同様です。

花被片は白っぽくうっすらと紅紫色を帯びていて、平たく開きます。花序の形は散形状。雄しべは6本あって、花被片よりも長くなります。

【和名】ノビル [野蒜]
【別名】チョウセンノビル
【学名】Allium macrostemon (Allium grayi)
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/05/12
【撮影地】東京都日野市

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2005年05月11日

キツネアザミ

キツネアザミ Hemistepta lyrata
2005/05/05

キツネアザミは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、道ばたや田畑の周辺、空き地など日当たりのよい場所に多く見られる越年草です。主に秋に芽生えて、根生葉をロゼット状に広げて越冬します。日本以外にも中国、朝鮮半島など広く分布していて、日本には古い時代に農耕とともに入ってきたものと考えられています。いわゆる、「史前帰化植物」の1つだといわれています。

草丈は、60cm〜1m近くにまでなりますが、かなり小さな個体でも開花しています。春先の生長はめまぐるしいものがあって、グングン生長し、いつの間にか花を咲かせています。地上部も直立していますが、地下の根も直根性、まっすぐに下に伸びているので、意外にスポッと抜けたりします。

キツネアザミ Hemistepta lyrataキツネアザミ Hemistepta lyrata


一見、アザミ属(Cirsium)の花に似ていますが、キツネアザミ属(Hemistepta)という別属に分類されています。よく見ると、かなり違いがあります。葉は質が薄く柔らかくて、アザミ属のようなトゲはありません。さわっても痛くないです。葉は羽状に深く裂け、葉の裏には白い綿毛が密生していて、真っ白に見えます。似ているけれど異なるもの、有用なものに似てはいるけど役に立たないものに、「キツネ」や「イヌ」とつくことが多いのですが、キツネアザミもアザミに似ているけど実はぜんぜん違うことからきているそうです。

花期は5月〜6月。茎の上部で枝分かれして、花(頭花)は上向きにつき、真上にツンツン突き上げるような状態になります。直径2cm〜2.5cmくらいで、紅紫色。下の球形の「総苞」という部分には「総苞片」が並んでいて、そこはなにやらゴツゴツした状態になっています。それは、総苞片にトサカのような突起があるためです。蕾の状態でも、何となくその突起の片鱗が。。。

紅紫色の部分は、たくさんの小さい花(小花)が集まっていて、すべて筒状花。花びらに見える舌状花はありません。頭花をよく見ると、先が2つに裂けてクルッと巻いているものが飛び出しているのが見えます。それは雌しべの花柱です。果実には白い冠毛があります。

【和名】キツネアザミ [狐薊]
【学名】Hemistepta lyrata
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2005/05/05、2004/04/10
【撮影地】東京都日野市

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2005年05月10日

ヒルザキツキミソウ

ヒルザキツキミソウ Oenothera speciosaヒルザキツキミソウ Oenothera speciosa
2005/05/10

ヒルザキツキミソウは、北アメリカ原産の多年草です。日本へは大正の終わりごろ、観賞用に入ってきたのだそうです。現在でも各地で栽培され、それが野生化したものも各地で見られます。草丈は20cm〜30cmくらいでも開花していますが、60cmくらいまでなります。地下の根茎が横に広がって、そこからたくさん茎を伸ばすので、よく群生しています。白い毛がたくさん生えた茎もよく枝分かれします。

葉には短い柄があって互生します。長さ5cm内外の細長い披針形です。「披針形」というのは、先はとがっていて、基部は鈍く、最も幅が広くなる位置が中央部より少し下にある形です。アカマンマで知られる「イヌタデ」の葉がちょうどよくその形が表われています(←といっても、当ブログの写真ではよくわかりませんけども)。ヒルザキツキミソウの場合は、縁がギザギザと切れ込んでいたり、ウネウネと波打っているので、ちょっと形がわかりづらいですね。

ヒルザキツキミソウ Oenothera speciosa
2005/04/26

根生葉のころは、どちらかというと、「ユウゲショウ」よりも「コマツヨイグサ」に似ているかもしれません。

ヒルザキツキミソウ Oenothera speciosa
2005/05/10

花期は春から秋。直径5cmほどの4弁花。淡い桃色〜白色です。「ユウゲショウ」よりもかなり大ぶりです。蕾が垂れ下がった状態で茎が伸びてきますが、花は斜め上向きくらいに開きます。雄しべは8本。雌しべの先の柱頭は4つに裂けて平たく開きます。

マツヨイグサ属の花は、しばしば、花がしぼむとオレンジ色っぽくなるものが見られます。ヒルザキツキミソウの場合は、しぼむと淡い紅色になります。また、初めから淡い紅色のタイプを「モモイロヒルザキツキミソウ (Oenothera speciosa var. childsii)」ともいいます。

【和名】ヒルザキツキミソウ [昼咲月見草]
【学名】Oenothera speciosa
【科名】アカバナ科 ONAGRACEAE
【撮影日】2005/05/10、2005/04/26
【撮影地】東京都日野市

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ムラサキツユクサ

ムラサキツユクサ Tradescantia ohiensis


ムラサキツユクサは、北アメリカ原産のツユクサ科トラデスカンティア属(ムラサキツユクサ属)の多年草です。草丈は50cm〜1mほどになります。日本に自生している「ツユクサ (Commelina communis)」は、同じツユクサ科の植物で開花期も近いのですが、ずいぶん様子は違っています。

同じように日本でよく栽培される「オオムラサキツユクサ (Tradescantia virginiana)」。一般的な園芸書では、大きさの違いなどの記述は多いのですが、そのほかが不明瞭。オオムラサキツユクサの方が一般的には、花色が豊富で、八重咲きの品種もあるといわれているようです。こちらは葉の幅が広め、花は大きめでガクに毛が目立つのだそうです。

花期は5月〜9月。茎の先の「さそり形花序」または「さそり状集散花序」に数個の花をつけます。花は1ずつ午前中に開いて、夕方ごろにはしぼんでしまう一日花です。ポツリポツリと比較的長い期間咲き続けます。花色は、青紫の他に、白、赤、ピンクなどの品種があります。

花弁は3枚。直径は2cm〜3cmほど。ガク片も3枚、雄しべは6本です。雄しべのつけ根のほうには細く長い糸状の毛がモシャモシャと生えています。その毛の部分では小さい細胞が1列につながっています。この毛の細胞は、細胞分裂などの観察の教材としてよく用いられます。

花序の形。これまで、当ブログの記事にした「キュウリグサ」の場合も「さそり形花序」としてきましたが、これは間違っていました。キュウリグサやワスレナグサなどムラサキ科の植物によく見られる先がクルリと巻いた花序は、「巻散花序」または「鎌状集散花序」です。こ花序は、主軸に対して花序の上部にいくにしたがって、遠い方遠い方分枝して花がついていきます。したがって、花は一平面につく形になります。

これに対して、ムラサキツユクサの場合は左右交互に分枝して立体的な花序となります。しかし、実際は大きな蕾がかたまってウニャウニャとついていて、花序の様子がよく見えなかったりします。

ムラサキツユクサ Tradescantia ohiensis


葉は線形、付け根の方はさや状になって茎を抱くようについています。このさや状のものを「葉鞘(ようしょう)」といいます。葉鞘の付近は特に長い毛がたくさん見られます。これは、「ツユクサ」でも同様ですが、もう少し毛は短かめです。葉は分厚い感じで、水分を多く含んでいそうな葉です。平行に走る葉脈が目立ちます。

【和名】ムラサキツユクサ [紫露草]
【英名】Common spidewort
【学名】Tradescantia ohiensis (Tradescantia reflexa)
【科名】ツユクサ科 COMMELINACEAE
【撮影日】2005/05/10
【撮影地】東京都日野市

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2005年05月07日

カキネガラシ

カキネガラシ Sisymbrium officinale


カキネガラシは、ヨーロッパ原産の一年草または越年草です。世界的に見ても温帯の地域に広く帰化しているといいます。日本で始めて気づかれたのは、明治の終わりごろのことだとか。現在は、日本各地の道路脇や荒れ地などで見られるようになっています。

草丈は50cm〜80cm。根生葉や茎の下部の方の葉は、羽状に深く切れ込んでいます。長さは20cmくらい。葉は茎の上部ほど小さくなり、切れ込みも少なくなります。全体に剛毛がたくさん生えていて、蕾が見えているあたりも白っぽい。茎の毛は下向きに生えていました。葉裏の脈上の毛も目立ちます。写真にとっては見たものの、ファイルサイズを縮めると、よくわからなくなってしまいました。

カキネガラシ Sisymbrium officinaleカキネガラシ Sisymbrium officinale


カキネガラシ。この植物を全体的にみると、羽状に切れ込んだ、その切れ端みたいなものがあちこち出ているような、何ともつかみどころのない形です。さらに生長してくると、細長い枝がほぼ水平方向に四方八方に出てくるし、アブラナ科なのだけれど果実は茎にペッタリ伏せた状態で、茎はどんどん伸びて花は先端にちょっとだけ咲いているという奇妙な姿になります。

カキネガラシ Sisymbrium officinaleカキネガラシ Sisymbrium officinale


花期は4月〜7月。花は茎の先の穂状花序につきます。黄色の4弁花。直径は4mm〜5mmくらい。ガクにも白い毛が生えています。花序は次々に花を咲かせながら、どんどん伸びていきます。

果実は、細長く先の方はとがっていて、長さ1cm〜2cmほどの「長角果」。多くのアブラナ科の果実は、それなりに果実ができていることがわかりやすいのですが、カキネガラシの場合は、花茎に果実がくっついているので、遠めだと、茎がウネウネしている様子で、果実ができていることを知るような植物です。

同属で、ヨーロッパ原産の帰化植物「イヌカキネガラシ (Sisymbrium orientale)」とは一見似ていますが、イヌカキネガラシの方は、横に長く張り出しているのが果実そのものなのに対して、カキネガラシは伏せた果実つきの花序という大きな違いがあります。

【和名】カキネガラシ [垣根芥子]
【学名】Sisymbrium officinale
【英名】Hedge mustard
【科名】アブラナ科 BRASSICACEAE(CRUCIFERAE)
【撮影日】2005/04/29
【撮影地】東京都日野市

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ブラシノキ

ブラシノキ Callistemon speciosus


ブラシノキは、オーストラリア原産の常緑低木〜小高木です。高さは3m程度になるのがふつうですが、10mを越すこともあるそうです。原産地では山火事のおこるような乾燥した場所に生えます。日本に入ってきたのは明治の中ごろのことだったそうで、以来、暖かい地域を中心に栽培されています。

フトモモ科ブラシノキ属の植物で、日本でも数種が栽培されているようです。例えば、葉が細くて「マキ」に似た「マキバブラシノキ (香千層 Callistemon rigidus)」や「ハナマキ (キンポウジュ Callistemon citrinus)」、「シロバナブラシノキ (Callistemon salignus)」などです。

葉は互生。長さ5cm〜15cmほどの長楕円形。縁にギザギザ(鋸歯)はなく、全縁です。質は乾燥に耐えうる革質で堅い。いかにも、オーストラリア原産だぁという葉です。

ブラシノキ Callistemon speciosus


主な花期は5月〜6月。枝先の花序にたくさんの花をつけます。花序は穂状花序で、長さ10cmくらい。赤い円柱形で、ブラシ状。まさに赤い試験管ブラシといった感じ。白いもののある。そちらの方はふつう、「シロバナブラシノキ」と呼ばれています。

赤くてブラシの毛のように見えているものは、雄しべ。雌しべも含まれていますが、特に雄しべの「花糸(かし)」と呼ばれている部分が赤くなっています。雄しべの先の花粉のある「葯(やく)」は黄色です。雌しべは1本。柱頭の先は丸っこくなっています。花弁はごく小さくて、緑色。たくさん出ている雄しべの束の根もとの方にちょこっとあるだけです。ガクはその花弁よりさらに小さくて、ほとんど目につかないようなものです。しかも花弁やガクは開花後、ほとんど落ちてしまいます。

写真は、間隔が広がって、開花が近づいているようですが、まだ開きそうではない感じ。この後、丸っこい蕾の先から、真っ赤な雄しべが見えてくるはずです。

花の後、枝はさらに伸びて、できた果実は枝の周りを取り囲むように並びます。果実はその後長い間、枝についたままになって、ずっと発芽能力も持ち続けています。「ユーカリ」の仲間と同様で、オーストラリアの原産地では、山火事が起こったり、激しい乾燥などによって果実が開いて、中に入っている細かい種子が風によって散布されるのだそうです。日本では、なかなかそういう状況にはならないので、果実は裂けることはないのでしょうか。あれだけ華やかな花なのだから、日本でも虫はたくさん訪れそう。きっと結実はしているはずだけど、強制的にものすご〜く乾燥させたら種子が飛ぶのかな。しかし、それは果たして芽生えるのだろうか。

【和名】ブラシノキ
【別名】カリステモン
【英名】Bottle brush
【学名】Callistemon speciosus
【科名】フトモモ科 MYRTACEAE
【撮影日】2005/05/05
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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2005年05月02日

オランダガラシ

オランダガラシ Nasturtium officinale
2005/04/30

オランダガラシは、ヨーロッパ原産の多年草で、世界中で広く栽培され、そして野生化しています。オランダガラシという名前よりは、「クレソン」という名前の方がよく知られているかもしれません。程よい辛味と苦味があるので、肉料理の付け合せや、サラダとしてもよく利用されています。日本に入ってきたのは明治の初めごろのことで、やはり食用のために導入されました。現在では、各地で野生化し、河川など流水のある近くでふつうに見られるようになっています。きれいに澄んだ流水のあるところに生えると紹介されていることも多いのですが、特に清流とは呼べないような河川にでも生えています。

名前に「オランダ」とついていますが、特にオランダのもとと限定されるわけではなく、ヨーロッパに広く生育しています。植物の和名には、ヨーロッパのどこかからもたらされたということで、「オランダ」とついていることが時々あります。

茎の下の方は横に這うように広がって、節々から白いヒゲ根が出ます。常緑性ということですが、冬のころは、紫褐色の葉が水面に浮いているような状態をよく見ます。よく分枝して花が咲くころにはしばしば背丈も高くこんもりと茂った群落も見られます。草丈は30cm〜1mくらいまでなります。

オランダガラシ Nasturtium officinale
2004/04/23

葉は羽状複葉で互生します。小さい葉(小葉)は3対〜11対と変異の幅が大きめ。小葉の形も生育段階で変化しますが、だいたいは、一番てっぺんにつき小葉(頂小葉)が特に大きくなります。やや質が厚く表面には光沢があります。まだ地上部が大きく生長していない苗では、頂小葉だけが目立って、丸みのある形ですが、大きく生長した個体では、それぞれの小葉が大きく細長いこともあります。

花期は5月〜6月。茎の先の花序にたくさん咲かせます。白色の4弁花、直径は5mm程度です。花の咲き始めのころは花序がつまって短いのですが、咲き進んで、下部の方には果実ができ始めるころには、花序は長く伸びてきて果実が熟すころにはかなり長〜くなっています。そのころには花序が湾曲して、独特の姿になります。それを見ると、少々、ギョギョっとすることがあります。

アブラナ科なので、果実は「角果」です。長さ1cm〜2cmほどの円柱形です。熟すと2つに裂けます。

【和名】オランダガラシ [和蘭芥子]
【別名】クレソン、ミズガラシ
【学名】Nasturtium officinale
【科名】アブラナ科 BRASSICACEAE (CRUCIFERAE)
【撮影日】2005/04/30、2004/04/23
【撮影地】東京都日野市

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ユウゲショウ

ユウゲショウ Oenothera rosea


ユウゲショウは、北アメリカ南部〜南アメリカ原産の多年草です。日本には明治のころ、観賞用として導入されたそうです。現在でも広く栽培されているほか、関東地方以西では、野生化し、市街地の空き地や空き地、河原などで見られます。名前は淡い紅色の花が夕方開くというところからきているそうですが、実際には昼間でも花が見られます。

花期は5月〜9月。茎の上部の葉の脇(葉腋)に淡い紅色の花が咲きます。花の直径は1cm〜1.5cm程度。花弁は4枚、先は丸くなっています。そして、花弁より濃い色の脈があって、筋状の模様が入っているように見えます。さらにその小さな花の中にあっても意外に目立つのは、雌しべの柱頭かもしれません。柱頭は4つに裂けて、平たく開いて、花の中央部にデーンと陣取っています。雄しべは8本あって、花粉のある葯の部分は白色です。

果実(さく果)には、8つの角(稜)があって、熟すと4つに裂けます。ふつう、図鑑では、こういうふうに4つに裂けるとあるのですが、筆者の周辺ではパッと平開したりせず、横側が割れて、そこからあふれるように種子が出ているような状態のものがたくさん見られます。

ユウゲショウ Oenothera rosea


草丈は20cm〜60cm程度。茎は地面付近からたくさん立ち上がって株立ち状になります。葉は互生。長さ2cm〜5cmくらいの披針形。縁はウネウネと波打って、ギザギザ(鋸歯)はあまり明らかではない感じ。全体に白い毛があって、特に葉裏の脈上や茎の毛は長めでよく目立ちます。地面近くに広がった根生葉には、不規則な切れ込みが入ることがあります。

【和名】ユウゲショウ [夕化粧]
【別名】アカバナユウゲショウ [赤花夕化粧]
【学名】Oenothera rosea
【科名】アカバナ科 ONAGRACEAE
【撮影日】2005/04/29、2005/04/30
【撮影地】東京都日野市

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はこ庭ちっく」さんの記事「ただいま部屋の模様替え中
白花のユウゲショウが見られます。

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2005年04月25日

イヌザクラ

イヌザクラ Padus buergeriana


イヌザクラは、本州、四国、九州に分布し、山野に生える落葉高木です。高さは10m〜15mくらいになります。樹皮は白っぽくて、一般的なサクラと同じように、「皮目(ひもく)」という隆起したものが横に並んで、縞模様になっています。皮目は呼吸が行われているところです。

葉は互生。長さ10cmくらい、やや細身の長い楕円形で、先の方は細くとがる感じです。表面には毛があり、縁のギザギザ(鋸歯)は小さく細かく入っています。花は葉が展開した後に開花します。

サクラの仲間ではありますが、一般的なサクラとはいろいろと様子が違っています。サクラの仲間は、ふつう、葉柄に「腺点」という密腺が小さい突起がついていますが、イヌザクラの場合はそれが、葉柄ではなくて、葉身の部分の下の方に見られます。鋸歯と同じような感じなので、葉柄にある場合より目立たないかもしれないし、わかりにくいこともあります。同じ木の中でも何枚かの葉をチェックしてみると見つかるかもしれません。

イヌザクラ Padus buergeriana


花期は4月。前年度に伸びた枝から総状花序を出して、たくさんの花を咲かせます。写真の状態では、まだ蕾のついた花序は短いので、枝と花序が接近して見えるのでわかりにくいのですが、イヌザクラの場合は、花序自体には葉がつかないんです。花が開くころは、花序の長さは、5cm〜10cmほど。果実が熟すころは、もう少し長めの印象です。

1つ1つの花の直径は、5mmちょっとくらい。花弁は5つ、多数の雄しべは花弁より長くて突き出しています。花序全体としてみると、大きな試験管ブラシのようです。

同じように総状の花序に白い花をたくさんつける「ウワミズザクラ」より、ちょっとおとなしめ。ウワミズザクラの場合は、今年伸びた枝の先に花序が出ます。これが重要ポイントで、花がついている下(花序の付け根)のあたりを見て、葉があったら「ウワミズザクラ」、なければ「イヌザクラ」というふうに見分けられます。

果実はやや先が細くなりますが、ほぼ球形で、黄色→赤色→黒紫色というふうに変化します。1つの花序(果序)で、熟す時期がばらばらなようで、いろんな色が混じって見られることもあります。

イヌザクラは、一般的な図鑑などを見ると、「ソメイヨシノ」や「ヤマザクラ」などと同じサクラ属(Prunus)に分類されていて、学名は「Prunus buergeriana」となってていることが多いと思います。この場合は、サクラ属がかなり広くとらえられています。より細かく分類した場合には、日本に生育するサクラの仲間は、スモモ属(Prunus)、サクラ属(Cerasus)、ウワミズザクラ属(Padus)、モモ属(Amygdalus)、アンズ属(Aemeniaca)、バクチノキ属(Laurocerasus)などとなるようです。この場合、イヌザクラの学名は「Padus buergeriana」です。

【和名】イヌザクラ [犬桜]
【別名】シロザクラ
【学名】Prunus buergeriana (Padus buergeriana)
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/04/15
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月07日

マルバコンロンソウ

マルバコンロンソウ Cardamine tanakae


マルバコンロンソウは、本州、四国、九州に分布し、山地のやや湿り気の多い林内に生える越年草です。高さは5cm〜20cm。全体に長めの軟毛が生えていて、白っぽく見えます。茎はほぼ直立してくるのですが、どことなく柔らかな感じをかもしています。

葉は、羽状複葉で、1つ1つの小さな葉(小葉)は、円形で短い柄があり、縁には一見丸いギザギザ(鋸歯)があります。てっぺんの頂小葉の輪郭の形だけみると、同じアブラナ科の「ユリワサビ」、シソ科のカキドオシやユキノシタ科のネコノメソウ類のような感じかな。う〜、他にもっと似ているのがあった気がするのだが。。。それより、羽状複葉でみたら、「オオバタネツケバナ」に近い形かな。まあ、そういうふうな丸っこい感じの小葉が数対ついて、奇数羽状複葉になっています。小葉の長さは1cm〜2cmくらい、頂小葉が一番大きいです。

さらに葉をよくみて、頂小葉以外の小葉の1つ1つに注目すると、小葉の中央脈に対して左右対称の形でないことが多いです。ちょっとゆがんだような形をしています。これは、同じタネツケバナ属(Cardamine)の他の種やそのほかの羽状複葉をもつ種でもよく見られる傾向だと思います。

と、ここで葉のことをいろいろ言っても、写真にはあんまり写ってないんですけどね〜。

花期は4月〜5月。茎の上部の花序に数個、花をつけます。花はアブラナ科らしい白色の4弁花です。花弁は長楕円形で、長さ5mm〜6mmほど。花茎やガクは、ふつう紫褐色を帯びていて、花柄やガクにも白い毛があります。蕾の感じは、色や毛の様子など、どこかナデシコ科の「ミミナグサ」のような雰囲気もあります。果実は細長い「長角果」で、果実にも毛があります。

【和名】マルバコンロンソウ [丸葉崑崙草]
【学名】Cardamine tanakae
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE(BRASSICACEAE)
【撮影日】2005/04/03
【撮影地】東京都八王子市

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2005年03月31日

ボケ

ボケ Chaenomeles speciosa


ボケは、中国原産の落葉低木です。日本に入ってきたのは平安時代のことだったそうで、庭木や盆栽としてよく栽培されています。日本に自生する「クサボケ (Chaenomeles japonica)」との交配などによって、様々な園芸品種がつくられています。

高さは品種によっても違うようですが、だいたい2m〜3m。根もとからたくさん枝が伸びてきて、株立ち状になります。小枝はときに、かなり鋭い刺となっているので、要注意。写真を撮ったときは、まだあまり葉が展開していなかったので、トゲがすごく目立って、見ているだけでも痛そう。葉は長楕円形で、縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。質は硬めで表面には光沢があります。

ボケ Chaenomeles speciosa


花期は3月〜4月。花は前年の枝に数個かたまって咲きます。色は朱赤色、ピンク、白など。ふつうは丸みのある花弁が5枚。八重咲きや絞り、咲き分けの品種もあります。直径は2cm〜3cmほど。秋から咲き出して冬の間も咲いているものは、とくに「寒ボケ」と呼ばれて、「報春の花」としても知られています。

写真のものは品種名は不明ですが、春から開花するタイプで、高さは2m弱、花色は朱色です。

果実は長さ10cm近く、直径7cmにもなり、瓜のような形であることから「木瓜」といい、この読みが転じて、「ボケ」となったといわれています。果実は黄色に熟して甘い香りを放ちます。そのままでは堅く渋いので、生食には向かないのですが、果実酒にしてよく利用されています。

ちなみに、「クサボケ」の方は、関東以西や、四国、九州の山野の日当たりのよい林縁部などに生えていて、高さはあまり大きくなりませんが、ときに1mほどになっていることがあります。茎の下の方が地面をはって、「地下茎ができる」という点で、ボケと大きく異なっています。「クサ」とついていますが、落葉低木です。

【和名】ボケ [木瓜]
【学名】Chaenomeles speciosa
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 18:33| 東京 ☁| Comment(8) | TrackBack(0) | 蕾図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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