2005年03月19日

イベリス・センペルヴィレンス

イベリス Iberis sempervirensイベリス Iberis sempervirens


イベリス属の植物は、西アジアや地中海沿岸、北アフリカなどの主に石灰岩地に40種ほど知られています。1〜2年草のタイプと多年草のタイプがあって、特に多年草のタイプは乾燥に強くロックガーデンによく植えられます。写真の「センペルヴィレンス (Iberis sempervirens)」は多年草ですが、「ウンベラータ (Iberis umbellata)」や「アマラ (Iberis amara)」は一年草として栽培されています。

センペルヴィレンスは、常緑の多年草。「トキワナズナ」や「宿根イベリス」とも呼ばれます。草丈は15cmほどで、地面をはうように広がります。花期は3月〜5月。花は小さな花が蜜に集まってつき、まったく別の植物ですがパッと見た感じでは、「マツムシソウ (スカビオサ)」に似たような花序に見えます。色は白色、1つのかたまり(花序)の直径は2cm〜3cmほどです。アマラも色は白色ですが、センペルヴィレンスよりは大柄、秋まき一年草で特に芳香があります。ウンベラータは草丈がやや高めで茎をまっすぐ伸ばし、花色は白以外に桃色、紫色、赤色などがあります。

また、イベリスの仲間は、茎の先にかたまって咲く花の姿が砂糖菓子を思わせることから、「キャンディタフト (candytuft)」とも呼ばれます。

イベリス Iberis sempervirens


写真は、越冬したイベリス(センペルヴィレンス)ですが、茎は濃い紫褐色で細くヒョロヒョロと伸び、葉のついていたあとが残っています。その姿は低木のようでもあり、多肉植物のようでもあって、葉もちょっと分厚くなっています。葉は紫褐色に染まり、茎の先に集まってついています。その先端部分からは小さなツブツブがのぞいています。蕾です。霜よけも特にされていない露地植えですが、どうやら無事に越冬し開花の季節を迎えられたようです。

【一般名】イベリス・センペルヴィレンス
【別名】キャンディタフト、トキワナズナ、宿根イベリス
【学名】Iberis sempervirens
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE (BRASSICACEAE)
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月14日

キブシ

キブシ Stachyurus praecox


キブシは、北海道南部、本州、四国、九州に分布し、山野の比較的明るい場所に多く見られる落葉低木です。高さは2m〜5mほど。上にグングンのびる感じではなく、よく分枝した長い枝が垂れ下がるようにのびます。枝は赤みのある紫褐色で、少しツヤツヤしています。葉は互生し、長い卵形か長い楕円形で、先は細長くシッポのようにのびます。長さは5cm〜10cm程度。縁にはちょっと粗めのギザギザ(鋸歯)があります。葉の形はサクラに似ているところがあります。

花期は3月〜4月、葉が展開するより先に花が咲きます。花は5cm〜10cmくらいの垂れ下がる穂状花序にたくさんつきます。1つ1つの花は長さ5mm〜7mm程度の鐘形で、色は淡黄色。花弁は4枚、ガク片も4枚で赤褐色。大小のガク片が花弁の基部の方に、ちょこっとはりついているように見えます。

基本的には、雄花と雌花が別の株につく雌雄異株。しかし数は少ないようですが、両性花をつける個体もあります。花の中をのぞいてみて、雄しべが目立っていたらだいたい雄花と思ってしまいますが、両性花の場合も雄しべはそれなりに目立ちます。雌花の場合も雄しべはありますが、雌しべに比べてかなり短く退化しています。

果実は雄花にはできず、雌花にはよくできます。長さ8mm程度の楕円形で熟すと黄色くなります。名前は、この果実をヌルデ (Rhus javanica)の「五倍子(ふし)」の代わりとして染料に用いることからきているそうです。ちなみに、「ふし」はヌルデに「ヌルデノフシムシ」というアブラムシの仲間が寄生してできた「虫こぶ」のことで、これから「タンニン」をとってインクや薬などに利用するのだそうです。

キブシ Stachyurus praecox


写真は、蕾のついた花序の部分です。徐々に垂れ下がってきているようで、風にゆらゆらと揺れていました。春の訪れを感じさせるキブシ。開花まであと少し。果たして、雄花か雌花か、それとも両性花か。。。

【和名】キブシ [木五倍子]
【別名】キフジ[木藤]、マメブシ[豆五倍子]
【学名】Stachyurus praecox
【科名】キブシ科 STACHYURACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月13日

ツルニンジン

ツルニンジン Codonopsis lanceolata


ツルニンジンは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の林内に生育するつる性の多年草です。つるはフニャフニャとのびる感じで、近くに他の草などがあれば、それに絡まって、2mほどになります。傷つけると白い汁が出て臭いにおいがします。うぅ〜、標本作りはしたくない。

葉は互生しますが、上部では3枚か4枚が輪生状に集まってつきます。葉の質は薄めでヒラヒラとした感じです。裏面は粉をふいたように白っぽくなっています。

写真の個体は、それほど大きいわけではありませんが、葉の縁には毛がないことから、ツルニンジンとしました。よく似た「バアソブ (Codonopsis ussuriensis)」の場合は、葉の縁や裏面に白い毛が生えています。両者の違いは、本当は花や種子を見る方が確実なんです。ツルニンジンの種子は光沢がなく薄い褐色で大きな翼がありますが、バアソブの種子には光沢があって黒褐色、翼はありません。

ツルニンジン Codonopsis lanceolata


花期は8月〜10月。幅の広い釣鐘型、先は5つに浅く裂けて、後ろに反り返ってクルクルッと巻いたようになります。花(花冠)は長さ、直径ともに3cmほどです。外側から見るとちょっと緑がかった白っぽい花で、下向きに咲くので目につきにくいところがありますが、中をのぞいてみるとビックリします。内側には紫褐色の模様があります。

ツルニンジンの花には、5本の雄しべがあって雌しべが成熟する前に雄しべが成熟します。柱頭が3つに分かれる雌しべが成熟するころには雄しべは花粉を出し終えてしおれてきます。このような「雄性先熟」という仕組みによって、同じ花での受粉を避けることができるわけです。

一番上の写真は蕾の状態で、プクッとふくらんだ薄い緑色で、何かをはり合わせたようになっています。その何かというのは、「ガク片」なんですが、開くと5つあって、長さは2cmほどです。

名前は、根が太くて「チョウセンニンジン(Panax ginseng)」に似ていることからきています。また、バアソブに対して「ジイソブ」という別名もあります。ちなみに、バアソブというのはお婆さんのそばかすという意味だそうです。

学名の「Codonopsis」はツルニンジン属の属名で、「codon(鐘)+opsis(〜に似た)」という意味があります。また、種小名の「lanceolata」は、「披針形の」という意味です。

【和名】ツルニンジン [蔓人参]
【別名】ジイソブ
【学名】Codonopsis lanceolata
【科名】キキョウ科 CAMPANULACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

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2005年03月11日

オミナエシ

オミナエシ Patrinia scabiosaefolia


オミナエシは、日本全土に分布し、日当たりのよい山野の草地に生える多年草です。草丈は1m前後になります。花期は8月〜10月。「万葉集」で山上憶良が詠んだ「秋の七草」の一つとして有名ですね。葉は羽状に分裂して、対生します。分裂した裂片の縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。同じオミナエシ科の「オトコエシ (Patrinia villosa)」と比べると茎の毛は少なくツルッとした感じで、葉の裂片はより細くなっています。

茎の上部は黄色っぽくなって、よく分枝して黄色い小さな花をたくさん咲かせます。花序の形は「散房状(さんぼうじょう)」です。散房状というのは、たくさんの花が「散房花序」に似た状態でついていることです。それで、散房花序というのは、長くて中心となる花柄(花軸)に柄のある花がつく場合、より下部の花の方が柄が長く、上部の花の方が柄が短くなっています。そのため、花はほぼ同じくらいの高さで平たく咲きそろう形となります。オミナエシの場合も散房花序に近い状態で、黄色い花が茎の上の方で平たく咲きそろうような形で、花序についている1つ1つの花は、直径3mm程度のごく小さなものです。

また、オミナエシは種子で増える以外にも根茎を横にはわせて増えます。伸ばした根茎の先にはロゼット状の子株ができて、その後数年間は根茎がなくならず、元の株とつながったままになっているのだそうです。

オミナエシの生える環境は、日当たりがよく、適度に人の手が加わったような草原状の場所が多く、戦後そういった場所が少なくなってきたことで、その数が激減した植物の1つです。ランクは様々ですが、地域によっては「レッドリスト (絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)」に入っていることもあります。

【和名】オミナエシ [女郎花]
【学名】Patrinia scabiosaefolia
【科名】オミナエシ科 VALERIANACEAE
【撮影日】2004/07/04
【撮影地】山梨県

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2005年03月08日

ウグイスカグラ

ウグイスカグラ Lonicera gracilipes var. gladra


ウグイスカグラは、北海道〜九州の山野の明るい林縁や雑木林に生える落葉低木です。高さは1.5m〜2mくらいでよく枝分かれします。名前の由来はよく分かっていないようですが、一説によるとウグイスがこの木の茂みにかくれていることからきているのだとか。

葉の縁にはギザギザ(鋸歯)はなく全縁で、対生します。特に若い葉は縁に赤い縁取りがあることが多いです。花期はふつう4月〜5月。葉の脇(葉腋)から長さ1cm〜2cmの柄を出して、桃紅色の花がぶら下がるように咲きます。花(花冠)は細長い筒状で先端は5つに裂けます。中をのぞくと、雄しべよりも雌しべが長く突き出ているのがわかります。

果実(液果)は直径1cmほどの楕円形で、梅雨ごろには赤く熟して食用になります。

ウグイスカグラ Lonicera gracilipes var. gladraウグイスカグラ Lonicera gracilipes var. gladra


この仲間には、各部の毛の多少などによって、いくつかの種内分類群が知られています。枝や葉柄、花柄などに毛が散生しているものは「ヤマウグイスカグラ (Lonicera gracilipes)」、葉や葉柄、花柄、花冠、果実などに腺毛が多いものは「ミヤマウグイスカグラ (Lonicera gracilipes var. glandulosa)」といいます。そしてほとんど全体が無毛のものが「ウグイスカグラ (Lonicera gracilipes var. gladra)」となっています。

今回の写真の場合、葉の縁や葉裏の主脈上には粗い毛が生えていましたが、葉柄、花冠、花柄、子房には毛がありませんでした。全体的に見ると毛は目立たないので、ウグイスカグラとしています。

まだ3月上旬ですが、関東の丘陵地では、すでにウグイスカグラの蕾はかなり膨らんで、ところどころ開きかかっていました。蕾の先から柱頭や雄しべがのぞいているものも見られました。

【和名】ウグイスカグラ [鶯神楽]
【別名】ウグイスノキ
【学名】Lonicera gracilipes var. gladra
【科名】スイカズラ科 CAPRIFOLIACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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2005年01月18日

カナムグラ

カナムグラ Humulus scandens


カナムグラは、日本全土に分布し、道ばたや土手、荒れ地などに生えるつる性の一年草です。生育地では一帯をおおってしまうほどの大群落となっていることもしばしばです。茎や葉柄に下向きのトゲがたくさん生えていて、他の植物などに絡まって伸びていきます。四角形になった茎はとても丈夫なことからを「鉄」にたとえて、「鉄葎 (カナムグラ)」といいます。カナムグラの草むらに入ろうものなら、あっという間に傷だらけです。駆除するには非常にやっかいな雑草です。

葉は長さが5cm〜10cm以上のこともあって、5〜7つに裂ける掌のような形をしています。葉の表面には粗い毛があるのでザラザラします。

花期は8月〜10月です。雌花と雄花が別の株につく雌雄異株で、雌花と雄花の形状がかなり違っています。写真は雌花の方です。雌花のつく花序は葉の脇(葉腋)から花茎が伸びてきて下に垂れ下がります。何枚か重なって見えているものは「苞(ほう)」です。特に苞の縁には白くて粗い毛が密生し、ケバケバした感じです。もう少し大きくなると松ぼっくりを逆さにしたような状態になって、果実ができるころにはもっと紫がかった色になります。さらに苞の先端は細長く反り返ります。ビールの苦味をつけるのに「ホップ (Humulus lupulus)」が使われますが、カナムグラホップは同じ属(カラハナソウ属)で、雌花の状態はよく似ています。

雌花の花序は下向きにつきますが、雄花の花序は葉の間から上に立ち上がって、円錐状の花序になります。花序は上向きですが雄花自体は下向きにちょっとまばらにつき、淡紫色のガクが5つあります。小さいながらも目立つのはぶら下がった雄しべの先の葯(やく:花粉の入っている部分)。花粉が飛散するので、秋ごろのいわゆる花粉症の原因の1つとなっているそうです。

葉も花もそれなりに独特の形を見せる植物なんですが、できるだけ近づきたくない植物といえるかもしれませんね。

【和名】カナムグラ [鉄葎]
【学名】Humulus scandens (Humulus japonicus)
【科名】アサ科 CANNABACEAE (クワ科 MORACEAE)
【撮影日】2004/09/23
【撮影地】山梨県牧丘町

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2005年01月17日

バライチゴ

バライチゴ Rubus illecebrosus


バライチゴは、本州の関東以西、四国、九州の山地に生える落葉小低木です。丈は20cm〜40cmほどで地下茎を伸ばしてふえることから地面近くで広がって生育していることもあります。主な花期は6月〜7月。花はいわゆるイチゴの仲間によく見られる真っ白の5弁花で、直径は4cmmほど。果実は赤く熟して食べられますが、そのままではおいしいとはいえません。どうしても食べたい場合はジャムか果実酒にするのがよいでしょうね。

葉は小さい葉(小葉)が2〜3対ついて羽状になった複葉です。バライチゴのように葉の軸の先端に小葉が1枚ついていると小葉の数が奇数枚になりるので「奇数羽状複葉」といいます。また、先端部分に小葉が2枚ついている植物もあって、そういう場合は小葉の数が偶数枚になるので「偶数羽状複葉」ということになります。

小葉は細長く先がとがっていて、特に側脈が目立ちます。側脈というのは、中央にある葉脈(中央脈)から左右に斜めに走る葉脈のことです。また縁のギザギザ(鋸歯)はよく見ると1つのギザギザがさらに細かくギザギザに切れ込んだりしています。こういう鋸歯のことを「重鋸歯」といいます。

ガクの裂片は幅を狭くしたような卵形(狭卵形)で先はとがり、写真では先端の方が赤く染まっています。花柄や茎、葉の軸にはへん平なトゲが生えていますが、写真ではほとんどわかりませんね。花弁は平たく開いてふつうは一重ですから、一般的ないわゆる「バラ」の花よりはおとなしいくあまり似ていないともいえるかもしれません。でも、開く前の蕾の様子なんかはやっぱり似ているところはあるかなと思いました。

【和名】バライチゴ [薔薇苺]
【別名】ミヤマイチゴ [深山苺]
【学名】Rubus illecebrosus
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

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2005年01月15日

ジンチョウゲ

ジンチョウゲ Daphne odora


ジンチョウゲは、中国原産の常緑低木です。花を見て咲いていることに気づくよりも、甘くて濃厚な香りで花に気づくことが多いのではないでしょうか。この花の香りとともに春が訪れるといってもよいほど早春の代表的な花木としておなじみです。名前は花の香りを熱帯のジンチョウゲ科の植物の香り「ジンコウ(沈香)」と、フトモモ科の植物「チョウジ(丁字)」の香りにたとえたものだそうです。

葉は厚い革質で表面には光沢があり、縁のギザギザ(鋸歯)がないのでべロッとした感じです。葉は互生して付きますが、枝先に集まってつく傾向があって遠くから見ると花の下あたりで輪生しているようにも見えます。

ふつう花弁(花びら)に見えているものは、ガクで本当の花弁はありません。ガクは筒型で分厚く4つに裂けて開き先はうしろにそり返るようになります。よくジンチョウゲは雌雄異株で日本で植えられているものの多くが雄株だといいます。ただし、雄花にも雌花にもにも雌しべと雄しべがちゃんとあるんですよね。雌花の場合は雌しべの柱頭と雄しべが近い位置についていますが、雄花では柱頭と雄しべが離れてついています。また雄しべのつき方が変わっていて、全部で8本ある雄しべは上下4本ずつの2段に分かれてついているんです。

同じジンチョウゲ属の国内の野生種には「コショウノキ (Daphne kiusiana)」、「オニシバリ (Daphne pseudomezereum)」「ナニワズ (Daphne jezoensis)」などがあって、ジンチョウゲと同じように早春に咲くものが多いですね。そのせいもあって、ジンチョウゲは比較的寒さに強そうな印象がありますが、ちょっと寒さに弱いところがあるそうですね。寒さの厳しい地域ではあまり植えられていないとか。確かにジンチョウゲ科としてみた場合、南の方に分布する種類もあるようですからね。またジンチョウゲは常緑ですが、オニシバリやナニワズはふつう夏に落葉します。

ジンチョウゲ Daphne odora
2004/12/13 撮影
ジンチョウゲ Daphne odora
2005/01/12 撮影


ジンチョウゲの蕾って、濃い赤紫の部分の表面は結構でこぼこしているもんなんですね。開くと中は白いものが多いですが、中も外も白いタイプもありますね。上の小さい2枚の写真は現在(右)と1か月前(左)の様子を写したもので、ちょっと角度が違っていますが同じ個体の同じ蕾です。ごくわずかな変化しかありませんが、少し生長しいくぶん色が濃くなっていました。確実に開花に近づいているようです。今年、このあたり(関東の丘陵地)での開花は2月後半でしょうかね。

【和名】ジンチョウゲ [沈丁花]
【学名】Daphne odora
【科名】ジンチョウゲ科 THYMELACEAE
【撮影日】2004/12/13、2005/01/12
【撮影地】東京都日野市

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2005年01月04日

キンギョソウ

キンギョソウ Antirrhinum majus


キンギョソウは、もともとは半耐寒性の宿根草で、主にヨーロッパ西部〜地中海沿岸に分布する種をいろいろと改良してつくられた園芸種の品種群です。やや夏の暑さに弱いところがあるために、園芸的には秋まきの一年草として取り扱われることが多いですが、矮性種は特に丈夫なようで関東の丘陵地では問題なく夏越しも冬越しもできています。茎の基部は年々太くなりたくさん枝分かれして木質化してきます。

一般的な花期は4月〜11月ですが、夏場は暑さで花が減り株も弱り気味ですので、ふつうはちょっと枝を整理して花を咲かせないようにします。園芸の解説本にはこのとき草丈の半分ぐらいにカットするように書かれていますが、初期のころに育てた一株は思い切りが悪くて3分の1ぐらいしか切りませんでした。しかも、盆栽を扱うように一枝ずつ様子を見ながら慎重に作業、一株カットするのに数十分かかっていましたね。そんなことする必要はまったくありません。

ほどほどにカットして、夏場に株を休ませておくとまた秋にたくさん開花が見られますが、ひとしきり咲いたら今度は冬越しの準備です。長く伸びてしまった枝をカット、新芽がたくさん出ててきますから日々様子を見ながら、枝数を調節します。調節を怠るとものすごい数の芽が伸びてきて大変なことになります。まあ、それはそれでもいいんですけど、枝数が多すぎると込み合ってきて、花つきが悪くなったり蒸れて病気が発生したりします。

キンギョソウという名前は、もっともポピュラーなタイプの花の形が金魚に似ているところからきていますが、ペンステモン咲き、ベル咲きなど花の形が異なる品種や様々な草丈の品種があります。花には甘い香りがあって、花色も赤、白、黄、ピンクやそれらの中間的な色など、明るめの色が豊富です。さらに最近では、「クリーピング・スナップドラゴン」というやや這い性の品種もよく見るようになりました。このタイプは、這い性タイプの原種と「キンギョソウ」との交配によって作られたといいます。

写真は草丈が25cmぐらいの矮性種で、花はポピュラーな金魚型で色はやや黄色がかったようなピンク色の株です。2004年の大晦日に降った雪で埋もれてしまいましたが、特に蕾や葉が傷んだ様子もなく、その後は暖かくなったので問題なく開花することでしょう。

【一般名】キンギョソウ [金魚草]
【別名】スナップドラゴン
【学名】Antirrhinum majus
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2005/01/01
【撮影地】東京都日野市

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2005年01月01日

ハイビスカス

ハイビスカス Hibiscus


ハイビスカスは、代表的な熱帯花木でハワイのシンボルとしてもすかっりおなじみです。非耐寒性の常緑低木〜小高木で、非常に多くの品種が作り出されています。その数は3000種にのぼるといわれていますが、そのうち日本でよく見られるハイビスカスは、中国南部やインドで見られる「ブッソウゲ (Hibiscus rosa-sinensis)」を改良した品種が多いのだとか。ただし、ブッソウゲ自体が古い園芸品種だされているので、もともとの原産地はよくわかっていないようです。

いわゆるハイビスカスの品種は大きく2つの系統に分けられます。ほかにも分け方がいろいろとあるようですが。1つはブッソウゲがもとになった品種群で、「オールドハイビスカス」または「タヒチアンハイビスカス」といいます。一方、ハワイ原産の種から改良された品種群は「ハワイアンハイビスカス」といいます。そのほか、ヨーロッパで改良された小輪のミニハイビスカスというのもあります。

主な花期は7月〜10月ですが、15度以上の温度があれば周年開花します。開花には十分な日当たりも必要です。花弁は5枚で、特にオールドハイビスカスはふつうは鮮やかな赤い色ですが、ハワイアンハイビスカスの方は花色が豊富で、オレンジ色や黄色の品種も見られますね。

花弁の鮮やかさも目を引きますが、花の中央から突き出る芯のようなものがハイビスカスの仲間の大きな特徴となっています。これは雄しべと雌しべで、雌しべがより長く突き出していて先端の柱頭は5つに分かれています。その長い雌しべの花柱をたくさんの雄しべがくっついて筒状に取り囲んでいます。とてもおもしろい形なので、花全体というよりはこの部分にカメラを向けたくなりますね。

写真の個体は、前日に降った雪に埋もれてしまいましたが、丈は30cmぐらいで花弁は鮮紅色です。ラベルはないのでどの品種か特定できませんが、暖冬とはいえ真冬のこの時期にいくらか分枝しながら、屋外で花や蕾をつけているところからすると、比較的寒さに強いオールドハイビスカスのタイプではないでしょうか。南国のイメージのハイビスカスと積雪、ちょっと意外な元日の光景でした。

【一般名】ハイビスカス
【和名】ブッソウゲ [仏桑花、扶桑花]
【別名】リュウキュウムクゲ [琉球木槿]
【学名】Hibiscus rosa-sinensis (Hibiscus Hybrids)
【科名】アオイ科 MALVACEAE
【撮影日】2005/01/01
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月13日

オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ Veronica persica


オオイヌノフグリは、もともとはアジア西部や中近東の原産で、ヨーロッパを中心に世界中に広く帰化している越年草です。原産地については、図鑑によって記述が微妙にずれていることもあり、ヨーロッパやアフリカ、あるいはユーラシアやアフリカなどとなっていることもあります。国内で最初に発見されたのは、明治中期のことだったとか。当時は東京の都心部で少しだけ見られるぐらいだったそうですが、現在では全国的に道ばたや田畑、空き地などでふつうに見られ、春になったことを知らせてくれる花としてすっかりおなじみになっています。

種子は秋に発芽し冬を越して翌年の春に開花します。通常の花期は3月〜5月です。写真の撮影は12月中旬、平年よりも暖かな関東の丘陵地です。早くもオオイヌノフグリが蕾をつけています。写したのは午前中でしたから、午後には日の光を十分受け蕾が開いたかもしれません。しかし、まだ開花していないとはいえ、全体に長い毛がたくさん生えている様子や花柄が茎の上部の葉の脇(葉腋:ようえき)から伸びている様子などを観察することができます。

花弁は4枚で、色は鮮やかな青紫色、2本の雄しべも目立ちます。開いたときの花の直径は1cmほどです。比較的小さな花の割にはよく蜜を出し、おおむね、虫によって花粉を運んでもらって受粉する虫媒花のようですが、虫の訪問がなくても自家受粉して確実に種子を作ることができるため、一度定着した場所では秋にはかなりの数の芽生えが見られます。

オオイヌノフグリという名前は、大きな「イヌノフグリ」という意味です。同じ仲間の在来種(といわれています)「イヌノフグリ (Veronica didyma var. lilacina)」に比べて大きいのでこの名があります。フグリとは陰嚢の古い言い方で、果実の形が犬の陰嚢に似ているからだそうです。他にも似ている形のものはあったと思うのですが、よりによってこの名前にするとは。。。

今のところ、植物の和名に関しては、定まった基準があるわけではなく、慣例的に多く使われているものが標準として図鑑などで掲載されています。つまり、どういう名前で呼んでもかまわないわけで、このままでは別名や地方名などでもいいことになり(いいのはいいのですが)、混乱するかもしれません。現在、生物の分類学の各分野で、鳥類のように1つの学名に対して1つの標準和名を決めることや、差別的な言葉が含まれている和名をそうでないものに変更する案などが出ているようです。ただし、「オオイヌノフグリ」は、特に差別的というわけではなさそうですから、このままの可能性が高そうな気がします。

別名には「ヒョウタングサ」や「オオハタケクワガタ」というものがあるそうですが、今のところ、実際にこの名で呼んでいる場面は見たことがありません。

【和名】オオイヌノフグリ [大犬の陰嚢]
【学名】Veronica persica
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2004/12/13
【撮影地】東京都日野市

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タチイヌノフグリ

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2004年12月07日

ウメバチソウ

ウメバチソウ Parnassia palustris var. palustris


ウメバチソウは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、低山〜亜高山の湿り気のある草地に生育している多年草です。白く端正な花は夏の湿地によく似合い、とても美しいものです。ウメバチソウという名前は、花の形が家紋の梅鉢紋に似ていることからつけられたのだそうです。

上の方につく葉は柄がなく、幅の広い卵形で長さ2cm〜3cmぐらい、基の部分は茎を囲むように丸まってつくのでハート形に見えます。根もとの方にある「根生葉(こんせいよう)」は、形は同じようなものですが、やや小さく数枚が束になってつき長い柄があります。

花期は7月〜10月、長さ10cm〜30cm程度の花茎をすっと伸ばして、そのてっぺんに1つだけ真上を向いて咲きます。直径2cmぐらいの真っ白な5弁の花です。写真は蕾の状態ですけれど、周りにピラっと出ている緑のへらのようなものはガクです。ガクも5枚あります。ウメバチソウは「5」というのが基本のようで、雄しべの数も5本です。さらには、花粉を作らない仮の雄しべ(仮雄しべ)というのもあって、その数もやはり「5」です。仮雄しべは細かく15個以上に裂けて先端には小さい球形の腺体がポチっとついています。

一見白い5弁の花が開いているだけなのですが、雄しべ、仮雄しべ、雌しべは、いずれも花弁の上に突き出ているので、とても立体的な花になっています。その中央にある雌しべの下の部分はクリクリとしていますが、これは「子房」という部分で、中には後に種子になる「胚珠」が入っています。このように子房がガクや花弁より上にあるものを「子房上位」といいます。

【和名】ウメバチソウ [梅鉢草]
【学名】Parnassia palustris var. palustris
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

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2004年11月18日

コセンダングサ

コセンダングサ Bidens pilosa


コセンダングサは、熱帯アメリカ原産とする説と、原産地ははっきりしないが熱帯〜温帯に広く分布するという説があるようです。日本には江戸時代に入ってきたのだそうです。コセンダングサの仲間は、いろいろと変異が多く、図鑑をみると種内のいくつも変種が書いてあります。図鑑によっても出てくる名前が違っていたりして、ゴチャゴチャします。

もともとは、日本になかった帰化植物ですが、現在では北海道〜九州まで見られるそうです。道端、荒れ地、河原などにふつうに生えています。花期は9〜11月、「舌状花(花びらにみえるもの)」がなくて、黄色い「筒状花(管状花)」のみです。コスモスでいうと、まわりの白やピンクの花びらがなく、真ん中の黄色い部分だけの状態です。何だか、「好き、嫌い」といいながら、花びらを全部とってしまった後のようです。

それが、変種の「シロノセンダングサ(Bidens pilosa var. minor)」になると、白い舌状花(花びら)が数個つくようになって、花らしく見えるようになります。コセンダングサ〜シロノセンダングサ(コシロノセンダングサ)までの変異はいろいろで、雑種もあるといいます。

今回の写真は、蕾なのでこれだけではわかりませんが、咲いているものを見ると小さくて白いものがまわりにありました。ちゃんとした花びらにはなっていませんでしたが、こういうものが、シロノセンダングサとの雑種といわれるものなのかもしれません。まあ、変種レベルのお話なので、あまりこだわらなくてもいいのかもしれませんけどね。

種子の先端には、トゲが3本〜4本あって、全体の長さは1cm前後です。さらにトゲや種子の表面には細かいトゲがたくさん生えていて、それによって人の衣服や動物のからだにくっついて、種子が運ばれます。いわゆる「ひっつきむし」の一種なんですね〜。

ところで、写真の蕾ですけれど、どことなく「コスモス」に似ていませんか?ふつうのコスモスは「Cosmos属」ですが、「ウインターコスモス」はセンダングサと同じ「Bidens属」、「チョコレートコスモス」は「Bidens属」だったり「Cosmos属」だったりです。属同士かなり近縁なのでしょうね。

■ここのブログでは、「キバナコスモス」についてはすでにご紹介していますので、よかったらそちらの方もご覧いただけたらと思います。(ちなみに、キバナコスモスはCosmos属)

キバナコスモス・コスミックレッド
キバナコスモス・レモンツイスト

【和名】コセンダングサ [小栴檀草]
【学名】Bidens pilosa
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2004/11/09
【撮影地】東京都日野市

コセンダングサの花やひっつきむしについては、またいつかレポートしたいと思っています!

posted by hanaboro at 19:59| 東京 ☔| Comment(5) | TrackBack(1) | 蕾図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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