2004年12月08日

ヤエムグラ

ヤエムグラ Galium spurium var. echinospermon


ヤエムグラは、日本全土の道ばた、草地、林の縁などにふつうに見られる一年草〜越年草です。春の畑などでは防除対象となる代表的な雑草の一つです。茎には4つの角(4つの稜)があって、その稜にそってたくさんトゲが生えています。トゲが周りのものに引っかかりながら伸びていくので、見た目の草丈以上に茎は長く伸びています。特に根元の方ではよく枝分かれするようで、生えている場所ではヤエムグラが他の草とともに生い茂ったような状態になることがあります。このように幾重にも重なって生える様子からその名前がついています。

ヤエムグラは秋に芽生えて冬を越す場合と春になって発芽する場合があります。写真は秋に芽生えたもので、丈は10cmほどです。春の葉が細長い形をしているのに対して、冬に見られる葉は小さく丸っこい形をしています。このように小さいながらも葉の面積を広げているのは、冬の間、太陽の光を効果的に取り入れるためだといわれています。

葉は、6枚〜8枚が茎の節を囲むように車輪状につきます。このような葉のつき方を「輪生(りんせい)」といいますが、このうち本来の葉は2枚だけで、他の葉は「托葉(たくよう)」という葉のような形をした付属物です。といっても、ヤエムグラの場合見た目には形や大きさにほとんど違いはありません。葉の縁や裏の中央の脈(主脈)にも毛が生えていて、これもよく引っかかります。はびこってしまうと厄介な雑草です。さらに実にまで毛が生えていて先はカギ状になっています。実はこの毛によって動物の体や人の衣服にくっつきます。いわゆる「ひっつき虫」です。

【和名】ヤエムグラ [八重葎]
【学名】Galium spurium var. echinospermon
【科名】アカネ科 RUBIACEAE
【撮影日】2004/12/08
【撮影地】東京都日野市

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2004年11月27日

イヌタデ

イヌタデ Persicaria longiseta


イヌタデは、日本全土の田畑、道端や荒れ地などでふつうに見ることができます。草丈はふつうだと20cm〜40cmぐらいの一年草です。似たような種類には、オオイヌタデ、サナエタデ、ハルタデ、ハナタデなどがありますが、見分ける最大のポイントは、「托葉鞘(たくようしょう)」の状態ではないでしょうか。

「托葉鞘」…少々難しそうな言葉ですので、まず、「托葉」から説明します。托葉は、葉の柄が茎についている部分(葉柄の基部)にある葉のようなものです。植物の種類によって大きさもさまざまで、形もトゲ状、巻きヒゲ状、 鱗片状だったりといろいろです。とくに、スミレ類の観察では必須のチェックポイントとなっていますね。

その托葉が、タデ科の場合、鞘(さや)のようになって茎をつつむ形になります。それで、「托葉鞘」といいます。イヌタデの托葉鞘は筒形になっていて、筒の長さは8mmぐらいです。そして筒の上部(筒の縁)には筒と同じくらいの長さの長い毛が生えています。

アスファルトの歩道のでこぼこにわずかにできた土壌、そこに生えた1株。丈は2cm。すでに赤紫色の蕾を膨らませています。すでに草刈が行われた斜面のすぐ近くだから、夏の間に咲いた株にできた種から芽生えたものかもしれません。こんなに小さくてもイヌタデの特徴である「托葉鞘の縁の剛毛」がちゃんとありましたよ。

別名は、小さくて赤いツブツブの花を赤飯に見立てて「アカマンマ」といって、子どものままごとの遊びになるくらいですから、やはりその花に目がいきますけれど、ぜひ今度は「托葉鞘」をチェックしてきてください。ちなみに、うちは子どものころにこれで遊んだ記憶はありません。みなさん遊んだものなんですか〜?

ちなみにイヌタデの「イヌ」は、似ているけれど違う、役に立たないという意味の接頭語です。植物の名前には「イヌ」とついているものがたくさんあります。「イヌ」がつい種類はだいたいよく似たほかの種類が有用なもので、それに比べてこの種類は役に立たないということで、そう呼ばれてしまっていますね。イヌタデの場合も同じ仲間の「ヤナギタデ」の葉には独特の辛味があるのに対して、イヌタデには辛味がないことからきているそうです。

図鑑によって学名はPolygonum longisetumだったり、Persicaria longisetaだったりしますが、はじめはPolygonum属だったものが、あとからPersicaria属に変更になったからです。Polygonum属のときは、タデ科の植物の多くを広く含んだ形でしたが、より細かく分類してPersicaria属となったようです。「longiseta」は、このままでは辞典に載ってないので、恐らく「longius→より長く」+「seta(saeta)→剛毛」という感じで、その「托葉鞘」の特徴からきているのではないでしょうか。

【和名】イヌタデ [犬蓼]
【学名】Persicaria longiseta (Polygonum longisetum)
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影日】2004/11/23
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 19:12| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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