2005年10月31日

ネバリタデ

ネバリタデ Persicaria viscofera


ネバリタデは、日本全土に分布し、主に山野の日当たりのよい草地に生える一年草です。日本以外にも朝鮮半島や中国にも分布しているそうです。タデ科イヌタデ属またはタデ属に分類させています。秋の野山に見られるタデの仲間は、いろいろありますが、このネバリタデは、茎や葉に毛が多く茎の上部に粘る部分があることが大きな特徴です。

ただし、いろいろと形態の変異があって、「アオネバリタデ Persicaria viscofera f. viridescens」、葉が細長く毛がより短い「オオネバリタデ Persicaria viscofera var. robusta」、「イヌネバリタデ Persicaria viscofera var. robusta f. laevis」などが認められています。

筆者の住んでいる近所では、道端の草地に「イヌタデ」と「ハナタデ」が多く見られ、河川敷だと「オオイヌタデ」が群生しています。でも、このネバリタデは、なかなか目に入ってこないです。

ネバリタデ Persicaria viscoferaネバリタデ Persicaria viscofera


草丈は40cm〜60cmほど。茎は細くて華奢な印象。茎や葉に粗い毛が多くてフサフサ。また、茎の上部の節間や花柄から粘液が出て、触るとベタベタします。ネバリタデという名前は、そこからきています。

葉は長楕円形〜披針形。先はとがっています。葉の両面、縁にも毛が目立ちます。葉柄はほとんどありません。節の部分の「托葉鞘」は筒状で、そこには長い縁毛があります。筒の長さ、縁毛の長さはともに8mmくらい。この托葉鞘はタデの仲間のチェックポイントの1つ。ネバリタデの場合は、茎の托葉鞘の下のあたりを触ってみると粘るので、要チェックです。

ネバリタデ Persicaria viscoferaネバリタデ Persicaria viscofera


花期は7月〜10月。花穂はほとんどまっすぐにのびます。花穂が細長くて花がまばらなところなどは、「ヤナギタデ」や「ボントクタデ」に似ています。でも花穂はこの2種のように明らかに花穂が垂れ下がるという感じではないです。花被(がく)は緑白色〜淡い紅色で、4つに裂けます。花被の長さは2mm程度のものです。果実は黒くて光沢のある3稜形です。

【和名】ネバリタデ [粘り蓼]
【学名】Persicaria viscofera
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影日】2005/10/31
【撮影地】東京都

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2005年10月29日

オニウシノケグサ

オニウシノケグサ Festuca arundinaceaオニウシノケグサ Festuca arundinacea


オニウシノケグサは、ヨーロッパ原産のイネ科ウシノケグサ属(Festuca)の多年草で、温帯を中心に亜寒帯〜暖帯まで世界的に広く見られます。日本では牧草や法面の緑化に利用されていますが、北海道〜九州の各地で野生化して、道ばたや空き地などでしばしば群生が見られます。さらに、同属の「ヒロハウシノケグサ」や両種の交雑種も認められているといいますから、なかなか難しいところですね。

茎は根元からそう生して、直立しますが、背の高くなったものは花期にはうなだれていることも多いです。茎の長さとしては50cm〜2m近くに達します。茎や葉は全体に無毛です。葉は線形で、長さは10cm〜50cmくらい、幅は1cm前後です。「葉舌」は短くて1mmほど。葉鞘の口の部分にはちょっと張り出した「葉耳」があって、そこには開出した毛があります。

オニウシノケグサ Festuca arundinaceaオニウシノケグサ Festuca arundinacea


花期はふつう6月〜8月。写真は10月なのでちょっと季節はずれ。夏のころには葉がもうちょっと立ち上がっているのですが、秋も深まったこの時期、葉は頼りなく横に広がっていました。

花序は茎の先につき、長さは10〜30cmほど。小穂は3コ〜10コの小花からなり、長さは1cm〜1.8cmで、しばしば紫色っぽくなっています。小穂には柄があって、長さは1cmはないくらいです。芒は1mm〜4mm。

今回、オニウシノケグサとしたのは、1つの小穂につく小花の数が10個を超えないことと、ごくわずかに葉耳の縁に毛が見られたことからです。芒は1mm〜4mmということですが、今回のものにはほとんどないように見えました。だとすると、芒にないヒロハウシノケグサや中間的なものなのかと、また迷ってしまいますけどね。

【和名】オニウシノケグサ [鬼牛の毛草]
【英名】トールフェスク(Tall fescue)
【学名】Festuca arundinacea
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/28
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月28日

ウシノシッペイ

ウシノシッペイ Hemarthria sibiricaウシノシッペイ Hemarthria sibirica


ウシノシッペイは、本州、四国、九州に分布し、道端の草地などに生育するイネ科ウシノシッペイ属(Hemarthria)の多年草です。ふつうは湿り気の多い場所に生え、長く横にのびる走出枝によってふえて群生するそうですが、今回の写真、筆者の近所のものは道端の空き地の縁にありました。開花している茎は、数mの範囲で5〜6本。セイタカアワダチソウ、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、ヨモギやノコンギクなどにまぎれて生えていました。

草丈は60cm〜1mちょっとくらい。草丈はそれなりにあるのですが、とにかく、地味なものが多いイネ科の中にあっても、かなり地味な方。その植物がそこにあるということに気づきにくい植物の筆頭格といえるかもしれません。でも、よく見るとその姿は、とても個性的。茎の上部の節で枝分かれします。葉は線形。長さは20cmほど、幅は5mm前後です。

ウシノシッペイ Hemarthria sibiricaウシノシッペイ Hemarthria sibirica


花期は7月〜10月。茎の先端や比較的上部の葉の脇(葉腋)から、1本ずつ花序がでます。花序は細長い円錐状ですが、長さは5cm〜8cmくらいで、ちょっとだけ弓のように曲がっています。この花序の付け根の部分には、葉のような「苞」があります。「ウシノシッペイ」という名前は、この花序の形から、竹を割って作った牛をたたく「竹箆(しっぺい)」に見立てての名前だそうです。

小穂は平べったい披針形で花序の軸にペッタリはりついています。小穂の長さは5mm〜8mm、柄のある小花と柄のない小花が1セット。ただし柄があるといっても、その柄は花序の軸と合わさっているので、通常の柄のようにはよくわからないものです。花序は一見すると、ただの茎のように見えますが、はりついた小穂からブラシのような「花柱」が飛び出ているのを見ると、かろうじてそこに花があるのだと気づかされるような、そんな感じです。

【和名】ウシノシッペイ [牛の竹箆]
【学名】Hemarthria sibirica
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/28
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月26日

オオクサキビ

オオクサキビ Panicum dichotomiflorum


オオクサキビは、北アメリカ原産のイネ科キビ属の一年草で、世界中に広く帰化しているそうです。日本で最初に確認されたのは、昭和のはじめごろのことだそうで、今では日本各地の道ばたのの草地や空き地、田畑の周辺などに見られます。

草丈は40cm〜1mほどですが、茎が太くしっかりとした印象があります。茎は全体に毛はないですが、「葉舌」の先には毛があります。また、花序の中軸の部分にも細かな毛が見られます。葉は長い線形で、長さは20cm〜50cm、幅は1cm〜2cmくらい。表面には光沢があって、中央に走る葉脈がよく目立ちます。

オオクサキビ Panicum dichotomiflorumオオクサキビ Panicum dichotomiflorum


花期は9月〜10月。茎の先にフワッと広がるような円錐状の花序を出します。花序の部分の長さは20cm〜30cmくらいになりますが下の方は葉鞘に入った状態です。花序の枝は細くてたくさん出ますが、まばらな感じ。その枝には長さ2mm〜3mmくらいの「小穂」がついています。小穂は先のとがった細長い卵形です。その小穂の付け根の方を見ると、先のとがらない小さな三角状のものがはりついています。それは「第一苞頴」といいますが、これと反対の側には「第二苞頴」があって、こちらは小穂の長さと同じくらいです。

【和名】オオクサキビ[大草黍]
【学名】Panicum dichotomiflorum
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月25日

ヒメアシボソ

ヒメアシボソ Microstegium vimineum f. willdenowianumヒメアシボソ Microstegium vimineum f. willdenowianum


広義のアシボソは、日本全土に分布し、生育地は山野の日当たりのよい少し湿り気のある草地や林縁部などです。

ヒメアシボソは、イネ科アシボソ属(ササガヤ属 Microstegium)の植物ですが、学名の取り扱いはちょっとややこしそう。芒のあるものを「アシボソ」、芒のないものを「ヒメアシボソ」といいますが、これを分けるか分けないかは資料によってまちまち。両者のタイプをあわせて広義の「アシボソ」とすることが多くなっているようです。今回のものは明らかに芒がないので「ヒメアシボソ」のタイプ。これをアシボソの種内変異ととらえると、学名は「Microstegium vimineum f. willdenowianum」。狭義のアシボソは「Microstegium vimineum f. vimineum」。また、その逆にヒメアシボソの方が「Microstegium vimineum」となっていて、アシボソがその1変種などとされていることもあります。

草丈は60cm〜1mくらい。茎の下の方は地面をはってよく枝分かれし、節からは根を下ろします。アシボソという名前は、茎(稈)の下部が上部より細いことからきているといわれています。葉は長さ5cm〜8cmくらい。先のとがった披針形。幅は1cmくらいです。

ヒメアシボソ Microstegium vimineum f. willdenowianum


花期は9月〜10月。茎の先に花序の枝を1本〜3本、まっすぐ上向きか、またはやや斜め上にのばします。ふつうは茎頂部の1本が真上にのびてそれ以外が横方向にのびます。枝の長さは5cm程度で、長さ5mmくらいの「小穂」が1つの節に2つずつ対になってつきます。その小穂は柄のあるものと柄のないもので1セット。イネ科の小穂のつき方などは、パッと見ているだけでは、なかなかわかりづらい部分ですね。ヒメアシボソには芒がありませんが、狭義のアシボソには1cmを超えるほどの長い芒があります。

写真のものは、茎や葉が赤くなっていますが、特にこれはこの種を特徴づける特徴というわけではなさそうです。他の場所のはふつうに緑色ですし。

【和名】ヒメアシボソ [姫脚細]
【学名】Microstegium vimineum f. willdenowianum
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/21
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月17日

ササガヤ

ササガヤ Microstegium japonicumササガヤ Microstegium japonicum


ササガヤは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の道端のやや湿った草地や林内などに生育する一年草です。イネ科アシボソ属の植物で、草丈は図鑑では20cm〜70cmなどとなっていますが、筆者の周辺では高さとしては、20cm〜30cmくらいの華奢なものを見かけます。茎は細〜くて、下部の方ではちょっと地面をはい、後に花をつける茎のみ立ち上がってきます。とにかくヒョロヒョロとした草で、だいたい地味なものがそろっているイネ科の中でもかなり地味な方でしょうね。

葉は長さ3cm〜5cmくらい、幅は1cm程度、先のとがった披針形です。質は薄くペラペラ。名前はこの葉が「ササ」の葉に似ているところからきています。葉鞘の縁の部分に毛が生えています。

ササガヤ Microstegium japonicumササガヤ Microstegium japonicum


花期は8月〜10月。茎の先に数本の細い花序の枝をのばして、そこに小さな小穂がつきます。枝は5cmくらいで、先は垂れ下がり気味。「メヒシバ」をヒョロヒョロにしたような姿です。すべての小穂には柄があって、柄の長い小穂と柄の短い小穂が1セットになって1つの節についています。といってもこのあたりの観察にはルーペが必要ですね。なんせ1つの小穂の長さは3mmほどしかないですから、写真にもおさめ切れませんでした。

花序の枝は細くて頼りなくのびていますが、あちこちと毛が生えていて何かだケバケバ。細長い「芒」は8mmほど、節の部分や小穂の付け根にはごく短い毛があります。モショモショとのびた弱々しい芒で花序の枝が絡まっていたりします。

【和名】ササガヤ [笹茅]
【学名】Microstegium japonicum
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/13、2005/09/19
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月11日

セイバンモロコシ

セイバンモロコシ Sorghum halepense


セイバンモロコシは、地中海沿岸原産のイネ科モロコシ属の多年草で、主にユーラシア大陸を中心に世界の熱帯〜温帯の地域に広く帰化しているそうです。日本で確認されたのは1945年ごろ、関東でのことだったそうで、その後、東北より南、特に関東より西の地域に急速に広まったといいます。現在では道端や河原、荒れ地などでごくふつうに見られ、ススキ、ヨシなどとともに大型イネ科の代表種。草丈は1mくらい〜2m近くに達して、地中に長い根茎を伸ばしてふえ、よく大群落となっています。

葉は長い線形で長さ30cm〜60cm、幅は1cm〜2cmほど。中央を走る葉脈が白くて、パッと見は「ススキ」の葉によく似ています。ススキだと葉の縁はザラザラしてうっかりしていると切り傷を作ってしまいますが、セイバンモロコシの葉の縁はあまりザラザラしません。また、葉鞘の縁の部分の「葉舌」にはやや長めの毛が生えています。

セイバンモロコシ Sorghum halepenseセイバンモロコシ Sorghum halepense


花期は8月〜10月。茎の先に円錐状の花序を出します。花序は長さ30cm前後、大型の花序です。ちょっと黄色みがかったような赤茶色っぽい花序です。花序の小枝は、同じ節から数本、「輪生」して横に広がります。小穂はその小枝の先、半分くらいにつきます。セイバンモロコシの小穂には2つのタイプがあって、ふつうそれが対になってついています。1つは柄はないけれど芒はある両性のタイプで、もう1つは柄はあるけれど芒はない雄性のタイプです。いずれも小穂の長さは5mm前後のものです。堅くて黄色っぽいのは「苞頴」です。

ちなみに、名前に「モロコシ」とつきますが、「トウモロコシ」とは別属です。セイバンモロコシと同じ属の植物にはアフリカ原産の「モロコシ」という雑穀があるそうです。

【和名】セイバンモロコシ [西蕃蜀黍]
【学名】Sorghum halepense
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/19
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月08日

ハナタデ

ハナタデ Persicaria posumbuハナタデ Persicaria posumbu


ハナタデは、北海道〜九州まで日本全土に分布し、山野の林内や林縁部のやや湿り気の多い場所に生育する一年草です。日本以外でも朝鮮半島や中国、ヒマラヤなどに分布しているそうです。草丈は30cm〜60cmほど、しばしば茎の下の方は地面をはって、節から根をおろします。茎はよく分枝して、ちょっとした茂みのようになります。タデ科タデ属またはイヌタデ属に分類されています。

葉は互生。先が尾状にとがった披針形〜長卵形。先の部分で急に細くなるのが特徴です。長さは3cm〜10cmくらい。黒っぽい斑紋が見られることもあります。両面、特に裏面の脈上に毛が生えています。葉柄は短いです。托葉鞘は筒形で、縁には長い剛毛が生えています。剛毛の長さは7mmくらいで、その様子は「イヌタデ」によく似ています。それに比べると、ハルタデの場合は、托葉鞘の縁の毛が短いです。

ハナタデ Persicaria posumbuハナタデ Persicaria posumbu


花期は8月〜10月。茎の先や上部の葉の脇(葉腋)から細長い花序をのばして、小さな花をたくさんつけます。ハナタデは密に花をつけることもありますが、まばらにつく傾向が強いです。イヌタデはかなりびっしりと密につきます。色は淡い紅色〜紅色です。花被は長さ2mmくらいで、5つに裂けます。

果実は「そう果」ですが、花柱が3つあるので3稜形の果実になります。黒色でテカテカの果実です。この仲間は果実の時期にも花被が残って果実を包んでいます。

【和名】ハナタデ [花蓼]
【別名】ヤブタデ
【学名】Persicaria posumbu
(Polygonum caespitosum var. laxiflorum)
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影日】2005/10/02
【撮影地】東京都八王子市

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2005年10月05日

ヤナギタデ

ヤナギタデ Persicaria hydropiperヤナギタデ Persicaria hydropiper


ヤナギタデは、本州、四国、九州に分布し、やや湿り気の多い場所や河原などに生育する一年草です。タデ科タデ属またはイヌタデ属に分類されています。「アカマンマ」として親しまれる「イヌタデ」の仲間です。草丈は30cm〜70cmほど、茎には毛がなく、赤みを帯びていることが多いです。節の部分はちょっとふくらみます。

葉は互生。長さ5cm〜10cmほどの披針形で、先はとがっています。名前はこの葉の形を「柳」に例えて、「ヤナギタデ」というそうです。葉柄の付け根の部分の「托葉鞘」は筒形で、長さは1cm内外、ふつうは縁に毛があります。写真の場合は「オオイヌタデ」の群生地の中にポツリと生えていたものですが、托葉鞘の毛は、数本長い毛が見えるくらいでした。葉には細かい毛がありますが、斑紋はありません。

ヤナギタデ Persicaria hydropiperヤナギタデ Persicaria hydropiper


花期は9月〜10月。茎の先端と上部の葉の脇(葉腋)から花序を伸ばして、小さな花をちょっとまばらにつけます。花序の部分の長さは5cm〜10cmほどで、先の方は垂れ下がります。花色は白色〜淡い紅色、花被は長さ3mm程度の小さなもので、ふつう5つに裂けます。花序の花は一斉に開くという感じではなく、細長く垂れる花序の中でポツッポツッと開いている花が見られる感じです。また、花被には腺点があって、ところどころポツポツとへこんでいます。
【注】「花被」というのは、「花冠(花弁)」と「ガク(ガク片)」をあわせていう場合や、両者が同じ形をしていて見た目の区別がほとんどない場合に使う言葉です。イヌタデやハナタデなどの「タデ」の仲間の花は、ガクのみの「単花被花」なので、花びらに見えているものは、「花被」というより「ガク(ガク片)」ということが多いと思います。

果実の時期や蕾をみると、花被の先は紅色、付け根の方は緑色になっていて、よく見るとちょっと派手。小さいので、全体としては地味なものですが、しみじみとした味わいがあります。味といえば、ヤナギタデは、葉に強力な辛味があって、刺身のつまなどに利用されます。「蓼食う虫も好き好き」の蓼は、このヤナギタデのことだそうです。また、この辛味の有無がよく似た「ボントクタデ (Persicaria pubescens)」との大きな違いとなっています。

【和名】ヤナギタデ [柳蓼]
【学名】Persicaria hydropiper (Polygonum hydropiper)
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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2005年09月29日

オオイヌタデ

オオイヌタデ Persicaria lapathifoliaオオイヌタデ Persicaria lapathifolia


オオイヌタデは、日本全土の道ばたや田畑の周辺、河原などの日当たりのよい場所に生育する一年草です。よく枝分かれして、草丈は80cm〜2mほど。ふつうに見られるこの仲間では大きめです。節々が太くなるのも特徴。茎は無毛で、赤みを帯びることも多いです。

タデ科の植物で、タデ属(Polygonum)を広くとらえたときは、オオイヌタデもタデ属で、この場合は、ミズヒキ、ミチヤナギ、ミゾソバ、ママコノシリヌグイ、高い山にあるイブキトラノオなども含まれたりします。狭くとらえた場合は、イヌタデ属に含まれますが、この仲間は多くの種が夏から秋にかけて花をつけます。色は白や紅紫色で、、「アカマンマ」の呼び名で親しまれる「イヌタデ」に代表されるように、小さなツブツブが穂状に集まった花序になるのが特徴です。

この仲間、ある程度見慣れてくると、全体的な姿で見分けられるようになると思いますが、細かくしっかり観察して名前を調べる場合は、その茎の「托葉鞘」または「葉鞘」という部分をチェックします。オオイヌタデの葉鞘は筒形で薄い膜のようなものです。縦に何本もの脈が目立ち、その縁に毛がないのがふつうです。とはいっても、少し短い毛が見られることもあるそうです。葉は互生。先のとがった披針形で、長さは15cm〜20cmくらいです。

■葉鞘の縁の毛
あるイヌタデ、ハナタデ、サクラタデ、ボントクタデ、ヤナギタデなど
ふつうはほとんどないオオイヌタデ、サナエタデなど


オオイヌタデ Persicaria lapathifoliaオオイヌタデ Persicaria lapathifolia


花期は、図鑑ではだいたい6月〜11月となっています。筆者の近辺では、だいたい8月の終わりごろから、一斉に咲いて目立つようになります。花序は長さ5cm〜10cmで、弧を描いて垂れ下がります。色は濃淡あって、紅紫色〜白色です。ふつう紅白、交じり合って咲いている感じになります。花被は4つか5つに裂けますが、だいたい4つのことが多いかなという印象です。

果実はちょっと平べったい円形で、黒褐色。この仲間の花序は、まだ咲いていると思って近づいてみると、この黒い果実が見えて、ちょっとビックリ。ピンクっぽい花被の部分がその果実にピッタリはりつく形で残っているので、遠めにはまだ咲いているかのように見えるんです。はじめて黒光りしているイヌタデを見たときは、もうギョギョギョッでした。

【和名】オオイヌタデ [大犬蓼]
【学名】Persicaria lapathifolia (Polygonum lapathifolium)
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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2005年09月28日

イヌムギ

イヌムギ Bromus catharticus


イヌムギは、南アメリカ原産のイネ科スズメノチャヒキ属の植物で、一年草、または越年草です。多くは秋に芽生えて越冬するようです。ただし、資料によっては多年草となっていて、地下茎でも繁殖するそうなので、数年は寿命があるのかなぁと思います。世界中の温帯〜暖帯に広く見られ、日本に入ってきたのは、明治のはじめのころのことだったそうです。現在では、北海道〜九州まで各地の道ばたや河原などにふつうに見られます。

茎(稈)は、本来は太めで、草丈は70cm〜1.2mにまで達します。写真のはちょっと季節はずれに見られたためか、高さは40cmくらいで、稈もヒョロヒョロでした。しかもまだ夏の名残にあるような好天の日、河原もかなり乾燥したらしく、葉がちょっと巻いていました。近くのセンダングサの仲間の芽生えなんて、もっと葉がしおれてすっかり巻いてしまっていました。

イヌムギの葉は、本来はちょっと幅の広い線形なんですけどね。長さは15cm〜30cmほど。幅は5mm〜1cmくらい。「葉鞘」の部分には白い膜のような「葉舌」がありますが、写真のものは茶色くなって裂けています。葉鞘や葉にはまばらな毛が見られます。稈の毛はあったりなかったりです。

イヌムギ Bromus catharticusイヌムギ Bromus catharticus


花期は5月〜8月。円錐花序の長さは20cmくらい。本当はもっと花序が垂れ下がります。「小穂」には短い柄があります。長さは2cm〜3cmほどで、そこには6個〜12個の「小花」があります。写真の個体では6個〜7個くらいでした。1つ1つの小花の長さは1.5mm程度。小花は二つ折りになって、ペッタリくっついているので、小穂全体が扁平に見えています。

ほとんどが開かず「閉鎖花」の状態で結実するので、雄しべの葯や雌しべが外に飛び出していることはあまりないですね。「芒(のぎ)」はありません。

名前は「ムギ」に似ているけれど、穀物としては役に立たないので、「イヌムギ」と呼ばれています。「イヌ」というのは、「役に立たない」という意味の接頭語として、植物の名前にはよく使われています。似ている相手が人間にとって有用な植物であることが多いですね。

【和名】イヌムギ [犬麦]
【学名】Bromus catharticus
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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クサマオ

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea


クサマオは、イラクサ科カラムシ属の多年草です。別名、「カラムシ(茎蒸)」または単に「マオ(苧麻)」といいます。茎のことを「幹(から)」といって、それを蒸した後、皮をはいで繊維をとったところから「カラムシ」というそうです。とられた繊維からできる織物は、とても上質なのだとか。

日本では本州〜沖縄まで分布し、山野の道ばたや草むら、林縁部などで見られます。今回の写真は河原の草むらに生えていました。茎の長さは1m〜1.5mに達しますが、夏が過ぎて、秋ともなれば茎が横に倒れて、高さとしてはそれほどではなくなっていたりします。茎も茶色く硬そうで、確かに丈夫な繊維をとることができそうな感じ。

茎や葉柄には毛がたくさんあります。写真では茎が茶色く硬くなっていて、毛の様子がわかりにくいですが、よくよく見ると短毛が生えているのが見えました。葉柄の方はまだ白くて毛があることがわかりやすかったですね。そして葉の裏には綿毛が密生しているのでかなり白いです。晩秋のころ、丈夫な茎はそのまま立ち枯れて、枯れた葉もクシャッと巻いた状態で残っていることがあります。その状態でも葉の裏の白さがよく目立ちます。それで、あぁ、きっとクサマオ(カラムシ)だろうなぁと思ったりします。

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononiveaクサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea
左:雌花序、右:雄花序

花期は8月〜9月。雄花と雌花があってそれぞれ別の花序につきますが、個体としては雄花も雌花も両方つけます。つまり、「雌雄異花同株」です。花序は茎の上部では雌花序、下部では雄花序が出ます。雄花序、雌花序ともに花序の軸にも毛があって白っぽい。

雄花序の雄花では、雄しべの「花糸」がのびて、その先に花粉の入った「葯」があります。この花糸の部分が開花と同時にバーンとのびて、その衝撃で花粉が飛び散るしくみです。雌花序の方では、つぼ形の「花被」をもつ雌花が集まって球状になっています。そしてその球状のものがたくさん花序についています。雌花の花被の部分には、細かい毛がたくさん生えているのでブワブワした感じです。

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononiveaクサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea
左:雌花序、右:雄花序

花は1つ1つが小さく地味で、基本的には「風媒花」なのですが、花糸をバネのようにのばして花粉を飛ばすというちょっと積極的な部分もあったりする不思議な花ですね。花糸の部分には横の縞模様があるそうで、それがバネの役割をするのだとか。

【和名】クサマオ [草苧麻]
【別名】カラムシ [幹蒸、茎蒸]
【学名】Boehmeria nivea var. nipononivea
【科名】イラクサ科 URTICACEAE
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

以前、「ヤブマオ」または、雑種かも知れない、大きな葉のタイプを「クサマオ」として掲載していますが、そちらの方はちょっと怪しい。でも、今回のはしっかり「クサマオ」だと思います。

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クサマオ(前回の記事)

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2005年09月27日

カゼクサ

カゼクサ Eragrostis ferrugineaカゼクサ Eragrostis ferruginea


カゼクサは、本州、四国、九州に分布し、道ばたや空き地などの日当たりのよい乾燥気味の場所に多く生える多年草です。根もとからたくさん「そう生」して、茎(稈)はまっすぐに立ちます。といっても、踏みつけられたりして、倒れていることはありますけども。ふつうは、草丈は50cm〜80cmほどで、結構な株立ち状になります。イネ科スズメガヤ属の植物で、造成地や道路の法面などで砂防に利用される「シナダレスズメガヤ (Eragrostis curvula)」と同じ属です。

葉はほとんど混生するような状態で、細長い線形で、長さは30cmくらい、幅は5mm前後です。中央の脈で、縦に二つ折りになります。質はちょっと硬めです。そして、「葉鞘」の縁の部分に白くて長めの毛が生えているのが特徴です。

カゼクサ Eragrostis ferrugineaカゼクサ Eragrostis ferruginea


花期は8月〜10月。花序の部分は結構、大きめの円錐状で、長さは20cm〜30cmくらいになりますになります。たくさんの小さな「小穂」をつけますが、色は茶色っぽいような薄い紫色っぽいような感じです。1つ1つの小穂は長さ6mm程度の平べったいもので、そこには5個〜10個の「小花」があります。

小さめの個体なんかでは、パッと見には、「ナガハグサ (Poa pratensis)」や「イチゴツナギ (Poa ochotensis)」にも似ているところがありますが、そちらの方は5月〜7月の開花で、花序は短く小さめ、葉鞘に毛はなく、その代わり薄い膜状の「葉舌」が目立ちます。

【和名】カゼクサ [風草]
【別名】ミチシバ
【学名】Eragrostis ferruginea
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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アメリカセンダングサ

アメリカセンダングサ Bidens frondosa


アメリカセンダングサは、北アメリカ原産の一年草です。世界的に温帯の地域に広く見られ、日本に入ってきたのは大正時代のことだそうです。現在は日本各地の道ばたや荒れ地などのやや湿り気の多いところに多く見られます。同じ道ばたでもまわりの草地よりも溝の脇に生えていたりします。キク科センダングサ属の植物で、頭花の部分だけを見ていると、同属の「タウコギ (Bidens tripartita)」によく似ています。

茎は濃い紫褐色で、4つ「稜」があって、切り口は四角形〜ちょっといびつな円形になっています。個体によっては、コセンダングサよりは四角形の度合いが小さいかな。う〜ん、どうでしょう。ともあれ、茎はよく枝分かれして、草丈は50cm〜1.5mくらいにまでなります。大きな株だと、非常に大きな空間を占めます。

葉は対生。下部の葉は大きめで「2回3出複葉」、上部では小さめで「3出複葉」。ほとんど無毛です。葉柄は長めで、分かれた1つ1つの「小葉」にも柄があります。小葉の長さは3cm〜10cmを超えるほどのものもあって、先が細くとがる卵状の披針形です。縁にははっきりとしたギザギザ(鋸歯)があります。タウコギの場合は、ギザギザが鈍くて上部の方などはやや不明瞭です。

アメリカセンダングサ Bidens frondosaアメリカセンダングサ Bidens frondosa


花期は9月〜10月。たくさん分かれた枝の先端に、1つずつ上向きの「頭花」をつけます。キク科の花なので、1つの頭花はたくさんの「小花」、つまり、いくつもの「舌状花」や「筒状花(管状花)」が集まってできています。アメリカセンダングサの場合は、ふつうだったら花びらに見えるはずの舌状花がごくごく小さくて、ほとんどわからないような状態です。

したがって、中央で黄色く見えているのはほとんど筒状花ということになるのですが、その黄色の部分よりも、まわりに見える葉っぱのような緑色のものが目立ちます。それは、「総苞片」で、細長い倒披針形、1つの頭花につき10枚前後あります。ちなみに、学名の種小名「frondosa」は、「葉状の」とか「葉に覆われた」という意味です。

果実は「そう果」で、平べったいですが、先端には2本のトゲがあるのが、この仲間の大きな特徴。そう果の部分は1cm弱ほど、トゲの部分が2.5mm〜5mm程度です。トゲにはさらに細かいトゲが逆向きに生えています。それに対して、そう果のボディーの方に生える細かいトゲは上向きです。このトゲによって動物の体などにくっついて種子散布される、いわゆる「ひっつきむし」の1つです。そのほか、水辺に生育している場合は、水流によっても運ばれるといいます。オナモミ類も水流で運ばれるようですね。

【和名】アメリカセンダングサ [亜米利加栴檀草]
【別名】セイタカウコギ
【学名】Bidens frondosa
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/09/19
【撮影地】東京都日野市

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コセンダングサ

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2005年09月26日

キンエノコロ

キンエノコロ Setaria pumila


キンエノコロは、北半球の温帯の地域に分布しています。日本でも北海道、本州、四国、九州の各地に分布し、道ばたや土手、田畑のあぜなど日当たりのよい場所にごくふつうに生育する一年草です。イネ科エノコログサ属、いわゆる、「ネコジャラシ」の仲間で、ツブツブの基部に生える剛毛が黄金色に輝いて、とても美しい種です。

茎(稈)は根もとからそう生して、基部の方ではちょっとかくっと曲がっています。そして、その曲がった節からやや斜め〜まっすぐに立ち上がって、草丈は30cm〜80cmほどになります。草丈だけを比べると「エノコログサ (Setaria viridis)」よりは高く、「アキノエノコログサ (Setaria faberi)」よりは低いという感じでしょうか。

葉は細長い線形で、長さ15cm〜30cm、幅は5mm〜1cmには満たないかなという程度。「エノコログサ」や「アキノエノコログサ」よりも細い葉です。表面はカサカサとして光沢はありませんが、質は少し硬めです。ある図鑑によれば、「葉の基部には長い毛がまばらに生えている」ということですが、上の方に見られる葉の基部をたどっても毛はない感じでした。一度刈り取られた場所ですし、踏みつけられてもいる感じだったので、本当のところはどうなのか不明なのですが、いかがでしょうか。

キンエノコロ Setaria pumilaキンエノコロ Setaria pumila


花期は8月〜10月。花序は円柱形で、まっすぐにのびます。長くのびたものでは多少、先が垂れ下がることはありますが、だいたいまっすぐです。フサフサの穂になった部分の長さは5cm〜15cmくらいです。よく似た「コツブキンエノコロ (Setaria pallidefusca)」だと、穂の部分が2.5cm〜4cmほど、小穂は2.5mmでちょっと小さめ、剛毛は少し紫色っぽいです。

ツブツブの「小穂」は長さ3mm〜3.5mmほどです。エノコログサ属の中では、この小穂の大きさは最大です。遠めにも大きいツブツブが目立つはずです。近くに緑色のエノコログサがあったら見比べてみるとさらによくわかると思います。また、黄金色〜黄褐色の剛毛は、その小穂の基部に5本〜8本生えています。剛毛の長さは1cm弱。剛毛を触るとザラザラするのは、剛毛にごく細かいトゲがあるためです。

【和名】キンエノコロ [金狗尾草]
【学名】Setaria pumila
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/17、2005/09/19
【撮影地】東京都日野市

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エノコログサ

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2005年09月22日

チカラシバ

チカラシバ Pennisetum alopecuroidesチカラシバ Pennisetum alopecuroides
左:2005/09/19、右:2004/10/07

チカラシバは、東南アジアや日本の北海道南部〜九州、沖縄まで広く分布し、草地や道ばた、空き地など日当たりのよい場所にごくふつうに見られる多年草です。草丈は50cm〜80cmほど。茎(稈)は、根もとからたくさんそう生して、結構大きな株立ちになります。イネ科チカラシバ属(Pennisetum)に分類され、日本の野生種には他に似たようなものがないし、花期の紫褐色のフサフサは特徴的なので、イネ科の中ではわかりやすい方だと思います。

葉は長さ30cm〜50cm、幅は5mm程度の幅の狭い細長〜い線形です。葉の多くは根元の方から出ています。濃いめの緑色で、表面はザラザラです。「葉鞘」の部分は白くて長い毛が生えています。根もしっかりとはっていますが、葉も堅くて丈夫です。

チカラシバ Pennisetum alopecuroidesチカラシバ Pennisetum alopecuroides
2005/09/19 穂の軸の部分や下部には毛がある

花期は8月〜11月。濃い紫褐色の毛足の長い花穂がのびます。根もとで株立ち状になる以外、稈は枝分かれせず、花穂は稈の上部に1つずつ。遠めにはやわからそうなフサフサなのですが、近づいてみると、これが結構な剛毛なんです。花穂の部分は、長さ15cm〜20cmくらい、幅は2cmくらいの円柱状です。

濃い紫褐色の剛毛は、「総苞片」が変化したものだそうで、「小穂」のつけ根から出ています。細長い剛毛にはさらに微細な毛が生えていて、それによって、ザラザラします。このチカラシバの剛毛は、花が終わって小穂が落ちるとき、一緒に落ちてしまいます。それは、小穂の柄に関節があって、そこから外れるからです。この柄の部分や剛毛にあるトゲ状の毛によって、動物の体や人の衣服にくっついて、種子が運ばれます。つまり、「ひっつきむし」の1つなわけです。

これに対して、エノコログサの仲間の剛毛は、小花が落ちても剛毛は残ったままです。チカラシバの剛毛はふつうは暗めの濃い紫褐色ですが、ときに淡い緑色のことがあります。このタイプを「アオチカラシバ (Pennisetum alopecuroides f. viridescens)」といいます。

小穂は8mm程度の披針形、先がとがっています。そこには2つの「小花」があって、そのうち下の小花は雄性、上の小花は両性です。

チカラシバ Pennisetum alopecuroides
2005/09/19 出穂期

チカラシバ。この草の名前を尋ねられると、まず「抜いてみて」といいます。実際に抜こうと力いっぱい引っぱっても、容易く抜き取ることはできません。それほど、しっかりと根を張っていて、「抜くのに力のいる芝」ということで、「力芝」って言うんですよ!と。特有の味のする草をみつけて、「ちょっとなめてみて」と言っても、抵抗を感じる人はあるけれど、引き抜くくらいならやってみようと、実際にやってくれることは多いかも。実体験に基づいた記憶は、ただ教えてもらっただけより、深く植えつけられるものですよね。

でも、筆者はそれをはじめて人から教わったとき、力入れすぎて手に切り傷をつくりました。試すときには、ほどほどの力加減でどうぞ。

【和名】チカラシバ [力芝]
【学名】Pennisetum alopecuroides
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/19、2004/10/07
【撮影地】東京都日野市

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2005年09月21日

アキノエノコログサ

アキノエノコログサ Setaria faberi


アキノエノコログサは、北海道、本州、四国、九州に分布し、道ばたや空き地、畑など日当たりのよい場所にふつうに見られる一年草です。よく群生しているのが見られます。イネ科エノコログサ属(Setaria)の植物で、日本でふつうに見られるエノコログサの中では、花穂が大きく長めでよく垂れ下がるのが特徴です。

草丈は30cm〜40cmほど、根もとからそう生します。茎は下部でよく枝分かれし、やや地面をはって、ところどころ節から根を下ろします。葉は少し幅の広い線形で、質は薄めで柔らかいです。長さは10cm〜30cmくらい、幅は2cm程度。表面にはごく短い毛がたくさん生えています。また、葉の付け根の方の「葉鞘」の縁には毛があります。

「エノコログサ」という名前の由来には諸説あるようですね。「エノコロ」というのが「子犬」のことで、それが「ヰヌノコ」から転訛したなどといわれているようです。

アキノエノコログサ Setaria faberiアキノエノコログサ Setaria faberi


花期は8月〜11月。花穂は円柱形で、長さは5cm〜12cm、幅は1cmほど。花穂が弧を描くように丸く垂れ下がります。花穂にはたくさんの小穂(ツブツブ)があります。小穂の長さは3mmくらいで、よく似た「エノコログサ (Setaria viridis)」よりも大粒です。でも、「キンエノコロ (Setaria pumila)」よりは小粒。また、小穂に隠れてわかりにくいですが、花穂の中軸にはたくさん毛が生えています。

*小穂の大きさ*
エノコログサ < アキノエノコログサ < キンエノコロ

アキノエノコログサ Setaria faberi


花穂のフサフサの部分は、小穂の基部にある剛毛です。アキノエノコログサの小穂の剛毛は小穂の長さと比べると、2倍〜5倍の長さといいます。そしてふつうは緑色ですが、しばしば、紫色を帯びていることがあります。そうなると、「ムラサキエノコロ (Setaria viridis f. misera)」に似てきますが、ムラサキエノコロはエノコログサの品種で、剛毛が紫褐色になるタイプなので、小穂が小さいです。

小穂の剛毛はエノコログサ属の大きな特徴の1つですが、これは小枝が変化したものだそうで、花期が終了して、小穂がすべて落ちてなくなってもずっと残っています。晩秋ともなれば、すっかり枯れて色も白〜くなったエノコログサがよく見られます。

【和名】アキノエノコログサ [秋の狗尾草]
【学名】Setaria faberi
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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秋味ぶろぐ おかわり

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2005年09月20日

ムラサキエノコログサ

ムラサキエノコログサ Setaria viridis  f. miseraムラサキエノコログサ Setaria viridis  f. misera
2005/09/17 稈の下部が赤っぽいことも

ムラサキエノコログサは、「エノコログサ (Setaria viridis)」の分布と同じで、北海道、本州、四国、九州に分布し、日当たりのよい道ばたや空き地、河原など生育しています。一年草で、草丈は20cm〜50cmほど。花期は8月〜11月。夏から咲いていますが、イメージとしては秋の草むらの代表的存在です。

ムラサキエノコログサは、イネ科エノコログサ属(Setaria)の植物で、エノコログサの一品種として取り扱われています。ここでいう「品種」というのは、「種」より下の分類階級の1つということで、「園芸品種」という場合の品種とはまったく違う概念のものです。また、種より下の分類階級には「亜種」、「変種」、「品種」などがありますが、中でも品種となっているものは、母種との違いがそれほど明瞭でないことや、生えている毛の多少、白花など色の違いという程度のことが多いです。

ムラサキエノコログサ Setaria viridis  f. miseraムラサキエノコログサ Setaria viridis  f. misera
2005/07/16 まだ花穂が垂れ下がっていない

ムラサキエノコログサの場合は、花穂のツブツブ、これを「小穂」といいますが、その小穂の基部に生えているフサフサした剛毛の色が紫褐色を帯びています。それによって、花穂が紫褐色に見えています。エノコログサだとその剛毛が緑色です。両者の違いは、この剛毛の色という点だけとされているようです。ツブツブの小穂の大きさも差はないでしょう。

小穂の大きさは、同じエノコログサ属の「キンエノコロ (Setaria pumila)」や「アキノエノコログサ (Setaria faberi)」に比べてエノコログサやムラサキエノコログサは小さいです。特にキンエノコロはとても小穂が大きく、遠めにもブツブツしているのが目立ちます。そして、アキノエノコログサの場合は、花穂が明らかに垂れ下がります。エノコログサもちょっとは垂れ下がりますが、やはり小穂の大きさが違っています。ムラサキエノコログサも、夏の早い時期のものはまだあまり垂れ下がらないですが、初秋のころにはアキノエノコログサほどではないですが、エノコログサと同じくらい少し垂れ下がり気味になっていることも多いです。

エノコログサとアキノエノコログサの違いがわからないときは、まず、明らかに垂れ下がっているものと、垂れ下がっていないものを見つけて、両者を見比べてみます。そうすると、小穂の大きさの違いがわかると思います。それで、小穂の大きさの感じをつかむと、どちらか一方しかなくて、微妙な垂れ下がり方のときでも区別できるようになると思います。見慣れれば簡単なので、まだよくわかんないよ!という場合はチャレンジしてみてください。

【和名】ムラサキエノコログサ [紫狗尾草]
【学名】Setaria viridis f. misera
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/07/16、2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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エノコログサ

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2005年09月19日

アリタソウ

アリタソウ Chenopodium ambrosioidesアリタソウ Chenopodium ambrosioides
2005/09/17 開花前の株

アリタソウは、南アメリカ原産のアカザ科アカザ属(Chenopodium)の一年草です。日本を含むアジアのほか、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど世界中に広く見られます。写真のものはいずれも河原で撮影したものですが、都市部の道ばたや荒れ地などにも多く見られます。茎は下の方は少し横にはう感じもありますが、だいたいまっすぐ〜斜めにのびて、よく枝分かれします。草丈は30cm〜90cmくらいです。葉の裏面には「腺点」があって、特有の臭いがします。家畜には有害なのだとか。

茎や葉に生える白い毛の量ですが、これは個体差があると思います。それに開花期の茎の上部にはほとんど毛がないものも、生育初期のころには白くて長い毛が密生している場合もあるようです。毛がないた色をただの「アリタソウ」、その変種で毛があるタイプを「ケアリタソウ」とする場合や、アリタソウの中に「ケアリタソウ」を含める場合があります。この記事の場合は、生育初期には白くて長めの毛が目立っていたのに、開花時には細かい毛がある程度になっていたもの、ということで、ケアリタソウとアリタソウを区別しないという内容になっています。

アリタソウ Chenopodium ambrosioidesアリタソウ Chenopodium ambrosioides
2005/04/29 若い苗

葉は互生。長い楕円形で、縁には不規則で粗いギザギザ(鋸歯)があります。茎の下部の方の葉は大きめですが、上部の方は小さめ。特に花序が出るあたりのものは、葉というより、葉状の「苞」という感じです。鋸歯も少なくなります。

アリタソウ Chenopodium ambrosioidesアリタソウ Chenopodium ambrosioides
2005/09/17 花期の状態

花期は7月〜10月。枝先や葉腋に細い花穂を出して、小さな花がつきます。花穂の部分には幅の狭い楕円形で、小さな葉状の「苞」が結構たくさん並んでいます。花被は5つに裂けますが、緑色だし、ほとんど目につかないような地味なものです。花には両性花と雌花の大小2タイプあって、花穂に両方混じってついています。大きくて淡い黄色の葯をつけた雄しべが飛び出していたら「両性花」、小さくて雌しべの柱頭が出ていたら「雌花」です。ただし、両性花は雄性期と雌性期があって、雌性期の場合、雄しべが見えず、淡い黄色に塊のように見えるときがあります。

【和名】アリタソウ [有田草]
【学名】Chenopodium ambrosioides
【科名】アカザ科 CHENOPODIACEAE
【撮影日】2005/09/17、2005/04/29
【撮影地】東京都日野市

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2005年09月16日

ルドベキア・タカオ

ルドベキア・トリロバタ ‘タカオ’ Rudbeckia hirta var. sericeaルドベキア・トリロバタ ‘タカオ’ Rudbeckia hirta var. sericea


「ルドベキア・タカオ」というのは、本来は北アメリカ原産の「ルドベキア・トリロバ (Rudbeckia triloba var. sericea)」の1品種なので、タイトルは「ルドベキア・トリロバ‘タカオ’」または「ルドベキア・トリロバ」と書いた方がよいのかもしれませんね。

この植物は、キク科ルドベキア属(Rudbeckia オオハンゴンソウ属)の多年草で、草丈は70cm〜1.2mほどになります。資料によっては「二年草」となっていて、種子から芽生えても、その株自体の寿命は短いのだと思います。同じ属の植物には、背が低い矮性種や高性種などがあり、まとめて、単に属名の「ルドベキア」と呼ばれることも多いです。

例えば、草丈が高く筒状花が黄緑の「オオハンゴンソウ (Rudbeckia laciniata)」や、背丈は低めですが大きめの花をつける「アラゲハンゴンソウ (Rudbeckia hirta)」などがよく見られます。2種とも北アメリカ原産で、観賞用に植えてあったり、野生化していたりです。筆者のいる近所では、この夏、特に「アラゲハンゴンソウ」が大量に咲いていました。

「ルドベキア」って、ちょっと口に出していうと、つっかかって何だか言いにくいですが、「ルドベキア」というのは、スウェーデンの「Rudbeck」という植物学者の人の名前からきているのだそうです。学名って、結構人の名前に因むものって多いですよね。

ルドベキア・トリロバタ ‘タカオ’ Rudbeckia hirta var. sericeaルドベキア・トリロバタ ‘タカオ’ Rudbeckia hirta var. sericea


茎には粗い毛が多く、細くて赤みを帯びています。茎の株の葉は3つ程度に裂けていますが、中部から上部にかけてつく葉は、細長い卵形で先がとがっています。葉柄も株の葉にはありますが、上に行くほど短くなり、無柄になります。というよりちょっと抱きぎみになりますね。

花期は7月〜10月。特に茎の上部ではたくさん枝分かれして、たくさんの「頭花」を上向きにつけます。頭花は直径3cm〜4cmほど。ルドベキアの中では小輪で、花数は多いです。周辺部には黄色い花びらに見える「舌状花」が、8枚程度あります。中央部分のこげ茶色の部分には、「筒状花(管状花)」があります。この部分は咲き進むにつれて、球状に盛り上がってきます。同じようにたくさん開花していても、真夏の炎天下での姿と秋の姿が何となく違って見える、そんな気がします。

【品種名】ルドベキア・タカオ (‘Takao’)
【和名】オオミツバハンゴンソウ
【英名】thin-leaved coneflower
【別名】ルドベッキア
【学名】Rudbeckia triloba var. sericea (Rudbeckia hirta)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/08/17
【撮影地】東京都日野市

■Trackback
庭の植物 A to Z」さんの記事「ルドベキア タカオ
ど派手な同属の花のなかでも、どこか野草的な雰囲気もあるタカオ。その咲き誇る姿が堪能できます。

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