2006年01月01日

カンザクラ

カンザクラ Cerasus x kanzakura


カンザクラは、カンヒザクラ(寒緋桜)とヤマザクラ(山桜)、あるいは早咲きのオオシマザクラ(大島桜)との雑種といわれています。バラ科サクラ属(Cerasus)、あるいは広義のサクラ属(Prunus)の落葉小高木〜高木です。高さは10mくらいでしょうか。樹皮は黒褐色。皮目は横に並んで、全体にコブコブしています。サクラ類に特徴的な樹皮ですね。「カワヅザクラ(河津桜)」や「オオカンザクラ(大寒桜)」などもカンザクラの仲間だそうです。

花は早いければ1月から咲きはじめるので、秋に咲く「フユザクラ」をのぞけば、かなり早い時期に開花します。開花は葉の展開より早いか同時。開くと淡い紅色ですが、蕾のときはさらに色が濃いです。花の直径は2cm〜2.5cmくらいで、花弁は5枚です。雑種親の1つと考えられるカンヒザクラは、中国や台湾の原産で、サクラの仲間では断トツの色の濃さで、半開きの花が下向きに垂れ下がります。カンザクラの場合も下向きですが、色はカンヒザクラよりはずっと淡く、ほぼ平開にちかくなります。

カンザクラ Cerasus x kanzakura


葉は互生。長楕円形で、先はやや尾状になります。カンヒザクラに比べるとやや小さめ。長さは10cmほどです。縁にはギザギザのやや鋭い「重鋸歯」があります。表面は濃いめの緑色、毛はふつうありません。葉柄に毛がないのも要チェック。ソメイヨシノだと柄に毛があります。

サクラ類のチェックポイントとしては、よくガク筒の形があげられます。カンザクラの場合は、ガク筒が鐘形で、途中でキュッとくびれ、先は5つのガク片にわかれます。冬芽は濃い赤褐色。枝の皮目もよく目立ちます。

【和名】カンザクラ [寒桜]
【学名】Cerasus x kanzakura (Prunus x kanzakura)
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/11/27
【撮影地】東京都新宿区

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2005年12月26日

ヤシャブシ

ヤシャブシ Alnus firma


ヤシャブシは、本州の東北南部以西の主に太平洋側と四国、九州の山地に生育する落葉高木です。樹皮は灰褐色で、短冊状にはがれてきます。高さは数m〜15mくらいになるカバノキ科ハンノキ属(Alnus)の植物です。同じ属で、本州の太平洋側に多い「オオバヤシャブシ」は、本来の生育地はより海岸に近い地域で、このヤシャブシはより内陸に多く生育します。また、日本海側の地域や多雪地域には、よく似た「ヒメヤシャブシ」が見られます。こちらの方は葉がより細長くて、側脈が20対以上とたくさんあります。果穂は垂れ下がります。

ただし、ヤシャブシの仲間は根に根粒菌が共生していることから、やせた土地でもよく生育できます。そのため緑化によく利用されているので、本来の分布域とされる場所以外でも見られます。林道沿いの崩壊地などにもいち早く入ってくるパイオニアでもあります。

葉は互生。幅の狭い卵形で、長さは5cm〜10cm、幅は2.5cm〜4cmほどです。先は次第に細くなってとがります。平行に走る側脈がよく目立ちますが、側脈はふつうは13対〜17対で、だいたい20対以内です。表面は濃いめの緑色。裏面の葉脈の脇にはよく毛が見られます。縁のギザギザは「重鋸歯」です。ですが、よくわからない場合もあります。葉柄の長さは1cmほどです。

葉の幅は、幅の広い方からオオバヤシャブシ、ヤシャブシ、ヒメヤシャブシ。側脈の数はヒメヤシャブシが多く、オオバヤシャブシとヤシャブシはそれほど違いがないと思います。ただ、オオバヤシャブシの方が葉が少し大きめな分、側脈の間隔が大きくなります。

ヤシャブシ Alnus firma


花期は早春、3月ごろ。葉の展開よりも早く開花が始まります。雄花序と雌花序があって、雄花序のほうが雌花序よりも上につきます。雄花序は枝先や葉の脇から垂れ下がり、雌花序は1個〜2個で上向きにつきます。オオバヤシャブシは雌花序の方が上です。花の色は黄緑色。雌花はやや赤茶色を帯びています。

果穂は上を向き、多くは2個ずつですが、1個〜3個のことも結構あります。果穂の長さは1.5cm〜2cmくらい。果実は「堅果」で、長さは4mmほど、両脇に翼があります。

と、ここまで書いてきて何なのですが、写真の冬芽はかなり怪しいです。葉はヤシャブシなのですがね。。。

【和名】ヤシャブシ [夜叉五倍子]
【学名】Alnus firma
【科名】カバノキ科 BETULACEAE
【撮影日】2005/12/24
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月08日

ネコヤナギ

ネコヤナギ Salix gracilistylaネコヤナギ Salix gracilistyla


ネコヤナギは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の川沿いなどの水辺に生育します。ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木〜小高木です。高さは50cm〜3mほど。よく枝分かれして、株立ち状になり、枝はやや弓状に曲がって上に伸びます。枝は細く、樹皮は暗めの灰色。若い枝には灰白色の細かい毛がたくさん生えています。

葉は互生。長楕円形で付け根の方は丸っこく、先はとがっています。長さは10cm前後です。縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。やや硬い感じで表面は濃いめの緑色、裏面には絹毛が密生していて白っぽいです。冬芽も目立ち始め、わずかに枝に残る葉もほとんど枯れ果ててもなお、その裏面の絹毛を確認することができました。葉が若いうちは表面にも毛がありますが、次第に脱落してしまいます。

花期は3月〜4月。葉の展開よりも早く開花します。花序は尾状で、雄の花序と雌の花序があります。開花中の花序の長さは雄花序が3cm〜6cmと、雄の花序の方がより太くて長め。雌花序は長さ2.5cm〜4.5cmほどです。ですが、雌花序の方は、受粉後に長くのびてきて、果実の時期には10cm近くになります。長くのびて反り返った果実は「さく果」で、2つに裂けます。中から出てくる細かな種子は、モワモワの綿毛に包まれています。

初冬のころ、冬芽は赤褐色。枝の上部には葉芽が多く、その少し下部に花芽が多くつきます。やや先がとがっていて、灰白色の細かい毛に覆われています。長さは1cm〜1.5cmほど。よく似たバッコヤナギの冬芽は、先が丸っこくて毛がなくツヤツヤしています。芽鱗は1枚で、帽子をかぶったように芽を覆って、継ぎ目のようなものは見当たりません。

花芽の下のほうはちょっとふくらみがあります。葉がまだ残っているうちは、葉柄が枝にくっつくようについていて、その内側に冬芽が包み込まれています。葉柄の長さは5mm〜2cmほど。早春のころ、赤褐色の芽鱗を破って、銀白色の光るおなじみの姿になるまでには、これから来る寒波をいくつも越えなければならないのですね。

【和名】ネコヤナギ [猫柳]
【別名】エノコロヤナギ、カワヤナギ
【学名】Salix gracilistyla
【科名】ヤナギ科 SALICACEAE
【撮影日】2005/11/23
【撮影地】東京都日野市

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2005年12月07日

ユキヤナギ

ユキヤナギ Spiraea thunbergii


ユキヤナギは、本州の関東以西、四国、九州に分布し、川沿いの岩場などに生えるバラ科シモツケ属(Spiraea)の落葉低木です。ですが、これがもともと自生していたものなのか、中国原産のものなのかは、いろいろと見解があるようです。それよりも一般的には、観賞用に庭や公園などに広く植えられているので、とても身近な春の花として親しまれています。

たくさん細かい枝に分かれて、弓状に曲がり垂れ下がります。樹皮は暗褐色〜赤褐色。若い枝には白っぽい短毛が密生しています。高さは1m〜1.5mくらいです。枝はもろくて、特に細かいものなどはちょっと触ったくらいでもボロボロと落ちてしまいます。根から新たに芽を出したり、そういうところからすると、増水時でもしなやかに枝を保つような、植物体を保護するような、川沿いに生きる植物として適応した形質のようにも思えます。

葉は互生。幅は狭めで先のとがった披針形。長さは2cm〜4cm。縁のギザギザ(鋸歯)はだいたい上半分にあって、細かく鋭い感じ。質は薄め。表面は明るい緑色。

ユキヤナギ Spiraea thunbergii


花期は3月〜4月。葉の展開より少し早めに開花が始まりますが、すぐに葉の展開が追いついてくる感じ。前年にのびた枝から「散形花序」を出して、たくさんの花をつけます。たくさんといっても1つの花序につき花は5個前後ですけれど。花の柄は長さ1cm前後ですが、花序には柄がありません。花序の基部には緑色の「総苞片」のようなものが幾枚か、まるで花が咲くようにパッと開いています。花は真っ白な5弁花。ガク片も5つ。枝いっぱいに咲く姿はとても美しいものです。

直径6mm〜8mmほどの小さめの花ですが、雄しべは20本ほどとたくさんあります。でも花弁より長さが短いので、雄しべ自体はそんなに目立つものではないかもしれません。花弁が開いた直後は、雄しべはまだ中央部で内側にまいていることもあります。その巻いた部分には黄色っぽい蜜腺が見られます。雄しべの多い花はふつうですが、ユキヤナギの雌しべは5本もあります。まあ、これも珍しいというわけではないですけれど。それぞれ花柱と子房があって、離生しています。花が咲き進むと、花の中央部分にツブツブと子房が並んで、5角形に見えます。この子房がそれぞれ結実して「袋果」になり、5月〜6月くらいには熟してしまいます。

名前は真っ白な花を雪に、葉の形を柳にたとえたものだそうです。落葉前は黄色から赤く紅葉します。

【和名】ユキヤナギ [雪柳]
【別名】コゴメバナ [小米花]
【学名】Spiraea thunbergii
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/11/26
【撮影地】東京都日野市

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2005年12月06日

ヒペリカム・ヒデコート

ヒペリカム・ヒデコート Hypericum patulum‘Hidcote’ヒペリカム・ヒデコート Hypericum patulum‘Hidcote’


写真は、「キンシバイ」という種そのものではなく、キンシバイの園芸品種の「ヒペリカム・ヒデコート」といわれているものではないかと思います。確証はないですけれど。

さて、キンシバイはというと、これは中国原産のオトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉性の小低木です。よく枝分かれして、高さは1mほど。枝は垂れ下がるように弧を描いてのびます。日本に導入されてから庭や公園にしばしば植えられています。しかし、近年、道路脇などによく植えられているのは、「ヒペリカム・ヒデコート」と呼ばれるもののようです。これはキンシバイの園芸品種ということなので、学名で書くと「Hypericum patulum‘Hidcote’」、こんな感じでしょうか。

ただし、オトギリソウ属の仲間つまり「ヒペリカム」と呼ばれているものは、外国の種や園芸品種がたくさんあるそうで、詳しいところはよくわかりません。「セイヨウキンシバイ」とも呼ばれる「ヒペリカム・カリシナム (Hypericum calycinum)」という種もよく植えられるそうですが、こちらは矮性で、地面を這うように枝が伸びて、グランドカバーとして利用されるそうです。

ヒペリカム・ヒデコート Hypericum patulum‘Hidcote’ヒペリカム・ヒデコート Hypericum patulum‘Hidcote’


葉は対生。葉柄はありません。ちょっと幅の狭めの卵形で、長さは2cmくらい。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。裏面は粉を吹いたような感じでやや白っぽいです。キンシバイとヒペリカム・ヒデコート。どちらも基本的には葉のつき方が「2列対生」のようですね。でも葉のつき方も形もちょっと違って、キンシバイだと、先が急にちょっととがる感じで、葉のつき方は、だいたいはきれいに平面的に2列に並んで対生する「2列対生」です。ヒペリカム・ヒデコートと思われるものだと、ちょっとずれていることも多くなって、十字対生に近くなっていることもあります。

花期は6月〜7月。枝先の数個、鮮やかに光る黄色の花をつけます。花弁は5枚。まぶしいほどテカテカして、分厚いものです。直径はキンシバイだと3cm〜4cmほど。ヒペリカム・ヒデコートの場合は、キンシバイそのものよりは大きいようですね。直径はビョウヤナギと大差ないくらい大きく見えました。たくさんの雄しべがありますが、その雄しべは数十本が1セットになって、そのセットが5つあります。分解しなくてもよくみれば、何となく5つの束に分かれているっというのがわかると思います。

同じ時期に咲く同属のビョウヤナギとキンシバイはそれなりに似ていますが、一度違いがわかると、まったく別物に見えると思います。ビョウヤナギの方は大きめの花を上向きにつけますし、大量の雄しべが上にのびて、やや下に反り返る花弁との距離が開いています。これに対して、キンシバイの方はやや小さめで、花弁はふっくらとした梅弁。雄しべは短めで花弁の内側におさまっています。向きはだいたい斜め横くらいからやや下向きになります。開花期に見れば、遠目にも姿がぜんぜん違います。果実は「さく果」で、直径は1cmほど。熟すと先が5つに裂けます。

秋にもちらほらと咲いているものも見られました。

【一般名】ヒペリカム・ヒデコート
【学名】Hypericum patulum‘Hidcote’
【科名】オトギリソウ科 GUTTIFERAE(CRUCIACEAE)
【撮影日】2005/11/26
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月06日

ヌルデ

ヌルデ Rhus javanica var. chinensis


ヌルデは、国内では北海道から沖縄まで分布し、山野の日当たりのよい場所に生える落葉小高木です。高さは5m〜10mほどになります。名前は、樹液が白く塗り物に使うことからきていています。ウルシ科の植物ですが、「ヤマウルシ」や「ハゼノキ」とはちがって、ほとんどかぶれないといわれています。

葉は羽状複葉で、互生、軸の部分には翼があります。「羽状複葉で、翼がある」というのは、葉がある時期に、ヌルデを見分ける重要ポイントです。花期は8月〜9月。枝先の円錐花序に黄白色の小さい花をたくさん咲かせます。

葉にできる「五倍子または付子(フシ)」には、タンニンが多く含まれていて、黒色の染料や薬として用いられます。この五倍子は、アブラムシの1種の「ヌルデノミミフシ」という虫が寄生してできた「ゴール(虫こぶ)」で、茎や若葉に寄生するということです。今回、撮影した冬芽のあたりにも何か虫がいましたが、それが、その虫かどうかは未確認。また、「キブシ」の果実はこの五倍子のかわりに使われるとか。

ヌルデ Rhus javanica var. chinensisヌルデ Rhus javanica var. chinensis


冬芽は黄褐色の軟毛に覆われていてケバケバです。枝は紫褐色で灰褐色の隆起したツブツブがたくさんあります。このツブツブは、「皮目(ひもく)」といって、ここでは呼吸が行われています。葉のついていたあとである「葉痕」は、U字型かV字型で、冬芽を取り囲むような形でのこっています。

【和名】ヌルデ [白膠木]
【別名】フシノキ
【学名】Rhus javanica var. chinensis
【科名】ウルシ科 ANACARDIACEAE
【撮影日】2005/04/06
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月01日

カキノキ

カキノキ Diospyros kaki
2005/03/30

カキノキは、もともとは中国原産のものが朝鮮半島を経て日本に入ってきたものといわれていて、日本各地で栽培されているおなじみの落葉高木です。高さ5〜10mくらいで、秋の紅葉もなかなか美しいものです。日本国内の山地に自生し、葉や枝、雌しべの子房に毛が多く生えているものを「ヤマガキ (Diospyros kaki var. sylvestris)」といいます。しかし、葉や枝の毛の状態は変異が多くてあまり決め手にはならず、ヤマガキが本来の国内の野生種かどうかもあいまいなようです。

花期は5〜6月。葉の裏に下向きに咲くので咲いていてもほとんど目立ちません。同じ木に雄花と雌花をつける雌雄(異花)同株。雄花は数個が集まってつき、長さは1cmくらいです。雌花は黄白色で、雄花よりも大きく、長さは1cm以上。雌しべの先の柱頭は4つに分かれています。花弁は4枚、ガクも4枚、雄しべは8本。

果実は液果で10月〜11月、黄赤色に熟します。一般に「甘柿」と「渋柿」がありますが、甘柿は国内で数多くの品種が生まれて、代表的な品種としては「富有」や「次郎」などが有名ですね。熟す前の果実には多量の渋のもと「タンニン」が含まれていて、昔はこれから防腐剤などに利用されていたそうです。

カキノキ Diospyros kaki
2005/03/08

冬芽は、長さ5mm程度の丸みのある三角形〜円錐を平べったくしたような形。芽を包む芽鱗には毛が目立ちます。枝には皮目(ひもく)という小さて隆起した点々状のものがあります。冬芽の下の部分にある葉がついていたあとの「葉痕」は半円形で、「維管束痕」は口を「いーっ」としたような形や大口を開けて笑ったような形のものが1つだけ。

【和名】カキノキ [柿の木]
【学名】Diospyros kaki
【科名】カキノキ科 EBENACEAE
【撮影日】2005/03/08、2005/03/30
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月31日

ツルウメモドキ

ツルウメモドキ Celastrus orbiculatus


ツルウメモドキは、北海道、本州、四国、九州、沖縄の丘陵や山地の特に林縁に生える落葉つる性の木本です。つるは長くのびて他の植物などにからみつきます。

葉の表面はやや濃いめの緑色で互生してつきます。長さは5cmくらいの楕円形。先は急にとがる感じで、やや細長くのびます。縁のギザギザはあまり鋭くありません。

花期は5月〜6月。雄花をつける株と雌花をつける株が別々の雌雄異株。葉の脇(葉腋)から出る「集散花序(しゅうさんかじょ)」に、黄緑色の花を10個程度咲かせます。花は直径6mm〜8mmくらいの小さなものです。集散花序というのは、まず花序の主軸の先に花がついて、そこで一旦生長がとまり、その下の部分から枝分かれをして次の花が咲いていくことを繰り返す花のつき方のことです。

花弁は5枚、ガクも5枚、雄しべも5本です。雄花の雄しべは長いですが、雌花にある雄しべは短く退化しています。

花の後には、直径8mm程度の球形の果実ができます。秋には黄色に熟して3つに裂けて、中からは赤い仮種皮に包まれた種子が出てきます。その様子はとてもきれいなので、この時期になってはじめてその存在に気づくことも多いでしょう。このころにはすでにほとんど落葉しているので、いっそう目立ちます。切花にもよく使われるのも納得です。

ツルウメモドキ Celastrus orbiculatus


冬芽は長さ2mm〜4mmのごく小さいもので、三角形か球形、紫褐色の枝から突き出ています。特に三角形になっている場合は、芽を包む芽鱗が堅そうでトゲのような状態になります。冬芽の下の部分には、葉のついていたあとである「葉痕」が見えます。葉痕の形は半円形です。

この冬芽は、肉眼では観察する気力を失ってしまいそうなほど小さいです。しかし、冬芽としては、他に類を見ないような形状なんですよね。でっかい虫眼鏡で見ていましたが、写真の場所はちょっとした傾斜地で、こっ、腰が。。。

【和名】ツルウメモドキ [蔓梅擬]
【学名】Celastrus orbiculatus
【科名】ニシキギ科 CELASTRACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月24日

アオハダ

アオハダ Ilex macropoda


アオハダは、国内では北海道南部、本州、四国、九州に分布し、雑木林などに生える落葉高木です。高さは10mほどにもなります。

葉は長い枝から出た短い枝の先に、集まってつくことがほとんどです。長枝につく場合は「互生」しますが、短枝につく場合は「束生」します。束生というのは、古い枝で節間がつまって短くなって3枚以上の葉が1つの節から群がるようについていることをいいます。

一番上の写真は、短枝にあった冬芽の部分です。冬芽は、先端にある長さ3mm程度の小さなもので、褐色の円錐形。芽を包む「芽鱗」は、先がスッととがっていて、芽が出た後も枝に残っていきます。それによって短枝の先の方は、遠くから見ると太くボテボテした感じがして、古い芽鱗と葉痕でデコボコの模様は入っているように見えます。「葉痕」というのは、葉がついていた痕跡のことで、アオハダの場合は半円形か三日月形です。一応、写真でも先端の芽のすぐ下あたりにかすかに見えているんですけども。

アオハダ Ilex macropodaアオハダ Ilex macropoda


樹皮は灰白色で、パッと見た外見では青くありません。枝を少し削ると緑色の内皮が見えてくるので、「アオハダ」と呼ばれています。樹皮の質は薄くて、ちょっとかたいものなんかでガリガリやったくらいでもはがれるので、緑色の内皮を確認するのは簡単だと思います。長枝から出る短枝は、葉のない冬の間、よく目立ちます。左上の写真は、青空に映える?ボコボコした短枝のシルエット。

葉は長さ5cm前後の卵形。表面には毛があり、裏面の脈上に立った短い毛があります。葉柄は1cm〜2cmで無毛です。葉のギザギザ(鋸歯)は低くて、モコモコした感じの葉縁です。ギザギザの部分はあまり外側にはり出さず、葉にくっついたようになっていてあまり目立ちません。

花期は5月〜6月。短枝の先にごく小さな花を咲かせます。色は白っぽいような緑色っぽいような色で、あまり目立つものではありません。雄花を咲かせる株と雌花を咲かせる株が別々の雌雄異株。花弁も雄しべも4〜5個、ガクも4〜5個に裂けます。果実は直径7mmほどの球形で、9月〜10月には真っ赤に熟します。葉は黄葉し、赤い果実には光沢もあってなかなか美しいものです。

【和名】アオハダ [青膚]
【学名】Ilex macropoda
【科名】モチノキ科 AQUIFOLIACEAE
【撮影日】2005/03/24
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月22日

フヨウ

フヨウ Hibiscus mutabilis


フヨウは、もともとは中国原産といわれていますが、国内では四国や九州の南部、沖縄などの暖地の海岸に近い地域に自生が見られます。落葉低木で、高さは2〜4mほどです。全体に白い星状毛が生えています。樹形は株立ち状になります。葉は互生、長さは10cm〜20cmほど、掌状に浅く裂けて、縁にはあまり鋭くない鈍いギザギザ(鋸歯)があります。葉柄も長くて5cm〜20cmほど。

花期は7月〜10月。茎の上部の葉の脇(葉腋)に淡い桃紅色の花をつけます。花は一日花で、直径10cm以上の大きめの花です。花弁は5枚。花の中央から伸びているブラシのような形のものは、雄しべや雌しべが集まったもので、この仲間(Hibiscus属)の特徴となっています。たくさんの雄しべが合着して筒状になります。さらに雌しべとも合着して筒状になった雄しべの先から雌しべが突き出ています。

八重咲きの品種に「スイフヨウ (酔芙蓉)」というのがあります。この品種は花の色が、朝開いたときは白色ですが、昼過ぎにはピンク色となって、夕方には紅色に変化していきます。この色の変化を酒に酔った人の顔色にたとえてそう呼ばれているのだそうです。夏の午前中には、咲いている花は白なのに、しぼんでいるのは赤いという場面に出会うことがあると思います。

フヨウ Hibiscus mutabilisフヨウ Hibiscus mutabilis


暖かい地方では常緑なのだそうですが、だいたい冬には落葉してしまいます。写真は、前年度の枝が整理されずに冬を越した株です。一見枯れているように見えましたが、ちゃんと冬芽ができていました。一番上の写真はその冬芽です。もうすべて落葉していますが、枝先には裂開した果実が残っていて、上向きについています。その姿には一種独特の雰囲気があります。こんなふうに枯れたあとの姿も印象的なので、「枯れ芙蓉」とも呼ばれて、観賞対象にもなっています。

ただし、写真の株は茎が「帯化(たいか)」してしまっています。帯化というのは、成長点が横に広がったために起き、茎の一部が異常に平たくなる現象のことです。この現象は木本、草本を問わず、いろいろな植物に見られるもので、時に大量の花を咲かせたりします。原因は様々で、一時的に見られることもあれば、ずっとその状態が続くこともあります。いけばなの花材に使われる「セッカヤナギ(石化柳)」「セッカエニシダ」や花序が帯化する「帯化ケイトウ」では固定されているそうで、ときどき見つかる「タンポポ」や「ユリ」なども話題になることがあります。

フヨウ Hibiscus mutabilisフヨウ Hibiscus mutabilis


果実は直径2.5cmほどの球形。熟すと5つに裂けます。カサカサとした果実の中にはたくさんの種子ができます。種子は淡褐色の毛におおわれています。同じ属の「ムクゲ」とよく似ていますが、フヨウの果実には長い毛が多いのに対して、ムクゲの方は細かい毛が少し生えているくらいです。果実の大きさもフヨウの方が大きめです。

【和名】フヨウ [芙蓉]
【学名】Hibiscus mutabilis
【科名】アオイ科 MALVACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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2005年03月18日

ミズキ

ミズキ Cornus controversa


ミズキは、北海道〜九州の日当たりのよい雑木林や山地の沢沿いなど、やや湿り気のあるところに生える落葉高木です。高さは10m〜20m。生長は速いそうで、幹はまっすぐに伸び、枝は水平に出ます。その枝が段々に見える独特の樹形です。

冬芽は無毛で長さ1cmほどの長卵形、5枚〜8枚の「芽鱗」に包まれています。枝も冬芽も紫紅色で光沢があります。ふつう、枝先の「頂芽」がよく目立って、「側芽」はあまり発達していません。赤くて横に伸びた枝は先の方が少し上にカーブして、その先端に赤い頂芽がついているという感じです。

ミズキは落葉樹ですので、冬の間は枝には葉がなくなってしまいますが、葉のついていた痕跡は残っています。それは「葉痕」といって、ミズキの場合は半円形か少しとがったようなV字形です。そして、やや枝から突き出して上向きかげんについています。葉は「互生」なので、葉痕も互い違いについています。

ミズキ科ミズキ属の樹木の中では、ミズキは葉のつき方や芽鱗の並び方が特徴的です。それに葉が互生するのは「ミズキ」だけ。「クマノミズキ」の場合は芽鱗のない「裸芽」か不明瞭な芽鱗しかなく、「ヤマボウシ」の場合は芽鱗は2枚で、両者とも葉は「対生」です。

ミズキ Cornus controversa


樹皮は灰褐色で浅く縦に溝が入っています。花期は4月〜5月。枝の先に「散房花序」を出して、白い小さな花をたくさんつけます。1つ1つの花は直径7mm〜8mmほどの小さなものですが、段々になった枝は扇を広げたような状態になって、一斉に花が咲くと遠くからでもよく目立ちます。新緑の若葉と白い花の対比は、初夏らしく清々しい印象を与えてくれます。

【和名】ミズキ [水木]
【学名】Swida controversa (Cornus controversa)
【科名】ミズキ科 CORNACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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ゴゼンタチバナ

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2005年03月17日

サトザクラ

サトザクラ Prunus lannesiana


サトザクラは、ヤマザクラに対して人里で品種改良されたサクラということから、そう呼ばれています。ある1つの種をさすわけではなく、野生のものから選抜されたものや、交配などによってつくられた品種群の総称です。品種改良の歴史は長く、品種の数は膨大で、200種以上あるといわれています。中でもオオシマザクラ系の品種が最も多いのだそうです。

さらに、その中には花弁が幾重にも重なったように見える品種も数多く、いわゆる「ヤエザクラ」と呼ばれているものも含まれています。「ヤエザクラ」という名称も1つの種のことではなく総称です。例えば、普賢象、松月、兼六園菊桜、関山、御衣黄、鬱金といった品種は有名です。

写真は、品種名はわかりませんが、いわゆるヤエザクラの冬芽です。冬芽は長さ1cm弱の卵形〜長卵形で、濃い紫褐色、芽鱗にしっかり包まれています。冬芽や枝は無毛です。葉のついていたあとである「葉痕」は、写真ではピンク色っぽく見えていて、つぶれたような形の半円形です。そして、葉痕に見られる点々は3つ、これは「維管束痕」といって、養分や水分の通り道の痕跡です。

花期は4月中旬〜5月上旬。ソメイヨシノよりも2週間程度、遅く咲き始めます。また、ソメイヨシノは葉の展開よりも花が早く開きますが、いわゆるヤエザクラは、花が開くと同時に赤みを帯びた葉も展開し始めます。

【和名】サトザクラ [里桜]
【学名】Prunus lannesiana
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/02/15
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月15日

ゴンズイ

ゴンズイ Euscaphis japonica


ゴンズイは、国内では本州の関東以西、四国、九州、沖縄に分布し、朝鮮半島、中国、台湾にも分布します。比較的日当たりのよい雑木林などに生える落葉小高木で、高さは5mほど。もっと低木のこともあります。

葉は長さ10cm〜30cmの奇数羽状複葉で、やや分厚く光沢があります。花期は5月〜6月。枝先に長さ20cmくらいの円錐花序を出して、淡い黄緑色のごく小さい花をたくさん咲かせます。秋には餃子みたいな形の果実(袋果)が赤く熟します。その果実の袋が裂けると、中からは黒くてツヤツヤした種子が出てきて、かなり個性的です。

ゴンズイ Euscaphis japonicaゴンズイ Euscaphis japonica


樹皮は、灰褐色〜黒褐色で、白っぽい割れ目のような隆起した模様が目立ちます。これは「皮目(ひもく)」といって、呼吸のはたらきをしています。

名前の由来には諸説あるようで、材が柔らかく役に立たないということから、同様に役に立たないという魚の「ゴンズイ」の名前がつけられたとか、樹皮の模様が魚の「ゴンズイ」に似ているからなどという説があるようです。

ゴンズイ Euscaphis japonicaゴンズイ Euscaphis japonica


冬芽の長さは5mm程度、芽は1対か2対の「芽鱗(がりん)」に包まれています。ゴンズイは葉が対生しますが、枝先には「仮頂芽(かりちょうが)」をつけます。仮頂芽というのは、枝の一番先端近くにある「側芽(そくが)」が「頂芽」のかわりになっている芽のことです。その場合、枝先には冬芽が2つ並んでついています。ただし、ゴンズイは仮頂芽ではなく、頂芽を1つつけることもあります。右上の小さい写真では2つです。

枝を見ると、冬芽の下あたりには、円形か半円形の模様のようなものがあってよく目立ちます。これは葉がついていた痕跡で、「葉痕(ようこん)」といいます。さらに葉痕をよく見ると、小さな点々が円を描くように並んでいるのがわかります。この点々は「維管束痕(いかんそくこん)」で、養分や水分の通り道の痕跡です。

【和名】ゴンズイ [権萃]
【学名】Euscaphis japonica
【科名】ミツバウツギ科 STAPHYLEACEAE
【撮影日】2005/03/15
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月10日

ヤマウルシ

ヤマウルシ Rhus trichocarpa


ヤマウルシは、国内では北海道、本州、四国、九州に分布し、山野に生育する落葉小高木です。高さは3m〜8mほどになります。この仲間はふつう樹液にふれるとかぶれやすいです。個人差がありますので、注意した方がいいでしょう。

葉は長さ20cm〜50cmほどもある「羽状複葉」で、互生します。羽状複葉というのは、葉の中心となる柄(葉軸)に小さな葉(小葉)が左右に対になってついている「複葉」のことです。小葉は長さ10cm前後の卵状の楕円形です。これに対して、タンポポの葉も羽状に切れ込んでいますが、こちらは複葉ではなく「単葉」です。タンポポのような場合の切れ込んだ部分は小葉ではなく「裂片」といいます。

花期は5月〜6月。葉の脇(葉腋)から円錐花序を下向きに多数吊り下げるような形で出します。花序の長さは20cmほどで、黄緑色の花がたくさん咲きます。

ヤマウルシ Rhus trichocarpaヤマウルシ Rhus trichocarpa


冬芽は芽鱗に包まれていない裸芽で、濃い褐色の短くねた軟毛におおわれています。枝のてっぺんに出ている芽(頂芽)は、長さ1cmほどですが、枝の横の葉腋につく側芽または(腋芽)は、頂芽よりもかなり小さいです。

ヤマウルシの枝では葉のついていたあと(葉痕)がよく目立ちます。葉痕は赤みがかっていることが多く縦長のハート形。さらに葉痕の中には、水分や養分の通り道だった組織のあとである「維管束痕」という点々が見られます。

枝は灰褐色でほとんど無毛で、「皮目(ひもく)」という褐色の点々がたくさんあります。皮目というのは、樹皮の表面に隆起した小さな点々のことで、呼吸のはたらきをしています。今回の写真でも何とか冬芽の下や葉痕のまわりなどにプツプツと見えています。

漆をとるために栽培される中国原産の「ウルシ (Rhus verniciflua)」の場合は、冬芽の毛がもっと白っぽいような黄色っぽいような色です。また、「ヤマハゼ(ハゼノキ Rhus sylvestris)」だと葉痕の形が横長のハート形です。

【和名】ヤマウルシ [山漆]
【学名】Rhus trichocarpa
【科名】ウルシ科 ANACARDIACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月09日

ムラサキシキブ

ムラサキシキブ Callicarpa japonica


ムラサキシキブは国内では北海道〜沖縄まで分布し、山野の林縁などに生える落葉低木です。高さは2m〜3mほどです。葉は先が細長くのび、長さは5cm〜10cmちょっとで対生します。

冬芽は芽が「芽鱗(がりん)」に包まれていない「裸芽(らが)」で、「星状毛(せいじょうもう)」が密生していて、ホコリをかぶっているかのような灰色っぽい芽です。裸芽なので、小さい葉の形がすでに見えていて2枚が向き合ってくっついています。それに葉脈があるのもわかります。長さは5mm〜1.5cmくらいです。

ムラサキシキブ Callicarpa japonica
花序の残骸
ムラサキシキブ Callicarpa japonica
葉痕と維管束痕


冬芽の下には、円形か半円形の葉のついていたあと(葉痕:ようこん)も見られます。葉痕にある点は「維管束痕(いかんそくこん)」で、養分や水分などの通路になっていた部分の痕跡です。

花序(果実の柄の部分)の残骸も比較的長い間、枝に残っています。そのため花序の形は花時期以外でも観察できるわけです。ムラサキシキブの花序は「集散花序(しゅうさんかじょ)」です。集散花序というのは、まず中心となる花柄(花軸)の先端に花がつき、その下から枝分かれして花が咲きます。そして、その花の下からも枝分かれして花が咲くという花序のことです。よく見ると三又になった部分が残っているので、そのつど花の下から枝分かれして出る枝の数は2本だということがわかります。

*ちょっとだけ用語まとめ*
芽鱗冬芽を包む鱗片状の葉。
裸芽葉や花芽を包む芽鱗がない芽。
鱗芽芽鱗のある芽。
星状毛一か所から放射状に生える毛のこと。
葉痕落葉後、枝に残る葉のあと。
維管束痕水分や養分の通り道になる組織のあと。

図鑑では、より簡潔にするためにバシバシ専門用語で書かれています。ちょこっとずつでも覚えていくと、図鑑も使いやすくなっていくはずなんですが。。。

ムラサキシキブ Callicarpa japonica
しわしわになった実
ムラサキシキブ Callicarpa japonica
冬芽の色は冴えない感じ


花期は6月〜7月。葉の脇(葉腋)から花序を出して桃紫色の小さい花をたくさんつけます。花序には、特に初めのころ少し星状毛が生えていますが、よく似た種の「ヤブムラサキ (藪紫 Callicarpa mollis)」ほど目立ちません。花の後、果実は直径5mm程度の鮮やかな紫色になります。晩秋のころ、葉がほとんど落葉してもまだ果実はよく残っているのが見られます。名前は、果実の美しさを源氏物語の作者、紫式部にたとえたことからきているのだそうです。

ヤブムラサキの場合は、花冠、ガク、花序に星状毛がもっと密生して目立ち、葉にも毛が多いのでさわるとフサフサしています。果実の時期にも星状毛が密生したガクが残ります。また、一般に「ムラサキシキブ」として流通し庭木によく植えられのは「コムラサキ (小紫 Callicarpa dichotoma)」が多いのだといいます。コムラサキの場合は枝が下垂し、葉が小さく縁にギザギザ(鋸歯)があるのは先半分だけです。

【和名】ムラサキシキブ [紫式部]
【学名】Callicarpa japonica
【科名】クマツヅラ科 VERBENACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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クロモジ

クロモジ Lindera umbellata


クロモジは、本州、四国、九州の落葉樹林内に生える落葉低木です。高さは2m〜5mほどになります。樹皮は緑色っぽい褐色で、黒っぽい斑点があります。

主な花期は3月〜4月。葉が展開してくるのと同時にたくさんの花を咲かせます。色は淡い黄緑色。雄株と雌株が別々の雌雄異株。樹皮などには独特の香りがあるので、高級爪楊枝の材料にもなっています。枝を少しもんでみると香りがするので、野外でそれらしいものに出あったときのチェックポイントともなります。

北海道南部や本州の主に日本海側の地域には、クロモジの変種としてより葉の大きい「オオバクロモジ (Lindera umbellata var. membranacea)」が知られています。しかし、中間的な形質を持つタイプも多いことから、はっきりとした区別はなかなか難しいこともあります。

そのほか、主に暖地に生え花柄の毛が赤い「ヒメクロモジ (Lindera lancea)」、西日本に生育し葉の表面に毛が密生する「ケクロモジ (Lindera sericea)」、ケクロモジの変種で葉の表面の毛がない「ウスゲクロモジ (Lindera sericea var. glabrata)」といったものもあって、なかなか複雑ですね。冬芽の段階で、これらを区別するなんてことは困難でしょう。

クロモジ Lindera umbellataクロモジ Lindera umbellata


写真は、クロモジの冬芽ですが、細長くとがったような形のものが葉芽で、先のとがった球状のものは花芽です。花芽は長さ5mm程度で柄には毛があり、弧を描くように斜め上向き〜横向きについています。この花芽の様子で、同属のよく似た種と区別できる場合があります。


花芽の様子
クロモジ花芽の柄に毛がある。弧を描くように斜め上向き〜横向きにつく。
アブラチャン花芽の柄は無毛。上や横などいろいろな向き。
カナクギノキ花芽の柄は無毛。上向き。
シロモジ花芽の柄は無毛。横向き〜下向き。
ヤマコウバシ花芽は葉芽と同じ冬芽に入っている。


クロモジの葉芽は長さ1cm内外で、中央が太くて上下の端が次第に細くなる紡錘形です。芽を包む芽鱗は2枚〜4枚で黄色っぽいような赤っぽいような褐色で、ごく短い毛がはりついたように密生しているので白い粉をふいたように見えます。

【和名】クロモジ [黒文字]
【学名】Lindera umbellata
【科名】クスノキ科 LAURACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月08日

タラノキ

タラノキ Aralia elata


タラノキは、日本全土の日当たりのよい山野にふつうに生える落葉低木です。高さは3m〜5mほどになります。大きくなった木にはトゲがほとんど目立たないのですが、若い樹皮には、かなり鋭いトゲが目立ちます。葉柄や小葉の軸などにもトゲがあるので、注意しないといけません。柔らかい若い芽は食用になり「タラノメ」としておなじみ。山菜の王とも呼ばれるほどですね。

葉は枝先に集まって互生します。葉は長さ1mほどにもなる「奇数2回羽状複葉」で、葉柄の基部は茎を抱くようにつきます。2回羽状複葉というのは、羽状複葉がさらに羽状に並んで1つの葉ができている葉のことです。また、葉の先端につく羽状複葉の数が1枚で、1つの大きな葉についている羽状複葉の数は奇数枚。さらに羽状複葉の先端の小葉の数も1枚で、1つの羽状複葉につく小葉の数も奇数ということになります。

花は8月〜9月。大型の花序に小さい花をたくさんつけます。

タラノキ Aralia elataタラノキ Aralia elata


大型の2回羽状複葉も冬には完全に落葉してしまいます。樹皮はトゲだらけで、ほとんど枝分かれせず、1本まっすぐ立っているので、葉がなくなるとトゲトゲの幹がまっすぐ突っ立っているのみです。

しかし、葉がなくなった幹をよく見るととげの他にもいろいろ観察できるものがあります。例えば、幹を取り囲むようについているV字形やU字形のあとは「葉痕」といって、葉がついていた痕跡です。葉痕はかなり大きく目立ちます。さらに葉痕には小さい点々がたくさん見えます。これは「維管束痕」といって、養分や水分の通路となっていた管の痕跡です。維管束痕は30個ほどあって、1列に並んでいます。

今回の個体の冬芽はちょっとわかりづらいのですが、幹のてっぺんの頂芽は円錐形をしています。芽を包む芽鱗はありますが、あまりしっかりしたものではないようです。冬芽近くのトゲはねる傾向があります。また、トゲが小さくて少ないタイプを特に「メダラ (Aralia elata f. subinermis)」といいます。

【和名】タラノキ
【別名】タラ、タランボ、ウドモドキ
【学名】Aralia elata
【科名】ウコギ科 ARALIACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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2005年02月23日

セイヨウベニカナメモチ

セイヨウベニカナメモチ Photina glabra x Photinia serratifolia


セイヨウベニカナメモチは、中国産のオオカナメモチとカナメモチの雑種といわれていて、「レッドロビン」という品種名で呼ばれることもあるようです。

ここで、まずよくわからないのは、「ベニカナメモチ」という名称です。これは、カナメモチの中でも特に新芽が赤く美しいもののことをさしているのでしょうか。カナメモチの別名としては、「アカメモチ」と「ソバノキ」があがっているだけで、ベニカナメモチは特に別名とはなっていないようです。ベニカナメモチにはどの学名を当てたらよいのでしょう。Photinia serrulataとなっているものもありますが、この学名は「オオカナメモチ」の学名あるいは、その異名となっていることもあります。

ただ、今回の写真のものは葉の大きさと形が違うので、「オオカナメモチ」ではないと思います。「オオカナメモチ」だったら、葉の幅がもっと広くてやや葉の上部に一番幅の太くなる部分があって、さらに葉の基部が丸みを帯びているはずですが、写真のものはそうなっていませんでした。

写真は公園の生垣に植えられていたもので、「ベニカナメモチ」というものが、植栽に不向きで関東では現在、あまり植栽されていないという背景と、やや鋸歯が目立つという点から「レッドロビン」なのかもしれません。しかし、これだけでは「ベニカナメモチ」である可能性を否定できません。関東では不向きで少ないそうですが、西日本では「ベニカナメモチ」もよく植栽されているといいますし、なかなか難しいですね。

となると、今度は、「カナメモチ」との違いを見なければなりません。カナメモチは、東海以西、四国、九州の山地に生える常緑小高木で、高さは5m〜10mほどになります。葉の質がやや堅めで、新芽の色は赤くなるかまたはほんの少し赤みを帯びる程度。葉の大きさは小型で、葉の縁の鋸歯もおとなしめです。こうしてみると、どの形質も簡単に見分けられそうにありません。

カナメモチ Photina glabra x Photinia serratifoliaカナメモチ Photina glabra x Photinia serratifolia


2月中旬〜下旬、ここ関東では、新芽はところどころ伸びたものもありますが、まだ赤い芽の状態のものが多いようですね。

今回は、レッドロビンだろういう思い込みから書き始めましたが、書いているうちにだんだん、「ベニカナメモチ」または「カナメモチ」ではないかと思い当たる点がチラホラと。。。レッドロビンにしては葉が小さいし鋸歯は鋭いというほどでもないと思えてきました。と、まあ、こんな感じではっきりしないんですよね。

【追記】2005/03/08
その後、「カナメモチ」と「レッドロビン」の違いはわかりました。葉柄を見て、そこに茶色っぽい点々があったら「カナメモチ」です。この点々は、葉の縁の鋸歯が葉柄にも現れたもので、「レッドロビン」にはその点々がないのだそうです。それで、この時期の写真のものは、葉柄の点々がなかったので、「レッドロビン」の可能性が少し高くなりました。

【和名】セイヨウベニカナメモチ [西洋紅要黐]
【品種名】レッドロビン
【学名】Photinia glabra x Photinia serratifolia
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/02/15
【撮影地】東京都日野市

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2005年02月16日

アジサイ

アジサイ Hydrangea macrophylla


冬の時期、すっかり葉はなくなって、白っぽいような褐色の枝しか見えず、まるで枯れてしまったかのように見えるアジサイの茎ですが、茎のあちこちから濃い紫褐色の冬芽が出ています。茎のてっぺんにできた頂芽は大きくてロウソクの炎のような、筆先のような形です。茎はつるっとして無毛ですが、葉のついていたあとがあちこち残っていて思いのほか茎の上部はデコボコしています。

葉のついていたあと(葉痕)はハート形に近い感じ。葉がより密集してつく茎の上部のものは、平たくひし形の模様のようになっています。さらに葉痕には維管束痕(点々のこと)が3つあって、動物か何かの顔のように見えておもしろいものです。

アジサイ Hydrangea macrophyllaアジサイ Hydrangea macrophylla


頂芽は基本的には芽鱗という鱗片に包まれていない「裸芽」で、葉の形が見えています。葉のギザギザ(鋸歯)や葉脈もすでに観察できる状態です。ただ、一番上の大きい写真では、頂芽の両脇に茶色の鱗片状のものがあるんですよね。かすかに縁にギザギザがあったり葉脈も見えたりするので、何だか芽鱗と葉の中間的な形状ですね。といっても、もう少し時が経つと落ちてなくなってしまうでしょうけど。

小さい写真の右は側芽で、茶色で質の薄い芽鱗がありました。薄い芽鱗はどうやら2対あるようです。1対は少し大きめで、もう1対は小さくて根もとの方にちょっと見えています。

【和名】アジサイ [紫陽花]
【学名】Hydrangea macrophylla f. macrophylla
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE (アジサイ科 HYDRANGEACEAE)
【撮影日】2005/02/13
【撮影地】東京都多摩市

■Trackback
はなだより」さんの「春待芽」にトラックバックさせていただきます。「ガクアジサイ」のほかにも、サツキ、アセビ、ユキヤナギの蕾や新芽が見られます。春を待つ木々の姿が楽しめますよ。

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2005年02月14日

アカメガシワ

アカメガシワ Mallotus japonicus


アカメガシワは、国内では本州、四国、九州、沖縄の山野に生える落葉高木です。とても生長の早い木で伐採跡地などでいち早く生えてきます。葉は長さ10cm〜20cmくらいで互生してつき、形は先がスーッと尖った卵をひっくり返したような形(倒卵形)〜、三角形に近いような形や先のほうが3つに浅く裂けたような形などちょっと変異があります。

昔はアカメガシワの葉を食べ物をのせる物として「カシワ」と同じように使っていたそうで、新芽のときは赤く色づくので「赤芽槲」というのだとか。赤く色づいた様子は、なるほど「ポインセチア」と同じトウダイグサ科の植物なんだな〜と思ったりもします。花は7月ごろに枝先に円錐状の花序を出してたくさん咲きますが、このころにはもうほとんど葉の美しい赤色はなくなってしまっているので、それと気づかないかもしれません。

葉は秋には黄色になって落葉します。その後、冬の間に見られる冬芽はちょっと、新芽のころのイメージとは様子が違っています。冬芽は裸芽(らが)で、葉脈が見えるんですよね。色も新芽が展開してくるころのように赤くてきれいって感じではありません。

アカメガシワ Mallotus japonicusアカメガシワ Mallotus japonicus


ところで、「裸芽」というのがちょっと聞きなれないかもしれないので、ちょっとだけ説明です。

「裸芽」というのは「鱗芽(りんが)」に対する言葉です。そこで、例えば、冬越し中の樹木の冬芽を観察したときに、何枚かの鱗のような形の皮のようなもの(これを芽鱗といいます)に包まれた芽を見つけることがあります。このように芽鱗に包まれた芽が鱗芽です。それに対して「裸芽」というのは、芽鱗に包まれていない芽のことをいいます。

アカメガシワの場合、特に一番てっぺんにつく芽(頂芽)は、特に発達して大きく、頂芽より下につく芽(側芽)は、丸っこい形をしています。さらに、褐色の星の形のような毛(星状毛)がびっしりと生えているので、何となく太くごわついた感じの茶色っぽい芽に見えます。

写真の頂芽はもうすでに少し開いてきていて、葉脈もはっきりわかります。また、冬芽のすぐ下あたりを見ると、何やら丸いあとがあります。これは葉がついていた痕跡で、「葉痕(ようこん)」といいます。アカメガシワの場合は、葉痕が丸くて大きめなので、比較的よく目立ちます。さらに、丸い葉痕の縁に沿って点々がたくさんついているのも見えますが、これは「維管束痕(いかんそくこん)」です。つまり、葉と枝の間での水や養分などの通り道となっていた管のあとが残っているというわけです。

【和名】アカメガシワ [赤芽槲]
【学名】Mallotus japonicus
【科名】トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE
【撮影日】2005/02/13
【撮影地】東京都多摩市

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