2005年11月09日

トキワハゼ

トキワハゼ Mazus pumilus


トキワハゼは、北海道〜九州まで広く分布し、田畑や道端などにごくふつうに見られる一年草です。花もほとんど一年を通してみることができます。ゴマノハグサ科サギゴケ属(Mazus)属の植物で、草丈は5cm〜15cmくらい。ムラサキサギゴケと違って、走出枝はありません。

立ち上がった茎の葉はごく小さな苞葉みたいなもので、あまり上部まではついていません。根もとの葉は少し大きめ、ちゃんと葉だとわかるような葉です。長さは葉柄の部分も含めて2cm〜5cm、幅1cmくらいです。幼植物の状態では、葉身は長さ、幅ともに1cmほど。11月上旬、今芽生えているものはこのまま越冬するのでしょうかね。。。

トキワハゼ Mazus pumilus


花期は4月〜11月。場合によっては、冬でもちらほらと見られることもあります。花冠は上唇と下唇に分かれる「二唇形」。上唇は小さく紫色で、先は2つに裂けて、裂片の先はとがっています。下唇はごく淡い紫色で、先が3つに分かれて横に広がります。下唇の中央部分は2本、隆起したような状態になっていて、黄色と褐色の斑紋があります。そこには毛も生えています。ガクは長さ5mmくらいで、中ほどまで5つに裂けます。

「ムラサキサギゴケ」に似ているところがありますが、トキワハゼの方は花が小さめで、色は薄くて、茎がヒョロリと立ち上がっています。

【和名】トキワハゼ [常盤はぜ]
【学名】Mazus pumilus
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2005/11/06
【撮影地】東京都檜原村

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2005年10月28日

ヒメジョオン

ヒメジョオン Erigeron annuus


ヒメジョオンは北アメリカ原産の一年草、または越年草で、世界中に広く見られるそうです。日本に入ってきたのは、江戸末期〜明治初期のことだそうで、観賞用にもたらされたそうです。今では都市部の空き地や道路脇などから、山地のかなり標高の高い場所までいたるところで見られます。旺盛な繁殖力によって、特に荒れ地では大繁栄をとげています。

キク科ムカシヨモギ属の植物で、草丈は30cm〜1.2mくらい。茎には毛が生えています。茎を切ったときの断面は、白い「髄」がしっかりつまっていて「中実」です。特に上部の方で枝分かれします。よく似た「ハルジオン (Erigeron philadelphicus)」とは、花期が少し遅く、蕾があまりうなだれないこと、頭花がひと回り小さめ、茎が中空でないことなどで区別できます。

葉は互生。根生葉や下部の葉は卵形で柄がありますが、上部にいくにしたがって葉柄は不明瞭になります。縁のギザギザ(鋸歯)は粗いです。上部の葉は先のとがった長楕円形。ふつう根生葉は花期には枯れてしまいます。

ヒメジョオン Erigeron annuus


花期は6月〜10月。これに対してハルジオンの花期は5月〜7月で、早くから開花しはじめ、早く花期が終了します。ヒメジョオンの方は秋まで長く見られます。

頭花は枝の先に頭花の直径は2cmほど。周辺にある「舌状花」は、ほとんど白色か淡い紅紫色。舌状花、つまり花びらに見えるものは、細長くて質も薄く繊細な感じ。それがかなりの数、周辺部に並んでいます。中央部の黄色の部分には、「筒状花(管状花)」があります。舌状花と筒状花の冠毛の長さが違っていて、舌状花の冠毛より筒状花の冠毛は長いです。

夏の終わりに草刈が行われた場所では、すでに新たに芽生えたらしい根生葉。そして早くも開花している個体も。今の時期、大きく生長している個体は、きっと越冬はできないでしょうけれど、根生葉のものはこのまま越冬かな。あぁ、根生葉が目立つ時期になったなぁ。あれからもう一年経ったのね。

【和名】ヒメジョオン [姫女苑]
【学名】Erigeron annuus
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/10/28
【撮影地】東京都日野市

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2005年06月04日

サワギク

サワギク Nemosenecio nikoensis
2004/05/30 蕾が見え始めたところ

サワギクは、北海道、本州、四国、九州の山地の林内に生える多年草です。名前に「沢」とつきますが、ものすごく沢に近いような水びたしのところに生えるというよりは、やや湿り気の多い林の中に多いです。草丈は50cm〜80cmほどになります。細身でヒョロヒョロとした印象で、それほど群生する感じではありません。全体に明るめの緑色で繊細です。

花期は6月〜8月。茎の上部の花序に黄色の「頭花」をつけます。1つの頭花は直径1cmくらいのもの。キク科の花なので1つの頭花は、いくつもの「小花」が集まってできた集合花。そのうち周辺部にあって花びらに見える小花は「舌状花」、中央部には「筒状花(管状花)」があります。サワギクの舌状花は数が10個前後と少なめで、頭花も小さいので決して派手な花ではありません。それでも、暗い夏の林内で見ると、そこだけ小さな黄色い光を放っているのです。

サワギク Nemosenecio nikoensis
2005/05/29 根生葉

葉は互生。茎の上部の葉は、羽状に切れ込んだ葉です。その切れ込みの細やかさ、筆者にとっては好みの葉です。こんな葉の野生種は他に日本にはないような気がします。茎葉の毛は根生葉に比べてまばらです。

サワギクの根生葉は、白い毛に覆われていて、茎の根もとの方にもたくさん毛があります。一見、オミナエシ科の「オトコエシ」の根生葉にも似ています。この根生葉、花時期にはなくなってしまうので、見るなら今のうち〜。花の時期に見られる茎の上部につく羽状に切れ込んだ茎葉とはずいぶん印象が違っています。上部の葉は質が薄いですが、根生葉は少し分厚く見えます。

種子(そう果)を飛ばすころに目につくようになる「冠毛」は、白くて光沢があります。その冠毛がモワモワとほおけた様子が、ボロくずにたとえられて、「ボロギク」の別名があります。とはいっても、そのボロボロぶりは、「ノボロギク」や「ベニバナボロギク」、「ダンドボロギク」などにはかないと思います。

【和名】サワギク [沢菊]
【別名】ボロギク
【学名】Nemosenecio nikoensis
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/05/29、2004/05/30
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月29日

ウスベニチチコグサ

ウスベニチチコグサ Gnaphalium purpureum


ウスベニチチコグサは、アメリカ原産の一年草または越年草です。日本国内では、1930年代には採集されていたものの、その後、長い間、同じ属の帰化植物でよく似た「チチコグサモドキ」や「タチチチコグサ」と混同されてきたそうです。そして、ウスベニチチコグサとして整理されたのは1980年代の終わりごろのことだとか。それ以来、関東〜九州にかけて広く見られることがわかったといいます。現在では、かなりふつうに見られるとのことですが、筆者が認識できたのはこれが初めてです。この仲間(キク科ハハコグサ属)の帰化種で、こちらの近辺でよく見かけるのは、圧倒的に多いのが「ウラジロチチコグサ (Gnaphalium spicatum)」で、次いで「チチコグサモドキ (Gnaphalium pensylvanicum)」かな。

と思っておりましたが、その後、あちこちでウスベニチチコグサもあることがわかりました。比較的多い方といえるかもしれません。(追記 2005/05/25)

ウスベニチチコグサ Gnaphalium purpureum


ウスベニチチコグサは、写真の場所で見られたものは、開花しているもので草丈20cm。根生葉の状態のものは5cm程度です。図鑑では草丈20cm〜50cm。茎は根もとの方で地面に沿うように横に枝分かれします。そして何茎か直立して株立ち状になります。この仲間は、みんな茎や葉に白い綿毛を密生して白っぽいのですが、「ウスベニチチコグサ」はその中にあっても、かなり白い方。全体に白い軟毛が密生しています。

葉は長さ3cm〜5cmくらいの細長いヘラ形、縁のギザギザ(鋸歯)は不明瞭。分厚く質がかため。葉はあまり平開しないようで、巻き気味、多肉質っぽい印象さえある。茎にまとわりつくような状態で、葉は横方向への広がりがあまりない感じ。

キク科の植物ですが、花びらに見える「舌状花」はなく、頭花は「筒状花」のみです。頭花は長さ5mm程度で、茎の先に集まって咲きます。枝分かれはしないはず。「タチチチコグサ」の方は、上部の数か所の葉腋から短い枝が出ます。ウスベニチチコグサの筒状花の色は、「紅色」だそうで、その名前がついているようですが、今回のものは、薄い褐色だったなぁ〜。もうちょっと時間がたてば、紅色になるのだろうか。。。

【和名】ウスベニチチコグサ
【学名】Gnaphalium purpureum
【英名】purple cudweed
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2005/04/29
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月26日

ヤブタバコ

ヤブタバコ Carpesium abrotanoides


ヤブタバコはの本全土に分布し、山野の林内や林縁に生える一年草または越年草です。草丈は、30cm〜1mくらい。上の方へ伸びるというよりは、ある程度の高さになると、そこから上には生長せず、たくさんの茎を横に長く伸ばします。横幅があるので、実際の草丈よりもかなりの大物に見えます。

根生葉は幅の広い楕円形〜長楕円形。とても大きくて、ビロンビロンとだだっ広い感じ。葉脈が葉の裏面に向かってくぼんでいるので、表面はシワシワに見えます。名前は、その葉が「タバコ」の葉に似ていて、藪に多いことからきています。この根生葉は、花が咲くころにはほとんど枯れています。上部の葉は、大きさがちょっと不ぞろいで、ところどころ大きな葉もついていますが、根生葉よりは小さめの長楕円形です。

今回の写真を撮影した場所では、ヤブタバコ属の植物が3種生育しています。そのうち「ヤブタバコ」と「コヤブタバコ (Carpesium cernuum)」がとても近い位置に生えていて、花を見れば明らかですが根生葉ではどうなのかと。もう1種の「サジガンクビソウ (Carpesium glossophyllum)」は色が濃く青っぽい緑色で、形も違うのではっきりわかります。それで、残った2種を比べると、ヤブタバコの方がちょっとしっかりめで、毛は生えているけれど遠めには目立たず、コヤブタバコの方は明らかに白い軟毛が多くて柔からそうに見える。これでよいですかね。。。

その筒状花の中にも2つのタイプがあって、外側には雌花。内側には両性花があります。このうち果実ができるのは両性花の方です。果実は円柱形、綿毛(冠毛)はありませんが、粘液が分泌されるので、それによって動物の体などにくっついて運ばれます。

ヤブタバコ Carpesium abrotanoides


花期は8月〜10月。花(頭花)は直径1cmほど、ほとんど柄はなく、花のもとの部分には小さな苞葉が数枚あります。キク科の植物なので、1つの花は小さな花(小花)がたくさん集まってできた「集合花」です。でも、ヤブタバコの場合は、花びらに見える「舌状花」はなく、すべて「筒状花」です。筒状花の部分は一応黄色いのですが、緑色の総苞に包まれているし、下向きに咲くので、目立つ花ではありません。

よく似たコヤブタバコは、葉はヤブタバコより小さめですが、花は反対に大きめで直径1.5cmくらい、花数はヤブタバコほど大量ではないです。

花は、横にのびた枝の葉の脇にたくさん下向きに並ぶので、上から見ているだけだと、花が咲いているのかよく見えないこともあります。下からのぞいてビックリ。なんてこともあるかもしれません。大きな個体では、これでもかってくらい花がつきます。

【和名】ヤブタバコ [藪煙草]
【学名】Carpesium abrotanoides
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2005/04/26
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月25日

ニガナ

ニガナ Ixeris dentata


ニガナは、日本全土に分布し、低地の道ばたの草地や、田畑のまわりから山地の日当たりのよい場所まで広く生育し、ごくふつうに見られる多年草です。草丈は20cm〜50cmほどになります。全体的にヒョロヒョロと細長く華奢な感じがします。花もちょっとまばらにパラパラ咲いている感じです。

根生葉は切れ込むことがありますが、切れ込みの度合いはさまざまです。根生葉には長めの柄があって、葉身の部分の長さは3cm〜10cmです。ただし、必ずというわけではないようですが、この根生葉にも生育段階によって明らかに二形見られることがあります。早い時期に出てきた根生葉は、柄の先に丸っこい楕円形の葉ですが、晩春のころに見られる根生葉は細長くて、羽状にギザギザと切れ込んだ状態のものが出てきています。

上に伸びてきた茎につく茎葉は、細長い楕円形で幅は1cm〜3cmほど、柄はありません。つけ根の部分は丸くはりだし、耳状になって茎を抱くような状態につきます。この丸くはりだした部分や葉の中央より下の部分には、粗い切れ込みや先の細長くなったギザギザが見られます。ちなみに、学名の種小名「dentata」は、「鋸歯のある」という意味です。葉の質は根生葉も茎葉も薄く、柔らかな印象があります。

葉や茎を切ると断面から白い乳液が出てきます。この乳液に苦味があるところから、「ニガナ(苦菜)」という名前がつけられたといわれています。

ニガナ Ixeris dentata


花期は5月〜7月。茎の上部では枝分かれして、「集散花序」に黄色の花(頭花)をつけます。頭花の直径は1.5pぐらい。花びらに見える「舌状花」はふつうは5個ですが、6〜7個のこともあります。キク科の植物ですので、この花びらに見えるものは1つ1つが小さな花(小花)です。こんなふうに複数の花が集まって1つの花に見えるものを「集合花」といいます。

花びらの下の部分には、緑色の筒状の「総苞(うほう)」があります。総苞には細長い線形の「総苞片」が並んでいますが、ふつうパッと見てそれとわかるのは、細長い「総苞内片」です。「総苞外片」はごく短いもので、総苞の下の方にちょこっと貼りついている程度の目立たないものです。

花の後にできる果実(そう果)は紡錘形で、長さは3mm程度。

「ニガナ」は、いろいろと変異の大きい植物ですが、花の直径が2cmくらいの大きめで、舌状花が8〜10個と多く白色のタイプの「シロバナニガナ (Ixeris dentata var. albiflora) 、その黄色のタイプの「ハナニガナ(Ixeris dentata var. albiflora f. amplifolia)」などがあります。今回の写真の個体は、まだ花が咲いていませんので、このうちのどのタイプなのかはわかりませんね。花の咲くころまで、もうちょっと待ちましょう。雌しべの花柱の先が2つに裂けてルッと巻いた状態が見られるのも、もうすぐ。

【和名】ニガナ [苦菜]
【学名】Ixeris dentata (Ixeridium dentatum)
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2005/04/14
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月11日

ツリガネニンジン

ツリガネニンジン Adenophora triphylla var. japonica


ツリガネニンジンは、北海道、本州、四国、九州の高原や山野にふつうに見られる多年草です。花期は8月〜10月。茎頂の花序に釣鐘型の花を下向きに咲かせます。花冠は紫色〜白色、個体によって、やや濃淡があります。長さは2cm程度で、先は5つに裂けています。花冠から長〜く突き出したものは雌しべの花柱で、先は3つにわかれています。ガク片は5つで、細長い線形です。花はいろいろと変異があって、花冠の大きさや形などは、細かったり大きくふくらみがあったり、花冠の裂片の先が少し反っていたり、ほとんど反り返っていなかったりします。

草丈は30cm〜1mにほどになります。茎はあまり枝分かれしないのがふつうです。上部の葉の脇からたくさん花序が出ていることはよくあります。全体に毛が生えていて、茎の上部の葉は長楕円形でふつうは3枚〜4枚が同じ節から出て「輪生」します。葉柄はほとんどない状態です。ただし、葉のつき方は、互生や対生のこともあります。

根生葉は一応、柄がありますが、長いものもあれば、ごく短くて密集して葉がついているとよくわからないようなこともあります。根生葉も伸びてきた茎につく葉の形も個体差があって、おや?っと思うことも多いです。花時期になればそんなことも特にないのですが、葉っぱだけだと隣り合わせに生えている個体でも、何だか同じ種類の株なんだかどうだか、?マークが飛び交います。根生葉しかないときでも、どことなく茎が伸びたときに「輪生」しそうな素質が見える場合は、きっとそれだろうとわかるかもしれません。ちなみに、この根生葉、花が咲くころにはほとんど枯れてしまっているか、あっても草むらの中でよく見えないので、根生葉の現物を見るなら、4月上旬の今が旬。

若い芽は山菜の「トトキ」、根は肥大していて薬用として使われます。山菜取りの達人なら、?マークは出ないかもしれませんね。

【和名】ツリガネニンジン [釣鐘人参]
【別名】トトキ
【学名】Adenophora triphylla var. japonica
【科名】キキョウ科 CAMPANULACEAE
【撮影日】2005/04/08
【撮影地】東京都日野市

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ブタナ

ブタナ Hypochaeris radicata


ブタナは、ヨーロッパ原産の多年草で、世界中に広く帰化しています。日本では、1930年代に北海道や兵庫県で帰化が認められた後、各地でも帰化が確認されたといいます。現在では、似あたりのよい草地や道ばた、荒れ地などでふつうに見られ、特に牧場が近くにあるような、高原の道路脇などでは群生していることもしばしばです。

この草は、フランスでは「ブタのサラダ」と呼ばれているそうで、ブタナという名前は、その日本語訳なのだそうです。また、タンポポに似た花を咲かせることから、別名を「タンポポモドキ」ともいいます。

ブタナ Hypochaeris radicata


全体に剛毛が生えていますが、葉の両面にもたくさん生えています。葉はすべて根もとの方から出る根生葉で、地面にへばりつくようにロセット状に葉を広げます。葉の質は分厚くて堅く、縁には羽状に切れ込みがあります。切れ込み方には個体差があって、ちょっと深めに切れ込むものや、浅めに切れ込むものがあります。生育段階でも切れ込みの度合いがやや変わったりもするし、切れ込むというよりは、縁がウネウネしたような状態のことも多いです。全体の輪郭としては、細長い楕円形。

ブタナ Hypochaeris radicata


ソメイヨシノが満開の4月上旬の関東の丘陵地。サクラの木の下では、地面にベッタリはりついた状態ながらも日に日に葉を生長させているブタナの姿も見られます。

花期は6月〜8月。50cm〜80cmくらいになる花茎を伸ばして、その先端にタンポポに似た花を上向きにつけます。花茎は途中で枝分かれすることが多く、1本〜3本になります。花(頭花)は鮮やかな黄色で、直径は3cmほど。花びらに見える「舌状花」は、先端がふつう5つに浅く裂けています。また、花茎をじっくり見ると、一応、退化した葉がごく小さく薄い鱗片状になって、ついているのがわかります。

タンポポの観察では、よく在来種と帰化種を見分けるのに、「総苞片(そうほうへん)」が反り返っているかどうかを見ます。黄色の花の下をのぞいてみると、緑色の「総苞」という部分があって、そこに細長い鱗片状の「総苞片」があります。ブタナの場合は、その総苞片が「セイヨウタンポポ」のように激しく反り返ったりせずに、まっすぐにはりついた状態になっていて、白っぽい毛が生えています。

種子の表面には小さな突起がたくさんあって、ブツブツしています。「冠毛(かんもう)」は、羽毛状の綿毛になります。

一見するとタンポポに似ていますが、背が高くて、花茎が分枝するので株の大きさのわりには花がたくさん咲いていたり、葉に剛毛が多くて堅そうだったり、茎の緑が濃いめで花の黄色のコントラストは人目をひきます。その姿はやはりどこかエキゾチックな雰囲気です。

【和名】ブタナ [豚菜]
【別名】タンポポモドキ
【学名】Hypochaeris radicata (誤:Hypochoeris radicata)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/04/11
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月09日

ハナイバナ

ハナイバナ Bothriospermum tenellum
2005/04/09

ハナイバナは、日本全土に分布し、道ばたや畑などにごくふつうに生えている一年草または越年草です。国内だけでなく、東アジアに広く分布しています。草丈は10cm〜15cmほど。茎は、はじめはやや地面に伏したように斜めに伸びますが、次第に立ち上がって伸びる茎が増えてきます。葉や茎、ガク片などにやや長めの毛が多く生えていますが、これが白くて茎にはりついたように上向きについています。

葉は長さ2cm〜3cmほど、幅は1cm〜2cmの長めの楕円形。葉の形は、あまりしっかり決まった形があるようではなく、縁は波打つことが多く、表面は何となく縮れたようなシワシワがあるような、そんな感じです。

ハナイバナ Bothriospermum tenellum
2005/04/09

花期はとても長くて、3月〜11月。同じ個体が、この期間ずっと咲き続けるというよりは、春先など、早めに咲いた個体にできた果実が、発芽してまた夏や秋には花をつけ、全体として花期が長くなっているのだと思います。つまり年数回、順次発生しているということなんでしょう。花(花冠)は、淡い青紫色で、直径は3mm程度のごく小さい花です。花冠の先は、5つにさけています。ガクは5枚で、花後に4つできる果実(分果)がそのガクの間に包まれたような状態になります。

花はキュウリグサに似ていますが、根生葉の形はぜんぜん違います。越冬中の方が見分けやすいかもしれません。花の時期なら、花序の形に注目します。キュウリグサの場合は、クルッと巻いた花序が開花とともにほどけていく「さそり状花序」なのですが、ハナイバナはさそり状花序にはならず、茎の上部の方まで葉がついています。葉の脇に小さな花がチョコチョコつく感じです。名前は、茎の上部の葉と葉の間に花をつけるので「葉内花(ハナイバナ)」といいます。

ハナイバナ Bothriospermum tenellum
2005/02/04

春、暖かくなってから伸びてきた根生葉は、花の咲き始めた4月上旬、とても明るくて瑞々しい色をしています。

秋に芽生えた個体の越冬中の根生葉は褐色を帯びていて、葉の縁の毛がやたらと目立っていました。一月ほど前までは、まだ、あちこちで寒さに耐えている様子の根生葉が見られたのに、季節の移り変わりのなんと早いことでしょうか。

【和名】ハナイバナ [葉内花]
【学名】Bothriospermum tenellum
【科名】ムラサキ科 BORAGINACEAE
【撮影日】2005/04/09、2005/02/04
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月06日

マメグンバイナズナ

マメグンバイナズナ Lepidium virginicum


マメグンバイナズナは、北アメリカ原産の一年草または越年草です。日本に入ってきたのは、明治の中ごろのことだそうで、現在では各地に広く帰化しています。道ばたや荒れ地などでごくふつうに見られ、しばしば群生します。草丈は20cm〜50cm、かなり小さな個体でも花をつけます。

根生葉は、羽状に切れ込んでロゼット状になります。表面はやや光沢があって、少し濃いめの緑色です。花が咲くころには、この根生葉はほとんど枯れてしまいます。のびた茎につく葉(茎葉または茎生葉)には、ほとんど柄がなく互生します。形は長楕円形で縁には不規則なギザギザ(鋸歯)があります。

花期は5月〜6月。茎の上部でたくさん枝分れして、さらにその先の方にそれぞれ穂状の花序を出して、密集して花をつけます。花は直径3mmほどのごく小さいもの。ふつうは白の4弁花、ガク片は4枚で緑色です。時折、花弁のない花をけていることもあります。

果実は、平たくてほぼ円形の「短角果」、先端はちょっとだけへこんでいます。長さは3mm程度。全体にマメグンバイナズナより大きめでよく似た種に「グンバイナズナ」がありますが、名前は果実の形が、相撲の行司がもつ軍配の形に似ているところからきています。

マメグンバイナズナ Lepidium virginicum


「ナズナ」よりは春の生育が遅く、4月上旬の関東の丘陵地では、ナズナの方はすでに、花より果実が目立ち始めていますが、マメグンバイナズナの方は、写真のような小さなロゼットで、秋に芽生えて越冬したと思われる紫褐色の葉が、まだ見られるような状態です。

【和名】マメグンバイナズナ [豆軍配薺]
【学名】Lepidium virginicum
【英名】virginia pepperweed
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE(BRASSICACEAE)
【撮影日】2005/04/06
【撮影地】東京都日野市

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2005年04月05日

ヤマルリソウ

ヤマルリソウ Omphaloides japonica


ヤマルリソウは、本州、四国、九州に分布し、山地の木陰や道ばたなどに生える多年草です。
草丈は10cm〜20cmくらい。茎や葉など全体にやや長めの毛が開出しているので、白っぽくてフサフサしています。

根生葉はロゼット状で、長さ10cm〜15cm、幅2cmくらいの倒披針形。縁はウネウネと波打つ感じで、全体の印象も柔からそうに見えます。上にのびる茎につく葉(茎葉)は、明瞭な柄がなくやや茎を抱いています。

花期は4月〜5月。茎の先の総状花序に、淡い青紫色の花を咲かせます。花(花冠)は直径1cmほどで、5つに裂けて平たく開きます。花冠の色には多少変異があって、ほとんど白色のものや、ピンク、青紫などの濃淡が見られます。また、咲き始めよりは開いてから少し時間がたった方が色が濃くなる傾向があるようです。

花茎は花が咲き進むにつれて茎の上部が上へ立ち上がってくる場合もあれば、そのまま地面をはうように花茎が伸びていることもあります。いずれにしてもあまり茎は直立せず、斜め上向きに伸びます。花序の下部の蕾から咲き始め、上へと先進み、終わった花から次第に花柄が下を向いてきます。

ヤマルリソウ Omphaloides japonica


ヤマルリソウは、「ワスレナグサ (Myosotis scorpioides)」や「キュウリグサ (Trigonotis peduncularis)」などと同じムラサキ科の植物ですが、ヤマルリソウは「ルリソウ属」、ワスレナグサは「ワスレナグサ属」、キュウリグサは「キュウリグサ属」と別の属に分類されています。花は淡い青紫色の5裂する花冠を持ち、大小の違いはありますが、よく似ています。また、花冠裂片の基部(花の中央部)には2つずつ鱗片があって、輪っかのように見えます。ワスレナグサだと中央にある黄色い輪っかの部分です。この輪っかは「ハナイバナ (Bothriospermum tenellum)」にもみられる特徴です。

学名の「Omphaloides」はルリソウ属の学名で、「omphalosはへそ、eidosは〜の形」という意味です。

【和名】ヤマルリソウ [山瑠璃草]
【学名】Omphaloides japonica
【科名】ムラサキ科 BORAGINACEAE
【撮影日】2005/04/03
【撮影地】東京都八王子市

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2005年04月04日

ヨゴレネコノメ

ヨゴレネコノメ Chrysosplenium macrostemon var. atrandrum


ヨゴレネコノメは、本州関東以西、四国、九州に分布し、山地の谷沿いの湿り気のある場所に生育する多年草です。ユキノシタ科ネコノメソウ属の植物で、「イワボタン (岩牡丹 Chrysosplenium macrostemon)」の変種に分類されています。

花期は3月〜4月です。4月上旬の関東、今回の写真を写した場所でもすでに咲いています。花茎は高さ10cm〜20cmで、ときに紫色を帯びていますが、毛が生えているのでややや白っぽく見えます。花弁はなく、ガク裂片は白っぽいような褐色。雄しべは基本は4つのようですが、8つのこともあります。雄しべの先の「葯」は暗い紅色。葯が開くと黄色の花粉が出てきます。花のすぐ下あたりにある「苞」は淡い黄色をぼかしたような色で、この苞のおかげで花がグッと引き立ちます。

花が終わるころには、走出枝をのばして、その先に新たなロゼット状の葉ができます。このようにしてできる根生葉は、ふつう花のつく茎につく葉よりも大きく幅の広い葉です。

「イワボタン」は、苞やガク裂片、葯が黄緑色です。またガク裂片がやや斜めに開くのに対して、「ヨゴレネコノメ」はガク裂片が雄しべなどを包み込むようにくっついて直立しています。ということで、花のない時期に両者を見分けることは難しいでしょうね。今回の場合も咲いている株で花をチェックして、その株から発生したと思われる根生葉を撮影しています。

ネコノメソウの仲間は、とても見どころが多くて、「ネコノメ」という名前も、姿かたちも非常におもしろいです。ちなみに、「ネコノメ」という名前は、花のあとにできる果実(さく果)に裂け目が1本入っている様子が、明るい場所で細くなった猫の目のように見えることからきているといわれています。果実が裂開するとたくさんの小さなツブツブの種子が見えます。

葉は卵形〜汚れたような白っぽい斑紋があって対生します。茎につく葉には柄があり、ロゼット葉にも柄があります。冬のころに見ると、地面の土の色と同化したような紫褐色で、やはり白っぽく汚れたような斑紋があります。生えているところもやや陰湿な感じの場所が多いのでなおさら、きれいな葉とは程遠いような状態に見えるかもしれません。

葉の様子とは違って、花の部分は、特に「ヨゴレ」という名前からくるイメージとは少々異なって、それなりの華やかさもあります。でもそれは葉の部分の地味な色合いとの対比によって、そう見えているようなところもある気がします。つまり、名前の由来でもある葉の汚れたような色が重要なんだと思うんです。

ヨゴレネコノメという名前は、多くの人がそう感じるように、確かにかわいそうな名前なのかもしれません。しかし、この名前のおかげでより印象に残って、忘れられない植物の1つになるのではないでしょうか。

【和名】ヨゴレネコノメ [汚れ猫の目]
【学名】Chrysosplenium macrostemon var. atrandrum
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE
【撮影日】2005/04/03
【撮影地】東京都八王子市

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2005年04月02日

ジプソフィラ・レペンス

ジプソフィラ・レペンス Gypsophila repens


ジプソフィラ・レペンス (またはギプソフィラ Gypsophila repens)は、ナデシコ科カスミソウ属(またはコゴメナデシコ属 Gypsophila)の植物で、おなじみのカスミソウの仲間です。カスミソウ属の植物は、主にヨーロッパやアジアに120種ほどが分布していて、一年草や多年草などがあって、そのうちの数種が日本でも栽培されています。

例えば、一年草のタイプには、背丈の低い「ムラリス (Gypsophila muralis)」や、草丈50cmほどの高性の「エレガンス (Gypsophila elegans)」があります。また、主に切花でよく見られるのは、多年草で高性タイプのいわゆる「宿根カスミソウ (Gypsophila paniculata)」です。こちらは草丈は50cm程度で、八重咲きのものもあります。

また、宿根(多年草)のタイプのジプソフィラにも高性種と矮性のものがあって、写真のレペンス種は矮性のタイプです。ジプソフィラ・レペンスの原産地はヨーロッパアルプス。寒さには強く、やや高温多湿に弱いところがありますが、十分に日当たりがよく水はけのよいロックガーデンに向いています。

全体的に毛はなく、茎は地面をはうように伸び、マット状に広がります。茎の先の方は立ち上がって、高さは10cm〜15cmくらいになります。ちなみに種小名の「repens」は「匍匐性の」という意味です。葉は披針形〜線形で長さは2cmほど、十字に対生します。縁にギザギザ(鋸歯)はなく滑らかな全縁です。

花期は6月〜7月。花は茎の先に数個咲きます。花弁は5枚、ガクは5つに裂けます。花色は白がふつうですが、ピンクの('Rosea')、サームンピンク、紫色などがあります。花の直径は1cmあるかどうかというくらいです。

【一般名】ジプソフィラ・レペンス
【学名】Gypsophila repens
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2004/05/18
【撮影地】東京都調布市

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2005年03月29日

サジガンクビソウ

サジガンクビソウ Carpesium glossophyllum


サジガンクビソウは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、山地や丘陵の林内などに生育する多年草です。草丈は30cm〜50cmくらいになります。茎や葉には開出した毛がたくさん生えています。

同じ属の仲間に「ガンクビソウ (Carpesium divaricatum)」という種がありますが、その名前は、枝先に花首を曲げて咲く花の様子が煙管の雁首に似ているということからきていて、「サジ」は、根生葉がさじのような形に見えるところからきています。この根生葉は、花が咲くころまでちゃんと残っています。毛が多いわりには、光沢のある葉で、色は濃いめの緑色、葉脈が下面にくぼんでいるので、よく目立ちます。長さは10cm内外、幅は、3cm程度です。縁のギザギザ(鋸歯)は、少しウネウネとなるくらいで、ほとんどないようなものです。

根生葉が花期にも残って、上部の葉が少なくサジガンクビソウによく似た種に「ヒメガンクビソウ (Carpesium rosulatum)」がありますが、こちらは、花が小さく細長く、全体的に繊細な感じがします。

花期は8月〜10月。花は長い花茎の先端に1つだけ下向きに咲きます。その花茎にもまばらに長楕円形の葉をつけ、花茎は途中で数本枝分かれして、やはり先端に下向きに1つ花をつけます。

キク科植物の花は、しばしば「頭花(とうか)」と呼ばれています。頭花というのは、「頭状花」ともいって、小さい花(小花)がたくさん集まって、まるで1つの花のように見える花のことです。さらに、この場合、小花がたくさんついている花序のことを「頭状花序」といいます。この花序の形は、「マツムシソウ (Scabiosa japonica)」でも見られます。頭花はふつう、外側にある小花から咲いて中心部へと咲き進みます。

キク科の頭花には、花びらに見える「舌状花」と花びらのない「筒状花」がありますが、サジガンクビソウの頭花には、舌状花がないので花は地味で目立たないものです。しかも下向きですからね。形は半球形で、直径は1cm内外。頭花のまわりの「総苞片」は濃いめの緑色、毛がたくさん生えていて反り返ります。

ヒョロヒョロっとのびた花茎の先に1つだけ花がついていて、ピラッピラッと羽のようについた小さい葉(苞葉)が見える感じは、何か小さな生き物が飛んでいるみたいで愉快なものです。

【和名】サジガンクビソウ [匙雁首草]
【学名】Carpesium glossophyllum
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/05/15
【撮影地】東京都八王子市

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2005年03月28日

イトバハルシャギク

イトバハルシャギク Coreopsis verticillata 'Moon beam'


イトバハルシャギクは、「コレオプシス」と呼ばれることが多いようですが、コレオプシスというのは、もともとはキク科ハルシャギク属(Coreopsis)の属名で、イトバハルシャギクのほかにも一年草の「ハルシャギク (春車菊)」、「キンケイギク (金鶏菊)」、多年草の「オオキンケイギク (大金鶏菊)」などが、「コレオプシス」という名前で呼ばれています。

また、イトバハルシャギクは北米原産の多年草で、花色は淡い黄色〜黄色ですが、コスモスにも似た印象の花をつけることから、「宿根コスモス」と呼ばれることもあります。葉は名前のとおり細長く輪生しています。全体に繊細な感じに見えます。草丈は、大きくても40cmくらいまでです。

主な花期は、6月〜8月。その後も切戻しを行うと再び開花してくるので、11月くらいまでは花が見られます。そして、花の時期が終了し冬を迎えるころには、そのシーズンの地上部は枯れてしまいますが、地上には来シーズンの新芽が出てきて越冬します。

写真は、園芸品種の1つで、淡黄色花を咲かせる「ムーンビーム ('Moon beam')」の葉です。春、葉の展開はややゆっくりめで、こちら関東では、5月半ばでようやく写真のような状態になります。

そのほか、ムーンビームよりも色の濃い品種で「ザグレブ ('Zagreb')」というのもあります。また、ピンク色の花を咲かせるコレオプシスの「ロゼア・アメリカンドリーム」という品種がありますが、これが、ときどきイトバハルシャギクとなっていることがあります。しかし学名を調べると、「Coreopsis rosea 'American Dream'」となっているようですので、イトバハルシャギク(Coreopsis verticillata)とは別の種の園芸品種なのではないでしょうか。

【和名】イトバハルシャギク [糸葉春車菊]
【品種名】コレオプシス・ムーンビーム ('Moon beam')
【学名】Coreopsis verticillata
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/05/18
【撮影地】東京都調布市

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2005年03月18日

ハナダイコン

ハナダイコン Orychophragmus violaceus


ハナダイコンは、中国原産の一年草または越年草です。もともとは江戸時代に観賞用として入ってきたのだそうですが、現在では、日本各地で野生化しています。また、道路脇の緑化のため播種されることもあるようです。いろいろな別名で呼ばれていますが、その中の「ショカツサイ」というのは中国名で、「オオアラセイトウ」の「アラセイトウ」というのは、同じアブラナ科の「ストック (Matthiola incana)」の古い呼び名だそうです。

高さは30cm〜80cmほど。かなり小さな個体でも花をつけています。葉の質は薄めで、特に裏面は粉をふいたように白っぽく、根生葉や茎の下部の葉は羽状に分裂します。そして、羽状に分かれた葉のてっぺんにある裂片(頂裂片)が、特に大きくなる傾向があります。茎の上部の葉は長楕円形で、縁には不規則なギザギザ(鋸歯)があります。葉の付け根の方は耳のような形になって茎を包み込むようについています。そういう状態を、図鑑では「茎を抱く」というふうに書いてあります。

花期は3月〜5月。直径は2cm〜3cmで、淡い紫色〜紅紫色の4弁花。果実は細長い「長角果」で、長さ10cmぐらいになります。熟すと下の方から縦に2つに裂けて、中央には膜質の隔壁が見えます。その壁に小さい種子がついています。このような果実の構造はアブラナ科の大きな特徴なので、もうちょっと詳しく見てみると。。。

*アブラナ科の果実の構造*
雌しべの子房がのちに果実となります。「雌しべ」というのは「葉」が起源なのだそうで、雌しべの子房壁が数枚の「心皮」が合わさってできているものを「合生心皮」といいます。つまり「心皮」というのは、雌しべの子房壁を構成している葉のことで、あとで「果皮」になる部分のことです。雌しべの子房壁には「胚珠」がついていて、のちに「種子」になります。

アブラナ科の場合、2枚の心皮が合わさってできた「合生心皮」で、果実が熟したときに果皮が心皮の合わさった部分から2つに裂けて、下の方から反り返ってきます。種子は中央の膜質の隔壁についています。こういう果実を「角果」といって、細長いものは「長角果」、短いものは「短角果」といいます。


3月半ば、こちら関東の丘陵地では、ちらほらと開花が見られるようになりました。今はまだ、根生葉の状態のものや、蕾がようやく出てきた個体など背丈が低いものが多いですね。写真は、まだ根生葉の状態です。近くに人の家はあるものの、特に誰かが栽培している様子のない道ばたに少数あったものです。栽培されていたものの種子が逃げ出して野生化したものかもしれません。

【和名】ハナダイコン [花大根]
【別名】ショカツサイ [諸葛菜]、オオアラセイトウ
【学名】Orychophragmus violaceus
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE (BRASSICACEAE)
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月10日

ヨモギ

ヨモギ Artemisia indica var. maximowiczii


ヨモギは、本州、四国、九州に分布し、山野にふつうに見られる多年草です。草丈は50cm〜1mほど。都市部よりも自然度の高い場所の個体の方が、草丈が高くなる傾向があるとか。地下茎をのばして増えるのでよく群生しています。

冬を前に、花が終わり地上部が枯れるころには、根もとから新しく地上に芽を出して、ロゼット状に根生葉を広げて越冬します。白っぽいヨモギの根生葉は、霜が降りても輝き、春の光をあびてもキラキラと光って、まだ枯れ草色の場所でよく目立つ存在です。

ヨモギ Artemisia indica var. maximowicziiヨモギ Artemisia indica var. maximowiczii


根生葉や下部の葉は白い綿毛におおわれていて灰白色です。これらの葉は花が咲くころには枯れてしまいます。茎の上部につく葉(茎葉)は表面には毛が少なく緑色ですが、裏面には綿毛が密生しているので灰白色です。この綿毛を集めてお灸のもぐさ(艾)を作るのだそうです。上部の茎葉は長さ10cm、幅5cmほどで羽状に深く分裂しています。根生葉の裂片は短くて丸みのある感じなのに対して、茎葉の裂片は細長くスッーととがった感じです。いずれにしても裂片にはあらいギザギザ(鋸歯)があります。特に春の若い葉はお餅と混ぜて「草餅」を作ることでもおなじみですね。

花期は9月〜10月。茎の先の円錐花序に数mmの小さな花(頭花)をたくさんつけます。キク科の植物ですが、風媒花で頭花は下向きについています。またキク科の植物には、ふつう花びらに見える「舌状花」と、中心部にあって花びらのない「筒状花」の両方をつけるものが多いのですが、ヨモギには舌状花がなくすべて筒状花です。いわゆる花びらがないので、とても地味です。最近では秋の花粉症の原因となる植物の1つとなっているそうです。

【和名】ヨモギ [蓬]
【別名】モチグサ
【学名】Artemisia indica var. maximowiczii
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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2005年03月07日

オオキンケイギク

オオキンケイギク Coreopsis lanceolata


オオキンケイギクは、キク科コレオプシス属(ハルシャギク属)の植物です。同じ属の植物は、世界各地に100種ほどが知られていて、日本に入ってきたのは明治時代のことだったといいます。一般に「コレオプシス」といっているものには、いろいろな種類があって、大きく多年草として扱われるものと、一年草として扱われるのものがあります。

例えば、多年草のタイプでは、特に性質の丈夫な「オオキンケイギク(大金鶏菊 Coreopsis lanceolata)」、葉が糸のように細長い「イトバハルシャギク(糸葉春車菊 Coreopsis verticillata)」、大輪の「ホソバハルシャギク(細葉春車菊 Coreopsis grandiflora)」などがあります。

また、一年草のタイプでは、黄色に濃い赤の蛇の目模様の「ハルシャギク(春車菊、蛇の目菊 Coreopsis tinctoria)」、小型で黄花の「キンケイギク(金鶏菊 Coreopsis drummondiiまたはCoreopsis basalis)」などがあります。

そのほか、コスモスを小さくしたような淡いピンク色の「ロゼア」というのがありますが、これは、イトバハルシャギクの1品種なのか、まったく別の種なのかよくわかりません。

オオキンケイギク Coreopsis lanceolata


写真は、最も多く見られるオオキンケイギクの越冬中の根生葉です。

オオキンケイギクは、北アメリカ原産の多年草です。地面近くにロゼット状にたくさんの根生葉を広げて越冬します。根生葉には長い柄があって3つ〜5つの小葉に分かれていますが、分かれていないこともあります。個体によって毛の多少はあるようですが、葉の両面には粗い毛が見られます。

草丈は20cm〜50cmほど。主な花期は7月〜9月。花は鮮やかな黄色で、直径5cmほど、中央部には筒状花がたくさんあって、そのまわりには舌状花があります。舌状花というのはいわゆる花びらに見えている部分で、先端にギザギザの切れ込みがあるので、コスモスによく似た形に見えます。

オオキンケイギクは、見た目も華やかで手もかからないのでよく栽培されていますが、現在では道路脇や河川などに野生化して、大群落となっていることもあります。写真は、ある月極駐車場の脇の芝生に生えていたものです。誰かが栽培しているものなのか、勝手に生えてしまったものかは定かではありません。

ちなみに、属名の「Coreopsis」は「ナンキンムシ(トコジラミ)に似ている」という意味だそうで、果実がナンキンムシに似ていることからきているのだとか。まったく先人の発想にはいつも驚かされますね。この花の果実を見て、いくら扁平だからといって、とてもそんなことは思いつきません。

【和名】オオキンケイギク [大金鶏菊]
【学名】Coreopsis lanceolata
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2005/01/27
【撮影地】東京都日野市

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2005年02月22日

ウメハタザオ

ウメハタザオ Arabis serrata var. japonica f. grandiflora


ウメハタザオは、一般的な図鑑を見ると、「フジハタザオの変種のイワハタザオの高山型」となっていて、本州の東北〜中部の一部の高山に分布するとされています。「
フジハタザオ (Arabis serrata)」は、名前のとおり富士山の砂礫地に生える草丈10cm〜20cmほどの多年草です。長さ2cm〜3cm、幅は1cmに満たないくらいの根生葉をロゼット状に広げますが、この根生葉の縁のギザギザ(鋸歯)がやや深めです。ウメハタザオでは鋸歯が浅めになります。「イワハタザオ (Arabis serrata var. japonica)」は、本州中部以北の山地帯に生育しています。草丈は30cm〜40cmと大きめで、葉の鋸歯はフジハタザオよりは浅めです。

フジハタザオの仲間はとても変異が多くで、他にも種内分類群がいくつも記載されています。東北地方の一部には「イワテハタザオ (Arabis serrata var. japonica f. fauriei)」、北海道と東北の高山帯には「エゾイワハタザオ (Arabis serrata var. glanca)」が生育するとされています。ただし、これらを広く取り扱うか、細かく分けるかについては、いろいろと見解の分かれるところかもしれません。

ところで、今回の写真は、果たしてどうなのか。花も実もない状態で、同定するのはなかなか大変で、わざわざ名前を調べなくてもいいのでしょうが、まあ、どうにかやってみることにします。こういう場合はかなりの度合いで、既存の図鑑の記載されている分布域を信用することになります。あとは、生育環境を見たり、葉だけしかないのでじっくりと葉を観察するのみです。

撮影地は南アルプス北部の標高3000m付近の岩場です。そこで、葉の形に注目すると、真ん中より先の方にちょっと鋸歯があります。根生葉が岩にへばりついてこんな形をしていたら、ユキノシタ科の「クモマグサ」を思い浮かべるのですが、南アルプスには記録がないようです。それによく見ると葉の表面が高山帯のアブラナ科っぽいザラザラとした感じがあります。このザラザラ感は、ハタザオ属の大きな特徴でもあって、毛が放射状にいくつも分かれて星の形に見える「星状毛」、先が2つに分かれた「二分岐毛」、それにふつうの毛「単純毛」が茎や葉の両面に密生しています。クモマグサの場合はもっと肉質で、縁に腺毛が生えていますが表面には少なくもっとツルツル感があります。

そこで、高山性のアブラナ科植物にターゲットを絞りますが、これだけではまだ、たくさんの種類が候補にあがってしまいます。検索表から行ってもよいのですが、どうしても観察できる形質が足りなくなりるので、図鑑の写真と1つ1つ見比べていくことにします。分布域に頼る部分も大きくなりますが、もう仕方ありません。それで、何度もページをめくっているうちに、フジハタザオ付近に到達したわけです。そうすると、分布域と生育地から、「ウメハタザオ」だろうということに落ち着きました。ただし、これはいい加減なものでとても苦しい同定ですから、参考にはなりませんね。

【和名】ウメハタザオ [梅旗竿]
【学名】Arabis serrata var. japonica f. grandflora
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE
【撮影日】2004/08/26
【撮影地】長野県長谷村

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2005年02月19日

ダイコンソウ

ダイコンソウ Geum japonicum

2005/02/13 撮影

ダイコンソウは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の林床や林縁、道の脇の草地などに生える多年草です。全体に軟毛が密生しています。草丈はだいたい30cm〜50cmくらいで、大きいものでは80cm程度です。

上の写真のようにロゼット状に地面に葉を広げて越冬しますが、この根生葉の形が「ダイコン」の葉に似ているということで、「ダイコンソウ」という名前がついています。ダイコンはアブラナ科の植物で、ダイコンソウはバラ科の植物ですし、根生葉が羽状複葉になっているとはいえものすごく似ているというわけでもありません。ただ、見立ててそう呼ばれているということなので、わざわざ「似ていない!」と目くじらを立てるほどでもないでしょう。

さて、このダイコンソウのロゼットですが、ダイコンに似ているかどうかは置いといて、この形や色は非常に独特です。似ている植物はそうはないので、一度、覚えてしまうと、結構目に入ってくるようになると思います。羽状複葉1枚の長さは10cm〜20cmほどで、一番てっぺんの小葉(頂小葉)が特に大きくて丸くなっています。途中についている小葉は「側小葉」といって、頂小葉よりもずっと小さく大きさも大きいものや小さいものなどがあって、一定しません。縁のギザギザ(鋸歯)もちょっと不ぞろいで鈍いギザギザです。色は特に冬の間は濃く暗めの深緑で、縁などは紫褐色の縁取りが見られることもあったり、葉脈が白っぽく光ったようになっていて、よく目立ちます。

ダイコンソウ Geum japonicum
2004/09/16 山梨県
ダイコンソウ Geum japonicum
2005/12/13 東京都


北海道や本州中部以北には、「オオダイコンソウ (Geum aleppicum)」というよく似た種類も分布していますが、オオダイコンソウのわかりやすいチェックポイントとしては、根生葉の小葉の先がとがること、葉の縁のギザギザがより鋭いこと、果実(集合果)の形が楕円形になることなどがあげられます。これで、だいたい区別できると思います。

花期は6月〜8月、花は直径1.5cm〜2cmの黄色の5弁花です。花の中央部はにぎやかで、雄しべや雌しべがたくさんあります。雌しべの先の花柱の部分にはカクッカクッと折れ曲がった部分があって、花の終わりごろには折れ曲がった先がなくなってしまいます。それで、先がカギのようになった果実ができるわけです。雌しべの下の部分は「花托(かたく)」といいますが、そこには長くて目立つ毛がたくさん生えていて、果実となった後にも毛が残ります。

果実は花の中央部にたくさん集まってできるので、集合果となりますがその輪郭は円形で、楕円形になるオオダイコンソウとは違う点です。花柱の花後にも残っている部分には腺毛がまばらにあり、先もカギ状になっているので、いわゆる「ひっつきむし」になる果実というわけです。

【和名】ダイコンソウ [大根草]
【学名】Geum japonicum
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2004/09/16、2005/02/13
【撮影地】山梨県山中湖村、東京都多摩市

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