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オカタツナミソウは、本州、四国に分布し、丘陵地の雑木林の林内や林縁などに生育する多年草です。草丈は10cm〜30cmほどですが、特に草丈の競合する他の植物が多いようなところでは、もっと丈が高く50cmほどになっているように思います。茎には毛がたくさん生えていますが、その毛が生える向きが下向きのことが多いというのもポイントです。
葉は対生してつき、茎の下の方の葉よりも上部につく葉の方が大きく生長する傾向があります。葉は長さ2cm〜4cm、幅1cm〜3cm程度のやや三角形に近いような卵形です。縁のギザギザ(鋸歯)は鋭くなく丸みのあるもので粗め。葉の両面に毛があって、裏面には腺点もあります。
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花期は5月〜6月。茎の先の花序に青紫色の唇形花をつけます。花軸にも毛が多く、腺毛も生えています。花冠は長さ2cmくらいで、筒の部分が細長い。花序から出るつけ根のあたりで、クッと上に立ち上がります。よく似た種の「タツナミソウ (Scutellaria indica)」よりも、花穂が短くて縦方向で見ると密に花がつく傾向があります。特に咲き始めのころなどは、一番上の葉のあたりにやや集まったような状態になります。
花序の様子を打ち寄せる波頭に見立てて「立浪草」といいますが、タツナミソウの波頭の方が縦に高く立ち上がる感じで、オカタツナミソウの波頭は低く横に広がる感じです。
【和名】オカタツナミソウ [丘立浪草]
【学名】Scutellaria brachyspica
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2004/05/15
【撮影地】東京都八王子市
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