2005年11月05日

フトボナギナタコウジュ

フトボナギナタコウジュ Elsholtzia nipponica


フトボナギナタコウジュは、本州の関東以西、九州に分布し、山地の林縁部などの草地に生育する一年草です。シソ科ナギナタコウジュ属(Elsholtzia)の植物で、同属の「ナギナタコウジュ(Elsholtzia ciliata)」と同じように、縦長の花序の片方に花が片寄ってつき、その反対側には「苞」がきれいに並んでつく、独特の形をしています。また、強い香りがあるのも特徴です。

フトボナギナタコウジュは、ナギナタコウジュに比べると、葉の幅が広くて長さは短め、名前の通り花序が太く短めでボテッとしています。全体にナギナタコウジュは細く堅くしまった感じ、フトボナギナタコウジュの方が野暮ったい感じです。草丈は30cm〜50cmくらいで、茎には軟毛が見られます。

葉は対生。広卵形で、先はとがります。長さは2cm〜5cmくらい、7cmほどになることもあります。幅は2cm〜4cm程度。縁にはギザギザ(鋸歯)があります。葉柄は1cm〜2cmくらいです。

フトボナギナタコウジュ Elsholtzia nipponica


花期は9月〜10月。茎の先に花穂が出て、片側に小さな花が蜜につきます。花穂は後ろ側にやや反り返ります。花穂の幅は1cmくらい、長さは2cm〜5cm。

その穂でもっとも目につくのは、花冠やガクよりも「苞」かもしれません。苞の先は急激に細くなってとがります。毛が目立つのが特徴です。花冠は淡い紅紫色で、毛が生えています。長さは5mmあるかなというくらいです。中には4本の雄しべがあって、少し突き出ます。4本のうち2本が長めです。ガクの先は5つにさけて、やっぱり毛があります。フトボナギナタコウジュの花穂は、あちこち毛があってかなりケバケバです。

ナギナタコウジュとの細かい違いを見るならば、「苞」の部分の形に注目します。ナビナタコウジュの苞は、だいたい中央部分で幅が最大になります。苞の縁に短毛がありますが、外側の部分にはふつう毛がありません。一方、フトボナギナタコウジュの場合は、苞のちょっと先端よりの部分で幅が最大で、丸っこい扇形。そして外側には短毛が多く、縁には長い毛が目立ちます。

【和名】フトボナギナタコウジュ [太穂薙刀香*じゅ]
【学名】Elsholtzia nipponica (Elsholtzia argyi var. nipponica)
【科名】シソ科 LABIATAE (LAMIACEAE)
【撮影日】2005/11/05
【撮影地】東京都日野市

*)「じゅ」は、「草冠」の下に「需要」の「需」です。

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2005年11月04日

ノガリヤス

ノガリヤス Calamagrostis brachytricha


ノガリヤスは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の雑木林などの縁の草地などに生える多年草です。根もとからたくさんそう生して、茎(稈)は、高さ50cm〜1mくらいまでなります。

ノガリヤスは、イネ科ノガリヤス属の植物です。同属の植物は日本には20種ほども知られていて、なかなか同定が難しいです。そういうときは、生育地によって、少し候補となる種を絞り込んでみます。今回の場合は、生育地が特に特徴のない丘陵地の林縁部、パッと見の特徴からだいたいノガリヤスかヒメノガリヤスだろうと絞ってみます。あとは芒が長く突き出ているかどうかで、今回のは芒が長いのでノガリヤスにたどり着くわけです。

葉は長さ30cm〜50cm、幅は6mm〜1.2cm程度の細長い線形です。葉の表面は触るとザラザラします。葉がよじれて茎にまとわりつくようになっていて、「葉舌」を写真におさめようとめくってもすぐ元に戻ってしまいます。

ノガリヤス Calamagrostis brachytrichaノガリヤス Calamagrostis brachytricha


花期は8月〜10月。茎の先に20cm〜50cmくらいの円錐花序が直立します。色はやや紫色を帯びた淡い緑白色。花序からはたくさんの小枝が出て、さらにいくつもの「小穂」がつきます。

1つの小穂にはつく「小花」は1つだけ。小花の外には2つの「苞頴」があって、小花の長さとほとんど同じくらいです。芒は苞頴よりは内側にある「外花頴 (護頴)」という部分の先から出ます。外花頴の長さも苞頴や小花の長さと同じくらいです。ヒメノガリヤスの芒は短くて苞頴より外に出てこないです。また、小花の基部には白い毛が生えています。ただし、その様子は苞頴を開いてみないとわからないですね。

【和名】ノガリヤス [野刈安]
【学名】Calamagrostis brachytricha
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/11/04
【撮影地】東京都日野市

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2005年11月03日

コバノガマズミ

コバノガマズミ Viburnum erosum


コバノガマズミは、本州の東北南部以西、四国、九州に分布し、丘陵地や山地の林内などに生える落葉低木です。スイカズラ科ガマズミ属(Viburnum)に分類され、高さは2m〜4mほどになります。

葉は対生。少し細長い卵形で、先はとがっています。葉の長さは4cm〜10cmくらい、縁のギザギザ(鋸歯)は粗めです。ふつうは表裏ともに「星状毛」があり、脈上には細かな毛が生えています。特に若い葉はビロード状。葉柄や若い枝にも星状毛が見られます。ただし、葉の毛の状態や葉の形はいろいろ変異の多い部分で、なかなか難しいですね。

葉には星状毛とともに「腺点」も散らばっていて、葉の付け根には1対か2対の「腺体」があります。葉柄は短くて2mm〜4mmほどしかありませんが、葉柄の基部にはよく小さな「托葉」が見られます。「ガマズミ (Viburnum dilatatum)」や「ミヤマガマズミ (Viburnum wrightii)」では葉柄がもう少し長く1cm以上になります。

花期は4月〜5月。「ガマズミ」より少し早めに開花しはじめます。その年にのびた枝(本年枝)の先から、「散房花序」が出て、たくさんの花をつけます。花序は直径5cmくらいに横に平べったい感じで、開花期には上を向いていますが、果実の時期には垂れ下がってきます。花冠は白色、直径は5mmくらい。先が5つに裂けて、その裂片が平たく開くので、5弁花に見えます。雄しべは5本です。

果実は球形の「核果」で、秋、9月〜10月になると真っ赤に熟します。今回、見られたものではまだ葉は緑色でしたが、この後、赤く紅葉します。そして、さらに季節が進むと、いよいよ冬芽の目立ちはじめます。

冬芽は長さ5mmくらいの卵形で、花芽と葉芽の入った「混芽」は丸っこく、「葉芽」はほっそりしています。芽を包む「芽鱗」が2対あって、外側の1対は小さくなっています。この冬芽にも褐色の星状毛が密生します。

【和名】コバノガマズミ
【学名】Viburnum erosum
【科名】スイカズラ科 CAPRIFOLIACEAE
【撮影日】2005/11/02
【撮影地】東京都日野市

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2005年11月02日

ナツハゼ

ナツハゼ Vaccinium oldhamii


ナツハゼは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の乾燥した林縁などに生育する落葉低木です。ツツジ科スノキ属に分類されていて、黒褐色の果実をつけます。よく小枝を出して、高さは2m〜3mくらいまでなり、若い小枝には腺毛が見られます。

葉は長い楕円形〜長い卵形。先はとがり気味。基部の方は特に細くも丸くもない感じ。長さは5cm程度です。葉の両面に粗い毛が多く、縁にも生えていてよく目立ちます。その縁の毛というのは、細かい鋸歯(ギザギザ)の先端部分にあって、しかもそれは「腺毛」です。表面の毛は堅くて立っています。葉柄はごく短くて3mmほどです。

ナツハゼ Vaccinium oldhamii


花期は5月〜6月。「本年枝」の先から出た花序に、下向きにたくさん花をつけます。花冠は淡い黄色でちょっと赤みを帯びています。先端が浅〜く5つに裂けた鐘形で、長さは5mmくらいです。その小さな鐘の中には、ふつう10本の雄しべと1本の雌しべが入っています。つまり、両性の合弁花なわけですね。ガクは長さが短いですが、先は5つに裂けます。その裂片は先がとがっています。花序やガク筒にも腺毛があります。

果実は球形の「液果」で、熟すと濃い黒褐色。先の方には、1つ丸い輪っかがあります。それはガクの痕跡です。

西日本の主に日本海側には「アラゲナツハゼ (Vaccinium ciliatum)」も見られますが、こちらは茎や葉の縁、花序には腺毛がありません。

【和名】ナツハゼ [夏櫨]
【学名】Vaccinium oldhamii
【科名】ツツジ科 ERICACEAE
【撮影日】2005/11/02
【撮影地】東京都日野市

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サワフタギ

サワフタギ Symplocos sawafutagi


サワフタギは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の沢沿いや少し湿り気の多い林内に生育する落葉低木です。ハイノキ科ハイノキ属の植物で、高さはよく見られるのは2m〜3mくらいのものだと思いますが、5mくらいまではなるそうです。樹皮は灰褐色で不規則にはがれるか、縦に浅めに裂けます。

葉は互生。倒卵形〜楕円形。付け根はストンッと細くなり、先はちょっと細くなってとがります。幅が一番広くなる部分は、中央より先端よりのことが多いです。長さは5cm前後。縁のギザギザ(鋸歯)は細かくて先はとがっています。両面ともに短い毛が生えていて、触るとザラザラします。葉脈は下面に向かってくぼんでいて目立ちます。葉柄は5mmくらいの短いものです。

また、よく似た「タンナサワフタギ」は、鋸歯が粗めで、先端は細長く鋭くとがります。サワフタギは、葉の形だけを見た場合は、バラ科の「カマツカ」に似ている感じがします。

サワフタギ Symplocos sawafutagiサワフタギ Symplocos sawafutagi


花期は5月〜6月。その年にのびた枝(本年枝)の先から小さめの「円錐花序」が出て、たくさんの花をつけます。花は白色。花冠は直径8mmほどで、先端は5つに深く裂けるので、パッと見は5弁花。その5つの花冠裂片よりも目立つのが、たくさんの雄しべ。先端の葯は黄色っぽくて小さくポッチッとついています。雌しべは1本だけ。

果実は球形〜卵形、楕円形でちょっとゆがんでいます。長さは6mmくらいで、秋に熟すと藍色になります。「ルリミノウシコロシ」なんて別名もあるそうです。

【和名】サワフタギ [沢蓋木]
【学名】Symplocos sawafutagi
【科名】ハイノキ科 SYMPLOCACEAE
【撮影日】2005/11/01
【撮影地】東京都日野市

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2005年11月01日

アレチハナガサ

アレチハナガサ Verbena brasiliensisアレチハナガサ Verbena brasiliensis


アレチハナガサは、南アメリカ原産で、クマツヅラ科クマツヅラ属(Verbena)の多年草です。日本に入ってきたのは1957年ごろのことだそうで、現在では関東以西の地域に広まって、荒れ地や河川敷、道端などに多く見られます。茎には全体に毛がややまばらにあって触るとザラザラします。茎は四角く、よく枝分かれして、草丈は1m〜2mに達します。

伸びた茎につく葉には柄がなく、葉は茎に向き合って「対生」します。葉の形は幅の広い線形〜卵形で、縁のギザギザ(鋸歯)は葉の先半分くらいにあります。鋸歯の先は結構鋭くとがります。特に上部の葉の付け根は次第に細くなる形ですが葉を抱いていません。葉脈が下面に向かってくぼんでいるのでよく目立ちます。葉にも毛があってザラザラ。

また、アレチハナガサによく似て、茎の剛毛が多くて葉の基部がしっかり茎を抱いているものは、「ダキバアレチハナガサ (Verbena incompta)」というそうです。筆者はまだ見たことがありません。「ヤナギハナガサ (Verbena bonariensis)」の方は、「サンジャクバーベナ」とも呼ばれ、花壇でもよく見かけますが、こちらは葉がより細長い感じで、色が濃くギザギザは浅め、葉の付け根は細くならないなどの特徴があります。

アレチハナガサ Verbena brasiliensisアレチハナガサ Verbena brasiliensis


花期は7月〜9月。花冠は淡い紫色。直径は2mm〜3mmの小さなものですが、これが花序全体ではたくさんの花をつけるのですが、順に開いていくので、同時に開いている花は1つの花序で数個です。柄の部分には剛毛が目立ちます。

花冠は細長い筒状で先が5つに裂けています。またガクの先も5つに裂けますが、花冠の筒の長さがガク筒の長さよりも2倍の長さになって、深く裂けています。よく似た「ヤナギハナガサ」の方は、花冠の筒がさらに長くて、ガク筒の3倍あって裂け方は小さいです。ガクは果実の時期にも残っています。

果実の時期には、穂が長〜く円柱状にのびます。長さは1cm〜5cmほど。アレチハナガサのガク裂片は先がとがったのもで、その付け根には1つずつ小さな「苞葉」があります。その苞葉やガク筒にも毛があります。

【和名】アレチハナガサ [荒れ地花笠]
【学名】Verbena brasiliensis (Verbena quadrangularis)
【科名】クマツヅラ科 VERBENACEAE
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月31日

コミカンソウ

コミカンソウ Phyllanthus lepidocarpusコミカンソウ Phyllanthus lepidocarpus


コミカンソウは、本州、四国、九州に分布し、道ばたや畑に生育する一年草です。トウダイグサ科コミカンソウ属(Phyllanthus)に分類されています。茎は赤みを帯びてまっすぐに伸び、草丈は10cm〜30cmほどです。まっすぐに伸びるのは主要な茎のみで、この主要な茎の各節から小枝を横に伸ばします。葉はこの横にのびた小枝につき、直立した茎には葉がつかないことで、よく似た「ヒメミカンソウ」と区別できます。

葉は小枝の左右に1列ずつきれいに並んでつきます。マメ科植物のオジギソウのような見た目ですが、コミカンソウの葉は小枝に互生します。羽状複葉ではなく「単葉」です。その並んだ小さな葉は、長さ5mm〜1.5cmくらいの長楕円形、葉柄はほとんどありません。

コミカンソウ Phyllanthus lepidocarpusコミカンソウ Phyllanthus lepidocarpus


花期は7月〜10月。雄花と雌花がありますが、同じ個体に両方つく雌雄同株。雄花も雌花も葉の脇(葉腋)に下向きにつきます。小枝のより先端には白っぽい雄花が、基部の方には赤っぽい雌花がつきます。

ごく小さな花で、真上から見ていたのでは、開花に気づかないかもしれませんね。花被片は6つ。雄しべのように見えているものに2種類あって、中央の黄色い方は雄しべ、周辺の白っぽいものは「腺体」です。雌花の子房の表面には隆起した横しわ状のブツブツがあって、これが果実の時期まで残っているので、果実の表面がブツブツになります。また、雌花のごく小さなガク片6つも果実の時期でも果実の上部にはりついています。

果実も下向きで、葉の下にきれいに並んでつきます。直径2.5mmくらいの扁球形の「さく果」です。色は赤褐色で、表面にブツブツの突起があります。その名のとおり小さな蜜柑のような果実です。ヒメミカンソウやナガエコミカンソウの果実にはブツブツがありません。逆に花柄(果柄)はヒメミカンソウやナガエコミカンソウにはありますが、コミカンソウにはほとんどありません。

【和名】コミカンソウ [小蜜柑草]
【学名】Phyllanthus lepidocarpus
【科名】トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE
【撮影日】2005/09/29
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月29日

アレチウリ

アレチウリ Sicyos angulatusアレチウリ Sicyos angulatus


アレチウリは、北アメリカ原産のつる性の一年草です。ウリ科アレチウリ属の植物で、日本で最初に確認されたのは、1950年代のことだそうです。現在では、各地の荒れ地や河原などで群落になっているのがよく見られます。旺盛な繁殖力で、大きな問題となっている植物です。

つる状の茎は数mまでのび、粗い毛が密生しています。葉の脇から出る巻きひげで他のものにからみついて、大きめの葉で背の低い植物の上を覆いつくすような状態になります。葉は幅の広い円心形で、浅く3つまたは5つ〜7つに裂けます。表面はザラザラして、長めの葉柄には粗い毛があります。

アレチウリ Sicyos angulatusアレチウリ Sicyos angulatus


花期は8月〜9月。葉の脇(葉腋)から花序が出て、淡い黄白色の花が咲きます。雌花と雄花がありますが、同じ個体に両方つく雌雄同株。ただし、同じ個体にはつきますが、雄花と雌花は別々の花序につきます。雄の花序の方は長さ10cm〜15cmほどまで伸びて、まばらに雄花がつきます。雄の花序は長くのびて葉よりも上に見えます。雌の花序は長さは短くて、雌花は葉の下、葉柄の付け根のあたりに、球状に集まってつきます。長さ2cmくらいの柄の先にぶら下がるような感じです。柄の部分には腺毛があります。

花は直径1cmほど、雄花の中心には雄しべがありますが、葯と花糸がくっついて丸っこい塊になっています。雌花の雌しべの柱頭は3つです。

アレチウリ Sicyos angulatus


もちろん果実ができるのは、その雌花序の方です。ウリ科の植物の果実ときいて想像する果実とはずいぶん様子が違います。果実の表面は鋭く長くて、でも軟らかいトゲとそれより短い軟毛に覆われて白っぽく見えます。そのゴツゴツした塊には、長い卵形の果実(液果)がいくつも球状に集まっています。1つの果実にできる種子は1つ。平べったい卵形です。

【和名】アレチウリ [荒れ地瓜]
【英名】Burcucumber
【学名】Sicyos angulatus
【科名】ウリ科 CUCURBITACEAE
【撮影日】2005/09/17、2005/10/20
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月27日

キササゲ

キササゲ Catalpa ovataキササゲ Catalpa ovata


キササゲは、中国原産のノウゼンカズラ科キササゲ属(Catalpa)の落葉高木です。日本でも古い時代から主に薬用植物として植えられていたそうで、現在ではしばしば河原などに野生化しているのが見られます。同じ仲間で花が大きく見栄えのする「アメリカササゲ (Catalpa bignonioides)」などは、観賞用の花木として植栽されます。

高さは5m〜12mほどまで達し、樹皮は少し灰色っぽい褐色で、縦に裂け目が入ります。葉は対生または三輪生。大きな広卵形で、ふつうは先が3つに浅く分かれています。長さはだいたい20cmほどですが、もっと大きめの葉も見られます。質はやわらかくて葉の裏、特に葉脈上に毛が生えています。葉柄は5cm〜20cmほどと長めです。また、葉の付け根の方を見ると、濃い紫褐色の小さな点々があります。ところどころ葉脈の脇にも見られるこの点々の部分には「蜜腺」があって、主にアリが訪れます。

キササゲ Catalpa ovataキササゲ Catalpa ovata


花期は6月〜7月。枝の先に円錐状の花序を出します。花冠は先の広がった漏斗形。色は淡い黄色で、内側には紫色の斑点模様と黄色の2本の帯状の模様があります。訪れる虫たちを中へと誘導しているかのような模様ですね。花冠の長さは2cmほどで、先は5つに裂けて、ビラビラと縮れた感じになります。

果実は「さく果」で、長さは30cmほどもあって、たくさん束になってひものように垂れ下がります。その様子は独特なので、少し遠めに見てもそれとわかると思います。キササゲという名前はその果実がマメ科の「ササゲ」に似て、木であるところからきているそうです。ちなみに種小名の「ovata」は「卵形の」という意味なんですが、う〜ん、どの部分のことを指しているのでしょうね。

【和名】キササゲ [木大角豆、木捧]
【学名】Catalpa ovata
【科名】ノウゼンカズラ科 BIGNONIACEAE
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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ヒロハホウキギク

ヒロハホウキギク Aster subulatus var. sandwicensis


ヒロハホウキギクは、北アメリカ原産の一年草または多年草です。世界的に温帯の地域に広く見られるそうです。日本で最初に確認されたのは1960年代のことだそうで、現在では各地の道ばたや空き地、水田の周辺などに見られます。同じ北アメリカ原産の「ホウキギク」や両種の雑種で種子のできない「ムラサキホウキギク」というのもあります。

茎には毛はなくよく枝分かれして、草丈は50cm〜1m程度で、大きいものでは1.5mほどにもなります。枝分かれした枝が横に広がって、線が細く目立たない割にはそれなりの空間を占めます。枝の出る角度がホウキギクの場合は「30度〜60度」、ヒロハホウキギクの場合は「60度〜90度」といわれています。雑種や他の種をとりあえず置いといて、この2つで迷った場合、横に大きく広がった形になっていればヒロハホウキギク、全体が細くまとまっていたらホウキギクの可能性が高くなるでしょうね。

葉は互生。まばらな感じでつきます。幅は0.8mm〜2.5cmとホウキギクよりは広めですが、上部の葉だと小さく細いので、この点だけでは難しいこともあります。開花期には下部の葉が枯れていることも多いですし。葉の基部はほとんど茎を抱かず、葉柄が見られることも。

今回の写真のものはちょっとだけ残っていた下部の枝の葉を見ると、幅が狭くて付け根から先までの幅がほとんど変わらないので、この部分はホウキギクの特徴になっています。しかし、枝が横広がりであることと開花期の冠毛が短いことでヒロハホウキギクとしています。ヒロハホウキギクの葉は本来なら付け根と先が細くとがって中央部分が幅広くなるはずなんですがね。

ヒロハホウキギク Aster subulatus var. sandwicensisヒロハホウキギク Aster subulatus var. sandwicensis


花期は8月〜10月。直径は7mm〜9mm。ふつう「冠毛」は頭花の中心にある「筒状花(管状花)」より短くて、よく見ればちょっとだけ筒状花の間からのぞいているというくらいです。開花期にはほとんど目立ちません。これに対して、ホウキギクの方は冠毛が筒状花より長くて、開花期にもよく見えます。ヒロハホウキギクの周辺部にある「舌状花」は、淡い紫色。総苞は細長い筒状で、総苞片は先のとがった線形で総苞にはりついています。

筆者の近所のヒロハホウキギクは、道路脇のコンクリート壁のわずかな隙間に生育しています。ススキやヨモギ、セイタカアワダチソウ、ノコンギクもすぐ近くに生えているのですが、どういうわけだか、他の植物がみんな道路脇の平たい部分に生えているのに、このヒロハホウキギクは平たいところにはなくて、壁の隙間から出ていました。

【和名】ヒロハホウキギク [広葉箒菊]
【学名】Aster subulatus var. sandwicensis
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/09/17、2005/09/29
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月24日

ヤマミズ

ヤマミズ Pilea japonica


ヤマミズは、本州関東より西の地域、四国、九州に分布し、山地の林の中の湿り気の多い場所に生育する一年草です。日本のほか中国や朝鮮半島にも分布するそうです。イラクサ科ミズ属(Pilea)の植物で、同じ属の「アオミズ (Pilea pumila)」よりも小型。属は違いますが春に咲く「カテンソウ (Nanocnide japonica)」をもっと地味にした感じかな。

草丈は10cm〜20cmほど、全体にヒョロヒョロと弱々しい感じで、茎は地面に倒れぎみ。下部の地面についた部分の節からは根をおろします。茎は全体に毛はなく、赤っぽくなっていることが多いです。茎の途中の節から短めの枝が少し出ます。

葉は対生。長さは1cm〜3cmくらいの卵形で、先は少し尾状にとがります。縁のギザギザ(鋸歯)は粗く、細長い葉柄があります。鋸歯の数は片側で5コ前後。質は薄くて、とても細かい毛が生えています。

ヤマミズ Pilea japonica


花期は9月〜10月。茎の先や上部の葉の脇(葉腋)から、細い柄を出してその先に、直径数ミリの塊となって小さな花がつきます。色は淡い緑色。その塊の中に雄花と雌花が密についています。雄花の方は雄しべが4本、花被片は4枚、雌花には細長い5枚の花被片があります。雄花と雌花の花被片の数が違うんですね。雌花の花被片は、果実の時期には、果実の周りを取り囲む形になります。その花被の間に挟まれたようにできる果実は、平べったい卵形で、濃いめの褐色。肉眼では、花序(果序)の中に小さくて黒っぽいプツプツが見える程度です。

【和名】ヤマミズ [山みず]
【学名】Pilea japonica
【科名】イラクサ科 URTICACEAE
【撮影日】2005/10/23
【撮影地】神奈川県

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2005年10月21日

コシロノセンダングサ

コシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minorコシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minor


コシロノセンダングサは、暖帯〜熱帯にかけて広く分布する一年草です。日本で最初に確認されたのは、江戸時代の末期のことだとか。現在では道端や荒れ地などで見られます。キク科センダングサ属(Bidens)の植物で、「コセンダングサ」の変種として扱われています。

草丈は50cm〜1.2mくらいになります。茎には短毛が生えています。葉は対生。ふつう3枚〜5枚の小さな葉に分かれています。たまたま見かけた個体では小さな葉に分かれていない葉もつけていました。両面には細かい毛があって、縁の鋸歯(ギザギザ)の先はとがっています。

コシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minorコシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minor


花期は9月〜11月。頭花は直径2cmほど。葉状になった総苞片や花柄には毛が目立ちます。中央の黄色い「筒状花(管状花)」はほとんどが両性で結実します。

中央部には周辺部には白色の「舌状花」が4個〜7個あります。花びら状に見えている部分の長さは5mm〜7mm程度。といいますが、大きさはかなり変異の幅が大きいようです。そしてその舌状花は雄しべ、雌しべが退化していて「そう果」ができません。この舌状花がまったくないのが、コセンダングサで、花びら状の舌状花があるのがコシロノセンダングサ。そして、外側の筒状花が舌状花になりかけたような中間的なものは両者の雑種と考えられています。「Bidens pilosa var. intermedia」という学名もあるようですが、どうなんでしょう。

コシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minorコシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minor


筆者の近所のごく狭い範囲では、ごく小さな舌状花が見られるタイプから、一番外側の筒状花が白っぽく少し大きめになったようなタイプが多いです。まったく舌状花らしきものが見られないコセンダングサはちょっと少なめ。コシロノセンダングサっぽいタイプの方がちょっと大めって感じです。なんとなく雑種群となっている感じがするので、あえて区別しなくてもいいのかなという気もしますが、コシロノセンダングサか両者の雑種かその判断基準は、白くなっている「小花」が筒状花なのか舌状花なのかということかなぁと思っています。いかがでしょうか。

細長い果実は「そう果」で、長さは5mm〜1.2cmくらい。4つの「稜」があってちょっと角ばっています。先端のトゲは3本〜4本、または2本。そのトゲの部分にはさらに小さな下向きのトゲがあります。そう果本体の方にも細かいトゲがありますが、こちらは上向きに生えています。このようなトゲによって動物の体などにくっついて種子が散布される、「ひっつきむし」の1つです。

【和名】コシロノセンダングサ [小白の栴檀草]
【学名】Bidens pilosa var. minor
【別名】シロバナセンダングサ、シロノセンダングサ
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/10/20
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月20日

ナガエコミカンソウ

ナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellusナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellus


ナガエコミカンソウは、アフリカやインド洋のマスカレーヌ諸島が原産といわれるトウダイグサ科コミカンソウ属(Phyllanthus)の小低木または一年草です。日本では近年になって温室以外の野外で生育しているのが確認されたものです。同じころ、異なる場所で発見されたものに別々に名前がつけられていましたが、現在では「ブラジルコミカンソウ」の方は別名として扱われています。その後は関東〜九州、沖縄の各地で認められ、特に都市部の道端に多く見られるといいます。その広がり方はかなり急速なものなのだとか。

草丈は10cm〜大きいものでは50cmほどに達します。茎は全体に毛はなく、やや赤みを帯びていることも多いです。まっすぐに伸びた茎から水平方向に枝を出します。枝は互生。その枝には長さ1cmほどの小さな葉がたくさんついています。葉は互生ですが、遠めにはマメ科に見られるような「羽状複葉」のように見えます。

葉は丸っこい広卵形ですが先端はちょこっととがっています。両面ともに毛はなく、縁のギザギザ(鋸歯)もありません。裏面は表面より薄い色で少し白っぽい。葉柄はごく短いもので、パッと見にはないように見えます。

ナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellusナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellus


花期は夏〜秋にかけてが主なのだと思いますが、温度が保たれれば通年開花可能なようですね。日本では今のところ一年草ですが、熱帯では低木状で過ごすそうですし。葉の脇(葉腋)に直径は2mmくらいの小さい花をつけます。1つの節につく花は1個〜数個です。花には5mm程度の柄があります。色は淡い黄白色。花の柄は付け根の方が赤っぽい。

花は雌雄異花、つまり雄花と雌花が別々の花で、雌花は長めの柄で葉の上に乗っているような感じで開き、雄花は短い柄で葉の脇の下の方についてよく見えない感じ。

果実は直径2mmくらいの小さなもの。表面は滑らかです。果実の柄は、よく似たこの仲間の中では長い方。同じ属のよく似た在来種「コミカンソウ (Phyllanthus lepidocarpus)」の果実は、柄が短く表面に赤褐色の突起があって下向きに並んでつきます。「ヒメミカンソウ (Phyllanthus ussuriensis)」の場合は、ナガエコミカンソウと同じように表面は滑らかですが、短い柄で下向きに並んでいます。そして葉の幅が細いです。

【和名】ナガエコミカンソウ [長柄小蜜柑草]
【別名】ブラジルコミカンソウ
【学名】Phyllanthus tenellus
【科名】トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE
【撮影日】2005/10/20
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月19日

ヤマボウシ

ヤマボウシ Benthamidia japonica


ヤマボウシは、日本国内では本州、四国、九州に分布し、山野のやや湿り気のある場所に生育しています。朝鮮半島や中国にも分布しているそうです。ミズキ科の落葉高木で、高さは5m〜15mくらいになり、枝は水平にのびます。樹皮は灰色っぽいようなちょっと赤っぽいような褐色で、成木になるとやや円形に不規則に剥がれて斑模様になります。「ハナミズキ」の場合だと、亀裂が入る感じの樹皮になります。

葉は対生ですが、短い枝(短枝)の先に何枚も集まってつくことが多いです。長さは5cm〜10cmくらい、幅は5cm前後で丸っこい卵形。縁にギザギザ(鋸歯)はなく、ウネウネと細かく波打ちます。葉をひっくり返ると、葉脈の付け根のあたりに茶色っぽい毛が生えていることがあります。葉脈はよく目立ち、4対〜5対ある「側脈」は、葉先の方に向かって緩やかなカーブを描いてのびています。葉柄は短めで5mm程度。

ヤマボウシ Benthamidia japonica


花期は5月〜7月。白くて花びらのように見えるのは「総苞片」です。いわば花を保護する役目のもの。総苞片は4枚あって先がシャープにとがっています。長さは5cm前後。実際の花は小さくて中心部に球状に集まっています。花の数は20個〜30個くらいです。ヤマボウシという名前は、この球形の頭状花序を僧侶(山法師)の頭に、それより下の部分から出ている白色の総苞片を頭巾に見立てたものだといいます。

1つ1つの花は5mm程度のもので、ちゃんと「花弁」があります。花弁は黄緑色でやはり数は4枚、雄しべは4本、雌しべは1本だけ。ガクも4つあるのですがほとんど目立ちません。

「アメリカヤマボウシ」または「ドッグウッド」とも呼ばれる「ハナミズキ」の方は、近年、都市部の街路樹に多く利用されているほか庭のシンボルツリーとしても人気の高いようですね。こちらの方は、同じように4枚ある「総苞片」の先がくぼんでいるので、見分けられると思います。

花の時期、中心部に見えていた緑色の小さな球状の部分が大きくなって果実になります。果実は直径1.5cnほどで、各花がくっついてできた「集合果」です。秋、9月〜10月には赤く熟して、見た目はゴツゴツですが食べられます。このゴツゴツの様子が桑の実にも見ているということで、別名を「ヤマグワ」とも言うそうです。花は長い柄によって葉よりも上に突き出して咲きますけれど、果実はというと、熟すまでは上向きについていますが、次第に写真のようにぶら下がってくるようですね。でもそのまま上向きのこともあるかな。

【和名】ヤマボウシ [山法師]
【別名】ヤマグワ
【学名】Benthamidia japonica (Cornus kousa)
【科名】ミズキ科 CORNACEAE
【英名】Japanese strawberry tree
【撮影日】2005/09/29
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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2005年10月18日

ネズミガヤ

キダチノネズミガヤ Muhlenbergia ramosa
キダチノネズミガヤかもしれないタイプ

ネズミガヤは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野のちょっとした草地に生育する多年草です。イネ科ネズミガヤ属に分類されているのですが、実はこの属の数種、よく似ているんですよね。ネズミガヤのほかに、「キダチノネズミガヤ」、「コシノネズミガヤ」、「オオネズミガヤ」などです。今回の写真のものは、今のところ、ネズミガヤとキダチノネズミガヤではないかなと思っていますけど、どうでしょうね。

茎(稈)は細くてやや斜めに立ち上がることが多く、草丈は15cm〜30cmほど。ふつう茎の下の方では地面をはって地面についた部分の節からは根を下ろします。葉は細長い線形で、質は薄くやわらかいです。長さは5cm〜10cmくらい、幅は細くて5mmあるのかなってぐらい。

ネズミガヤ Muhlenbergia japonicaネズミガヤ Muhlenbergia japonica
ネズミガヤのタイプ

花期は8月〜10月。花のつく穂の部分は長さ10cm前後、ややまばらに枝をつけて「小穂」もあまり密集する感じではないです。小さめの円錐形の花序はやや先が垂れ下がり気味で、サラサラと涼しげな印象です。小穂は長さ3mmくらいしかありませんが、「芒(のぎ)」は5mm〜8mmです。細長い糸状のものが芒で、「外花頴(がいかえい)」というところから出ています。苞頴や護頴は半透明の膜のような感じで灰色っぽいですが、芒は紫色っぽいです。

外花頴は「護頴(ごえい)」ともいいますが、イネ科の小穂の一番外側にある2枚の「苞頴(ほうえい)」の次に外側にあるもので、「内花頴」とともに「雄しべ」、「雌しべ」などを包んでいる部分です。そして外花頴より内側のものが1セットになったものが「小花」です。ネズミガヤの場合、1つの小穂に小花は1つだけ。

キダチノネズミガヤ Muhlenbergia ramosa
キダチノネズミガヤタイプ
稈の上部
ネズミガヤ Muhlenbergia japonica
ネズミガヤタイプ
小さい苗の状態


写真が入り乱れてわかりにくいですが、ネズミガヤタイプとしているものは苞頴の先がとがっていること、その長さは小花の3分の2くらいはあるということで、ネズミガヤとしています。ちょっと雄しべの「葯」がでっかいような気もしますけれど。また、キダチノネズミガヤタイプとしているものも、小穂の様子などは、ネズミガヤタイプとしたものとそう変わらないのですが、稈が途中でやや密に枝分かれしている感じがあったので、キダチノネズミガヤ(Muhlenbergia ramosa)かもしれないなと思います。

ちなみに、オオネズミガヤの場合は、稈がほとんど枝分かれせず直立して、苞頴の先がとがらないはずです。なかなか難しいですのう。

【和名】ネズミガヤ [鼠茅]
【学名】Muhlenbergia japonica
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/02、2005/09/19
【撮影地】東京都日野市、八王子市

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2005年10月15日

ルリマツリ

ルリマツリ Plumbago auriculata


ルリマツリは、南アフリカ原産の常緑小低木です。イソマツ科ルリマツリ属(プルンバゴ属 Plumbago)の植物で、その属の学名から単に「プルンバゴ」あるいは、「プルンパーゴ」などとも呼ばれています。アフリカ原産だけあって、耐暑性には優れていて、日本の真夏でもよく開花しています。花色は淡い青色で、猛暑の中で開く涼しげな色で人気が高いようです。冬は屋外だと落葉してしまうようですが、それなりの耐寒性もあるそうですね。温度が確保できれば常緑で越冬できるようです。

細長い茎をのばして、つる状になります。ちょっと無造作な感じでよく枝分かれして、高さは50cmくらいから2m近くになります。最近は高さが30cmくらいの矮性の品種もあるとか。葉は楕円形で長さは3cm〜10cm程度。ベランベランと大小集まってつく感じ。先はとがらず丸っこい。

ルリマツリ Plumbago auriculataルリマツリ Plumbago auriculata


花期は長くて、5月〜10月ごろまで次々に開花します。茎の上部や葉の脇(葉腋)に、短かめの穂状の花序ができて、そこに細長い「高杯形」の花を数個つけます。花序は長くなるタイプもあるようですね。直径は2cm〜3cm程度で、花冠は5つに裂けていて、各裂片の先の方は幅が広くなっています。平たく開いた花冠裂片の下部には細長い花筒が続き、その下部にはガクがあります。花色は淡いブルーのほか、白色もあります。

ちなみに「ルリマツリ」という名前は、「ジャスミン(マツリカ)」に似ていることからつけられたそうです。高杯形の花冠の花は、サクラソウ属なんかでも見られますが、花だけ見ていると、雰囲気は「フロックス (オイランソウ)」にも似ているところがありますね。でもフロックスは「ハナシノブ科」でまったく違う植物。

ルリマツリ。実はガクの部分に注目です。「メナモミ」、「コメナモミ」などと同じようにガクの部分には、モウセンゴケのような「腺毛」があるんです。果実にはトゲはありませんが、その腺毛から出る粘液によってくっつく「ひっつきむし」の1つです。この粘液は花が咲いているときから出ています。

南アフリカの原産。どんな動物にくっつくのでしょうね。自生しているところ見てみたいです。

【和名】ルリマツリ [瑠璃茉莉]
【別名】プルンバゴ、プルンパーゴ
【学名】Plumbago auriculata (Plumbago capensis)
【科名】イソマツ科 PLUMBAGINACEAE
【撮影日】2005/10/13
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月14日

ツルマメ

ツルマメ Glycine max subsp. soja


ツルマメは、日本全土に分布し、道端などの草地に生育するつる性の一年草です。茎には毛がたくさん生えていて、その毛は下向きです。葉は3小葉からできていて、1つ1つの小葉は、先のとがった披針形〜幅の狭い卵形。長さは2cm〜大きいものでは10cm近くになります。幅は狭くて1cm〜3cmくらいです。葉にも毛がたくさん生えています。

花期は8月〜9月。葉の脇(葉腋)から出た小さな総状花序に、数個、ポチョポチョっと小さな花をつけます。長さ5mm程度の紅紫色の「蝶形花」。小さいながらも紅紫色の丸い「旗弁」が目立ちます。といっても、葉の陰に隠れるような感じで咲くので、気づきにくいですね。ツルマメはとにかく毛が多くて、花の柄の部分や、ガク、果実のサヤにも毛がたくさんあります。似たような場所にも生える「ヤブマメ」は、細長い筒状の蝶形花ですが、ツルマメの筒は短くてガクの部分も短いです。

果実は長さ2cm〜3cmくらいの「豆果」で、表面には褐色の毛が密生しています。中にできる種子は2個〜3個ほどです。ちょっとダイズに似ていますが、それもそのはずで、ツルマメは、「ダイズ (Glycine max subsp. max)」の原種だといわれています。花も似ていますが、パッと見の姿はちょっと違うかな。ダイズの方は茎が立ち上がりますが、ツルマメの場合は細長いい茎がつるになって絡みつきます。栽培種のダイズ、あるいは遺伝子組み換えダイズとも交雑が可能だということもあって、注意していきたいと思います。

今回の写真の場所、狭い範囲にいろんなつる植物があってもう大変な状態です。マメ科だとノササゲとヤブマメもあるし、エビヅル、へクソカズラ、ヤブガラシ、オニドコロ。。。特に同じマメ科だとどれがどれの葉っぱだか、果実だかって状態でした。でも、真夏のころに比べると、このつる植物たちの楽園も静かになってきたなぁ。最後まで見届けたいけれど、もうそろそろ草刈が行われそう。

【和名】ツルマメ [蔓豆]
【学名】Glycine max subsp. soja
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影日】2005/10/13
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月13日

コブナグサ

コブナグサ Arthraxon hispidus


コブナグサは、北海道、本州、四国、九州に分布し、道端や田の周辺などのやや湿り気のある草地に多い一年草です。イネ科コブナグサ属(Arthraxon)に分類されています。草丈は多くの場合、20cm程度と小さいですが、よく枝分かれして、しばしば30cm〜50cmくらいに達します。時おり草刈が行われるような公園の脇などの草地によく群生しています。

コブナグサ Arthraxon hispidusコブナグサ Arthraxon hispidus


葉はちょっと幅の狭い卵形で、先はとがっています。逆に付け根の方は丸っこくなって茎を抱きこみます。その丸っこくなっている形を「心形」といいます。長さ2cm〜5cmくらい、幅は1cm〜2cm程度。葉の縁や「葉鞘」の部分には、長めの毛が生えていて、それがよく目立ちます。縁にギザギザはありませんがウネウネと波打っています。ちなみに、「コブナグサ」という名前は、この葉の形を魚の「フナ」に見立てたものだそうです。コブナといえば、童謡の「ふるさと」を思い出しますね。

花期は9月〜11月。茎の先や葉の脇から、放射状に花序の枝を出します。枝の数は数本〜十数本くらい。花序が開いた様子は、小さな花火や子供のころあや取りで作ったホウキを思い出しますが、雨上がりなんかに見ると花序が閉じていて、同じものに見えなかったりします。

コブナグサ Arthraxon hispidusコブナグサ Arthraxon hispidus


小穂は5mm前後。色はちょっとさえない感じの淡い白っぽい緑色または褐色です。その小穂のつけ根のあたりにはごくごく小さな突起があるのだそうですが、ルーペで見てもよくわかりません。その突起というのは、柄のある小穂が退化したためにとげのような突起が残ったものだと考えられたいます。ふつうだと2つ対になっているはずのものが、柄のない方だけ残って節に1つずつ小穂がついているように見えているといいます。

日本以外にも広くアジアに分布するコブナグサは、いろいろと変異が多くて、芒はあったりなかったり。種内の分類群もいくつか認められています。しかし、このちょっと地味なイネ科の植物、八丈島ではあの「黄八丈」の染料に用いられているそうなんですよね。

【和名】コブナグサ [小鮒草]
【別名】カリヤス [刈安]
【学名】Arthraxon hispidus
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/13
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月12日

ヤブマメ

ヤブマメ Amphicarpaea bracteata subsp. edgeworthii  var. japonica


ヤブマメは、日本全土に分布し、道端の草地や林縁部などに生育するつる性の一年草です。日本以外にも朝鮮半島や中国にも分布しているそうです。ヤブマメという名前は、文字通り藪のようなところに生えるマメというところからきています。道路や人家近くの植え込みの中で、他のものにからみついているのがよく見られます。茎には毛がたくさん生えています。

葉は3つの小葉できていて、同じマメ科の「クズ」をずっと小さくしたような形です。1つ1つの小葉は、長さ3cm〜5cmくらいで幅の広い卵形をしています。先はとがらず丸っこい。両面ともに毛が多く生えています。

花期は9月〜10月。葉の脇から細い柄をのばして、数個の花をつけます。花は白と淡い紫色の細長い筒状の「蝶形花」。特に一番大きい「旗弁」は紫色の部分が多く、「翼弁」や「竜骨弁(舟弁)」は、ほとんど白色か先だけほのかに紫色になります。ガクも少し紫色っぽくなっていることもあります。また、ヤブマメはふつうに開花して結実する「開放花」のほかに、開かずに結実する「閉鎖花」もつけることが知られています。しかも、その閉鎖花というのは「地下茎」につくというので珍しいですが、地上にも閉鎖花による豆果ができます。

ヤブマメ Amphicarpaea bracteata subsp. edgeworthii var. japonica


開放花や地上の閉鎖花によってできた果実、「豆果」は平べったくて、長さは2cm〜3cmほど。毛が多く中にできる種子は3つ程度で小さめです。一方、地下の閉鎖花によってできた果実は、丸っこくて白く、中にできる種子は大きめのが1個だけ。地上部を見ているだけではふつうのキヌサヤみやいな豆果しか見られませんが、地中に入っていく茎を探して、ちょっと掘れば地下の閉鎖花の果実も見つかるはず。

つまり、3つのタイプの繁殖様式を持つことで、確実に次世代を残せる仕組みになっているわけです。開放花によって、種子をつくることで遺伝的に多様性を持たせ、また種子を離れた場所へ移動させるチャンスがうまれます。地上の閉鎖花でできたものは多様性はないですが、種子を確実に得ることにおいては有効です。また、地中の閉鎖花によって種子をつくることで、自分と同じ遺伝子を持つ次世代を同じ場所に残せる可能性が高くなります。ヤブマメは次世代を作るのにとても念入りなんですね。

【和名】ヤブマメ [藪豆]
【学名】Amphicarpaea bracteata subsp. edgeworthii var. japonica
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影日】2005/10/02
【撮影地】東京都八王子市

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2005年10月06日

オオガンクビソウ

オオガンクビソウ Carpesium macrocephalum


オオガンクビソウは、北海道と本州中部以北に分布し、山地の林内などに生育する多年草です。茎や葉には毛が多く、草丈は50cm〜1mほどになります。キク科ヤブタバコ属の植物です。同属の植物は身近なところにもよく生えていて、夏から秋にかけてよく花をつけていますが、いずれもいわゆる「花びら」がないので、目立つ存在ではないかもしれませんね。

葉は互生。卵状楕円形で、先はちょっととがっています。根生葉や茎の株の葉は非常に大きく、長さは30cm〜40cmほどです。質は薄めでべラーッとして柔らかい感じ。縁のギザギザ(鋸歯)はちょっと不規則な「重鋸歯」になっています。明瞭な葉柄はない感じで、葉身がビロビロと翼状になって付け根まで流れる状態です。

また、根生葉はふつうは花の時期には枯れてしまいます。今回は生育が遅れたものなのか、すでに来年用のものなのか、開花しなかったから残っていたのかはわかりませんが、開花個体のすぐそばに根生葉状態のものも見られました。

オオガンクビソウ Carpesium macrocephalumオオガンクビソウ Carpesium macrocephalum


花期は8月〜10月。ある程度分枝した茎の先に大きめの頭花をつけます。オオガンクビソウの頭花は、同属の中でも特大クラス。開花期には頭花が上を向いていることも多いようですが、果実の時期には点頭します。頭花のつけ根には、苞葉がたくさんあって、それがよく目立ちます。総苞は幅が広く高さの低いお椀形。お椀の高さ(長さ)は1cm程度。直径は3cmほどにもなります。総苞片は苞葉を小さくした感じ。

キク科の花なので、1つの花に見えている部分にはたくさんの「小花」が集まっています。その小花はすべて「筒状花(管状花)」で、ふつう花びらに見える「舌状花」はありません。緑の苞葉が花びらのようにも見えますけれど。

オオガンクビソウ Carpesium macrocephalumオオガンクビソウ Carpesium macrocephalum


果実は「そう果」で、長さ5mm〜6mmの円柱状。先は細長いパイプのような果実です。また、タンポポのような「冠毛」はなく、粘液を出してネバネバと粘着して動物などによって運ばれます。トゲではなく粘液によってくっつくタイプの「ひっつきむし」の1つです。

Carpesium macrocephalum

【和名】オオガンクビソウ [大雁首草]
【学名】Carpesium macrocephalum
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/10/02
【撮影地】東京都八王子市

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