2005年10月05日

秋の七草

10月ともなれば、野山は多くの秋の花でにぎわっています。その秋の花の中でも、特に日本の秋を象徴するものとして、よく「秋の七草」があげられますが、この秋の七草、現在の野山では数の少ないものもあるし、それに秋真っ只中の植物というよりは、夏のイメージがあったりして、ちょっと季節はずれの感もあります。 その秋の七草は、古く万葉集の「秋の野の花を詠める二首」に登場した7種類の植物のことですけれど、何はともあれ、秋には秋の七草を愛でるというのも自然な流れなのかもしれませんね。
秋の野に咲きたる 花を指折り かき数ふれば 七種の花

萩の花尾花葛花 なでしこの花 女郎花また藤袴 朝貌の花

(万葉集 山上憶良)

いろいろと諸説あるのは、やっぱり「朝貌の花」。夏の朝を涼しく彩るヒルガオ科の「アサガオ」は、万葉集に詠まれた時代よりも後になって渡来したとされ、「朝貌」は「キキョウ」だとする説がもっとも一般的。そのほか、「ヒルガオ」や「ムクゲ」も候補にあがっているとか。また、「尾花」はススキの別名でもあります。「〜ナデシコ」という名前の植物はいろいろありますが、単にナデシコといったら「カワラナデシコ」のことをさすことが多いでしょう。「〜ハギ」という名前のハギもたくさんありますが、単に「ハギ」という名のハギはなく、ハギの仲間の総称。

萩の花→(例)ミヤギノハギ [宮城野萩]
ミヤギノハギ Lespedeza thunbergii 本州の山野に自生するが、植栽されることが多い。よく枝垂れる。
【花期】7月〜9月
【学名】Lespedeza thunbergii
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影】2005/09/19 東京都日野市(植栽)



尾花ススキ [薄、芒]
ススキ Miscanthus sinensis 日本の秋の野の代表的存在。写真は出穂してすぐのころ。
【花期】8月〜10月
【学名】Miscanthus sinensis
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影】2005/09/29 東京都日野市



葛花クズ [葛]
クズ Pueraria lobata 大型のツル植物で茎が太く木質化。葉痕は何かの顔のよう。
【花期】7月〜9月
【学名】Pueraria lobata
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影】2005/04/19 東京都日野市

関連記事→クズクズ(No.2)


撫子の花カワラナデシコ [河原撫子]
カワラナデシコ Dianthus superbus var. longicalycinus 山野の日当たりのよい場所に生える多年草。淡い紅紫色の花弁の先が細かく裂けて優雅なもの。
【花期】7月〜10月
【学名】Dianthus superbus var. longicalycinus
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影】2004/09/16 山梨県



女郎花オミナエシ [女郎花]
オミナエシ Patrinia scabiosifolia 黄色の小さな花が平らな散房花序につく。茎の色が黄色っぽいことも。
【花期】8月〜10月
【学名】Patrinia scabiosifolia
【科名】オミナエシ科 VALERIANACEAE
【撮影】2004/09/23 山梨県

関連記事→オミナエシオトコエシ


藤袴フジバカマ [藤袴]
フジバカマ Eupatorium japonicum 花序はやや平らな感じの散房状。ヒヨドリバナの仲間。写真はまだ蕾。
【花期】8月〜9月
【学名】Eupatorium japonicum
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影】2004/09/19 東京都日野市(植栽)

関連記事→マルバフジバカマヒヨドリバナ


朝貌の花キキョウ [桔梗]
キキョウ Platycodon grandiflorus 写真は矮性の園芸品種の1つ。果実は「さく果」
【花期】7月〜9月
【学名】Platycodon grandiflorus(野生種の学名)
【科名】キキョウ科 CAMPANULACEAE
【撮影】2004/09/19 東京都日野市(植栽)



並べてみると、やっぱり、秋の七草といっても、咲いているのは秋だけとは限らないものも多いですよね。キキョウやフジバカマ、オミナエシ、カワラナデシコ、クズは秋にも咲くけれど夏にも咲いています。ハギの仲間はとても種類が多く、夏から秋にかけて開花するものが多いですが、ヤマハギは6月ごろから咲き始めます。ススキは確かに秋のイメージが強いかな。また、キキョウ、オミナエシ、フジバカマは野生の状態のものは、どこにでもあるというわけではなく稀なもの。カワラナデシコもそれほどふつうに見られるものではなくなっていると思います。

ところで食欲の秋といいますが、七草として詠まれた植物は、春の七草が食べることがメインなのに対して、秋の七草は食用になるのは「クズ」くらいで、観賞することがメイン。芸術の秋ということでしょうかね。

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2005年10月04日

ハグロソウ

ハグロソウ Peristrophe japonica var. subrotunda


ハグロソウは、本州の関東以西や四国、九州に分布し、山地のやや暗めの林縁部などに生育する多年草です。日本以外では朝鮮半島や中国に分布しているといいます。キツネノマゴ科ハグロソウ属の植物ですが、茎は四角形で、二唇形の花をつけるので、パッと見はシソ科の植物に似ているような感じがします。でも、シソ科だと「子房」の部分が4つに分かれるのですが、ハグロソウはそうならないところが大きな違いです。

草丈は20cm〜50cmほどで、茎は少し枝分かれします。茎や葉には毛が生えています。葉は対生。先のとがった長い楕円形〜披針形で、濃く暗めの緑色。長さは3cm〜10cm、幅は1cm〜2cm程度。葉柄は短めで1cm以下。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。色は濃いのですが、質は薄くてちょっとペラペラ感があります。

ハグロソウ Peristrophe japonica var. subrotundaハグロソウ Peristrophe japonica var. subrotunda


花期は9月〜10月。枝の先や上部の葉の脇(葉腋)から、2枚の苞つきの花柄をのばして、その間に1つずつ紅紫色の花をつけます。緑色の苞は幅の広い卵形で葉っぱのようです。それが非常に特徴的で、よく目立ちます。開花すると、この2枚の苞の間からペラッ、ペラッと2枚花びらが上下に広がります。花冠は「二唇形」なので、この2枚は基のほうでつながっています。上下を比べると、下唇の方がちょっと幅が広くて大きいです。そして上唇の方がより外側に反り返っています。

花冠の内側には濃い紫褐色の斑紋があります。雄しべは2本、雌しべは1本で、雄しべは下唇のに沿う感じで、雌しべの方はやや前方に突き出す感じでのびています。花冠の外側や苞には細かい毛がたくさん生えています。苞の間には小さなガクもあります。

果実は「さく果」で、長さは1cm程度。熟すと2つにパカッと裂けます。苞は果実の時期にも残っています。やっぱり、この苞が一番の目印だなぁと思うのでした。

【和名】ハグロソウ [葉黒草]
【学名】Peristrophe japonica var. subrotunda
【科名】キツネノマゴ科 ACANTHACEAE
【撮影日】2005/10/02
【撮影地】東京都八王子市

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キツネノマゴ

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レモンエゴマ

レモンエゴマ Perilla citriodora


レモンエゴマは、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の林縁などに生育する一年草です。シソ科シソ属の植物で、食用のいわゆる「シソ」と同じ属です。というよりも、「アオジソ」はこのレモンエゴマの栽培種といわれているようです。レモンエゴマという名前は、同じ属で果実から油を採る「エゴマ (Perilla frutescens var. frutescens)」に似て、全体にレモンのような香りがあることからきています。

草丈は30cm〜70cmほど。茎には白い軟網が密生しています。葉は対生。長さ5cm〜12cmほどの幅の広い卵形です。葉柄は上部ではやや短くなりますが、下部の葉では10cmくらいあります。縁にははっきりとした鋸歯(ギザギザ)があります。そして、表面の葉脈上には細かい軟毛が生えていて、パッと見にもちょっと白っぽい。裏面には腺点があります。

レモンエゴマ Perilla citriodoraレモンエゴマ Perilla citriodora


花期は8月〜10月。枝の先や葉の脇(葉腋)から長さ5cm〜15cmほどの花序をのばして、たくさんの花をつけます。咲き始めのころは花序がつまった感じで、花は密についています。花冠は長さ5mm程度の「唇形花」で、白色〜淡い紅紫色。

ガクは上唇と下唇に分かれる二唇形。花の時期には長さ4mmほどです。ガクの部分にも軟毛が密生していて、それがとてもよく目立ちます。ガクは花が咲いているときよりも、果実の時期には特に付け根の方がふくらんで大きくなります。その状態で長さは8mmくらいです。花序の長さも果実の時期にはより長くのびています。また、花の柄の付け根にはヒラヒラと小さな苞があって、丸みのある三角形をしています。

果実は「分果」で、1つのガクの筒の中にふつう4つできます。1つの分果は直径1.5mmくらいの小さな球形です。

【和名】レモンエゴマ [檸檬荏胡麻]
【学名】Perilla citriodora
【科名】シソ科 LABIATAE (LAMIACEAE)
【撮影日】2005/10/02
【撮影地】東京都八王子市

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2005年10月03日

コメナモミ

コメナモミ Sigesbeckia glabrescensコメナモミ Sigesbeckia glabrescens


コメナモミは、日本全土に分布し、山野の道ばたや荒れ地などに生育する一年草です。林道の脇なんかにもよく見られます。草丈は30cm〜1mほど。どことなくセンダングサの仲間に似ているところもありますが、キク科メナモミ属(Sigesbeckia)の植物で、センダングサ類とは属が違います。

同属の「メナモミ (Sigesbeckia pubescens)」とはよく似ていますが、メナモミに比べると、全体的に小柄で、スレンダーな印象です。そして、見分けるポイントは2つあります。まずは、茎の毛が細かいことがポイントです。コメナモミの茎や葉にはごく細かい毛が生えているので、ちょっと白っぽく見えます。メナモミの場合は毛が長くて開出、つまり、横に伸びでています。それで、白っぽくケバケバに見えます。コメナモミの方は短毛が開出せずに伏せた状態です。

しばしば、茎は紫褐色を帯びて、葉は対生。葉は長さ5cm〜10cmくらいの卵円形。先はとがっています。特に3本の葉脈が目立ち、縁のギザギザ(鋸歯)はちょっと不規則です。付け根の方は葉柄の部分に流れる感じ。

コメナモミ Sigesbeckia glabrescens


花期は9月〜10月。頭花は黄色で、周辺部に小さな花びらに見える「舌状花」、中央部には「筒状花(管状花)」があります。舌状花の先はふつう3つに裂けています。その黄色の部分を取り囲んで緑色の部分がありますが、そこはモウセンゴケの葉のように腺毛がたくさん見られて、結構にぎやかです。といっても、コメナモミの場合は、捕らえた虫を消化吸収するわけではないでしょうけど。その緑の部分には、細長い5枚の「総苞片」と小花を包む「鱗片」があるのですが、いずれも腺毛がたくさん生えて粘ります。

また、頭花を見るときは、花柄に注目します。ここに腺毛があるかないかが2つ目のポイントです。メナモミの花柄には、腺毛がたくさん生えていますが、コメナモミの花柄には腺毛がありません。また、果実は長さ2mmほどで、腺毛のある鱗片に包まれています。タンポポの綿毛に当たる「冠毛」はなく、腺毛から出る粘液によって、動物の体などにくっついて運ばれます。

この果実は、オナモミ類に代表されるようなカギ状のトゲでくっつくわけではなく、粘液によってくっつくひっつきむしです。「ノブキ」の果実もトゲではなく粘液でくっつくタイプです。これらをひっつきむしに含めるかどうかは、地域によっても違うかもしれないし、いろいろ考え方があるかもしれませんね。花図鑑のボロボロブログ!の場合だと、一応の基準として、以下のようなものを「ひっつきむし」としています。
くっつくための構造をもっていて、動物の体などに付着して運ばれるもの。実際にくっつくする部分が、トゲの場合も粘液の場合も含まれる。
ということで、コメナモミはくっつくための構造として、総苞片や鱗片に腺毛があり、そこから出す粘液でくっつくので、「ひっつきむし」に入れています。

【和名】コメナモミ
【学名】Sigesbeckia glabrescens (Sigesbeckia orientalis subsp. glabrescens)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/10/03
【撮影地】東京都日野市

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フジカンゾウ

フジカンゾウ Desmodium oldhamii


フジカンゾウは、日本では本州、四国、九州に分布し、山野の林内、林縁などに生育する多年草です。日本以外にも朝鮮半島や中国に分布しているそうです。マメ科ヌスビトハギ属(Desmodium)の植物で、草丈は50cm〜1.5mほど、「ヌスビトハギ (Desmodium podocarpum subsp. oxyphyllum)」より全体的に大柄です。茎には毛が生えています。

葉は互生。奇数羽状複葉。同じ属のヌスビトハギやケヤブハギでは、小葉の数が3枚ですが、フジカンゾウの場合は小葉が5枚〜7枚あります。1つ1つの小葉も大きめです。その小葉は長さ10cmほどの長い卵形です。先はちょっととがっています。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。葉柄のつけ根の部分には細長い「托葉」があります。

フジカンゾウ Desmodium oldhamii


花期は8月〜9月。茎の先端とやや上部の葉の脇から長〜い花序をのばして、たくさんの花がつきます。花は柔らかな紅色、長さは8mm〜1cm程度のマメ科の「蝶形花」。ヌスビトハギよりは少し大きめの感じ。花弁はふんわりと開く感じで、全体的に丸みのある優しいげな印象。

果実は「節果」で、小節果は1つのこともありますが、だいたいは2つあってサングラス状態。1つの小節果は逆三角形で長さは1cm〜1.5cmほど。ヌスビトハギよりだだっ広い感じです。種子は1つの小節果に1つずつ入っています。また、ガクから果実の部分までの柄が長くて1cmほどです。果実の表面には細かいカギ状の毛が密生しています。このカギ状の毛によって、動物の体や人の衣服にくっつく、「ひっつきむし」の1つです。

フジカンゾウという名前は、花をマメ科の「フジ」に、葉を漢方薬に用いられる「カンゾウ(甘草)」の仲間にたとえたものだそうです。なので、漢字で書くと「藤甘草」です。

【和名】フジカンゾウ [藤甘草]
【学名】Desmodium oldhamii
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影日】2005/10/03
【撮影地】東京都八王子市

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マルバヌスビトハギ

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2005年09月30日

アレチヌスビトハギ

アレチヌスビトハギ Desmodium paniculatum


アレチヌスビトハギは、マメ科ヌスビトハギ属の植物で、北アメリカ原産の多年草です。最初に日本で採集されたのは1940年のことで、採集地は大阪だったそうです。現在では本州〜沖縄にかけて、道ばたなどの日当たりのよい草地に多く見られます。特に関東以西に多いのだそうです。

茎には毛が多く、よく枝分かれして、草丈は30cm〜1mほどになります。葉は3つの「小葉」からできていて、おおむね細長い披針形。形や長さには変異が多いですが、だいたい長さは5cm〜8cm、幅は2cm〜3cm程度。葉にも細かい毛が密生しています。

アレチヌスビトハギ Desmodium paniculatum


花期は9月〜10月。総状花序に花をつけます。マメ科らしい紅紫色の「蝶形花」で、長さは6mm〜8mmほど。このヌスビトハギの仲間の日本の在来種と比べると、明らかに花が大きくて、いわゆる「ハギ」のような印象です。

アレチヌスビトハギ Desmodium paniculatumアレチヌスビトハギ Desmodium paniculatum


果実は平べったくて、4つ〜6つの節に分かれる「節果」です。ヌスビトハギに比べるとくびれ方が小さいのか特徴。1つ1つの節果は「小節果」といいますが、その長さは7mmくらいです。1つの節の中に1つの種子ができます。

この節果をちょっとよく見ると、表面が白っぽくて、細かい毛に覆われていることがわかります。その毛はとても微細なものですが、先がカギのように曲がっています。果実の表面は細か〜いマジックテープ状態。このカギ状の部分によって、動物や人の衣服にくっつきます。日本の在来のヌスビトハギなどと同じで、これもまた、ひっつきむしの1つなんですね。

【和名】アレチヌスビトハギ [荒れ地盗人萩]
【学名】Desmodium paniculatum
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影日】2005/09/29
【撮影地】東京都日野市

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マルバヌスビトハギ

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キンミズヒキ

キンミズヒキ Agrimonia pilosaキンミズヒキ Agrimonia pilosa


キンミズヒキは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の林縁や草地、道ばたなどに生育する多年草です。バラ科キンミズヒキ属の植物で、草丈は30cm〜80cmほど、上部でよく枝分かれします。全体に長い毛が多いですが、毛の量には個体差があります。

葉は互生。長さ10cm〜15cmほどの「奇数羽状複葉」で、小葉は5枚〜9枚あります。小葉の大きさは大小あって一定ではありません。縁のギザギザ(鋸歯)は、鋭いというほどではないですがそれなりにはっきりと入っています。裏面には黄色っぽい腺点があります。葉のつけに根はよく目立つ大きな「托葉」があります。托葉には切れ込みがあって、縁はギザギザ、茎を囲むようについています。

キンミズヒキ Agrimonia pilosaキンミズヒキ Agrimonia pilosa


花期は7月〜9月。茎の上部で分かれた枝に長い総状花序をつけます。花は花序に密について、下から順に咲き進みます。1つの花の直径は8mm〜1cmくらいです。花弁は黄色の楕円形で、バラ科らしく5枚あります。花柄は短くて1mm〜2mm、花は花序にほとんどくっついた状態でつきます。雄しべは10本前後、雌しべは2本あります。よく似た「チョウセンキンミズヒキ (Agrimonia coreana)」だと、雄しべが20本以上になります。

花の下の部分には筒状の「ガク」があって、倒円錐形、つまり三角の帽子をひっくり返したような形になっています。そのガク筒には毛が多く、果実の時期には筒が大きくなってよく目立ちます。そのガク筒のつけ根には小さな「苞」が2つあって、その苞の先の方にはポツポツポツッと、ほんのちょっと出っ張った部分が3つあります。また、ガク片は5つですが、ガク筒のふちには、「副ガク片」が並んでいて、それがカギ状になっています。

果実は「そう果」で、ガク筒とガク片に包まれた状態で熟し、下向きにつきます。トゲつきのベルが鈴なり状態です。1つ1つの果実の長さは5mmほど、カギ状のトゲ(副ガク片)があって、動物の体や人の衣服にくっつきます。いわゆる「ひっつきむし」の1つです。しかし、この果実の形、変わっていますよね。一体、何の形と例えたらいいのでしょう。

名前の由来は、よくタデ科の「ミズヒキ」に似ていて、色が黄色だからといわれています。確かに花序は長い穂状になりますけれど、太さ、長さ、繊細さなどまるで違う感じです。似ているというのは、あまりしっくりこない感じがしますね。

【和名】キンミズヒキ [金水引]
【学名】Agrimonia pilosa
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/09/29
【撮影地】東京都日野市

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ミズヒキ

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2005年09月26日

ひっつきむしの呼び方マップ

ひっつきむしの呼び方マップをつくろう!
(2005/09/27 update)

先日の「ひっつきむし」の記事には、たくさんの方からコメントをお寄せいただいて、とても感激しております。どうもありがとうございました。どんなふうに呼んでいるのかとか、どんなふうに遊んだとか、いろいろと懐かしいエピソードもお伺いできて、楽しませていただいております。

そこで、これをきっかけに、「ひっつきむしの呼び方マップ」を作ってみようかと思います。具体的には、先日の記事にいただいたコメントを含めて、日本地図に書き加えていきます。そして、この記事でも情報募集させていただきます。よろしかったら、コメント、トラックバック等、ご都合のよい方法でお寄せいただけたらと思います。

■ひっつきむしの代表格:オナモミの1種
オオオナモミ [大巻耳]
オオオナモミ Xanthium occidentale総苞が変化した雌花の「果苞」にカギ状のトゲがある。
【花期】8月〜11月
【学名】Xanthium occidentale
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影】2004/04/23 東京都日野市


また、「うちの地域では、ひっつきむしです。」という場合も、お知らせいただけたらなあと。「ひっつきむし」という呼び方がどれくらい広く浸透しているのかとか、実は他の呼び方のほうが優勢なのかも、なんてことも見えてきたらいいなぁと。ひっつきむし全般でもいいですし、ある1種類についての呼び方でもOKです。特定の種類についてのみの場合は、それを明記してくださいませ。

なお、呼び方マップは、今のところ、画像化して掲載する予定です。お寄せいただく情報は、当然ですがすごく細かい住所である必要はありません。地域、または都道府県など公表可能な範囲で結構です。お願いしておきながら何なのですが、わたしは瞬発力が欠如してますので、実際にマップにするまでには、少々お時間をいただくことになると思います。どうぞ、ゆっくりめで、よろしくお願いします。



■これまでにお寄せいただいた情報

北海道
ひっつきむし…(札幌市)常葉さん「み〜つけた♪

東北
ばかの実…(福島県郡山市)知三朗さん「N家的生活・山と花と日記
バカ…(福島県郡山市)知三朗さん「N家的生活・山と花と日記
イジクサレ (ヒナタイノコズチ?)…(秋田)セイ。さん「まっくすこんぼ。

関東
ひっつきむし…(東京)タツヤさん「KAIGAN
くっつきむし…(東京)タツヤさん「KAIGAN

九州
くっつきぼう (オナモミ)…(北九州市)三里アキラさん

地域確認中
どろぼう…emiさん「花・観葉植物日記。



9/23の記事にいただいたコメントからの掲載分については、現在は未許可の状態です。不都合がありましたら、お知らせください。地域名など不明の場合は、今後、もし公表可能でしたら、掲載させていただきたいと思いますが、強制するものではないですので、どうぞご無理のなさらないように!


■お寄せいただきたい内容のまとめ

* ひつきむしの呼び方、または特定の種の呼び方
* その呼び方をしている(していた)地域
* お寄せくださった方のお名前(HN)
* Web Siteをお持ちの方で、リンク可の場合はURL

そのほか、ご意見ご感想は、ご自由に。また、コメントやTBの場合は、特に書いていただかなくてもOKなものもありますので、その辺りは臨機応変に。



■今回の記事のきっかけの1つは、「ごまのはぐさのこまごまことのは」さんの記事「あなたの町のゲンノショウコの花の色は?」です。寄せられた情報によって、どこでどんな色のゲンノショウコが見られたかというマップを作成しておられます。現在も情報募集中のご様子ですし、ぜひお尋ねになってみてください。(今回は内容的に直接の関係があるわけではないので、TBは控えております。)

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2005年09月23日

ひっつきむし

野山でひっつきむしを見つけよう!

ひっつきむし。それは動物の体や人の衣服にくっつく果実のこと。地域によって呼び名はいろいろあるそうで、くっつきむし、ばくだん、どろぼう、ぬすっとなど様々です。筆者は九州出身ですが、もっぱら、「ひっつきむし」といっています。この記事を見てくださったみなさんは、何て呼んでますか。

ひっつきむしは、人にとってはやっかいなものですが、ひっつきむしの果実をつくる植物にとっては、そのくっつくという性質がとても重要。くっつくことによって、動物や人の移動にともなって、離れたところまで運ばれていきます。おかげで、親の個体とは離れたところへと種子を散布できるというわけです。

効率よく種子散布が行えるように、ひっつきむしは、それぞれ、くっつきやすい構造を発達させています。その構造の部分は、植物の分類とは関係なしによく似た形状になっていたりします。逆向きのトゲがあるタイプ、先がカギ状になったトゲのあるタイプ、そして「腺毛」から「粘液」を出してくっつくタイプなどです。

こういう植物は意外に多いもので、例えば、オナモミの仲間センダングサの仲間ヤブジラミヌスビトハギなど、身近なところにもいろんなひっつきむしが見られます。特にこれからの季節、秋の野山を歩くと、大量に服にくっついて、肌に触れると痛かったり、寒くなってきても毛糸ものの服を一番上に着てゆくわけにはいきませんよね。わざわざ、ひっつきむしを探そうなんて思わなくても、見つかってしまうってものでした。

マルバヌスビトハギ [丸葉盗人萩]
マルバヌスビトハギ Desmodium podocarpum subsp. podocarpum果実は「節果」で、表面にはカギ状の毛が密生。
【花期】7月〜9月
【学名】Desmodium podocarpum subsp. podocarpum
【科名】マメ科 FABACEAE
【撮影】2004/10/11 東京都日野市

関連記事→マルバヌスビトハギ


チカラシバ [力芝]
チカラシバ Pennisetum alopecuroides小穂の柄や剛毛にトゲ状の毛がある。
【花期】8月〜11月
【学名】Pennisetum alopecuroides
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影】2005/09/19 東京都日野市


ミズヒキ [水引]
ミズヒキ Persicaria filiformis花柱の先が2本のカギ状の角のようになる。
【花期】8月〜10月
【学名】Persicaria filiformis (Polygonum filiforme)
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影】2005/07/25 東京都日野市

関連記事→ミズヒキ


ハエドクソウ [蝿毒草]
ハエドクソウ Phryma leptostachya subsp. asiaticaガクの先が3つのカギ状のトゲになる。
【花期】6月〜8月
【学名】Phryma leptostachya subsp. asiatica
【科名】ハエドクソウ科 PHRYMACEAE
【撮影】2005/09/11 山梨県塩山市

関連記事→ハエドクソウ


ダイコンソウ [大根草]
ダイコンソウ Geum japonicum花柱の先の柱頭の部分がカギ状になる。腺毛もある。
【花期】6月〜8月
【学名】Geum japonicum
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影】2004/09/16 山梨県山中湖村

関連記事→ダイコンソウ


コセンダングサ [小栴檀草]
コセンダングサ Bidens pilosa種子の先端に鋭いトゲがある。種子表面やトゲにもさらに細かいトゲがある。
【花期】9〜11月
【学名】Bidens pilosa
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影】2004/10/11 東京都日野市

関連記事→コセンダングサ


ヒナタイノコズチ [日向猪子槌]
ヒナタイノコズチ Achyranthes bidentata var. fauriei針状の小苞がちょっと外向きになる。
【花期】8月〜9月
【学名】Achyranthes bidentata var. fauriei
【科名】ヒユ科 AMARANTHACEAE
【撮影】2005/09/08 東京都日野市

関連記事→ヒナタイノコズチ


ヤエムグラ [八重葎]
ヤエムグラ Galium spurium var. echinospermon果実は「二分果」で、表面にはカギ状のトゲがある。
【花期】5月〜6月
【学名】Galium spurium var. echinospermon
【科名】アカネ科 RUBIACEAE
【撮影】2005/05/12 東京都日野市

関連記事→ヤエムグラ


オヤブジラミ [雄藪虱]
オヤブジラミ Torilis scabra果実の表面にはカギ状の刺毛が密生する。
【花期】5月〜7月
【学名】Torilis scabra
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE
【撮影】2005/05/12 東京都日野市

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ヤブジラミ [藪虱]
ヤブジラミ Torilis japonica果実の表面にはカギ状の刺毛が密生する。
【花期】5月〜7月
【学名】Torilis japonica
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE
【撮影】2005/05/12 東京都日野市

関連記事→ヤブジラミ


ひっつきむしは他にもいろいろ。また次の機会にでも。
ノブキ(果実の先の腺体から粘液が出る)
サジガンクビソウ(果実の先端から粘液が出る)
タニタデ(果実の表面にカギ状のトゲがある)
ウマノミツバ(果実の表面にカギ状のトゲがある)
オオバノヨツバムグラ(果実の表面にカギ状のトゲがある)
ヤブニンジン>(果実の表面に逆向きのトゲがある)

オオオナモミメナモミチヂミザサガンクビソウ仲間キンミズヒキイノコズチ。。。

季節が早いものもあるので集めておいて、いろいろ集まったころに並べてみると、おもしろいかもしれませんね。

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2005年09月22日

メリケンカルカヤ

メリケンカルカヤ Andropogon virginicusメリケンカルカヤ Andropogon virginicus
2005/09/17

メリケンカルカヤは、北アメリカ原産の多年草です。アジアやオーストラリアなどに多く帰化しているといいます。日本に入ってきたのは、昭和15年〜16年ごろのことだそうで、戦後になって、都市部を中心に広がったのだとか。現在は各地の道ばたや空き地など日当たりのよい場所にふつうに見られます。

イネ科の植物で、ウシクサ属またはメリケンカルカヤ属に分類されています。花序の数や葉の長さの違いなどで、ウシクサ属とメリケンカルカヤ属を分ける場合は、ウシクサ属の学名が「Schizachyrium」、メリケンカルカヤ属が「Andropogon」で、メリケンカルカヤは当然後者に含まれます。両属をわけない場合は両方とも「Andropogon」となるようです。

茎(稈)は根元の方からいくつもそう生して、株立ち状になります。稈は根元の方は平べったくなっていますが、まっすぐにのび、草丈は50cm〜1mちょっとくらいまでなります。「葉鞘」の部分に毛がある以外は無毛です。葉は幅の狭い線形で、長さは数cm〜20cm、幅は5mmほどです。

メリケンカルカヤ Andropogon virginicusメリケンカルカヤ Andropogon virginicus
2005/09/17

花期は9月〜11月。花序は茎の中部くらい〜上部の葉腋(葉の脇)につきます。花序の枝は2本〜4本、1つの枝の長さは2cm〜3cmくらいで、白色の長い毛が生えています。その小枝の節の部分に「小穂」が2つずつつきます。2つと言っても、そのうちの1つは退化して細い柄になっています。一方の小穂は逆に柄がなく長さは3mmくらいです。こちらの小穂は、ごく淡い褐色の両性花で結実します。芒(のぎ)は長さ1cm〜2cmと結構長めです。

メリケンカルカヤ Andropogon virginicus
2005/09/19

その長〜い白色の毛はフワフワの綿毛状で、この種の大きな特徴です。花期も終盤になると全体が朱色になりやがて立ち枯れてきます。その姿は秋の野では本当によく目立ちます。「タンポポ」と同様で、この綿毛で風によって種子が運ばれます。ちなみに、「カルカヤ」というのは、「刈る萱」、つまり、萱葺き屋根を葺くために刈りとる草という意味です。

【和名】メリケンカルカヤ [米利堅刈萱]
【学名】Andropogon virginicus
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/17、2005/09/19
【撮影地】東京都日野市

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2005年09月21日

ハシカグサ

ハシカグサ Neanotis hirsuta var. hirsutaハシカグサ Neanotis hirsuta var. hirsuta


ハシカグサは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、山野の林内や道ばたなどに生育する一年草です。アカネ科フタバムグラ属(Hedyotis)またはハシカグサ属(Neanotis)に分類されています。茎はよく枝分かれして、地面近くをやや斜め上向き〜横向きにはうようにのびます。茎は20cm〜40cmほどの長さまでのびますが、高さとしては数cm〜20cm程度です。部分的に毛が生えていますが、だいたいは無毛です。全体的な姿としては、「コナスビ」や「ハコベ」の仲間などにも少し似ているところがあるかもしれません。

ハシカグサ、聞いただけで何だかかゆくなってきますが、名前の由来はよくわかっていないのだとか。でも、やはり麻疹(はしか)とはなんらかの関係があるのかもしれませんね。押し葉にするとわかるのですが、葉の色がすっかり褐色に変わってしまいます。その様子を麻疹(はしか)の発疹に例えた名前だという説があるそうです。

葉は対生。卵形〜ちょっと幅の狭い卵形、先はちょっととがる感じ。長さは2cm〜4cmくらい、幅は1cmほど。表面には粗い毛がまばらに生えています。葉柄の付け根のあたりには、クシの歯状に裂けた「托葉」があります。実は、筆者、これを見落としています。なので写真がありません。アカネ科だったらやっぱり托葉の状態も確認しとかないとね。アカネ科の中でも、アカネ属やヤエムグラ属の場合だと、托葉が大きくなって、本来の葉とほとんど同じ大きさや形で、葉が輪生しているように見えるものもありますし。

ハシカグサ Neanotis hirsuta var. hirsutaハシカグサ Neanotis hirsuta var. hirsuta


花期は8月〜9月。茎の先や葉腋(葉の脇)に小さな花を数個ずつ集まってつきます。花冠は白色で、直径2mmくらいのごく小さなつぼ形。先は4つに裂けていて、その裂けた花冠裂片は長さ3mm〜4mmほど。この小さな花の中に雄しべ4本と2本の花柱が入っています。

ハシカグサのガクには白い軟毛が密生しています。4つに裂けたガクは、花の時期から果実の時期までずっと残っていて、小さいながらもよく目立ちます。また、このガクの部分に軟毛がないタイプもあって、「オオハシカグサ (Neanotis hirsuta var. glabra)」と呼ばれています。そのタイプは、中部〜東北に分布していて、葉もちょっと大きめだそうです。果実は球形の「さく果」で、直径は3mm〜4mm。白い毛の目立つガクに包まれています。

【和名】ハシカグサ
【学名】Neanotis hirsuta var. hirsuta (Hedyotis lindleyana var. hirsuta)
【科名】アカネ科 RUBIACEAE
【撮影日】2005/09/19
【撮影地】東京都日野市

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そういえば、「クチナシ」や「ヘクソカズラ」もアカネ科でしたね。大きさはぜんぜん違うものの、葉の形や葉脈の感じ、よく見るとハシカグサの葉っぱは、ヘクソカズラに似ているような気もしてきました。

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2005年09月13日

コシオガマ

コシオガマ Phtheirospermum japonicum


コシオガマは、北海道、本州、四国、九州に分布し、林縁部や草地などに生育する一年草です。ゴマノハグサ科コシオガマ属(Phtheirospermum)に分類されています。高山植物としておなじみのシオガマギク属の「ヨツバシオガマ」や、山地帯に生える「シオガマギク」などとは、似ている部分もありますが別属です。茎や葉など全体に、長くて柔らかい「腺毛」が密生しています。腺毛はよく目立ち、全体に白っぽい印象になります。そして、かなり粘液が出ていて、触るとベタベタです。

葉は対生。長さは2cm〜3cm程度で、三角形に近いような卵形です。縁にはちょっと不規則な鋸歯(ギザギザ)があります。シオガマギクよりは柔からそうに見えます。

コシオガマ Phtheirospermum japonicumコシオガマ Phtheirospermum japonicum


花期は9月〜10月。大きな個体ではたくさん枝分かれし、花はそれぞれの枝の上部の葉の脇(葉腋)に1つずつ、葉が対生しているので、同じ節に1つか2つ花がつく形になります。花冠は紅紫色で、長さは2cmくらい。上唇と下唇にわかれる「二唇形」です。上唇は浅く2つに裂けて裂けた裂片は外側にペターッと激しく反り返ります。下唇は上唇よりも大きくて横にビラビラと広がります。下唇の先は3つに裂けて、裂片はやはりちょっと巻くように反り返ります。

下唇の真ん中の裂片には、よく目立つふくらみが2つあって、そこには紅紫色の点々模様と白い毛があります。蕾のときの裂片はギュッとかたまっているのですが、裂片のたたまれている順序があって、内側から上唇、下唇の側裂片、中央裂片の順で折りたたまれています。

花のつけ根には、釣鐘形のガクがあって、先は5つに裂けています。さらに裂片の縁は細かく切れ込みます。そのガクにも、花冠の外側にも、花後の果実にもたくさんの腺毛が密生しています。とにかくいたるところ腺毛だらけです。

学名の「Phtheirospermum」は、コシオガマ属の学名で、「phteir(シラミ)+sperma(種子)」という意味があります。種子が1mmくらいで果実(さく果)の中につまっているからなのか、模様があるからなのか。。。ちなみに、シオガマギク属の方の学名「Pedicularis」も、「シラミ」という意味です。見た目のよい花からは想像つかないような学名だなぁと思いますけどね。また、コシオガマの種小名の「japonicum」には、そのまんまで、「日本の」という意味があります。ですが、日本固有種というわけではなくて、中国や朝鮮半島、台湾にも分布しているそうです。

【和名】コシオガマ [小塩竈]
【学名】Phtheirospermum japonicum
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2005/09/13
【撮影地】山梨県

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2005年09月12日

コウリンカ

コウリンカ Tephroseris flammea subsp. glabrifoliaコウリンカ Tephroseris flammea subsp. glabrifolia


コウリンカは、本州の山地の日当たりのよいやや湿り気のある草原に生育する多年草です。一般的な図鑑では、現時点ではまだ、キク科キオン属(Senecio)として掲載されていることが多いと思います。ただし、広義のキオン属はとても大きな属で、世界中に2000種以上も知られています。日本でも十数種が分布しますが、キオン属をもっと細かく分ける見解もあります。その場合、コウリンカは「オカオグルマ属 (Tephroseris)」に分類され、「オカオグルマ (Tephroseris integrifolia subsp. kirilowii)」や「サワオグルマ (Tephroseris pierotii)」などと同じ属とされています。

草丈は50cm〜60cm。茎や葉には、しばしばクモ毛が生えていますが、茎の毛はそれほど多くはなく、上部の方くらいです。葉は互生。「根生葉」は幅が広めのさじ形。長さは5cm〜10cm。開花期にはだいたいその年のものは枯れるようですが、根元の方を見ると、次年度のものらしき根生葉や、花をつけなかった個体の根生葉が見られます。

上にのびた茎につく「茎葉」は上部ほど小さくなります。根生葉より細長い倒披針形で、先が細くとがっています。そして、基部は幅広くなって、少し茎を抱きます。縁の鋸歯(ギザギザ)は根生葉、茎葉ともに小さな突起状のプツプツが出るくらいの状態で、あまり目立つものではないです。

コウリンカ Tephroseris flammea subsp. glabrifoliaコウリンカ Tephroseris flammea subsp. glabrifolia


花期は7月〜9月。茎の先に、数個〜10個程度の頭花をつけます。花柄が分かれてのびる付け根のあたりには、数枚の細長い苞葉が集まってついています。1つ1つの頭花の花柄はそれぞれの頭花によって長短まちまちですが、おおむね散形状です。頭花は直径3cm〜4cmほどです。周辺部にある「舌状花」は雌性、中央の「筒状花(管状花)」は両性です。舌状花は、10枚〜15枚が1列に並んでいます。濃い橙黄色で、開ききるころには、下向きに垂れ下がります。その様子は非常に特徴的です。

頭花の下部の部分は「総苞」で、長さは1cmくらい、紫褐色を帯びています。「総苞片」はだいたい1列に並んでいます。やや革質で細長く、先はとがっています。冠毛はくすんだ淡い褐色。長さは8mmくらい。

コウリンカは、本州中部の高原では、定番的存在の1つです。でも、こういう草原に生育する植物たちの多くは、開発あるいは草原の遷移などによってその生育地が減少し、個体数を減らしています。コウリンカの場合は、草原に咲く濃いオレンジの個性的な花が、よく人目につくことも、少なからず、その存続を数奇なものにしているのかもしれません。コウリンカも絶滅が危惧される植物の1つなのです。

【和名】コウリンカ [紅輪花]
【学名】Tephroseris flammea subsp. glabrifolia
(Senecio flammeus ssp. glabrifolius)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/09/11
【撮影地】山梨県

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2005年09月09日

オオセンナリ

オオセンナリ Nicandra physalodes


オオセンナリは、南アメリカの主にペルー原産の一年草です。北アメリカやアジアなど世界中で広く、観賞用として栽培されています。そして、しばしば野生化しています。日本でも江戸時代から栽培されています。ナス科オオセンナリ属(Nicandra)の植物です。

茎はよく枝分かれして、草丈は30cm〜80cmくらい、ときに1m程度になります。茎にははっきりとした「稜」があります。葉は互生。先のとがった卵形〜長楕円形で、長さは5cm〜10cm。縁には不規則に粗いギザギザ(鋸歯)が入ります。葉身は付け根の苞は葉柄につながって少し流れる感じです。毛がまばらに生えています。

オオセンナリ Nicandra physalodes


花期は7月〜9月。花は葉の脇(葉腋)から細長い花柄を出して、その先に1つずつつきます。花冠は直径3cm〜4cmくらいの釣鐘形。先は浅く5つに裂けています。裂片は淡い青紫色、筒部は白色。花時期のガクの色は緑色で、つけ根のほうには黒っぽいような、紫色っぽいような斑点を散りばめたような模様があります。ガクは5つに深く裂け、基部には尾状の突起があったりして、すでにその独特な形が目につきます。そのガクは花後に大きくなってよく目立つようになります。

果実は球形の「液果」で、花後に肥大してくる「ガク」に包まれます。ガクの脈が目立つところは、「ホオズキ」にもちょっと似ている感じ。ガクには横に大きくはりだした翼があります。液果は熟すと光沢のある茶褐色になって、表面には茶色の斑点があります。中にはたくさんの種子ができます。

【和名】オオセンナリ [大千成]
【別名】ニカンドラ
【英名】Apple of Peru
【学名】Nicandra physalodes
【科名】ナス科 SOLANACEAE
【撮影日】2005/09/08
【撮影地】東京都日野市

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ホオズキ

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2005年09月07日

マツバボタン

マツバボタン Portulaca pilosa subsp. grandiflora
2005/08/17 蕾

マツバボタンは、南アメリカ原産の多年草です。スベリヒユ科スベリヒユ属の植物です。同属には、「ハナスベリヒユ」や「スベリヒユ (Portulaca oleracea)」などがあります。「ポーチュラカ」というのはスベリヒユ属の学名ですが、ふつうは「ハナスベリヒユ」をさしていることが多いです。マツバボタンは耐寒性がないので、春まき一年草として扱われることが多いのですが、本来は多年草なので、室内に取り込むなどして温度を保つことができれば越冬します。

茎は細かく枝分かれして、地面をはうように広がります。草丈は5cm〜15cmほど。葉は互生。細長い線形ですがほとんど葉柄はありません。先のとがった平べったい棒のような感じです。花のすぐ下にはとくに集まってつきます。そしてつけ根には白い毛があります。何だかまとわりつくような毛だ。

マツバボタンという名前は、葉が細長くマツの葉のようで多肉質、花が「ボタン」に似ていることからきています。夏の高温乾燥にとても強いことから、「ヒデリソウ(日照草)」と呼ばれたり、枝先を爪で切って挿しておけば簡単に発根することから「ツメキリソウ (爪切草)」ともいいます。また、ハナスベリヒユよりは種子ができやすく、こぼれダネでもよくふえます。

マツバボタン Portulaca pilosa subsp. grandifloraマツバボタン Portulaca pilosa subsp. grandiflora
左は蓋がとれて種子が見える、右はまだ蓋がある

花期は5月〜10月。花の直径は2.5cm〜3cm程度、もう少し大きい品種もあります。花色は赤、黄、紫、白、桃色など豊富です。花は日が当たる日中だけ開く一日花。一重咲きと八重咲きがあります。一重咲きなら花弁は5枚です。果実は長さ7mmくらいの「蓋果(がいか)」。熟すと横に割れて、上半分が蓋のようにとれてしまいます。中には金属的な光沢のある黒色の小さな種子がたくさん入っています。

【和名】マツバボタン [松葉牡丹]
【別名】ヒデリソウ、ツメキリソウ
【英名】Rose moss
【学名】Portulaca pilosa subsp. grandiflora
【科名】スベリヒユ科 PORTULACACEAE
【撮影日】2005/08/17
【撮影地】東京都日野市

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ニガウリ

ニガウリ Momordica charantia


ニガウリ(ツルレイシ)は、インド〜熱帯アジア原産のつる性のウリ科ニガウリ属の植物です。耐寒性がないので、ふつうは春まきの一年草として栽培されています。日本へ入ってきたのは江戸時代のことだそうで、中国経由でもたらされたとか。熟す前の青々とした果実は「ゴーヤ」または「ゴーヤー」と呼ばれ、沖縄の代表的な野菜です。最近では沖縄に限らず、特に夏野菜の定番的存在になってきたと思います。好き嫌いはあるでしょうけど。

ニガウリ Momordica charantia


葉の脇(葉腋)から出た「巻きひげ」で、他のものにからまってのび、茎は数mになります。この巻きひげは葉の変形したものです。茎や葉柄、花序などには白くて長い軟毛がたくさん生えています。葉は互生。5つ〜7つ、掌状に裂けます。切れ込んだ部分はさらに切れ込んだり、縁の「鋸歯」は不規則にギザギザしています。葉柄は数cm、長いものでは10cmほどです。

ニガウリ Momordica charantiaニガウリ Momordica charantia


花期は7月〜9月。葉腋から数cm〜10cm前後の細長い花序をのばして、先に淡い黄色の花を咲かせます。花序には腎円形〜ハート形の「苞」が1つついています。花は直径2cmくらい、花冠の先は5つに裂け、裂片の先は丸みがあります。

果実は開花後20日ぐらいで、食用に収穫できるほどになります。果実の長さは15cm〜長いものでは50cm、細長い紡錘形で、表面にはコブ状の突起がたくさんあります。ちなみに、ニガウリ属の学名「Momordica」には、「噛んだ」という意味があって、このデコボコとした果実の表面の様子を噛んだ跡に例えての命名だそうです。また、「ニガウリ」と呼ばれるとおり、強い苦味がありますが、苦味の成分は属の学名にちなんで「モモルデシン」。さらに、ビタミン、ミネラル類が豊富に含まれるので夏バテ防止によいとか。筆者もこの夏、お世話になりました。

果実は熟すと赤黄色に変わり、柔らかくなります。中には赤い仮種皮に包まれた「種子」が入っています。熟すと甘くなり仮種皮は赤く、野生の状態だと種子は鳥に食べられて運ばれるそうです。写真は人家近くの道路脇ですが、どう見ても食用に誰かが栽培しているようには見えず、勝手に生育しているようでした。

【和名】ニガウリ [苦瓜]
【別名】ゴーヤ、ツルレイシ[蔓茘枝]、レイシ
【英名】Bitter melon、Balasam Pear
【学名】Momordica charantia (狭義 Momordica charantia var. pavel)
【科名】ウリ科 CUCURBITACEAE
【撮影日】2005/08/17
【撮影地】東京都日野市

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2005年09月06日

ストケシア

ストケシア Stokesia laevis


ストケシアは、北アメリカ南部原産のキク科ストケシア属(ルリギク属 Stokesia)の多年草です。茎はよく枝分かれして、草丈は30cm〜50cm程度になります。耐寒性があり、種子はだいたい秋まき。鉢植えや花壇で観賞用に栽培されます。

「根生葉」は長さ10cm〜20cmほどの幅が広めの披針形。付け根の方は細く縁に毛が生え、長い葉柄があります。上にのびた茎に生える「茎葉」には柄がなく、付け根の方は茎を抱いています。ふつう縁に鋸歯(ギザギザ)はありません。

花期は6〜10月。よく分枝した枝の先にそれなりに大きめの頭花をつけます。花は青紫色のものが多く、花びら(筒状花)の先が切れ込んでいるので、「ヤグルマギク (Centaurea cyanus)」にも似た感じがあります。花色は青紫色のほかに白色、赤色、桃色、黄色などがあります。

頭花の直径は8cmくらい。キク科の植物なので、1つの頭花はたくさんの小花によってできています。キク科の花によくあるパターンは、花の周辺部分にいわゆる花びらに見える「舌状花」があって、中心部分には「筒状花(管状花)」があるというものです。しかし、ストケシアの場合は「舌状花」はなく、小花はすべて筒状花からなります。つまり、ふつうだったら花びらに見えるのは「舌状花」ですが、ストケシアでは「筒状花」が花びらに見えています。ストケシアの筒状花は周辺部分にあるものは大きくで、中心部分のものは小さくなります。先は5つに裂けているので結構ギザギザです。

花の外側にある「総苞」は球形で淡い緑色、そこには細長い楕円形〜披針形の緑色の「総苞片」があります。総苞片は葉状で付け根の方の縁にはトゲのような目立つ毛があります。写真はすでに花は終わって、筒状花はもう残っていませんが、総苞片の様子はよくわかります。よく見れば、もう1度、花が咲いているようでもあり、何ともおもしろい形です。

学名の「Stokesia」は、イギリスの植物学者「Jonathan Stokes」という人の名前からきているそうです。また種小名の「laevis」には、「平滑の」という意味があります。少なくとも総苞片の縁を見て命名されたものではないでしょうね。

【一般名】ストケシア
【和名】ルリギク (瑠璃菊)
【英名】Stokes' aster
【学名】Stokesia laevis
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/08/17
【撮影地】東京都日野市

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2005年09月05日

センニンソウ

センニンソウ Clematis terniflora


センニンソウは、日本全土に分布し、山野の日当たりのよい場所に多く、道ばたなどによく見られるつる性の半低木です。キンポウゲ科センニンソウ属(Clematis)の植物。花の時期に見る茎はほとんど無毛です。つる性ですが、センニンソウの場合は、主軸となっている茎自体は巻きつかず、だからといって「巻きひげ」を出すという感じでもないです。複葉の中軸(小葉柄)の部分が長くなって、曲がりくねって他のものに巻きつきます。

葉は対生。1つの葉は3つ〜7つの「小葉」からなる「羽状複葉」です。小葉は長さ5cm前後の卵形。分厚くて表面には光沢があります。色は濃いめの緑色。先の方はやや丸みがありますが、一番先の部分は小さくポチッと突起状にとがっています。縁は時折切れ込むことはありますが、ふつうは鋸歯(ギザギザ)はありません。

花期は8月〜9月。葉の脇(葉腋)から出た「円錐花序」に、白色の花をたくさん咲かせます。一面真っ白になるくらい一斉に多数、上向きに平たく開いてよく目につきます。1つ1つの花は直径2cm〜3cmほど。花弁のように見えているのは「ガク片」で、4枚あります。ガク片の縁にはたくさんの細かい毛が生えていますが、毛も白色なので、近づいてよく見ないとわからないかもしれません。

花弁状のガク片より上で、細長くてヒラヒラとたくさん出ているのは、雄しべです。その雄しべの「花糸」の部分は長さ7mm〜9mm、先端の「葯」の部分は長さ3mmほど。雌しべは数本、細長い「花柱」があります。この花柱は花後には3cmくらいまでのびてきます。この部分は果実の時期にも残っていて、のびた花柱には白くて長い毛がたくさん生えて羽毛状になります。果実は「そう果」で、平べったい卵形、長さは7mm程度、風によって運ばれます。

「そう果」という果実の種子は、ごく薄い「果皮」に包まれていて、「種皮」とはあまり区別がつきにくくなっています。そのためそう果自体が「種子」のように見えてしまいます。綿毛のあるタンポポの種子も、ふつう種子といっているものは「そう果」です。実際は、種子はそう果の中に1つだけ入っていますが、果皮は熟しても裂開しないのです。

【和名】センニンソウ [仙人草]
【学名】Clematis terniflora
【科名】キンポウゲ科 RANUNCULACEAE
【撮影日】2004/09/15
【撮影地】東京都日野市

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2005年09月03日

タカサゴユリ

タカサゴユリ Lilium formosanum
2005/08/29

タカサゴユリは、もともとは台湾に自生しているユリ科ユリ属の多年草です。日本に入ってきたのは1924年のことだそうで、テッポウユリとの交配種もつくられ、観賞用に栽培されてきました。主に種子によって繁殖し、種子には薄い膜のような翼があるので風によって運ばれ、発芽するとだいたい2年目には開花しますが、早いものでは半年ほどでも開花可能なんだとか。非常に旺盛に繁殖するため、各地で野生化し、空き地や道ばたなどにふつうに見られるようになっています。生育範囲は台湾でも低地〜かなり標高の高いところまで幅広いそうです。

地下にはいわゆる百合根状の「鱗茎」ができます。地上の茎はまっすぐにグングンのびて小さいものでは30cmほどで開花、大きいものでは1.5mから、ときにそれ以上になります。葉は長さ15cm、幅1cm程度の細長い線形で、たくさん密につきます。茎の上部の方では茎に沿うような感じでつくことが多いですが、茎のやや下部の方では、節間がつまって葉がたくさんつき横に広がっている傾向があります。

タカサゴユリ Lilium formosanumタカサゴユリ Lilium formosanum
2005/08/02

花期は8月〜9月。テッポウユリよりは遅めの開花です。茎の上部に総状に花をつけ、横向きかやや下向きに開きます。花冠は筒の部分が細長いラッパ形で、花被片は6つ。長さは15cm〜20cmくらい、直径は10cm〜15cm。花冠は乳白色で、外側には紫褐色の筋模様があります。花被片の先はとがっていて結構シャープな感じ、そして外側に反り返ります。

雄しべは6本、先の「葯」は赤褐色を帯びていますが、花粉は黄色でした。1本長く突き出した雌しべの柱頭には、すでに花粉がついていました。自家受粉によって結実可能なようですね。果実は長い円柱形で上向きにつき、中には大量の種子ができます。

タカサゴユリ Lilium formosanumタカサゴユリ Lilium formosanum
2005/08/29

沖縄などに生育する「テッポウユリ」によく似ていますが、タカサゴユリの方が草丈が高く、より花が細長く、外側が紫褐色を帯びていること、花期が遅いこと、葉が細いことなどが違っています。香りもほとんどありません。

また、「シンテッポウユリ」は、テッポウユリとタカサゴユリの交配によってできた「ロンギフローラム・ハイブリッド」で、発芽から一年以内に開花し、切花用にも多く栽培されます。シンテッポウユリの花は、タカサゴユリのような紫褐色の筋がなく純白です。

【和名】タカサゴユリ [高砂百合]
【別名】タイワンユリ[台湾百合]、ホソバテッポウユリ
【英名】Taiwan lily、Formosa lily
【学名】Lilium formosanum
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/08/29、2005/08/02
【撮影地】東京都日野市

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2005年09月02日

カヤツリグサ

カヤツリグサ Cyperus microiria
2005/08/03

カヤツリグサは、本州、四国、九州に分布し、道ばたや畑などにごくふつうに生育するカヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年草です。茎は3稜形で、単生または2〜3本がそう生し、草丈は20cm〜40cmほどまでなります。葉は根元の方に数枚。幅は2mm〜3mmほどの細長い線形です。

茎の先にほとんど葉と同じ形の細長い「苞葉」が3枚〜5枚つきます。そこから長短ふぞろいの枝が出て、たくさんの小穂がつきます。その枝はさらに2本〜3本の短い枝に分かれることが多いです。よく似た「チャガヤツリ」の場合はこの小枝がわかれないので、カヤツリグサよりは花序の形が単純です。

カヤツリグサ Cyperus microiria
2004/11/23

花期は8月〜10月。小枝につく「小穂」の長さは1cm〜1.5cm。1つの小穂に20個前後の「小花」がつきます。小花は左右2列になって、互い違いに並んでつきます。そして、「鱗片」が1つ1つの花を包んでいます。鱗片は黄褐色で、中心部分は緑色、先端はとがって少し突き出ています。チャガヤツリの場合は先が長くやや芒状になり、コゴメガヤツリでは先はほとんど突き出ず丸みを帯びています。

2枚目の写真はチャガヤツリのようにも見えますが、鱗片の先がそれほど長く突き出ていないので、遅い時期に生長のよくない状態で開花したカヤツリグサだろうと思います。昨年(2004年)の晩秋〜初冬は暖かい日が続いて、夏〜秋の花が年内ずっと見られたり、春の花が早くも開花したりというような状態が見られました。

【和名】カヤツリグサ [蚊帳吊草]
【別名】マスクサ [枡草]
【学名】Cyperus microiria
【科名】カヤツリグサ科 CYPERACEAE
【撮影日】2005/08/03、2004/11/23
【撮影地】東京都日野市

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