2004年12月31日

ハハコグサ

ハハコグサ Gnaphalium affine


ハハコグサは、日本全土に分布し、田畑のあぜや道ばたによく見られる越年草です。世界的には中国を中心にアジアに広く分布し、日本へは古い時代に朝鮮半島経由で入ってきたのだといいます。日本の夏の暑さは苦手なようで夏には見かけなくなり、秋になると種子が芽生えてロゼット葉で冬を越します。チチコグサ(Gnaphalium japonicum)に比べるとロゼット葉の幅が広くやや上に立ち上がったようになるので、見分けられることもあります。ただし、近頃は「…チチコグサ」というような帰化植物がたくさんあるので、ロゼットだけではちょっと難しい場面もあります。

花は4月〜6月ごろ、高さ15cm〜25cmほどに伸びた茎の先に黄色い頭花をつけます。頭花はたくさんの総苞が集まってできていますが、その長さ3mm程度の総苞はさらにたくさんの黄色の小花からできています。また小花の中心部には雌しべと雄しべをもつ両性花があり、まわりには小さな雌花がたくさんあります。総苞の周りの鱗片状のもの(総苞片)は、乾いた膜のような質感で淡い黄色を帯びているので、チチコグサに比べるとずっと華やかな印象です。花の時期には冬を越したロゼット葉がなくなる点もチチコグサと異なっています。

全体に綿毛がたくさん生えているので白っぽく見え、柔らかそうな印象です。この仲間(ハハコグサ属 Gnaphalium)に共通するのですが、ハハコグサもまた花が終わると冠毛(綿毛)がモワモワとほうけてきます。そのため古い時代には「ホオコグサ」と呼ばれたのだそうです。また、春の七草の「ゴギョウ(オギョウ)」はこの草だとされていて、「オギョウ(御形)」とも呼ばれています。七草粥に入れて食べることができますが、年末で写真のような状態ですからね。まったく食べごたえがないですな。春の七草でダイコンとカブ以外の野草はこの時期だとどれもこんなものですよ。

【和名】ハハコグサ [母子草]
【別名】ホオコグサ、オギョウ
【学名】Gnaphalium affine
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/12/30
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月21日

ヤマグワ

ヤマグワ Morus australis


ヤマグワは、日本全土に分布し、朝鮮、中国など東アジアに広く分布しています。名前は「クワ」と呼ぶ方が一般的でしょう。カイコの餌として栽培されることで有名なので、栽培植物の印象が強いですが山野でふつうに見られる落葉高木です。学名は「Morus bombycis」となっていることも多いです。

栽培されるものにはいろいろと品種があるようですが、カイコ用の栽培ではヤマグワがもととなった品種の他にも中国原産の「マグワ (Morus alba)」も多いのだとか。人里近くではヤマグワとマグワの両者とも見られるようです。

葉は互生しますが形には変異が多く、広楕円形のものから切れ込みが入って3裂または5裂しているものもあります。花期は4月〜5月、葉腋(ようえき)から花序を出します。花序は緑色の球状です。花弁がなく地味ですが、雌花からは先が2つに裂けた花柱がヒラヒラでていてなかなかおもしろいです。7月〜8月にはたくさんの果実がツブツブに集まった集合果ができます。このような果実を「クワ状果」または「桑果」といいます。

赤や黒に熟したクワの実はジャムやジュースとしても利用することができます。最近人気のいわゆる「ベリー」の1つ「マルベリー」の木です。雌雄異株のことが多いので果実を楽しむためには、雄株と雌株の両方を植えておく必要があります。

写真の個体は高さ20cm程度です。これは自生のものなのでしょうか。この個体がある場所は人家周辺の道路の法面で、年数回定期的に草刈が行われています。管理されない状態で放置されれば10m以上にまでなる高木も、冬の時期ここではこの小ささです。

ここまで書いてきて今更なのですが、花や実のない現段階では写真の個体は「ヒメコウゾ(Broussonetia kazinoki)」である可能性を否定できません。個人的にこの仲間の区別は今後の課題としています。

【和名】ヤマグワ [山桑]
【学名】Morus australis
【科名】クワ科 MORACEAE
【撮影日】2004/12/16
【撮影地】東京都日野市

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2004年12月06日

アカザ

アカザ Chenopodium album var. centrorubrum
2004/11/23

アカザは、古く中国から食用として渡来し、栽培されていたものが野生化したといわれている一年草です。ユーラシア原産で同じく日本にも帰化する「シロザ (Chenopodium album)」の変種で、一般に個体が若いときには、新しく出た葉が紅紫色になることや、やや葉が大きくて縁のギザギザがとがる感じがすることで区別します。

しかし、花が咲くぐらいに生長した個体では、上部の葉は幅が狭くなって「特にシロザより大きい」というわけでもないようですし、葉の赤みもなくなってきますからわかりづらいことがあります。もともと変種関係ですし、中間的なものもあるようです。そういう点では本来は「シロザ」とするべきだったかもしれません。

現在、日本各地の道ばたや畑、荒れ地などでふつうにみられます。よくシロザよりは少ないといわれていますけれど、個人的には幼植物のころでも若いアカザはよく目につくため、特に少ないという印象はありません。草丈は30cm〜60cmぐらいのものをよく見かけますが、1m以上になることもあります。

アカザ Chenopodium album var. centrorubrum
2004/12/08

花期は8月〜10月。咲き始めはまず雌しべが先に成熟して、その後から雄しべが成熟してきます。つまり雌しべと雄しべの成熟時期をずらすことで、1つの同じ花の中で雌の時期と雄の時期ができて、同じ花どうしの受粉が避けられるというわけです。花は目立ちませんが、秋には葉が紅葉しますし、果実は赤い五角形をしているので、目にとまることもあるでしょう。写真のものはまだ色づき始めの状態ですけれど。

アカザやシロザは、属は違いますがアカザ科の野菜「ホウレンソウ (Spinacia oleracea)」の仲間で、ビタミン類が豊富なため食用になるようですけれど、シュウ酸が多く含まれているそうで、大量に摂取することは避けたほうがよいのだそうです。

【和名】アカザ [藜]
【学名】Chenopodium album var. centrorubrum
【科名】アカザ科 CHENOPODIACEAE
【撮影日】2004/11/23、2004/12/08
【撮影地】東京都日野市

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モミジルコウ

モミジルコウ Ipomoea x sloteri
2004/11/23 わずかに残った紅葉

モミジルコウは、もとは「ルコウソウ(縷紅草 Ipomoea pennata)」と「マルバルコウ(丸葉縷紅 Ipomoea coccinea)」の交配種といわれているつる性の一年草です。ルコウソウの葉が魚の骨のように線状に深く切れ込むのに対して、マルバルコウは先端がとがったハート形をしています。モミジルコウはその中間的な葉で、モミジのように手のひら状に裂けた形をしているので、その名があります。ちょうど秋には紅葉するので、細くて小さいモミジみたいにみえます。

花期は夏〜秋。葉の脇(葉腋:ようえき)から長い柄のを出して、赤いロート状の花を咲かせます。ロート状の部分の直径は2cm〜3cmほどで、大きな花ではありませんが、赤色は濃く鮮やかなもので目につく花だと思います。

モミジルコウ Ipomoea x sloteri
2005/06/30 双葉と本葉

栽培されているものが逸出して野生化していることも多いのですが、写真を写した場所は月極駐車場の脇で、他の栽培種の姿もいくつか見えましたから、もしかすると野生化したものではなくて栽培されていたものかもしれません。だとしたら、勝手に撮影してはいけませんでしたね。すみません。

学名についてですが、属名は図鑑によってはサツマイモ属(またはイポメア属:Ipomoea)となっていたり、ルコウソウ属(Quamoclit)となっていたりします。これは、IpomoeaCalonyction(ヨルガオ属)、Pharbitis(アサガオ属)、Quamoclit(ルコウソウ属)を分ける場合とこの4つの属をIpomoeaに含める場合があるためです。

モミジルコウの学名としては、ここでは「Ipomoea x sloteri」としていますが、Ipomoea multifidaQuamoclit cardinalisQuamoclit x sloteriとなっていることもあります。

【和名】モミジルコウ [紅葉縷紅]
【別名】ハゴロモルコウソウ [羽衣縷紅草]
【学名】Ipomoea x sloteri
【科名】ヒルガオ科 CONVOLVULACEAE
【撮影日】2004/11/23、2005/06/30
【撮影地】東京都日野市

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この秋といっても、もう冬ですが、これが筆者が写した唯一「紅葉」と名のつくものです。一体、何をやっていたのでしょうね。

posted by hanaboro at 11:29| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月03日

ホトケノザ

ホトケノザ Lamium amplexicaule


ホトケノザは、国内では本州・四国・九州・沖縄に分布しますが、世界的にみると温帯〜暖帯に広く分布しています。日当たりのよい草地や道端、畑などにごくふつうに生える越年草です。ふつうだと秋に種子が発芽して冬を越し、春に花を咲かせて実を結びます。こういった生活をする植物を、「越年草」といいます。主な花期は3月〜6月ですが、生育の早かったものは秋の深まったころには、もう花を咲かせていることがあります。

葉は同じ節に2枚の葉が向かい合ってつく「対生」ですが、とても個性的な形をしています。扇を広げたような形で、長さは1〜2cmぐらいです。下の葉には長い葉柄があるのですが、花がつく上の葉には葉柄がなくて茎を抱いたような状態でついています。

この葉の形が、仏像の蓮座に似ていることから「ホトケノザ」という名前がつけられているんです。ただし、「春の七草」のホトケノザはまったく別の植物をさしていて、ふつうは、キク科の「コオニタビラコ(小鬼田平子 Lapsana apogonoides)」という植物のことだといわれています。また、別名を「サンガイグサ(三階草)」といいますが、これは葉が段々になってつくことからきています。

秋や冬でも見かけることがある花ですが、やはり春のイメージが強く、写真は11月下旬のものなのに、もう春なのかと錯覚してしまうくらいでした。といっても、花が開いているわけではありませんが。よく見ると扇の中にはうずもれるように紅紫色の小さい蕾が見えます。ホトケノザはちゃんと開く花以外に少し小さめの「閉鎖花(へいさか)」というのもつけますので、見えているものがちゃんと開くかどうかはわかりません。閉鎖花の場合は開かずに蕾の状態のまま結実します。まあ、すべてが閉鎖花ということはないでしょうから、もう時期この個体にも紅紫色の花が開くことでしょう。

学名は「Lamium amplexicaule L.」です。「Lamium」はオドリコソウ属の学名ですが、もともとギリシャの植物名に「lamos(喉)」という言葉に由来するものがあるそうで、Lamiumはさらにその植物名からきているのだとか。「amplexicaule」は茎を抱くという意味で、上部の葉の様子からつけられているようです。「L.」はCarl von Linne(リンネ:1707-1778)の略で、この学名を命名した人の名前です。

【和名】ホトケノザ [仏の座]
【学名】Lamium amplexicaule
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2004/11/28
【撮影地】山梨県富士吉田市

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ホトケノザ (No.3)

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2004年11月30日

リュウノウギク

リュウノウギク Chrysanthemum makinoi


雪の少ない太平洋側でもいよいよ冬がやってきます。うちはまだ、冬を迎える心構えができていませんが、野山の植物たちは一足早く冬越しの準備ができているようです。どのような形で冬を過ごすかは植物によって様々です。種子や根だけのものもあれば地上部を出して越冬するものもあります。草刈が行われたり、今シーズンの地上部が枯れたりして、地上部を出して越冬するもののうち、特に根ぎわから葉をたくさん出して、地面にきれいに葉っぱを並べて冬を越すタイプが目立つようになりました。

このように地面にきれいに並んだ葉を「根生葉(こんせいよう)」といいます。身近なところでは、タンポポの葉を思い浮かべてもらえるとわかりやすいでしょうね。根生葉は一見、茎がないように見えますが、ちゃんと茎はあるんです。地上に出ている茎はごく短いもので節間がほとんどないために、根から直接葉が出ているように見えるだけなのです。また、「根出葉(こんしゅつよう)」あるいは「ロゼット」ということもあります。英語では、「radical leaf」 または「rosette」です。

写真はリュウノウギクの根生葉です。右側に一本細い棒が見えますが、これが、今シーズンの茎だったものです。花期は10月〜11月が標準ですが、もうこの株にはほとんど茎だけしか残っていませんでした。葉には毛が密生しているので、白っぽく見えます。夕日で輝く姿は、日本のシルバーリーフプランツって感じです。

葉の裏面にはさらに毛が密生しているのですが、その毛の状態はちょっと変わっています。葉からまっすぐ一本毛が伸びるのではなく、細い毛の中央からごく短い柄が出て葉についた状態になっているんです。こういう毛のことを「丁字状毛」といいます。

リュウノウギクは、本州の東北南部〜四国、九州に分布し、日当たりのよい丘陵地や山地に生えている多年草です。葉をもむと「竜脳」に似た香りがするので、その名前がついています。

学名は図鑑によって異なるものが採用されていますが、
米倉浩司氏・梶田忠氏 (2003)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList),http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/bgplants/ylist_main.html(2004年11月30日).
によりますと、Chrysanthemum makinoi Matsum. et Nakaiが標準で、Chrysanthemum japonicola MakinoとDendranthema japonicum (Maxim.) Kitam.は異名として取り扱われています。

「Chrysanthemum」はキク属で、 chrysos(黄金)+anthemon(花)に由来しているのだとか。ちなみに、リュウノウギクの花(舌状花)は白色です。

【和名】リュウノウギク [竜脳菊]
【学名】Chrysanthemum makinoi
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/11/28
【撮影地】山梨県富士吉田市

posted by hanaboro at 20:22| 東京 ☀| Comment(16) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月09日

ベニバナボロギク(No.2)

一日前の記事「ベニバナボロギク」にいただいた知三朗さんと花鳥風月@gooさんからのコメントを見て、改めて、この植物の今を見つめてみようと思いました。葉や茎中心の内容になっていますので、花がないときに探す参考にしてもらえたらと思います。

ということで、もう一度「ベニバナボロギク」です。

前日の記事では、この植物の持つ歴史ゆえに切ない気持ちで書きましたが、今日はやっぱりこの植物は「帰化植物」なんだってことを、再確認しながら書いています。

ベニバナボロギク Crassocephalum crepidioides
夏の間咲いて、じゅうぶんにボロボロな姿を見せた後、上のほうは茶色になってもう枯れてしまったかに見えていた株が、下の葉の脇から芽を出して、さらに開花までしていましたよ。


ベニバナボロギク Crassocephalum crepidioides
それに草丈20cmぐらいの幼植物にもちゃんと蕾が見えていました。これならじゅうぶん冬までに開花を迎えられるでしょうね。


ベニバナボロギク Crassocephalum crepidioides
付近には、左の写真のようにもっと草丈の低い苗もありましたが、こちらも大丈夫なのかもしれません。この小さいものは、丈が5cmあるかどうかぐらいですけどね。


茎の色は、緑色に紫色が入ることがありますが、入る度合いには個体差があります。特に若い株だと毛がたくさん生えていて、白っぽく見えます。その毛は株が古くなると脱落してしまって、白っぽさはなくなるようです。

ベニバナボロギク Crassocephalum crepidioides
左は若い株の茎です。この個体の場合は特に葉柄の付け根あたりが紫色になっていて、他の部分にはランダムにところどころ紫のまだらが入っています。茎は円柱状ではなく角ばっていて、弾力性がある感じです。写真ではわからないですが、細かい毛がたくさん生えているんですよ。


ベニバナボロギク Crassocephalum crepidioides
株が古くなると茎の毛はなくなって、かなり色が濃くなるようです。もともと紫がたくさん入る個体だったからかもしれませんが、下部の葉の脇から出た新しい茎はあまり紫色になっていませんでした。


葉には毛がたくさん生えていて触ると、何だかモサモサ、ガザガザした感じです。柔らかさもありますが、見た目以上に厚みを感じます。見た目は葉がだら〜んとなっていて質が薄そうなんですが。

ベニバナボロギク Crassocephalum crepidioides
表面は濃く深みのある緑色で、中央の脈を中心に紫がかっています。特に葉柄の付け根付近にはたくさん毛が生えているので、角度によっては白っぽく見えます。


ベニバナボロギク Crassocephalum crepidioides
裏面は、個体によって違うようで紫色のこともあれば、ほとんど白いこともあります。といっても、左の写真では強引に葉をねじって横から葉の裏を写したので、よくわかりませんね〜。


ということで、11月9日現在少なくとも東京の多摩地域では、「ベニバナボロギク」はそれなりに芽生え生長し、開花もしていることのようですね。それにしても、「ベニバナボロギク」…たくましかった。その生命力の強さを垣間見た夕暮れでした。

【和名】ベニバナボロギク [紅花襤褸菊]
【学名】Crassocephalum crepidioides
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/11/05
【撮影地】東京都日野市

■当サイト内関連記事
ベニバナボロギク

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詩的で楽しく絶妙な表現でその世界に引き込まれる素敵なサイト「図鑑:花鳥風月」さんの記事→「紅花襤褸菊

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2004年11月08日

ベニバナボロギク

ベニバナボロギク Crassocephalum crepidioides


ベニバナボロギクは、アフリカ原産の帰化植物です。夏の花という感じがしますが、花期は8月〜11月で、初冬まで花が見られることがあります。花の時期には草丈30cm〜1mほどになり一年草です。日本国内では戦後まもなく北九州で発見され、その後は瞬く間に分布が広がったそう。今では空き地や道路脇などでふつうに見られます。

写真は幼植物で、これで草丈は15cmほどです。本格的な冬を前に果たして開花までこぎつけるでしょうか。アフリカ出身の一年草ということで、これくらいまで生長した幼植物の状態では、関東とはいえこの冬を乗り越えられないかもしれません。天候の影響か何かで、本来春に発芽するはずが、芽生える時期を間違えてしまったのでしょうか。

山火事や人の手が加わってかく乱された土地にどこからともなく種子が飛んできて、いち早く侵入するほどの高い種子分散能力を持つ帰化植物。そのたった1個体の行く末を案じることもないのでしょうが。。。どこかこの草には切なさを感じずにはいられません。それは、この草が食べられる野草で、それには、悲しい歴史があるからなのかもしれません。

葉は「シュンギク」のような香りがあって、第二次世界大戦中には「南洋春菊」、「昭和草」と呼ばれ、台湾などで実際に日本の兵士たちがシュンギクの代用野菜として食用にしていたというのです。さらに台湾の先住民の人たちは「ヒコーキグサ」とも呼ぶそうで、その理由が飛行機をたくさん目にするようになってからこの草が増えたからだといいます。そういった歴史を知ると、切なくて胸が痛みます。

以前、わたしもサッとゆでたものを食べたことがあります。「シュンギク」ほどではないですが個人的には結構好みの味でした。どこでもふつうに生えているので、すぐ手に入るかもしれませんが、都市部のものはおすすめできません。見た目もうどんこ病にかかっていることも多くて、食べようという気持ちにはなれないでしょう。目指すなら、ちょっと山の中の伐採跡地ですね(笑)。

花は筒形で下を向いて咲きます。筒の部分は緑色で、先端だけが紅色です。新鮮な花は結構きれいなものですよ。それなのに、なんで「ベニバナボロギク」なんて名前になってしまったのか、その原因は花の終わった後の姿にあるんです。花が終わると、白い綿毛(冠毛)が伸びてきます。できてすぐのときはごくふつうの綿毛ですけれど、しだいにほころびてきて、ちょっと美しくない姿になります。その様子がボロ布みたいだということで、「ボロギク」と名づけられてしまいました。ベニバナボロギクは、紅色の花をつける襤褸菊ってことですね。

【和名】ベニバナボロギク [紅花襤褸菊]
【学名】Crassocephalum crepidioides
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/11/05
【撮影地】東京都日野市

■当ブログ内関連記事
ダンドボロギク
同じように「ボロギク」と名づけられた「ダンドボロギク」のボロボロな姿をすでにご紹介済みです。これまでの記事の中でも一二を争うほどの「ボロボロ」ですので、よかったらぜひご覧くださいませ。

posted by hanaboro at 21:27| 東京 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月05日

ハマニガナ

ハマニガナ Ixeris repens


ハマニガナは、日本全土の海岸の砂地に生育する多年草です。同じニガナ属(Ixeris)の植物は国内で10種ほどしられていて、特に4月〜5月ごろ、「ジシバリ (Ixeris stolonifera)」、「オオジシバリ (Ixeris debilis)」、「ニガナ (Ixeris dentata)」のあたりは、黄色い花をたくさんつけてよく目立ちます。ハマニガナの花もやはり黄色で、花期は春と秋。夏は生育を休むのでしょうか、一旦地上部が枯れてしまうようです。そして、秋になると再び地上に葉を広げて花も咲きます。

砂が激しく動く海岸に生育するので、地上部はほとんど上には伸びず、葉だけが広がって、ほとんど地面にへばりついた状態です。砂の下に長く伸ばした地下茎でふえ、砂に埋まってしまっても再び地上まで伸びてくる性質があります。

写真は9月に撮影したものでちょうど秋の葉が出たところなのでしょう。幅はこれで2cmぐらいです。葉は分厚くて手のひらのような形をしていますね。このときは地上に見えている数が少なくて、花を見つけることはできませんでした。花後にできる果実の先がくちばし状になるのが、ニガナ属の特徴ですが、ハマニガナの果実の場合、くちばしは短め。

名前は、海岸に生えていて、ニガナに似ているところからきています。ちなみに、ニガナの方は、葉や茎に苦味があることに由来しています。

【和名】ハマニガナ [浜苦菜]
【別名】ハマイチョウ
【学名】Ixeris repens 
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/21
【撮影地】静岡県新居町

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ジシバリ
オオジシバリ

posted by hanaboro at 21:14| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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